新入社員研修でコミュニケーションを活性化する方法10選|選び方・発言を促す工夫・配属後へのつなげ方も解説
- 研修ノウハウ
- 研修

新入社員研修でコミュニケーションを活性化するには、受講者同士が質問や意見交換をしながら学べる機会を設けることが大切です。単に会話を増やすだけでなく、配属後の仕事で必要なコミュニケーションを練習できる活動も求められます。
しかし、グループワークを取り入れても、一部の受講者に発言が偏ったり活動が盛り上がるだけで終わったりすることがあります。
本記事では、新入社員研修でコミュニケーションを活性化する方法10選とあわせて、自社の課題に合う方法の選び方や話し合いが進まないときの対応、配属後の実践につなげる工夫を紹介します。
新入社員研修は、社会人としての土台と同期のつながりを同時に築ける貴重な機会です。あそぶ社員研修の新入社員研修プログラムは、体験型アクティビティを通じて、学びと一体感の両方を実現します。
新入社員研修でコミュニケーションを活性化する目的
新入社員研修でコミュニケーションを活性化する目的は、受講者同士の交流を促して相互理解を深めることと、配属後の仕事で必要なコミュニケーションを練習することです。
例えば、ペアで意見を交換する活動は、相手の考えや価値観を知る機会になります。また、業務を想定したグループワークやロールプレイングでは、指示の不明点を質問する、進捗を報告する、必要な情報を共有するといった行動を練習できます。
そのため、研修中の会話が盛り上がったかどうかだけでなく、受講者同士にどのような交流を促し、仕事で必要な行動につなげたいのかを明確にすることが大切です。
「そもそもチームビルディングとは?」「何から進めればいい?」という方のために、基本の考え方からチームづくりの5段階、すぐ使えるフレームワーク15選までを1冊にまとめた入門ガイドをご用意しました。
新入社員研修でコミュニケーションを活性化する方法10選
新入社員研修では、受講者同士の交流を促す活動から、質問・傾聴・情報共有・合意形成などを練習する活動まで、さまざまな方法を取り入れられます。ここでは、コミュニケーションを活性化する10の方法について、期待できる効果や具体的な進め方を解説します。
1.ペアインタビューで質問と相互理解を促す
ペアインタビューは、2人組で互いに質問し合い、相手についてほかの受講者に紹介する方法です。初対面の受講者同士が交流するきっかけとなり、相手の考えを知ることで相互理解を深めることが期待できます。また、質問の仕方や聞き取った内容を整理して伝える練習にもなります。
まず、「仕事で挑戦したいこと」「困ったときに相談してほしいこと」など、質問項目を3つ程度用意しましょう。ペアになって交互に質問し、相手の回答をメモしたら、本人に内容を確認したうえで、ほかの受講者へ紹介します。
振り返りでは、「相手の考えを理解するためにどのような質問をしたか」「紹介した内容は本人の意図と合っていたか」を確認します。プライベートな質問を強制せず、仕事に関する話題を中心に設定するとよいでしょう。
2.個人思考とペア対話で意見交換を促す
個人思考とペア対話を組み合わせる方法は、「個人で考える→ペアで話す→全体で共有する」の順番で進める活動です。スタンフォード大学でも少人数での学習活動の1つとして紹介されています。発言する前に自分の考えを整理できるほか、意見交換を通じて異なる視点に気づく機会にもなります。
例えば、「上司から『早めに対応して』と言われたら、何を確認しますか」と問いを提示し、まず1~2分程度、各自で考えをメモします。次に3~5分程度ペアで意見とその理由を伝え合い、最後に話し合った内容を全体へ共有しましょう。
活動後は、「相手の意見を聞いて新たに気づいたことは何か」を振り返ります。全体での発言を求める前に個人思考とペア対話の時間を設けることで、発言にためらいがある受講者も参加しやすい進め方を検討できます。
参考:Small group activities|Leland Stanford Junior University
3.順番に発言する話し合いで意見交換を促す
順番に発言する話し合いは、グループ内で1人ずつ意見を共有する方法です。スタンフォード大学でも、少人数で意見を交わすための学習活動の1つとして紹介されています。新入社員研修に取り入れることで、一部の受講者に発言が集中するのを防ぎ、それぞれが自分の考えを伝える機会を設けられます。また、ほかの受講者の意見を聞き、異なる考え方に触れる機会にもなるでしょう。
まず、「上司に相談するとき、最初に何を伝えるか」などのテーマを提示し、各自で考える時間を設けます。その後、3~5人程度のグループで順番を決め、1人30秒~1分を目安に意見を共有しましょう。一巡したら、気になった意見について自由に質問し合う時間を設けます。
振り返りでは、「自分と異なる意見にはどのようなものがあったか」「相手の考えを理解するために何を質問したか」を確認します。発言が負担になる受講者にはメモを見ながら話すことも認め、無理に発言を強制しないよう配慮します。
