【例文付き】ポジティブフィードバックとは?やり方やポイントを解説
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部下の成長やチームの活性化のために、上司には部下にフィードバックを与えるという役割があります。部下を持つ人に、特に積極的に活用していただきたいのがポジティブフィードバックです。
本記事では、ポジティブフィードバックとはどのようなものか、やり方や例文、ポイントを解説します。さらに、後半では株式会社IKUSAが実施した調査結果をもとに、評価面談におけるフィードバックの実態も紹介します。
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ポジティブフィードバックとは?
ビジネスにおけるフィードバックとは、業務改善や相手の成長のために、言動や結果に対して評価やアドバイスを伝えることです。フィードバックの中でも「よかったところ」や「強み」に注目し、肯定的な言葉で伝えるものを、ポジティブフィードバックといいます。
評価面談や1on1といった場で行うものだけでなく、日常のポジティブな声掛け(褒める、感謝する など)も、ポジティブフィードバックに含まれます。
【例文で比較】ポジティブフィードバックとネガティブフィードバックの違い
ネガティブフィードバックは、ポジティブフィードバックの逆で、「よくなかったところ」や「課題」に注目し、否定的な言葉で伝えるフィードバックを指します。
たとえば、新入社員に会議の議事録作成を依頼したとします。
- 議事録の作成は初めてだったが、とてもわかりやすくまとめられていた。
- 提出は期限を少し過ぎてしまった。
この状況におけるポジティブフィードバックとネガティブフィードバックの例文は以下の通りです。
| ポジティブフィードバック | 議事録作成が初めてにもかかわらず、要点がとてもわかりやすくまとめられており読みやすかったです。この質を維持しながら、次回は期限内に提出できるよう頑張ってみてください。 |
| ネガティブフィードバック | 中身はよいですが、ビジネスの基本である期限を守れないのは問題です。初めての作業で時間がかかったかもしれませんが、次回は期限内の提出をお願いします。 |
ネガティブフィードバックが悪いというわけではありません。伝える内容は同じでも、伝え方によって受け止め方が大きく変わりますので、状況や相手に合わせて使い分けることが重要です。
ポジティブフィードバックの効果
ポジティブフィードバックにより期待できる主な効果は、以下の通りです。
- 部下と信頼関係を築きやすくなる
- 部下の成長を加速させる
- 部下のモチベーションが高まる
- チームの心理的安全性が高まる
上司が部下一人ひとりに対し、適切なポジティブフィードバックを行うことで、チーム全体のパフォーマンスや生産性も向上する可能性があります。
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ポジティブフィードバックのやり方
では、ポジティブフィードバックでは何を、どのように伝えればよいのでしょうか。ここでは、ポジティブフィードバックで伝える3つのことと、改善点の伝え方を紹介します。
ポジティブフィードバックで伝える3つのこと
ポジティブフィードバックでは、「具体的に何がよかったのか」「もたらされた結果・影響」「今後の期待」の3つをわかりやすく伝えることが大切です。
具体的に何がよかったのか
「さすがですね」「よくやってくれました」「すごいですね」などの言葉だけでは、部下はどの部分を評価してもらえたのか理解できません。よかった部分を継続し、より伸ばしていってもらうためにも、「具体的に何がよかったのか」を明確に伝えることが重要です。
「〇〇の状況で、××と発言していたのが素晴らしかった」「〇〇の場面で、素早く××の行動をとれていたことがさすがでした」というように具体的に伝えることで、部下は自分の長所や強みを把握しやすくなります。
もたらされた結果・影響
ポジティブフィードバックでは、「具体的に何がよかったのか」と合わせて、それによりもたらされた結果や影響も伝えましょう。たとえば、「おかげでチームが目標を達成できた」「全体のモチベーションが上がった」などです。これを伝えることで、部下は組織やチームに「貢献できた」という感覚が得られます。自己効力感が向上し、仕事に対するモチベーションを引き出しやすくなります。
今後の期待
今後の期待を伝える一言を添えると、より効果的です。期待を伝えることで、モチベーションが高まりやすくなるだけでなく、実際に成果も出やすくなるといわれています。
※他者から期待されることで、その通りの成果を出しやすくなる心理的効果を「ピグマリオン効果」といいます。
改善点は「サンドイッチ型」で伝える
部下の成長のためには、ネガティブな部分を指摘しなければならないこともあるでしょう。ネガティブな部分は、「ここがよくなかった」「それではダメだ」とストレートに伝えると、相手が委縮してしまう可能性があります。また、指摘だけでなく「どうすればよくなるのか」まで伝えることが大切です。
