チームビルディングにおける目標設定の重要性、達成のために必要な取り組みを解説

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この記事の監修者
株式会社motch me 取締役
石野 太一
同志社大学在学中に大学生向けクリエイティブスクールの立ち上げに携わる。25歳の時に「地頭を鍛える」をコンセプトに、謎解きやパズルを用いた学習塾「たいち数楽教室」を開塾し、延べ300名以上を指導。その後ベンチャー企業の一号社員として研修事業の責任者を務め、営業・コンテンツ開発から講師登壇までを担い、年間88回登壇した実績を持つ。「講師は現場を離れて講師だけをやっていてはいけない」をモットーに、現在はイベント制作会社の取締役として経営企画・人事に携わりながら、講師活動を続けている。

メンバーそれぞれが能力や個性を十分発揮し、全員で成果を上げられるようなチームを作る取り組み、またはそのプロセスを「チームビルディング」といいます。チームビルディングを成功させるために欠かせない要素の一つが、目標設定です。

本記事では、チームビルディングにおいて目標設定が重要な理由、目標設定がチームにもたらす変化、目標設定の代表的なフレームワーク「SMARTの法則」と、チームビルディングにつながる目標設定のステップ、設定した目標をチームで達成するために必要なことについて、詳しく解説します

 

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チームビルディングにおいて目標設定が重要な理由

チームビルディングとは、“グループをチームに変えること”と説明することができます。目標設定は、そのために欠かせない要素の一つなのです。

ここで、グループとチームの違いを確認しておきましょう。いずれも明確な定義があるわけではありませんが、以下のように整理されることが多いです。

  • グループ……人や物の集まり(集団)
  • チーム……お互いが強く結びついた人々の集まり(組織)

学校であれば同じ「クラス」、会社であれば「部署」「課」などは、どれだけメンバー同士の仲が良くても、チームになれているとは限りません。「プロジェクトチーム」という名称であっても、ただメンバーが集められただけの段階は、まだグループです。

グループがチームになるために必要なのが、共通の目的や目標です。同じ目的・目標の達成のために、コミュニケーションをとりながら協力し合える状態を作ることができれば、そのグループは「チームになった」といえるでしょう。

そのため、チームビルディングを成功させるためには、適切な目標を設定することが重要なのです。

 

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目標設定がチームにもたらす変化

では、なぜグループをチームに変えるためには目標設定が必要なのでしょうか。ここでは、目標を設定することでチームにもたらされるポジティブな変化について解説します。

チームの方向性が明確になる

たとえば、会社から営業部門に「売上〇〇万円アップ」という目標を与えられたとします。これを達成するためには、複数の手段や選択肢があるはずです。個人がそれぞれ良いと思う方法で目標達成に貢献するよりも、全員のベクトルを合わせて計画的に動くほうが、大きな成果が得やすくなります

「特にどの商品を売っていくか」「新規顧客・既存顧客どちらの営業に力を入れるか」「営業方法はどうするか(テレアポ・訪問など)」などを考えてチームの目標を立てることで、方向性が明確になり、全員で同じところに向かっていけるようになるでしょう。

また、仕事をする中で判断が求められる場面も多々あります。そのようなときにチームの方向性が明確になっていれば、素早く正確な判断と行動ができるでしょう。業務を円滑に進めるためにも、目標を定めておくことは重要なのです。

メンバーのモチベーションにつながる

明確な目標があると、メンバーのモチベーションも高まりやすくなります。

たとえば、「商品Aの売上を〇%アップさせる」というチームの目標を設定したとします。すると、商品Aを売ったときに、メンバーは「目標に貢献できた」という感覚を得ることができ、これがモチベーションにつながる可能性があります

また、数ある商品の中でも「特に商品Aの販売に力を入れる」ということを目標で示すことで、「〇〇さんは××個も売っていたから、私も頑張らなくては」などと、他のメンバーからポジティブな影響も受けやすくなるでしょう。

メンバーの主体性が高まる

明確な目標が設定されていると、メンバーは自分の役割や「何をするべきか」を理解できるようになります。その結果、上司から指示をもらわなくても、自分で考えて行動するようになることが期待できます。つまり、主体性が発揮されやすくなるのです。

そのためにも、目標は具体的なものとすることが重要です。「売上〇〇万円アップ」というゴールだけを示すのではなく、「商品Aを売る」「新規顧客に売る」など手段も付け加えて、チームの方向性がわかるように設定しましょう。

協働を促せる

能力の高いメンバーがいれば、目標によっては個人の力で達成できる可能性もあるでしょう。しかし、会社から与えられる目標が、個人の力では達成が難しいレベルである場合もあります。また、達成のために問題や課題をクリアしなければならないこともあるでしょう。そのような場合は、「全員で力を合わせる」ことが求められます。