参考:Small group activities|Leland Stanford Junior University
4.相手の話を聞き、要点を伝え返す
2人組で相手の話を聞き、その内容を自分の言葉で伝え返す方法です。相手の話を最後まで聞くことや理解した内容を確認する練習になり、認識のずれに気づく機会にもなります。
まず、話し手が「研修で印象に残ったこと」などのテーマについて説明しましょう。聞き手は途中で話を遮らず、最後に「つまり、〇〇ということですか」と要点をまとめて伝えます。話し手に認識が合っているかを確認し、違いがあれば追加で質問したら、役割を交代して同じ流れを繰り返します。
振り返りでは、「相手の話を理解するために工夫したこと」「要点を伝え返したことで認識のずれに気づいた場面」を確認しましょう。配属後も、上司からの指示や同僚からの相談内容を正しく理解するための練習として活用できます。
5.業務指示の不明点を洗い出して質問する
業務指示に含まれていない情報を洗い出し、必要な質問を考える方法です。受講者同士で確認事項を出し合うことで、異なる着眼点を共有する機会になります。また、何を確認すべきか整理する練習となり、配属後に曖昧な指示を受けた際の質問や確認につなげられます。
まず、「来週までに資料をまとめてください」といった指示を提示し、各自で不明点を考えましょう。その後、グループで質問を出し合い、「誰に向けた資料か」「具体的な提出期限はいつか」「どのような形式で作成するか」などを整理します。質問が出そろったら、作業を始める前に確認すべき項目を選び、質問する順番を考えましょう。
最後に、講師が上司役となって各グループからの質問を受けます。活動後は、ほかの受講者の意見によって新たに気づいた不明点や業務に必要な情報を確認できたかを振り返ります。
6.分担した情報を共有して課題を解決する
受講者がそれぞれ異なる情報を持ち寄り、協力して課題を解決する方法です。情報を共有しなければ課題を進められないため、受講者同士が説明したり分からないことを質問したりする機会をつくれます。また、相手に伝わるように説明し、認識をすり合わせる練習にもなるでしょう。
このような活動には、教育分野で使われる「ジグソー法」という手法があります。まず、1つの課題を複数の情報に分け、各受講者に担当を割り当てます。同じ情報を担当する受講者同士で内容を確認した後、異なる情報の担当者が集まるグループをつくり、それぞれが説明しましょう。
例えば、取引先からの依頼内容・納期・注意事項を分担し、全員の情報をもとに対応方針を話し合う活動が考えられます。
振り返りでは、「必要な情報を相手に伝えられたか」「説明が分からないときに質問できたか」を確認します。配属後の仕事でも、チーム内で情報を共有し、認識を合わせながら業務を進める場面につなげられます。
参考:The Jigsaw Classroom|Social Psychology Network
7.業務ロールプレイングで報連相を実践する
業務ロールプレイングは、実際の仕事で起こりそうな場面を設定し、役割を分担して会話を練習する方法です。受講者同士で質問や相談を交わす機会を設けながら、報告内容の整理や相手に伝わる説明の仕方を練習できます。
例えば、「上司から期限が曖昧な仕事を依頼された」「作業が予定より遅れそうになった」といった場面を設定します。受講者を新人役・上司役・観察役の3人に分け、新人役と上司役が実際に会話をしましょう。観察役は、不明点を質問できたか、状況を整理して伝えられたかなどを確認します。
実演後は観察した行動をもとに意見を交換し、役割を交代しましょう。振り返りでは、「質問したことで不明点を解消できたか」「報告内容は相手に伝わったか」を確認すると、配属後に改善したい行動を具体化できます。
8.合意形成を通じて意見交換を促す
合意形成を通じて意見交換を促す活動は、受講者がそれぞれの意見と理由を伝え合い、グループとして1つの結論を導く方法です。意見が異なる場合でも、相手の考えを聞き、判断基準をすり合わせながら話し合う機会をつくれます。
例えば、「限られた準備時間で、どの作業を優先するか」という課題を提示しましょう。まず各自で優先順位を考え、その理由をグループ内で共有します。次に、期限や業務への影響など、何を基準に判断するかを話し合い、全員が納得できる結論を目指します。
講師は、すぐに多数決で決めるのではなく、「異なる意見が出た理由は何か」「どのような基準なら合意できるか」と受講者に問いかけましょう。終了後は、相手の意見をどのように取り入れたかを振り返り、配属後の会議や共同作業につなげます。
9.相互フィードバックで意見を伝え合う
相互フィードバックは、活動中に見られた相手の行動について、よかった点や改善点を伝え合う方法です。受講者同士が意見を交わすことで、自分の考えを伝えたり相手の意見を受け止めたりする機会をつくれます。
