性格診断を取り入れた研修とは?診断の種類・研修内容・進め方・注意点を解説

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この記事の監修者
株式会社motch me 取締役
石野 太一
同志社大学在学中に大学生向けクリエイティブスクールの立ち上げに携わる。25歳の時に「地頭を鍛える」をコンセプトに、謎解きやパズルを用いた学習塾「たいち数楽教室」を開塾し、延べ300名以上を指導。その後ベンチャー企業の一号社員として研修事業の責任者を務め、営業・コンテンツ開発から講師登壇までを担い、年間88回登壇した実績を持つ。「講師は現場を離れて講師だけをやっていてはいけない」をモットーに、現在はイベント制作会社の取締役として経営企画・人事に携わりながら、講師活動を続けている。

「性格診断を社員研修に取り入れたいけれど、どの診断を選び、結果をどう活用すればよいかわからない」と悩む研修担当者もいるのではないでしょうか。

性格診断は、自分の考え方や行動の傾向を振り返り、メンバー同士の違いを話し合うきっかけになります。本記事では、研修に活用できる診断の種類と対象者別の活用例、具体的な研修内容・進め方、結果を扱う際の注意点を解説します。

 

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性格診断を研修に取り入れる目的

性格診断を研修に取り入れる目的は、社員が自分と周囲の考え方・行動の違いを理解し、職場での関わり方を考えることです。

同じ仕事に取り組んでいても、判断する前に確認したいことや進めやすい方法は人によって異なります。普段の業務では、そうした違いを改めて話し合う機会が少なく、相手の行動を自分の基準で捉えてしまうこともあるでしょう。

性格診断を取り入れた研修では、診断結果を共通の手がかりにして、それぞれが仕事の場面を振り返ります。そのうえで、互いの考えを聞き、業務上のすれ違いにどう対応するかを考えます。診断によって人を分類するのではなく、対話を通じて職場で試す行動を見つけることが研修のねらいです。

 

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性格診断を研修に取り入れる3つのメリット

性格診断を研修に取り入れると、診断結果を手がかりに自分や周囲の人について考え、職場での関わり方を見直せます。ここでは、主なメリットを3つ紹介します。

自分の考え方や行動の傾向を振り返れる

性格診断を研修に取り入れると、自分の長所や苦手な場面を考え、普段の仕事の進め方を振り返るきっかけになるのがメリットです。普段は無意識に選んでいる仕事の進め方に対しても、どのような環境で力を発揮しやすいか、困ったときにどのような支援があると助かるかを言葉にしやすくなるでしょう。

診断結果を自身の経験と照らし合わせることで、性格傾向が仕事への取り組み方やストレスの感じ方にどう表れているかを考え、今後の行動を見直す材料にできます。

メンバー同士の違いを話し合うきっかけになる

研修で性格診断の結果や自身の経験をもとに話し合うことで、普段は表に出にくい考え方の違いに気づけるのもメリットです。たとえば、相手への印象と本人の自己認識が違った場合は、「なぜそう見えたのか」「実際はどう考えていたのか」を聞く機会になるでしょう。

日頃一緒に働くメンバーでも、何を優先して判断しているかまでは知らないことがあります。診断結果で相手を決めつけず、互いの考えを知るための対話に役立てることが大切です。

仕事の進め方やコミュニケーションを見直すきっかけになる

性格診断を取り入れた研修で得た気づきを、具体的な業務場面に結びつけられる点もメリットです。

たとえば仕事を依頼する際、背景から知りたい人もいれば、まず結論を聞きたい人もいます。研修による学びがあれば、相手が必要とする情報を確かめながら、伝え方を調整できるでしょう。会議でも発言前に考える時間を設けるなど、それぞれが参加しやすい進め方を話し合えます。

上司と部下の間でも、どんな説明や相談の仕方が助けになるかを確かめることが重要です。性格診断を取り入れた研修を機に「次の会議で何を変えるか」を決めておくと、気づきを日常業務で試しやすくなります。