そして、改善点を伝えるときはポジティブな内容で挟むと、部下としても素直に受け止めやすくなります(ポジティブな内容 → 改善点 → ポジティブな内容)。この伝え方は「サンドイッチ型」と呼ばれる、フィードバックのフレームワークの一つです。この例文は、次項の「改善点を伝えたいとき」を参照ください。
ポジティブフィードバックの例文
次に、前項で紹介したポイントを押さえたポジティブフィードバックの例文を紹介します。
発言や姿勢を評価するとき
先日の会議では、なかなか意見が出ず沈黙が続く中で、〇〇さんが「××××」と発言してくれましたね。あの発言で会議の流れが変わり、意見交換が活発になったように感じました。本当に助かりました、ありがとうございます。
〇〇さんには、これからもまわりをリードしていってもらいたいです。よろしくお願いします。
作成した資料を評価するとき
〇〇さんが作ってくれたこの資料、××のデータを盛り込んでいただいたことで、非常に説得力があるものになっていました。おかげで、無事に契約をとることができました。
いつも丁寧に仕上げてくださりありがとうございます。これからも積極的に工夫していただければと思います。
成長を評価するとき
前回一緒に顧客訪問をしたときよりも、よい提案ができるようになりましたね。特に××××をしっかりアピールできたのは素晴らしかったです。サービスのことをよく勉強してくれていることがわかりました。
そろそろ独り立ちできそうですね。その調子で引き続きよろしくお願いします。
改善点を伝えたいとき
先日いただいた企画書を拝見しました。これまでにないアイデアで、とてもよいと思います。細かいところまでリサーチしていただいたことも感じました。
ただ、情報量が多いため伝えたいことがややわかりにくい印象です。もう少しターゲットを絞って情報を整理すると、よりよい企画書になるのではないかと思いました。
企画自体はとても素晴らしいです。ぜひ実現させましょう。
ポジティブフィードバックのポイント
次に、ポジティブフィードバックを効果的に行うためのポイントを解説します。
部下をよく観察する
ポジティブフィードバックを行うためには、まず部下のよいところを見つける必要があります。普段から、発言や行動、仕事に取り組む姿勢などをよく観察しましょう。
そして、先ほどお伝えしたように、ポジティブフィードバックでは「具体的に何がよかったのか」、それにより「もたらされた結果・影響」をわかりやすく伝えることが求められます。この点を意識して部下を観察できるようになると、ポジティブフィードバックがスムーズに行えるようになるでしょう。
「SBIモデル」というフレームワークを、部下の観察やフィードバックの際に活用するのもおすすめです。以下は、このフレームワークを活用した場合のポジティブフィードバックの例文です。
- Situation(状況):昨日の社内ミーティングで、
- Behavior(行動):〇〇さんがこの部分を指摘してくれたことで、
- Impact(影響):見落としていたリスクに気づくことができました。ありがとうございます。
よかった点を簡潔に伝えられるため、日常の中でのフィードバックにも活用できます。
フィードバックのタイミングを逃さない
フィードバックは、評価すべきことが起きたらできるだけ時間を空けずに行うのが基本です。たとえば、月1で行っている1on1の際に「2週間前の会議での〇〇さんのあの発言、とてもよかったです」といわれても、本人はもうそのような発言をしたのか覚えていない可能性があります。時間が経つほど記憶が薄れ、ポジティブフィードバックの効果も半減してしまいますので、できるだけ早めに伝えることが大切です。すぐに伝えられると、部下は「この人はいつも自分のことを見てくれている」と感じ、上司に対する信頼感も高まるでしょう。
ただ、だからといって他のメンバーがいる場で褒められると、ストレスを感じてしまうタイプの人もいます。また、ポジティブフィードバックが特定の人に偏ると、他のメンバーから「あの上司は〇〇さんをひいきしている」などと思われたり、「自分は褒められないから、全然ダメなんだ」と自信を失ってしまうメンバーが出たりする恐れもあるでしょう。
もちろん、人前で褒められることでよりモチベーションが高まるタイプの人もいますので、人前でのフィードバックがNGというわけではありません。効果的なフィードバックを行うためには、周りの状況やメンバーの性格を考慮し、適切なタイミングを見極める必要があります。
継続的に行う
ポジティブフィードバックは、一度だけでなく継続して行うことが大切です。「ポジティブフィードバック」と聞くと少し難しく感じられるかもしれませんが、要は日常的に「称褒」「承認」「感謝」をきちんと言葉で伝えるようにすればよいのです。仕事をする中で「いいな」「素晴らしいな」と感じたことがあれば、積極的に声掛けをすることを心がけてみてください。
<例>
- この書類、情報が整理されていてとても読みやすいです。
- 先ほどの会議でのあなたの質問、とても的を射た質問でした。
- 忙しい中、急な対応をありがとうございました。助かりました。
上司がこのようなポジティブなメッセージを日頃から言葉にすることで、組織やチームの中にポジティブフィードバックを与え合う文化が醸成されるでしょう。
課題や改善点もきちんと伝える
