新入社員研修の挨拶|伝える内容・例文・作り方・自社向けの書き換え方を解説
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新入社員研修の挨拶では、歓迎の言葉だけでなく、研修の目的や目指す状態、研修中に取ってほしい行動などを伝えることが大切です。しかし、一般的な例文を見ても、「自社の研修では何を話せばよいのか」「どこを書き換えればよいのか」と迷う方もいるでしょう。
本記事では、新入社員研修の挨拶で伝える内容から、研修目的をもとに原稿を作る手順、開始時・終了時の例文、自社向けの書き換え方まで紹介します。
新入社員研修は、社会人としての土台と同期のつながりを同時に築ける貴重な機会です。あそぶ社員研修の新入社員研修プログラムは、体験型アクティビティを通じて、学びと一体感の両方を実現します。
新入社員研修の挨拶で伝える内容
新入社員研修の挨拶を考えるときは、まず入社式や歓迎会との役割の違いを整理します。同じ新入社員に向けた挨拶でも、場面の目的によって優先して伝える内容が異なるためです。
入社式や歓迎会では、新入社員を組織の一員として迎える歓迎の言葉や会社からの期待などが中心になります。一方、新入社員研修の挨拶では、これから始まる研修につなげるため、次の内容を整理して伝えましょう。
- 今回の研修は何のために行うのか
- 研修後にどのような状態を目指すのか
- 研修中にどのような行動を取ってほしいのか
- 質問や相談が必要なとき、誰に相談できるのか
たとえば、「入社おめでとうございます。皆さんの活躍を期待しています」だけでは、研修中に何を意識して参加すればよいかまでは伝わりません。「この研修では〇〇を学び、配属後に△△できる状態を目指します。そのため、演習では□□を意識してください」のように、研修の目的と受講中の行動まで具体化することが大切です。
米国CDCの研修設計に関するガイダンスでも、学習目標は研修全体の目的と一致させ、研修終了時に受講者が得る知識・技能・態度を具体化することが示されています。米国CDCは、感染症対策だけでなく公衆衛生分野の人材育成にも取り組んでおり、研修の設計・評価に関するガイドも公開しています。挨拶文も研修と切り離して考えず、実際の研修目的や到達点を確認したうえで、伝える内容を選ぶと整理しやすくなります。
参考:CDC “Design Training: Learning Objectives”
なお、「新入社員研修の挨拶」には、新入社員自身へ職場での挨拶を教える「挨拶指導」という意味もあります。挨拶の教え方については、記事後半で紹介します。
関連記事:入社式の挨拶で会社側が意識するポイントは?役職別の文例を解説
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研修目的から挨拶文を作る4ステップ
新入社員研修の挨拶は、例文をそのまま使うのではなく、自社の研修目的や話し手の立場、挨拶する場面に合わせて調整する必要があります。
原稿から書き始めると「歓迎の言葉は入れたものの、研修とのつながりが薄い」といった状態になりやすいため、先に伝える内容を整理します。ここでは、研修目的から挨拶文へ落とし込む流れを4つのステップで紹介します。
ステップ1.研修目的と到達点を整理する
最初に「この研修は何のために行うのか」と「研修後にどのような状態を目指すのか」を確認しましょう。
たとえば、「ビジネスマナーを学ぶ研修」だけでは、挨拶で何を伝えるべきか判断しにくくなります。そこで、「社会人として必要な基本的なビジネスマナーを学び、配属先で挨拶や報連相を実践できる状態を目指す」のように、研修後の状態まで具体化します。
確認するときは、研修企画書や当日のカリキュラムを見ながら、次の2点を1文ずつ書き出します。
- この研修を実施する目的は何か
- 研修終了後、新入社員に何ができるようになってほしいか
前述の米国CDCのガイダンスにもあるように、ここで研修終了後の状態を具体化しておくことが重要です。ここで整理した研修目的と到達点が、このあとの挨拶文を作る基準になります。