研修に活用できる性格診断の例

性格診断や自己理解のためのツールには、それぞれ異なる視点があります。研修の目的に合わせ、参加者に何を振り返ってほしいかを考えて選びましょう。

ビッグファイブ|5つの特性から性格傾向を捉える

ビッグファイブは、性格を「外向性」「協調性」「誠実性」「神経症傾向」「開放性」の5つの特性から捉えるモデルです。人を特定のタイプに分けるのではなく、各特性がどの程度表れているかを連続的な傾向として見る性格診断のため、結果だけでその人の性格や能力を決めつけないことが大切です。

研修の実施時には、受講者に結果を自身の経験と照らし合わせ、仕事の進め方や対人場面での反応を振り返ってもらいます。会議で発言しやすい状況や、急な予定変更への向き合い方を考え、周囲にどのような働きかけを望むか言葉にしてもらうとよいでしょう。

互いの話を聞くことが、チーム内の違いを知り、協力の仕方を考えるきっかけになります。

関連記事:ビッグファイブ性格診断を研修で実施するには?メリット・ワーク例・注意点を解説 – あそぶ社員研修

エニアグラム|9つのタイプから行動の背景を考える

エニアグラムは、性格を9つのタイプから捉え、行動の背景にある動機や価値観に着目する考え方です。

研修では、診断結果をきっかけに「なぜその判断をしたのか」「どのような場面で意欲が高まるか」を振り返ってもらいます。結果に納得できる点や違和感のある点を自身の経験と照らし合わせるよう促すと、受講者が普段大切にしていることを言葉にしやすくなるでしょう。

同じ行動でも、本人が重視していることは異なります。慎重に確認してから仕事に着手する場合も、何を気にかけ、どのような情報を求めているかは人それぞれです。そうした行動の背景を受講者同士で聞き合う時間を設けることで、相手の考えを知るための対話につなげることが大切です。

関連記事:エニアグラム性格診断を社員研修に活用するには?ポイント・実施方法・注意点を解説 – あそぶ社員研修

MBTI|ものの見方や判断の傾向から自己理解を深める

MBTIは、ものの見方や判断の仕方など、本人が自然に用いている認知の傾向を手がかりに、自己理解を深めるメソッドです。

研修を実施する際には、受講者自身が何に注目して情報を集め、どう判断しているかを振り返れるようにしましょう。仕事上の行き違いを取り上げる際にも、自分と相手では何に着目していたかを考えるよう促すと、普段は意識していなかったものの見方に気づくきっかけになります。

なお、日本MBTI協会は、MBTIを単に性格を判定するテストとは位置づけていません。無料で受けられる「16Personalities」とも別のものであるため、混同しないよう注意が必要です。

参考:MBTIとはどういう検査なのですか? – 一般社団法人日本MBTI協会

DISC|行動傾向の違いからコミュニケーションを考える

DISCは、行動傾向を「主導」「感化」「安定」「慎重」の4つのスタイルから捉える手法です。

研修では、仕事を依頼するときや意見を交わすときに各自が重視することを振り返り、コミュニケーションの違いを話し合ってもらいます。受講者が診断結果を自身の経験と照らし合わせ、普段の伝え方が相手にどう届いていたかを考えられるよう、実際の仕事の場面を取り上げるとよいでしょう。

「まず結論を伝えてほしい」「判断の根拠を詳しく知りたい」など、仕事を進めるうえで助かる伝え方を共有するワークにも活用できます。話し合いを踏まえ、次の会議や業務依頼で試す工夫を1つ決めてもらうと、研修後の実践につながります。

エゴグラム|仕事中の考え方や行動の傾向を振り返る

エゴグラムは、自分の状態を「厳しい親」「優しい親」「冷静な大人」「無邪気な子ども」「従順な子ども」という5つの視点から、考え方や行動の傾向を捉える手法です。ビジネス版エゴグラムでは、仕事中の思考や行動に焦点を当て、現在の傾向を振り返れます。

研修を実施する際には、診断結果を確認するだけでなく、「後輩のミスにどう対応したか」「会議で意見が分かれたとき、どう振る舞ったか」など、具体的な経験と照らし合わせてもらいましょう。その際、自分の対応が相手にどう伝わったかも考えるよう促します。

