合意形成とは?メリット・進め方・ポイント・対処法を紹介

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合意形成は、さまざまなビジネスシーンで必要ですが、「合意形成が何かよくわからない」「どうやって合意形成を図ればよいのかわからない」という場合もあるでしょう。

本記事では、合意形成の意味について例文を挙げながら詳しく説明し、その必要性や、合意形成の進め方・ポイント、具体的な研修サービスについて紹介します

 

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合意形成とは

合意形成とは、関係者同士の意見が食い違う場合、議論を通して意見の一致を図る過程のことです。チーム内はもちろん、上司と部下や顧客と営業など、さまざまなビジネスシーンで合意形成が求められます。

合意形成することで、お互いに納得のいく形で業務を進めることができます。また、お互いの合意のもとで意見や提案を決定するため、関係者全員が当事者意識を持てるようになります

【例文紹介】合意形成の使い方

合意形成は、簡単に言い換えると「意見を一致させること」といえます。例文をご紹介しましょう。

  • 今日のミーティングで合意形成を図る。
  • 私は周囲の意見を取り入れ、合意形成を取ることができる。
  • B案になるように合意形成を図る。

合意形成の同義語として考えられやすい言葉に「コンセンサス」があります。しかし、合意形成は「合意を得ようとしている過程のこと」を指しますが、コンセンサスは「すでに合意を得た状態のこと」であるため、混同しないように注意しましょう。

 

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合意形成の必要性

合意形成が求められる理由の1つには、現代の人材の多様化があります。企業において「人材」は大切な資源であり、さまざまな事情をもつ優秀な人材が能力を発揮しながら働けるよう、人材の多様化が推進されています。

しかし、人材の多様化が進むにつれ、意見や価値観が異なる人同士が共働する必要がでてきました。そのため、さまざまな仕事を円滑に進めるために、合意形成が欠かせないものになっています。

合意形成をしないまま仕事を進めると意見の衝突を生じ、トラブルを生じるリスクが高まります。せっかく時間をかけて会議や対話をしても、メンバーが内面で不満を抱えた状態では仕事が上手く進みません。そのため「合意形成のプロセスを踏んで仕事を進める」という意識を企業全体でもつことが大切です

合意形成のメリット

ここでは、合意形成のメリットについて紹介します。

有意義な会議になる

合意形成のプロセスを踏むことで、「会議をしたのに結局話がまとまらなかった」という事態を防ぎ、有意義な会議にすることができます。また、権力者の1人だけが発言するだけの一方的な会議も避けることが可能です。

さらに合意形成を行うことで、今までにないアイデアが生まれたり、良い結論を生み出せたりする可能性があります。関係者の意見の一致を図る合意形成は、会議を有意義なものにするカギといえるでしょう。

関係者全員が納得したうえで話を進められる

合意形成を行うと関係者全員が納得したうえで話を進められるというのが大きなメリットです。権力者が独断で進めると、関係者にしこりを残してしまい、関係悪化を招く危険性もありますが、さまざまな意見を取り入れて合意形成をした場合では、関係者全員が当事者意識をもつことができます

人間関係を良好に保てる

合意形成が必要な場面は、会議や対話のときのみではありません。顧客との日程調整やタスクの優先順位の調整など、さまざまなビジネスシーンに必要になります

合意形成を日常的に活用すれば、人間関係の摩擦を避け、仕事も円滑に進みます。人間関係を良好に保てるメリットがあります。

社外交渉にも効果的

合意形成は、社内の会議や対話だけでなく、取引先や顧客との交渉にも効果的です

合意形成は、関係者すべてが納得する解決策を見つける手法であるため、社外交渉の際に活用することで、顧客とWin-Winの関係性を築くことができ、ビジネスでの成果を最大限に発揮できるでしょう。

合意形成の進め方

合意形成はプロジェクトの進行や社内会議などをはじめとするさまざまなビジネスシーンで求められます。ここでは、実際の合意形成の進め方について、詳しく紹介しましょう。

1.目的を共有する

はじめに、会議やプロジェクトの目的を関係者全員に共有し、再確認しましょう。目的の共有は、関係者全員の認識に相違がないよう明確に言語化することが大切です。

目的は、抽象的であいまいにせずに具体的な形で伝えるようにしましょう。

2.メンバーの状況を確認する

次に、メンバーがどのような状況なのか、どんな意見があるのかを確認します。もちろん賛成意見だけでなく、反対意見も取り入れることが大切です。誘導的な質問は避け、オープンクエスチョン形式で質問するようにしましょう。

また多様な意見を出しやすくするために、事前にアイスブレイクを取り入れて、話しやすい雰囲気作りに取り組むのも効果的です。

3.目的を再確認する

さまざまな意見を把握したうえで、再度目的を確認します

意見が衝突しているメンバー同士であっても、最終的な目的は共通している場合があります。共通の目的を設定することで、衝突や対立をやわらげることが可能です。

4.アクションプランを選択する

直近で行う具体的な行動や計画についても合意形成を取り入れましょう。共通の目的が同じでも、短期的なアクションプランの合意が得られるとは限りません。

最終目的が共通していても短期的なアクションであっても合意形成がないことは、トラブルを生じるリスクにもなりえます。しっかりとプロセスに沿って合意形成を進めましょう。