ステップ2.研修中に取ってほしい行動を決める
次に、ステップ1で整理した到達点へ近づくために、研修中にどのような行動を取ってほしいかを考えます。
たとえば、グループワークを行う研修であれば「自分の意見を伝える」「相手の意見を聞く」、実践演習が中心なら「まず自分で試す」、疑問を残してほしくない場合は「わからないことをその場で質問する」といった行動が考えられます。
ここでのポイントは、「積極的に参加してください」といった抽象的な言葉で終わらせないことです。「積極的に」とは具体的に何をすることなのかを考え、実際の研修プログラムのなかで取れる行動へ置き換えます。挨拶に盛り込む際は、特に意識してほしいものを1~2点に絞ると伝わりやすくなります。
ステップ3.話し手の役割に合わせて内容を絞る
同じ新入社員研修でも、誰が挨拶するかによって伝える内容の中心は変わります。たとえば、次のように整理すると判断しやすくなります。
- 社長・経営層:会社として大切にしていること、新入社員への期待
- 人事・研修担当者:研修目的、参加方法、質問・相談先
- 現場上司:研修内容と配属後の仕事とのつながり、現場での支援
すべてを1人の挨拶に盛り込む必要はありません。「自分の立場だからこそ伝えるべきことは何か」を確認し、ステップ1・2で整理した内容から必要なものを選びましょう。複数人が挨拶する場合は、それぞれの原稿を見比べ、同じ会社理念や期待の話が重複していないかも確認してください。
ステップ4.開始時・終了時の構成に当てはめる
最後にこれまで整理した内容を、挨拶する場面に合わせて並べます。開始時と終了時では、挨拶を聞いたあとに新入社員が取る行動が異なります。そのため、同じ内容を使い回すのではなく、次のように組み立てましょう。

開始時は「これから何を学び、どう参加するか」、終了時は「学んだことを次にどう使うか」を中心にします。ここまで整理すれば、あとは各項目を文章につなげていくだけです。
新入社員研修ですぐ使える挨拶例文
前章で整理した内容をもとに、実際の挨拶文へ落とし込んでいきます。ここでは、研修開始時と終了時の挨拶例文を紹介します。
研修開始時の挨拶例文
皆さん、本日は新入社員研修に参加いただきありがとうございます。改めて、皆さんを新しい仲間として迎えられたことをうれしく思います。 今回の研修では、【研修目的】について学び、研修後には【研修後にできてほしいこと】を実践できる状態を目指します。 研修中は、すべてを最初から完璧にできる必要はありません。【質問する/まず自分で試す/同期と意見を交わすなど、取ってほしい行動】を意識しながら参加してください。わからないことや迷うことがあれば、【講師・人事担当者などの相談先】へ声をかけてください。 今日の学びをこれからの仕事につなげられるよう、一つひとつ取り組んでいきましょう。本日はよろしくお願いします。 |
開始時の挨拶では、前章で整理した「研修目的・到達点」「研修中に取ってほしい行動」「質問・相談先」を当てはめます。たとえば、ビジネスマナー研修であれば、【研修目的】を「社会人として必要な基本的なビジネスマナーを身につける」、【研修後にできてほしいこと】を「配属先で挨拶や報連相を実践する」のように具体化できます。
研修終了時の挨拶例文
皆さん、本日の研修お疲れさまでした。 今日は、【研修で扱った内容】について、講義や演習を通じて取り組んできました。今日学んだ内容は、研修のなかだけで終わらせず、これから配属先で少しずつ実践していってください。 まずは、【配属後に実践してほしい具体的な行動】から取り組んでみてください。実践するなかで迷うことやわからないことがあれば、【上司・人事担当者などの相談先】へ確認してください。 一度ですべてを身につける必要はありません。今日の学びを振り返りながら、仕事のなかで1つずつ実践していくことを期待しています。本日はお疲れさまでした。 |