結果に表れた傾向の長所と注意点を踏まえ、次に同じような場面があればどのような関わり方を試したいかを決めてもらうと、研修後の行動につなげやすくなります。

性格診断を取り入れた研修の内容と進め方

性格診断を研修に取り入れる際は、結果を確認するだけで終えず、仕事での経験を振り返り、職場で試す行動まで決めることが大切です。以下の手順を基本に、対象者や研修時間に合わせて内容を調整しましょう。

1.研修の目的を決め、診断を選ぶ

まず、現場で何が課題になっているかを上司や受講者への聞き取りなどで確認します。そのうえで、「新入社員が自分に合う相談の仕方を考える」「チーム内で仕事の進め方の違いを話し合う」など、研修後に期待する行動を決めましょう。目的が具体的であれば、必要なワークや振り返りの内容も定めやすくなります。

診断は知名度だけで選ばず、目的との相性、結果の読み解き方、実施に必要な時間や費用を確認することが大切です。診断を決めたら、実施日、回答方法、結果を誰が受け取るかまで整理し、受講者へ事前に案内します。

2.診断結果を確認し、自分の経験と照らし合わせる

研修当日は、診断の考え方と結果の見方を説明してから、各自で結果を確認する時間を設けます。続く個人ワークでは、「納得した点」「意外だった点」「その傾向が仕事で表れた場面」を書き出してもらいましょう。

性格診断の結果と実感が異なる場合もあるかもしれません。その場合、どちらが正しいかを決めるのではなく、「なぜ違って感じるのか」を考える材料にします。結果そのものよりも、本人が経験をどう捉えているかに目を向けられるよう促すことが大切です。

3.グループワークで仕事上の違いを話し合う

個人ワークの後は、3~4人程度のグループで、日常業務に関する共通の問いを話し合います。テーマは「急な依頼を受けたら最初に何を確認するか」「会議でどのような進め方なら意見を出しやすいか」など、受講者が経験を話せるものを選びましょう。

診断結果を見せ合うことを前提にせず、共有したい範囲で自分の考えや行動を伝えてもらうことが重要です。意見に違いが出たときは、進行役が「仕事のどんな場面で表れますか」「相手にはどう見えていたと思いますか」と問いかけます。

ワークの締めくくりとして、話し合いで分かったこと、業務で試せそうな工夫などについてグループごとにまとめると、意見交換を実際の行動につなげやすくなります。

4.職場で試す行動を決め、研修後に振り返る

研修の最後には、各自が職場で試す行動を1つ決め、シートに記入します。「次回の会議では議題を事前に共有する」「仕事を依頼されたら、着手前に目的と期限を確認する」のように、いつ・どの場面で・何をするかまで書いてもらうのがポイントです。振り返りの日程も案内しておくと、研修の学びを振り返りやすくなります。

研修後は、1か月後を目安に、受講者本人が「実行できたか」「相手の反応はどうだったか」「次は何を変えるか」を振り返ります。必要に応じて上司との面談でも取り上げれば、職場で試した結果を踏まえて行動を調整できるでしょう。

対象者別に見る性格診断研修の活用例

性格診断を研修に取り入れる際は、受講者が職場で直面する場面に合わせてワークを設計すると、学んだことを行動につなげやすくなります。ここでは、新入社員・チーム・管理職それぞれの活用例を紹介します。

新入社員研修|自分の仕事の進め方を考える

新入社員研修では、性格診断の結果をきっかけに、自分が取り組みやすい仕事の進め方や、困ったときの相談の仕方を考えます。

ワークの一例として、「指示を受けたらすぐ着手したいか、手順を整理してから始めたいか」「不明点はその場で聞きたいか、一度考えてから相談したいか」を、これまでの経験と照らし合わせて言葉にする方法があります。業務を依頼された場面を想定し、目的・期限の確認や相談の練習を行うと実践的です。

