トラストフォールとは?研修での実施方法や注意点・ポイントも解説
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大学卒業後、クラシック音楽業界にて制作・マネジメント・プロデュースに従事し、アートと教育の融合をテーマに、「体験を学びとして届ける」手法を追求してきた。
その後、体験型コンテンツ会社を経て、株式会社IKUSAにクリエイティブプロデューサーとして入社。
現在は研修事業部の責任者として、体験型・ゲーム型の社員研修事業を統括している。
ユーザー視点に立ったサービス開発を得意とし、「楽しさが行動変容を生む」という信念のもと新しい研修体験を創出している。
小学生の頃に、運動会の組体操で「トラストフォール」を実施したことがあるという人もいるでしょう。トラストフォールは、信頼を高めるワークとして、企業の研修に取り入れられることもあります。ビジネスを円滑に進めていくためには、信頼関係が重要です。社員同士のつながりを強化したい、チームワークを高めたいと考えているなら、研修でトラストフォールを実施してみてはいかがでしょうか。
本記事では、トラストフォールとはどのようなワークなのか、研修で活用する具体的なやり方やメリット、ポイント・注意点を紹介します。
トラストフォールとは
トラストフォールは、英単語のトラスト(Trust:信頼する)とフォール(Fall:落ちる)を組み合わせた言葉です。その名の通り、「相手を信頼して落ちる」というもので、信頼を高めるワークとして、企業の研修などでも実施されることがあります。
やり方はのちほど詳しく紹介していますが、ペアを組んだ相手、もしくは同じグループのメンバーが支えてくれることを信じて、目を瞑った状態(もしくは目隠しした状態)で落ちる(倒れる)というワークです。安全には十分配慮する必要がありますが、特別なものを用意しなくても実施できるため、取り入れやすいワークではないでしょうか。
小学校の運動会などで行われる組体操にも、同じ名前の技があります。組体操のトラストフォールは、「人間起こし」とも呼ばれています。数人が土台となり、その上に1人が立ちます。そして、その1人が後ろ向けに倒れて、土台となっている人が倒れてきた人の体を受け止めるという技です。信頼関係を高めるのに役立つものではありますが、怪我のリスクも高い危険な技であるため、最近は組体操自体を廃止にする自治体も増えているようです。
研修などでワークとして行うトラストフォールは、組体操のトラストフォールほどの大技ではありません。さまざまなやり方がありますが、普通に床に立った状態から後ろに倒れこむ、もしくは少し高いところから倒れこむといった形で実施されることが多いです。
トラストフォールのやり方

トラストフォールは、少人数のグループで実施することもありますが、研修のワークとして社内で実施するなら、2人1組のペアに分かれて実施するのがおすすめです。今回は、ペアでトラストフォールを実施する流れを紹介します。
1.ペアを作り、役割を決める
まずは、参加者同士でペアを作ってもらいます。好きにペア組んでもらっても、主催者側でペアに分けても構いませんが、トラストフォールは身体的な接触があるワークのため、同じ性別の人同士がペアになるようにしましょう。また、体格差があると相手を支えきれない恐れがあるので、できるだけ体格も似ている人同士がペアになるような配慮も必要です。
ペアを作ったら、どちらが「倒れる人」「支える人」になるのかを決めてもらいましょう。
2.準備
次に、トラストフォールを安全に実施するために、場所を準備しましょう。
「支える人」が「倒れる人」をうまく支えられない可能性もあります。支えきれなかった場合でも参加者が怪我をしないよう、床にはマットなどの柔らかい素材を敷いておきましょう。また、机や椅子、その他障害物になるようなものはすべて退けておきます。倒れたときに頭をぶつけて怪我をすることがないように、広いスペースを確保したうえで実施するようにしてください。
そして、準備体操を行うことも忘れてはいけません。いきなり体を動かすと体に大きな負担がかかり、怪我のリスクも高まりますので、簡単なストレッチなどのウォーミングアップを行ってからワークを実施するようにしましょう。
3.トラストフォールの実施
参加者同士でペアを作り、準備も整ったら、いよいよトラストフォールの実施です。
まず「倒れる人」に、目を瞑ってもらうか、目隠しをしてもらいます。そして「支える人」は、足を広げて踏ん張り、両腕を前に伸ばして「倒れる人」を支える準備をします。態勢が整ったら、声を掛け合いながらトラストフォールを実施します。
支える人:「準備OKです!」
倒れる人:「ではいきますよ。3、2、1……」→倒れこむ
短時間でできるワークなので、研修で実施するなら何度か実施するのもよいかもしれません。最初は2人の距離がとても近い状態から始めて、徐々に距離を広げていくというのもおすすめです。
研修でトラストフォールを実施するメリット
トラストフォールは信頼を高めるワークとして活用されています。ワークを通じて、倒れる人としては「〇〇さんがしっかり受け止めてくれた」、支える人としては「〇〇さんは自分を信頼して倒れてくれた」と感じることができます。研修で実施することで、参加者同士で信頼関係を深めてもらうことができるでしょう。
また、本記事ではペアでの実施方法を紹介しましたが、グループで実施すればチームワークの向上も図れます(※ただ、「少し高いところから倒れる人を複数人で支える」というやり方は危険度が高いので、あまりおすすめしません)。
また、トラストフォールは体を動かすワークなので、研修の冒頭で実施することで、参加者の緊張がほぐれるというアイスブレイク的な効果もあります。
研修でトラストフォールを実施する際のポイント・注意点

最後に、社内でトラストフォールを実施するときの注意点を紹介します。
安全面に十分配慮する
トラストフォールは、安全面に十分配慮しないと、怪我や事故につながる恐れがあります。もし頭部から落下すれば、頸椎損傷、くも膜下出血、脳損傷、さらに後遺症が残る可能性もあるでしょう。もちろん「倒れる人」だけでなく、「支える人」にも怪我のリスクはあります。たとえば、捻挫や突き指、場合によっては骨折してしまうかもしれません。
お伝えしたように、学校の運動会などでは、トラストフォールを含め、組体操そのものを廃止するケースも増えています。ワークとしてのトラストフォールは、組体操のトラストフォールほどの大技ではないものの、怪我や事故にならないよう、安全面には十分配慮したうえで実施する必要があります。
具体的な対策としては、以下が挙げられます。
- 参加者に「くれぐれもふざけないように」と伝えておく。
- 腕時計やメガネなど、当たって怪我をする恐れがあるがあるものは外してもらう。
- 床にはマットなどの柔らかい素材を敷いておく。
- 障害物のない広いスペースで実施する、
- トラストフォール実施中は、ファシリテーターが状況を注視する。
目的を明確にし、参加者に共有する
参加者のなかには、「体を動かすのが好きではない」「人見知りなので、このようなワークは気が乗らない」という人もいるかもしれません。このような消極的な姿勢で取り組んでもらってもあまり意味がありませんので、「研修でなぜトラストフォールを実施するのか」という目的を明確にし、参加者にも伝えておくことが重要です。目的の例としては、「信頼関係を深めるため」「アイスブレイクとして」などが考えられます。
参加者に事前に知らせておく