チームの目標を設定し、方向性や考え方などの認識をそろえておくことで、協働する姿勢や意識が生まれやすくなります。全員が一致団結して、ゴールに向かっていけるようになるでしょう。協働することで相乗効果が生まれ、メンバーそれぞれが個人で取り組むよりも、チームとして高いパフォーマンスを発揮できるようになるはずです。

目標設定のフレームワーク「SMARTの法則」

目標設定の代表的なフレームワークに、「SMARTの法則」があります。SMART(スマート)は、以下の頭文字をとったものです。

Specific(具体的である)具体的にどのような状態をゴール(達成)とするのかがわかる内容になっているか。
Measurable(測定できる)目標の達成度合いを測定できるか、客観的に判断できるか。
Achievable(達成できる)目標が達成可能なものになっているか
Relevant(関連性のある)自社の事業やチームのメンバーと関連性があるか。
Time-bound(期限がある)明確な達成期限があるか。

必ずこの5つすべてを満たさなければならないというわけではありません。目標によっては測定できる指標を盛り込むことが難しかったり、目標設定の段階では明確な期限がわからなかったりすることもあるでしょう。

ただ、せっかく目標を設定しても、内容が曖昧だと、先ほどお伝えしたようなポジティブな変化は期待できません。「SMARTの法則」を活用することで、明確でわかりやすい目標を立てやすくなります。目標設定に慣れていない場合や、若いメンバーが多いチームの場合は、活用することをおすすめします。

なお、「SMARTの法則」の各要素や活用例、ポイントなどは以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

SMARTの法則とは?目標設定の方法や活用例・ポイントを解説

チームビルディングにつながる目標設定のステップ

チームの目標は、ただ設定さえしておけばよいというものでもありません。チームビルディングを成功させるためには、目標をどのように設定し、実行に移すかというのも重要なポイントです。

ここでは、チームビルディングにつながる目標設定のステップを5段階に分けて詳しく解説します。

1.チームのメンバーを集める

まずは、目標を設定するためにチームのメンバーを集めましょう。「目標はリーダーや上層部が決め、それをメンバーに伝えて実行してもらう」という形をとっている会社もあるかもしれませんが、目標はできるだけ、実行するメンバーと一緒に設定することをおすすめします。「上から与えられた目標」は、ただのノルマになってしまいやすいためです。

メンバーにも目標設定の段階からかかわってもらうことで、「これは自分たちの目標だ」という意識が生まれ、モチベーションや主体性を引き出しやすくなります。また、目標設定のために意見を出し合うことで、相互理解が促進され、チーム内に一体感を醸成できます。

最終的に決めるのはリーダーだとしても、メンバーで目標について話し合う機会を設けましょう。

2.明確でわかりやすい目標を設定する

次は、メンバーから出た意見を整理して、チームの目標を設定するステップです。

目標は「明確」で、かつ「わかりやすい」ものとすることが重要です。具体的にどのような状態がゴールなのか、そのために何をすればよいのかを、全員が同じように理解できる目標としましょう。

そのためには、できるだけ定量目標(数値で表せる目標)とすることが一つのポイントです。ただ、どうしても数値で表すのが難しい目標もあるでしょう。その場合は、〇×で達成を判断できるようにするなど、測定方法も検討しておくことが大切です。

メンバー全員で話し合って目標を設定できたら、リーダーはその目標が明確でわかりやすいものになっているか、先ほど紹介したフレームワーク「SMARTの法則」を使って確認しましょう。

3.目標に意味を持たせる

目標の「意味」とは、言い換えると「メリット」です。目標の達成は、会社にとってはもちろんメリットがあることですが、メンバーにとっても何らかのメリットがなければ、なかなかモチベーションは上がらないでしょう。メンバーの主体的な行動を促すためにも、目標を設定できたら、リーダーを中心に目標の意味付けを行うことも重要なステップです。

これには、「目的・目標の4観点」というフレームワークが役立ちます。株式会社原田教育研究所 代表取締役社長の原田隆史氏が考案したものであることから、「原田メソッド」とも呼ばれています。「自分 / 社会・他者」「有形 / 無形」の2つの軸を置き、4つの観点から目的や目標のメリットを考えるというものです。