結果から「自分にはこの仕事が向いていない」と判断するのではなく、働き始めてから試したい工夫を見つける機会として活用する視点が求められます。

チーム研修|メンバー間のすれ違いを話し合う

チーム研修では、日頃の仕事で起きるすれ違いを題材にします。

たとえば、予定変更が生じたとき、変更の理由を先に確認したい人も、まず新しい期限を知りたい人もいます。過去に連絡が行き違った場面を振り返り、変更時に伝える情報や確認方法を話し合いましょう。

対話の後は、議題を事前に共有する、発言前に考える時間を設けるなど、チームで試す方法を決めましょう。診断結果は相手を説明しきるものとして扱わず、本人の言葉を聞くための手がかりとして活用します。

管理職研修|部下との関わり方を振り返る

管理職研修では、まず管理職自身が普段どのように指示やフィードバックをしているかを振り返ります。「自分には分かりやすい説明」を部下にも同じように伝えていないか、具体的な場面から考えるとよいでしょう。

部下との面談や業務指示を想定したロールプレイで、目的を先に伝える、確認の機会を設けるなど、伝え方の選択肢を試せます。部下の診断結果だけを見て接し方を決めるのではなく、本人がどのような説明を受けやすいか、どのような支援を望むかを直接確認することが重要です。

研修後は、一対一の面談などで試した関わり方を振り返り、必要に応じて調整しましょう。

性格診断を研修で扱う際の注意点

性格診断は、自分や相手について考えるきっかけになる一方で、結果の扱い方を誤れば決めつけや意図しない情報共有につながります。ここでは、性格診断を取り入れた研修を実施する前に確認しておきたいポイントをまとめます。

診断結果だけで性格や能力を決めつけない

性格診断の結果だけを見て、「このタイプだから対人業務は苦手」などと能力まで判断しないようにしましょう。同じ結果が出た人でも、経験や置かれた状況によって考え方や行動は異なります。

研修では、結果を本人の経験と照らし合わせ、どのような場面で傾向が表れるかを考える材料として扱います。進行役も、参加者の発言を性格タイプだけで説明せず、本人の考えに耳を傾けることが大切です。

結果の利用目的と共有範囲を事前に明確にする

研修の受講者には診断前に、「何のために実施するか」「結果を誰が閲覧し、何に使うか」を伝えましょう。結果を本人の振り返りにのみ使うのか、希望者がグループで共有するのかを決め、案内文にも記載します。

研修担当者や上司が個人の結果を受け取る必要があるかも、事前に検討が必要です。利用目的と共有範囲を明確にしておけば、受講者は結果がどう扱われるかを理解したうえで研修に参加できます。

本人の意思を尊重し、結果の開示を強制しない

診断結果は、本人の内面に関わる情報です。相互理解を目的とする研修でも、全員に公開する必要はありません。グループワークでは、「結果の一部だけ話す」「仕事での経験だけ話す」といった参加方法を用意しましょう。進行役には、ほかの参加者に開示を求めたり、本人のタイプを推測して発表したりしないよう伝えます。

結果を共有しない人も参加できるよう、話し合いに使う架空の事例やサンプルを用意しておくと、研修を進めやすくなります。

研修で得た結果を人事評価の判断に安易に使わない

自己理解のために受けた性格診断の結果を、そのまま評価や昇進、配置の判断材料に転用することは避けましょう。診断結果だけでは、業務に必要な能力や実績を判断できません。

研修担当者は評価担当者とも結果の利用範囲を確認し、事前に伝えた目的から外れて使われないようにします。タイプを理由に人を選別するのではなく、本人が仕事での行動を振り返り、今後の取り組み方を考えるための材料として活用しましょう。

まとめ

性格診断を取り入れた研修は、結果を通じて自分の考え方や行動を振り返り、メンバーとの違いを話し合う機会になります。ビッグファイブやエニアグラム、MBTI、DISC、エゴグラムなど、それぞれ着目する点は異なるため、研修の目的に合う方法を選びましょう。

研修の実施時は、個人ワークやグループワークを通じて、気づきを職場で試す行動につなげることが大切です。まずは職場の課題を整理し、研修後に受講者にどのような行動を期待するかを明確にしましょう。

 

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

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