5.合意事項と個々のアクションプランを確認・共有する

最後に、合意形成した事項と個々のアクションプランを共有します。決めたプランを実行するには、抽象的なプランになっていないか、メンバー同士でしっかりと合意を取れているかの確認が必要です。

合意形成をするときのポイント

合意形成を成功させるためには、いくつかポイントがあります。特にメンバー全員が意見を言い出しやすくなるための雰囲気作りは大切です。合意形成を実行する前に、以下のポイントを確認しておきましょう。

1.相手の意見を否定しない

合意形成をする際は「相手の意見を否定しない」ことが大切です。どんな意見でも、まずは相手を尊重して話に耳を傾けましょう。相手を尊重することが、合意形成を成功させるポイントの1つにもなります。

2.情報は関係者全員で共有する

市場調査やテーマ、プロジェクト、会議の目的、メンバーの意見などの情報は、関係者全員で共有しましょう。情報が欠けてしまうと、認識の違いが生まれる可能性があります。

メンバー同士で情報の伝え忘れがないか、確認し合うようにすると安心して進められます。

3.意見を言い出しやすい雰囲気作りをする

合意形成をする際は、「心理的安定性」を確保しましょう。心理的安定性は、メンバー全員が臆することなく意見交換し、互いに安心感を共有できている状態です。これがある場合は、パフォーマンスの向上や仕事へのストレス緩和など、多くのメリットをもたらします。心理的安定性を確保するために、アイスブレイクやディベート方式を取り入れるなどの工夫をしてみましょう。

心理的安全性については、以下の記事で詳しく紹介しています。

心理的安全性とは?作り方・高め方、計測方法、ぬるま湯組織との違いを解説

4.一致点と相違点を確認する

会議や対話をした際に出た意見は、一致点と相違点にまとめ、考えを把握しましょう

メンバーの意見の一致点と相違点をまとめることで「対立している原因」を明確にできます。具体的な解決策を出しやすくなり、合意形成が進めやすくなります。

合意形成が上手くいかないときの対処法

合意形成の進め方を守り、ポイントを押さえていても、上手くいかないときもあるでしょう。そんなときは焦らず、以下の対処法を試してみましょう。

1.個々の意見は違って当たり前と考える

そもそも、メンバーの個々の意見の食い違いはあって当たり前だということを前提にしましょう。むしろ、意見相違が生じるほど多くの意見が出るのは、活発な意見交換や活動が行われていることやオープンな関係性が築けている証拠です。

合意形成で大切なことは、意見の食い違いを解消していくことです。まずは関係者全員に意見の食い違いは当たり前であることを共有し、方向性の異なる意見を受け入れる環境を整えましょう。

メンバー間で出た意見は、一致点と相違点にまとめて、意見のすり合わせを試みます。意見のすり合わせ方法として有効なのは、意見が食い違っている原因を見つけ、その原因について双方が納得のいくまで話し合うことです。話し合いをする際は、相手の立場や背景を理解したうえで行うと良いでしょう。

また、進行役やファシリテーターなどの、中立な立場の社員を入れて話し合うのも一案です。

2.一方的にならないよう「問いかけ」をする

合意形成のプロセスで最も難しいのが、意見のすり合わせです。意見をすり合わせ段階では一方的にならずに「問いかけ」をしながら進めましょう

たとえば、新商品開発に関する会議において「A案ではコストがかかりすぎるため反対」だという意見が出たとします。このような場合「コストの問題が解決すれば賛成でしょうか?」「コストの問題以外は納得した案ですか?」といった問いかけをしましょう。

しかし「では、他にどの案が良いですか?」といった問いかけでは、議論が紛糾して逆効果になってしまいます。あくまでも「A案の商品開発を進める」にあたって、課題や問題点を解決する会議にするとスムーズに進むでしょう。意見をより分散させてしまう問いかけは、避けることが大切です。

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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2.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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3.交渉術・ネゴシエーション研修

交渉術・ネゴシエーション研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、利益を増やすことを目指し、自チームでの戦略構築や他チームとの交渉を行います。

学びのポイント

  • 配られた事業・資金・労働力などの資源だけで目的が達成できない場合に、他チームと交渉してそれらを手に入れるための交渉力を習得する
  • 他チームの情報を得てから相手にとって価値のあるものを提供し、自チームにとってさらに価値のあるものを引き出すことが求められる

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4.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

  • 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
  • ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

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まとめ

合意形成は、他社との意見が食い違うときに、議論を通じて意見の一致を図ることです。合意形成を進める際には、メンバーが活発に意見交換できるような雰囲気作りも大切です。また、メンバーの意見を否定しないことや緊張をやわらげる工夫をすることでスムーズかつ効果的な進行につながります。

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この記事の著者

藤 琴乃

フリーランスのWebライター。大学卒業後はバレエダンサーや法人営業、Web編集職、Webディレクター職を経験。記事作成に限らず、企画立案やオウンドメディアの立ち上げ、オンライン事務など幅広い仕事に携わっています。

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