新入社員1年目の育成計画の立て方は?年間スケジュールの例や作成のポイントを解説
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新入社員の1年目の育成計画を作ろうとしても、「1年後にどこまで成長してもらうのか」「何をどの時期に教えるのか」など、なかなか決められない担当者は少なくありません。研修の予定だけを並べても、目標や到達基準が曖昧なままでは、育成の進捗を判断しにくくなります。
新入社員1年目の育成計画では、1年後の目指す姿を社内で共有し、そこから育成の内容や担当者の割り当て、評価の方法などを考えることが重要です。
そこで本記事では、新入社員の1年目の育成計画を立てるための手順から、計画書に盛り込むべき項目、運用時のポイントなどを解説します。ぜひ、新入社員の育成の参考にしてください。
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新入社員1年目の育成計画のポイントは?
新入社員1年目の育成計画とは、1年後に身に付けてほしいスキルや行動から逆算し、育成方法や実施の時期・担当者・評価方法などを整理した計画です。
多くの企業では「4月は新人研修で5月からOJT」といったように、慣例的に予定が決められています。しかし、盲目的にスケジュールを決めるのではなく、1年後にどのような状態を目指すのかを明確にし、1年間の育成を一つの流れとして設計することが大事です。
例えば、「担当商品の問い合わせに一人で対応し、判断に迷う案件は上長へ相談できる」と目標を定めれば、必要な研修やOJTの内容も決めやすくなります。また、育成計画は固定せず、実際の習熟状況に応じて、内容や任せる業務を調整するのも重要なポイントです。
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新入社員1年目の育成計画を立てるための6ステップ
新入社員1年目の育成計画は、研修内容から考えるのではなく、1年後の目標から逆算して作ると整理しやすくなります。以下の6ステップに従って、自社に合った新入社員の育成計画を立ててみましょう。
1. 1年後の目指す姿を具体的にする
上記のように、まずは新入社員が1年後、どのような状態になっていてほしいかを明確にします。慣例的なスケジュールで新入社員の育成をしていると、目標が曖昧になっているケースも多いため、一度「1年後に何ができるようになってほしいのか」という視点から、育成のゴールを見直してみましょう。
「各部署・部門で任せられた仕事をこなせるようになる」といった抽象的な目標では、育成担当者によって解釈が変わる可能性があるため、できるだけ具体的に設定することが大切です。目標は、次のように業務・判断範囲・達成状態まで落とし込みましょう。
- どの業務を問題なく進められるようにするか
- どこまで本人が判断し、どの場面で上長に相談するか
- どの程度の品質・正確性で業務をこなせれば達成とするか
- 周囲との連携で、どのような行動を求めるか
例えば、営業職なら「一人で顧客訪問できる」ではなく、「事前準備・ヒアリング・提案・訪問後の報告まで基本の流れを実施でき、権限外の判断は上長に相談できる」といったように、具体的に設定します。
現在その職務を担当している社員の業務を洗い出し、新入社員に1年目で任せたい範囲と、それ以降に任せる範囲を分けて整理するとよいでしょう。
なお、厚生労働省の「職業能力評価基準」では、仕事に必要な知識・技術・技能に加え、成果につながる職務行動例が業種別・職種別などで整理されています。自社の業務内容に合わせて、1年後の目標を具体化する際の参考にしてみましょう。
2. 必要なスキル・知識・行動と到達基準を整理する
1年後の目標が決まったら、到達に必要な要素を業務知識や専門スキル、業務遂行に必要な行動などに分解してみましょう。顧客対応なら商品に関する知識だけではなく、社内システムの操作や回答してよい範囲、上長に確認すべき条件なども必要になるでしょう。
いわゆる「報連相を身に付ける」のような抽象的な項目ではなく、「納期遅延の可能性が分かった時点で、上長に報告できる」など、具体的な行動まで落とし込んで決めることが大事です。
なお、厚生労働省の「職業能力評価シート」では、職種・職務・レベル別の基準をもとに、現在の能力レベルや次のレベルへ進むために不足している点を確認できます。到達の基準を考える際の参考になるので、上記の「職業能力評価基準」とともに、うまく活用するとよいでしょう。
3. 時期ごとの到達目標を決める
次に、1年後のゴールを途中の到達目標に分解して計画を立てます。年間計画を複数段階に分けることで、途中の進捗を確認できるようにしましょう。
最終目標が「定型業務の〇〇を一人で完結できる」であれば、「手順を見ながら実施できる」「例外が発生したら、適切な部署や相手に相談できる」などと段階を分けて、各時期の目標として配置します。