いくらポジティブフィードバックが重要だからといって、フィードバックがポジティブなものばかりにならないように注意しましょう。業務改善や部下の成長のためには、課題や改善点にもきちんと目を向け、部下にもそれを認識してもらえるように上司としてフィードバックをする必要があります。
ただ、先ほどお伝えしたように、ネガティブな内容を伝えるときは「サンドイッチ型」を使うなどして、伝え方は工夫しましょう。また、ポジティブとネガティブの比率も意識してみてください。ワシントン大学名誉教授のジョン・ゴットマン博士によると、関係性によってポジティブとネガティブの適切な比率は変わり、上司と部下の場合は「ポジティブ4:ネガティブ1」とされています。
参考:「ほめるところが一つもない社員」はどうすればいいか…敏腕人事コンサルが教える”すごいメソッド” 「こいつはダメだ」と決めつけてはいけない | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
調査結果からみるフィードバックの実態
上司が部下にフィードバックを行う場面の一つに、評価面談があります。株式会社IKUSAは、2026年3月に400名の若手社員(社会人1~5年目)を対象に、インターネットで「人事評価制度に対する満足度と納得感についての実態調査」を実施しました。最後に、この調査結果から読み取れる、評価面談におけるフィードバックの実態を紹介します。
若手社員の多くが「具体的なフィードバック」を求めている
同調査では、「あなたが重視する評価のポイント」として、26.3%が「フィードバックの具体性」を挙げており、上司から質の高いフィードバックを求めている若手社員が多いことがわかります。
しかしながら、「評価面談は成長に役立っていると感じますか?」の質問に対しては、「どちらともいえない(29%)」「あまり役に立っていない(13.5%)」「まったく役に立っていない(14.5%)」の合計が半数を超える結果となっています。
同調査では「なぜ役に立っていないと感じるのか」までは尋ねていませんが、評価面談において上司からのフィードバックが足りていない、またはフィードバックの質が低い(内容が曖昧である)可能性も考えられるでしょう。ポジティブ、ネガティブにかかわらず、フィードバックは「具体的に」伝えることが大切です。
「チームへの貢献度」や「プロセス」に評価を求める傾向
「理想的な評価制度はどれに近いですか?」の質問では、「チーム成果重視型(24.5%)」の回答が最多、続いて、「プロセス重視型(20.5%)」「自己目標達成型(15.5%)」「成果重視型(11.5%)」という結果となっています。
そこまで大きな差があるわけではありませんが、自分の成果や個人目標の達成度合いよりもチームの成果を、結果よりもそこに至るまでのプロセス(日々の取り組み)を評価してほしいと考える若手社員が多いことがわかります。フィードバックをする際は、ぜひこの点も意識してみてください。
フィードバックの質を高めるためには評価制度を整えることも重要
適切なフィードバックを行うためには、まずは上司が「部下を適切に評価できること」が重要です。適切に評価ができなければ、よかったところや改善点、その理由を具体的に、かつ部下が納得できる形で伝えるのは難しいこともあるからです。
そのためには、会社が明確な評価基準を用意し、評価制度を整えておく必要があります。しかし、その評価基準や評価制度そのものに満足できていない若手社員も少なくないようです。同調査では、以下のような結果が得られています。
- あなたは現在の「評価制度」に満足していますか?→「どちらともいえない(34.5%)「やや不満(7.8%)」「非常に不満(11%)」の合計が半数を超える。
- 評価結果について納得感はありますか?→「どちらともいえない(34.3%)「あまりない(9.8%)」「まったくない(9.8%)」の合計が半数を超える。
- 評価に対して不満を感じた理由は何ですか?→「評価基準が不明確(17.7%)」が最多。
- 評価基準は明確に共有されていますか?→「あまり共有されていない(27%)」「まったく共有されていない(19.3%)」の合計が半数近く。
- あなたが重視する評価のポイントは何ですか?→「明確な基準(26.8%)」が最多。
また、同調査では「評価制度は心理的安全性に影響している」「評価制度が改善されれば勤続意向が高まる」と考える若手社員が多いこともわかっています。心理的安全性や勤続意向を高めるため、一度評価制度全体を見直してみてはいかがでしょうか。
IKUSAのプレスリリース:「人事評価制度に対する満足度と納得感についての実態調査」の結果を公表 – IKUSA.jp
まとめ
上司が部下一人ひとりにポジティブフィードバックを行うことで、部下個人だけでなくチーム全体の心理的安全性やパフォーマンスの向上につながる可能性があります。部下を持つ人は、普段から部下のことをよく観察し、小さなことでも「よいところ」を見つけたら、積極的にポジティブな言葉でフィードバックをすることを心がけてみてください。
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この記事の著者
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