〈例〉

【自分×有形】

・給料やボーナスが上がる

・スキルアップできる

【社会・他者×有形】

・チームが表彰される

・部門の利益が上がる

【自分×無形】

・達成感が得られる

・自分に自信がつく

【社会・他者×無形】

・給料が上がれば家族が喜ぶ

・業界を盛り上げられる

これを書き出すことで、多くのメリットが感じられ、モチベーション高く仕事に取り組めるようになるでしょう。

4.目標達成のために必要なことを考える

次に、目標達成に向けて具体的な方針や施策を検討します。施策の洗い出しには、KPIツリーやマンダラチャートなどのフレームワークが役立ちます。

〈施策の洗い出しに役立つフレームワーク〉

KPIツリー

目標を頂点に置き、その達成に必要な要素(KPI)をツリー状に整理するフレームワークです。KPIも目標と同様に、達成度合いを判断できるよう定量的なものとします。

マンダラチャート

9×9(計81)のマス目の中央に目標を置き、その周りに達成に必要な要素を書き込んでいくフレームワークです。視覚的に整理することで、全体像を把握しやすくなります。

このようなフレームワークを使って施策を洗い出し、整理することで、振り返りや改善も行いやすくなります。

5.役割を決め、実行する

目標達成に向けた施策を洗い出せたら、誰が何をするのかを話し合いにより決めていきます。一人ひとりの役割を明確にすることで、目標が自分ごとに感じられ、責任感も生まれやすくなるでしょう。また、チームを成長させるためには、チームの目標だけでなく個人の目標を設定することも求められます。適切な目標を設定するためにも、役割を明確にしておくことは重要です。

反対に、役割を決めておかないと、同じ顧客を複数回訪問するなどのロスやトラブルも発生しやすくなります。効率が悪いだけでなく、会社の信頼を落とすことにもつながりかねません。スムーズに業務を進めるためにも、きちんと役割分担をして計画的に実行していきましょう。

チームで目標を達成するために必要なこと

最後に、チームビルディングの成功と目標達成のために必要な3つのことを解説します。

振り返りと改善

目標を設定し、達成に向けて取り組みをスタートさせたら、定期的に振り返りの機会を設けましょう。予定通りに進んでいるか、現在までにどの程度達成できているか、問題は起きていないかなどを確認し、必要に応じて改善を加えます。目標を達成するためには、PDCAを回しながら進めていくことがポイントです

また、先ほど目標に意味を持たせることが重要であるとお伝えしました。目標設定の段階では意味を感じられたとしても、業務に追われていると、意味を見失ってしまうこともあります。改めて目標本来の意味や自分たちにとってのメリットを確認するためにも、定期的に取り組みを振り返り、意見を交わす機会を設けることは重要です。

信頼関係の構築

全員で目標を達成するためには、メンバー同士の信頼関係が欠かせません。さまざまな要素を考慮して目標達成に向けて計画を立てても、最後まで完璧に計画通りに進むことはそう多くないでしょう。小さなミスをしてしまったり、予期せぬトラブルが発生したりするものです。そのようなときにも、メンバー同士の信頼関係が構築されていれば、「チーム全体の課題」として、全員で協力して乗り越えられるでしょう

そのために、特にリーダーには、日頃からメンバー同士のコミュニケーションを支援し、チーム内の心理的安全性を高めることが求められます。具体的には、以下のようなことを意識してみるとよいでしょう。

  • リーダーのほうから積極的に声かけをする。
  • ポジティブなフィードバックを与える(褒める・認める)。
  • 話し合いの場では、発言の機会が偏らないように配慮する。
  • メンバーにも意見を求める。
  • 相互理解を深める機会を作る(チームビルディングゲームやワーク、食事会 など)。

また、リーダーが自身のコミュニケーションスキルを磨くことも重要です。

「過程」を評価する文化の醸成

目標やその達成に向けたKPIは、できるだけ定量的なものとすることが望ましいとお伝えしました。しかし、それらの達成度合いばかりを重視すると、メンバーがプレッシャーを感じてしまう恐れがあります。また、「成果さえ上げればよい」と考えるようになり、チームの輪が乱れてしまうこともあるかもしれません。

良いチームを作るためには、結果だけでなくそこに至るまでの過程を評価する文化を醸成することも重要です。そのために、リーダーにはメンバーに対して質の高いフィードバックをすることが求められます。小さな行動や仕事に対する姿勢なども、しっかり見ている・評価していることを伝えることで、メンバーのモチベーションも高まりやすくなるでしょう。リーダーとメンバーで定期的に1on1を実施する、長期間のプロジェクトであれば中間面談を実施するなどして、コミュニケーションとフィードバックの機会を設けることをおすすめします。

まとめ

目標設定は、グループをチームに変えるために大切な要素の一つです。具体的でわかりやすい目標を設定することで、チームの方向性が明確になり、全員で一丸となって達成に向けて取り組めるようになります。メンバーからモチベーションや主体性も引き出しやすくなるでしょう。

ただ、チームビルディングの成功と目標達成のためには、目標設定のプロセスと設定後の働きかけも重要です。本記事で紹介した内容も参考にしていただきながら、一度現在のチームの目標やチーム運営のスタイルを見直してみてはいかがでしょうか。

また、全員で目標を達成できる強いチームを作るためには、リーダーがリーダーシップを発揮し、メンバーをまとめ率いていくことが欠かせません。リーダーに求められる具体的な役割や行動は以下の記事でも解説していますので、こちらも参考にしてください。

チームビルディングにおけるリーダーの役割、求められるスキル・行動とは

 

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

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