終了時の挨拶では、「これからも頑張ってください」といった抽象的な言葉だけで終わらせず、配属後にまず何をしてほしいかを具体的にします。たとえば、報連相を扱った研修であれば、「判断に迷ったときは、自分だけで進めず上司へ相談する」、挨拶を扱った研修なら「配属初日から、自分から挨拶する」など研修内容とつながる行動を入れましょう。
汎用的な例文を自社向けに書き換える方法
インターネットなどで見つけた挨拶例文をそのまま使うと、研修内容と合わなかったりどの企業にも当てはまる抽象的な内容になったりすることがあります。例文を使う場合も、自社の研修目的や参加者に求める行動に合わせた調整が必要です。ここでは、例文の修正ポイントと書き換え例、確認方法を紹介します。
抽象的な表現を研修内容に置き換える
まず、例文のなかから、自社の研修内容を知らなくても書ける表現を探します。
たとえば、次のような言葉です。
- 多くのことを学んでください
- 積極的に参加してください
- 1日も早く成長してください
- 今後の活躍を期待しています
これらの表現自体が不適切なわけではありませんが、「何を学ぶのか」「何をすれば積極的なのか」「どのような成長を期待しているのか」が明確ではありません。
書き換えるときは、次の3点を確認します。
| 確認すること | 抽象的な表現 | 書き換え例 |
| 何を学ぶのか | 多くのことを学んでください | 報連相の基本を学び、演習で実践してください |
| どう参加するのか | 積極的に参加してください | 自分の意見を伝え、相手の意見も聞いてください |
| 研修後に何をするのか | 今後も頑張ってください | 配属後は、判断に迷った時点で上司へ相談してください |
「別の研修でもそのまま使えそう」と感じる部分があれば、実際の研修目的や行動に置き換えられないか確認してください。
書き換え前後で違いを確認する
たとえば、次のような汎用的な挨拶があったとします。
書き換え前:「今日の研修で多くのことを学び、1日も早く1人前になって会社に貢献してください。積極的に参加することを期待しています。」
この文章では、「何を学ぶのか」「1人前とはどのような状態か」「積極的に参加するとは何をすることか」が明確ではありません。
同期と協力して課題に取り組む研修であれば、次のように書き換えられます。
書き換え後:「今日の研修では、同期と協力して課題に取り組み、自分とは異なる意見を聞きながら1つの答えをまとめる経験をしてもらいます。演習では、まず自分の考えを伝えたうえで、相手の意見も聞いてみてください。進め方に迷った場合は講師へ質問してください。」
「多くのことを学ぶ」を実際の研修内容へ、「積極的に参加する」を研修中に取れる行動へ置き換えています。さらに、困ったときにどうすればよいかも具体化しています。
このように、例文全体を1から書き直すのではなく、抽象的な部分から順に自社の研修内容へ置き換えると調整しやすくなるでしょう。
書き換え後の内容を確認する
書き換えたあとは、文章として自然かだけでなく、今回の研修で伝えるべき内容になっているかを確認します。特に、次の3点を見直してみましょう。
- 研修目的と関係のない期待や精神論が増えていないか
- 研修中または研修後に取ってほしい行動が具体的か
- 実際には用意していない相談先や支援内容を書いていないか
最後に原稿を最初から読み、「この挨拶を聞いた新入社員が研修の目的と次に取る行動を説明できるか」を確認します。説明できない場合は、言葉を足す前に抽象的な部分が残っていないかを見直してみましょう。例文の表現を整えることよりも、実際の研修内容と挨拶文が一致していることを優先します。
新入社員研修の挨拶で避けたい表現
研修目的や伝える内容が整理できていても、言葉の選び方によっては、何をしてほしいのかが伝わりにくくなることがあります。完成した原稿を読み返す際は、新入社員が具体的な行動をイメージできる表現になっているかを確認することが大切です。ここでは、新入社員研修の挨拶で避けたい表現と修正例を紹介します。
一方的に注意・指示する表現
「学生気分を捨ててください」「社会人なのだから、これくらいできて当然です」といった表現だけでは、新入社員が研修中に何をすればよいのかまでは伝わりません。