フィードバックの伝え方として、リーダー育成を専門とするCenter for Creative Leadership(CCL)は、「状況・行動・影響」の3点を整理して伝えるSBIモデルを紹介しています。
新入社員研修でもこの考え方を取り入れ、まずペア対話やグループワークを実施した後、互いの行動について意見を伝え合いましょう。例えば、「話し合いのときに最後まで話を聞いてくれたので、自分の考えを伝えやすかったです」といった伝え方です。受け取る側は、分かりにくかった点について質問し、相手と認識をすり合わせます。
振り返りでは、具体的な行動を挙げて伝えられたか、相手の意見を最後まで聞けたかを話し合いましょう。性格や能力ではなく、実際に観察できた行動を取り上げることがポイントです。
参考:SBI Feedback Model & Talent Development Conversations|Center for Creative Leadership
10.チームで取り組むゲームで情報共有や役割分担を促す
チームで協力して課題に取り組むゲームは、受講者同士の会話や情報共有を促す方法です。共通の目標に向かって相談したり役割を分担したりする機会を設けられます。また、楽しみながら交流できるため、初対面の受講者同士が会話するきっかけにもなります。
例えば、制限時間内にチームで謎を解くゲームでは、各自が見つけた手がかりを共有し、解き方を話し合いながら進めましょう。講師は発言が一部の受講者に偏っていないか、メンバー同士で協力できているかを観察し、必要に応じて声かけを行います。
終了後は、「どのように情報を共有したか」「役割分担はどのように決めたか」を振り返ります。ゲーム中の行動を仕事に置き換え、チームで業務を進める際に生かせる工夫を考えることが大切です。
ゲームの選び方や研修への取り入れ方については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:コミュニケーション研修にゲームを取り入れる方法|効果・選び方・設計・振り返りを解説
自社に合うコミュニケーションを活性化する方法の選び方
10種類の方法をすべて取り入れる必要はありません。自社の課題や研修で増やしたい行動に応じて、適切な方法を選ぶことが大切です。ここでは、現場の課題の整理、目標行動に合う方法の選定、実施条件の確認という3つの視点から解説します。
研修で解決したいコミュニケーションの課題を整理する
まずは、新入社員研修でどのようなコミュニケーションを促したいのか、現状の課題を整理します。
例えば、「初対面の受講者同士で会話が生まれにくい」「グループワークで一部の受講者しか発言しない」といった課題が考えられます。また、過去の新入社員について配属先の上司やOJT担当者に聞き取り、「不明点を質問できない」「相談する前に状況を整理できない」など、実務での課題を把握することも有効です。
同じ「発言が少ない」という課題でも、話すきっかけがないのか、考える時間が不足しているのか、質問の仕方が分からないのかによって適した方法は異なります。表面的な発言量だけでなく、その背景まで整理したうえで、研修で改善を目指す課題を明確にしましょう。
課題に合うコミュニケーション活性化方法を選ぶ
課題を整理したら、研修で促したい行動に合う方法を選びます。「積極性を高める」といった抽象的な目標ではなく、「自分の意見を伝える」「不明点を質問する」など、具体的な行動に置き換えることがポイントです。
以下の表に、主な課題と適した方法の組み合わせをまとめました。
| 研修で解決したい課題 | おすすめの方法 |
| 初対面の受講者同士で会話が生まれにくい | ペアインタビュー、チームで取り組むゲーム |
| 一部の受講者に発言が偏っている | 個人思考とペア対話、順番に発言する話し合い |
| 相手の話を十分に理解できない | 相手の話を聞き、要点を伝え返す |
| 不明点があっても質問できない | 業務指示の不明点を洗い出して質問する |
| 必要な情報を共有できない | 分担した情報を共有して課題を解決する |
| 報告や相談の仕方が分からない | 業務ロールプレイング |
| 意見が異なると話し合いが進まない | 合意形成を目的とした話し合い |
| 相手に意見や改善点を伝えにくい | 相互フィードバック |
方法を選ぶ際は、受講者全員が目的とする行動を実践できるかも確認しましょう。例えば、発言機会を増やしたい場合は、代表者だけが発表する活動よりも、ペアや少人数で一人ひとりが話せる活動が適しています。
人数・時間・準備体制を踏まえて絞り込む
研修の目的に合う方法を選んだら、受講者数や研修時間、講師の人数、必要な資料などを確認します。方法によって準備や進行の負担が異なるため、実施条件を踏まえて最終的に絞り込みましょう。
ペア対話は比較的少ない準備で取り入れられますが、情報を分担して課題を解決する活動では、担当ごとの資料やグループを組み替える時間が必要です。業務ロールプレイングを実施する場合は、場面設定に加え、受講者の行動を振り返るための観察項目も用意します。