研修でトラストフォールを実施するということを、参加者には事前に知らせておきましょう。トラストフォールは体を動かすワークなので、動きやすい服装で来るなど、参加者としても準備が必要であるためです。
当日にいきなり「ではアイスブレイクとして、まずトラストフォールを行います」というのは難しい場合が多いので、研修でトラストフォールを実施すること、そしてその目的もあわせて、参加者には事前に伝えておくことが大切です。
実施する前にアイスブレイクを行う
トラストフォールは、「信頼を高める」ワークです。初対面の人、または普段あまりかかわりがない人など、そもそも関係を築けていない相手といきなり実施するのは難しいでしょう。このようなペア(またはグループ)で実施すると、怪我のリスクも高くなりますので、おすすめしません。
もし、まだ関係を築けていない相手と実施してもらう場合は、まずアイスブレイクとして自己紹介ゲーム実施し、そのあとでトラストフォールを実施するという流れがよいでしょう。
おすすめの自己紹介ゲーム
- 「共通点探しゲーム」……ペアを作り(もしくは2~5程度のグループに分かれて)、自己紹介や質問をし合って、できるだけ多くの共通点を見つけるというゲームです。
- 「漢字自己紹介」……自分のことを表す漢字一文字と、その漢字を選んだ理由を発表するというゲームです。
- 「実は〇〇です」……通常の自己紹介にプラスして、「実は、私〇〇なのです」というように意外性のあるエピソードや秘密を紹介するというゲームです。
- マイノリティ自己紹介……通常の自己紹介にプラスして、自分がマイノリティ(少数派)だと思うことを紹介するというゲームです
研修などでアイスブレイクとして使える自己紹介ゲームは、他にもさまざまなものがあります。以下の記事でも詳しく紹介していますので、参考にしてください。
同月記事「自己紹介ゲーム」へリンク
実施後は振り返りの時間を設ける
トラストフォールを実施したあとは、振り返りの時間を設けることをおすすめします。倒れるとき、支えるときに、それぞれどのようなことを思っていたのか、ワークの感想などを話し合ってもらうことで、より信頼を高めることができるでしょう。
まとめ
トラストフォールは、信頼を高めるワークとして、企業の研修にも取り入れられることがあります。ただ、怪我や事故につながるリスクがあるワークですので、安全面に十分配慮したうえで実施するようにしてください。
また、初対面、または関係性が低い相手とペアになり、いきなり「相手を信頼して倒れこんで」と言われても、なかなかできる人はいないでしょう。新人研修や内定者研修でトラストフォールを実施するなら、アイスブレイクとして自己紹介ゲームを実施したあとで行うのがおすすめです。
以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。
1.合意形成研修
合意形成研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。
学びのポイント
- 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
- 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
- より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す
2.PDCA研修
PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。
学びのポイント
- 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
- 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく
3.戦略思考研修
戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。
学びのポイント
- 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
- 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる
4.コミュニケーション研修
コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。
学びのポイント
- 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
- 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる
5.ロジカルシンキング研修
ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。
学びのポイント
- 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
- 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる
6.クリティカルシンキング研修
クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。
学びのポイント
- 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
- フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
- 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する
7.リーダーシップ研修
リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。
学びのポイント
- メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
- 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる
8.ビジネスマナー研修
ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。
学びのポイント
- 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
- 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる
9.防災研修
防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。
学びのポイント
- 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
- 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ
10.OODA LOOP研修
OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。
学びのポイント
- 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
- ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う
この記事の著者
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