伝えたいことが「社会人としての自覚を持ってほしい」であれば、今回の研修で求める行動まで具体化します。
たとえば「学生気分を捨て、社会人としての自覚を持ってください」ではなく「今日の研修では、仕事を進めるうえで必要な基本行動を確認します。演習では実際の職場を想定して取り組んでください」とすれば、研修中に取る行動まで示せます。
注意や心構えを伝えること自体が問題なのではありません。「では、今回の研修で何をすればよいのか」までつながっているかを確認しましょう。
抽象的な期待だけを伝える表現
「積極的に参加してください」「1日も早く成長してください」「今後の活躍を期待しています」といった言葉は、さまざまな場面で使える一方、具体的な行動がわかりにくい表現でもあります。
たとえば、「積極的に研修へ参加してください」であれば「グループワークでは、まず自分の意見を一度は伝えてみてください」のように、研修中に実行できる行動へ置き換えます。
「早く1人前になってほしい」という期待を伝えたい場合も、「今日学んだ報連相を配属後に実践してみてください」など、研修内容とつながる行動まで示すと何を期待されているのかが明確になるでしょう。
研修と関係のない長い経験談
自身の新人時代の経験を挨拶に入れる場合は、その話が今回の研修目的とつながっているかを確認します。たとえば、「自分の新人時代は苦労した」という話を長く続けても、現在の新入社員が研修で何を学び、どう行動すればよいのかにつながらなければ、挨拶の中心から外れてしまいます。
経験談を入れるのであれば、「私も新人の頃は、わからないことを質問するのをためらっていました。今日の研修では、疑問があればその場で確認してください」のように、今回取ってほしい行動へつなげましょう。
原稿を読み返し、経験談を削っても研修の目的やメッセージが変わらない場合は、短くするか削除することも検討します。
新入社員へ挨拶の仕方を教える場合の進め方
「新入社員研修の挨拶」には、研修担当者が新入社員に向けて挨拶するだけでなく、新入社員自身に職場での挨拶を教えるという意味もあります。職業能力開発総合大学校 基盤整備センターが公開する新入社員研修のカリキュラムモデルでも、「職場のエチケット・マナー」の内容として「挨拶と敬語」が挙げられています。
参考:職業能力開発総合大学校 基盤整備センター「新入社員研修」
挨拶を研修で扱う場合は、説明だけで終わらせず、実際に挨拶をして改善する機会を設けます。たとえば、次のような流れです。

フィードバックでは、「元気がない」「もっとしっかり」といった抽象的な伝え方ではなく、研修で確認する項目に沿って改善点を伝えます。そのうえで再度実践し、最初の挨拶からどこが変わったかを確認します。また、研修で学んだ挨拶を配属後にも実践できるよう、上司や先輩にも研修内容を共有しておくと、職場でのフォローにつなげやすくなるでしょう。
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まとめ
新入社員研修の挨拶を作るときは、まず研修目的と到達点を確認し、研修中に取ってほしい行動を具体化します。そのうえで、話し手の役割や開始時・終了時の違いに合わせて内容を選ぶと、自社の研修に合った挨拶文を組み立てやすくなります。
まずは「この研修は何のために行うのか」「研修後に何ができるようになってほしいのか」を書き出してください。例文を使う場合もそのまま流用せず、研修内容や実際の支援体制と照らし合わせながら、自社でそのまま使える表現へ調整しましょう。
受け身の研修では、新入社員の行動は変わりません。「あそぶ社員研修」では、Z世代が思わず本気になる仕掛けで、社会人基礎力を楽しく身につけられる新入社員研修をご用意しています。 「どの研修が自社に合うかわからない」という方は、お気軽にご相談ください。目的やご予算に合わせて最適なプログラムをご提案します。
この記事の著者
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