カリフォルニア大学サンディエゴ校も、職場研修の設計に関するガイドで、教材の準備や会場・機材の手配などを挙げています。活動そのものだけでなく、準備や運営に必要な条件まで考慮することが大切です。
研修時間が限られている場合は、複数の方法を詰め込まず、優先度の高い行動を練習できる活動に絞ります。受講者同士の意見交換や振り返りに十分な時間を確保できるかも、選定時に確認しましょう。
参考:How to Design Training|University of California, San Diego
研修中に発言が少ない・話し合いが進まないときの対応
コミュニケーションを促す活動を取り入れても、受講者から意見が出なかったり、話し合いが進まなかったりすることがあります。ここでは、研修中によくある3つの状況と、その場でできる対応を解説します。
沈黙が続く場合は問いを具体化する
受講者から意見が出ない場合は、質問を具体的にしてみましょう。例えば、「よいコミュニケーションとは何ですか」と尋ねる代わりに、「上司から期限が曖昧な指示を受けたら、何を確認しますか」と場面を示します。
すぐに発言を求めず、1分程度考えをメモしてからペアで共有する方法も有効です。沈黙を意欲の低さと決めつけず、問いの出し方や考える時間を調整しましょう。
特定の人だけが話す場合は発言機会を分ける
一部の受講者に発言が偏っている場合は、全員が意見を伝えられるように進め方を変えましょう。具体的には、大人数での話し合いを少人数のグループに分けたり、順番に意見を共有する時間を設けたりします。「まだ出ていない視点はありますか」と問いかけるのもよいでしょう。
発言していない人を突然指名するのではなく、考えを整理する時間を確保し、無理なく参加できる環境を整えることが大切です。
話し合いが脱線した場合は目的に戻す
話し合いが本来のテーマから外れた場合は、講師が目的を示し、考えるべき内容を整理します。
例えば、「今回決めるのは、どの作業を優先するかでしたね」と確認し、判断基準や検討すべき項目をホワイトボードに書き出しましょう。
受講者の発言を一方的に遮るのではなく、出された意見を受け止めながら、話し合いの方向を調整します。
研修中のコミュニケーションを配属後の仕事につなげる方法
研修中に活発な意見交換ができても、配属後の仕事で同じ行動を実践できるとは限りません。ここでは、研修での学びを実務につなげるための振り返りと、配属先との連携について解説します。
研修でできた行動を振り返り、実践目標を決める
研修終了後は、受講者がどのようなコミュニケーションを実践できたか振り返ります。「不明点を質問できたか」「相手の説明を聞いて認識を確かめられたか」など、研修前に設定した目標に沿って振り返ることが大切です。
そのうえで、配属後に実践する行動を具体化します。例えば、「積極的に質問する」ではなく、「上司から指示を受けたら、着手前に期限と完成イメージを確認する」と設定しましょう。研修での経験を、実際の仕事でいつ・どのように生かすかまで考えることで、行動につなげやすくなります。
配属先の上司やOJT担当者と連携する
研修で設定した実践目標は、配属先の上司やOJT担当者にも共有しましょう。本人が何を練習したのかを伝えることで、職場でも実践する機会を設けやすくなります。
例えば、指示内容を確認することを目標にした場合、上司からも「期限や進め方で分からないことはありますか」と声をかけます。
一定期間が経過したら、目標とした行動を実践できているかを振り返り、必要に応じて支援方法を見直しましょう。新入社員本人の努力だけに任せず、質問や相談がしやすい職場環境を整えることも重要です。
まとめ
新入社員研修でコミュニケーションを活性化するには、受講者同士の交流を促すだけでなく、質問・傾聴・情報共有などを実践できる機会を設けることが大切です。
紹介した10種類の方法から自社の課題に合うものを選び、発言しやすい進行や振り返りを取り入れましょう。研修後も配属先と連携し、学んだ行動を仕事で実践できるように支援することが重要です。
研修の企画や運営を自社だけで行うことが難しい場合は、外部の研修プログラムを活用する方法もあります。株式会社IKUSAの「あそぶ社員研修」では、謎解きゲームと講義・ワークを組み合わせた研修を提供しています。自社の課題や研修目的に合ったプログラムを選ぶために、外部研修の活用も検討してみましょう。
受け身の研修では、新入社員の行動は変わりません。「あそぶ社員研修」では、Z世代が思わず本気になる仕掛けで、社会人基礎力を楽しく身につけられる新入社員研修をご用意しています。 「どの研修が自社に合うかわからない」という方は、お気軽にご相談ください。目的やご予算に合わせて最適なプログラムをご提案します。
この記事の著者
あそぶ社員研修は、企業の研修担当者向けのお役立ち情報を発信するメディアです。研修に関するノウハウ、組織・人材開発の手法、ビジネススキルなどをわかりやすく紹介します。