期間の区切り方に決まった正解はないため、自社の業務サイクルや評価のタイミングも踏まえて設定しましょう。3カ月ごとなど一定の期間で区切る方法もありますが、業務内容に合わせて柔軟に設定することが大切です。業務を一通り経験できるまでの期間や、本人の習熟状況などを踏まえて、進捗を確認しやすい単位で考えるとよいでしょう。
4. OJT・OFF-JTなどのやり方を決める
到達目標ごとに、実務を通じて学ぶOJTや研修などで学ぶOFF-JTに加えて、新入社員に促す自己学習といった育成方法について、具体的なやり方や組み合わせ方を考えましょう。
例えば、社内制度や商品知識などを体系的に学ぶ内容にはOFF-JT、システム操作・顧客対応など実務での習熟が必要な内容には、OJTを活用する方法があります。基礎用語の復習などは、自己学習を組み合わせるのもよいでしょう。
計画書には、「〇〇の手順書を見ながら実施する」「実施後に担当者がレビューする」など、実際の育成行動まで具体的に記載します。研修で伝えた内容をOJTで実践してもらい、理解が不足している部分を自己学習で補ってもらうなど、必要な知識・スキルの習得までの流れを意識して組み合わせましょう。
5. 育成担当者と役割を決め、実施できる体制を整える
育成内容を決めたら、誰が何を担当するのかを明確にして、スムーズに計画を進められる体制を整えましょう。人事部門は入社時研修と全体進捗の確認、直属の上司は目標設定と評価、OJT担当者は日々の業務指導を担うなど、実態に合わせて役割を分けておきます。
加えて、育成の進捗を誰が確認し、遅れが出た場合に誰がフォローするのかも決めておきましょう。OJT担当者を決めるだけでは、通常業務が忙しく指導時間を確保できず、計画通りに育成を進められない可能性があります。
そのため、担当者ごとの役割だけでなく、実際に指導や振り返りの時間を確保できるかまで、きちんと確認しておきましょう。また、担当者が異動・繁忙などで対応できなくなる場合に備えて、育成状況や今後の課題をどのように引き継ぐかも決めておくと、継続的に育成を進めやすくなります。
6. 評価・振り返りの方法を決めて計画を見直す
最後に、設定した目標の到達度合いを確認する方法を決めます。例えば、「見積書を作成できる」が目標なら、「必要項目を漏れなく入力できる」「社内ルールに沿って金額を確認できる」など、具体的に項目を決めて確認できるようにしておきましょう。
評価した後は、その結果をもとに現在の到達状況を振り返ります。新入社員と育成担当者の認識に差がないか、次に伸ばすべき能力は何か、当初の計画を変更する必要があるかなどを確認します。
もし新入社員と上長の評価に認識の差がある場合は、フィードバックを通じて、行動の改善や今後の能力開発につなげましょう。評価の結果は、次に何を教えるか、どの業務を任せるかなど、育成内容の見直しに生かすことも大切です。
新入社員1年目の育成計画書に入れる項目
それでは、新入社員1年目の育成計画書に入れるべき、代表的な項目を押さえておきましょう。以下のように、全体の目標だけではなく、実施時期や育成方法・担当者・到達基準・評価方法まで、一つの表で確認できるようにしておくことが大事です。
| 項目 | 記載内容 |
| 時期 | いつまでに取り組むか(例:6カ月目までに定型的な商談を支援付きで進められるようになる) |
| 育成目標 | その時期までに目指す状態(例:定型的な商談を支援付きで進められるようになる) |
| 知識・スキル | 身に付けるべき能力(例:商品知識・顧客からのヒアリング・商談手順など) |
| 具体的な行動・業務 | 実際に経験・実践する内容(例:事前準備・商談・記録・報告など) |
| 育成方法 | OJT・OFF-JT・自己学習など(例:OJT+商品研修など) |
| 担当者 | 誰が指導・支援するか(例:OJT担当者・上長) |
| 到達基準 | どの状態なら達成と判断するか(例:基本的な営業の流れを実施でき、判断に迷う点を相談できる) |
| 評価・振り返り | 進捗確認の方法(例:商談記録と上長レビューで確認する) |
上記はあくまでも一例ですが、何を経験し、どこまでできるようになれば到達と判断するかまで、記載しておきましょう。さらに、各行の「育成目標」と「到達基準」が対応しているかも、きちんと確認してください。
育成目標が「定型業務を自分で進める」と設定しているにもかかわらず、到達基準が「研修を受講する」では、実務上の到達状況を判断できないでしょう。「定型業務を手順に沿って完了できる」のように、目標と評価をつなげる必要があります。
なお、こういった計画書は、新入社員ごとに担当業務や習熟状況を追記できるようにしておくと、振り返り後に変更された内容も残せて便利です。
自社の育成段階を整理する場合、厚生労働省の「キャリアマップ」や「能力評価シート」なども役立ちます。能力開発の標準的な道筋や、各レベルの習熟年数の目安などを確認できるので、ダウンロードして活用してみましょう。
参考:キャリアマップ、職業能力評価シート及び導入・活用マニュアルのダウンロード|厚生労働省
新入社員1年目の年間育成計画の例
それでは、実際の新入社員1年目の年間育成計画について、簡単な具体例を紹介します。年間の育成計画では、単に研修やOJTの予定を並べるのではなく、各時期の目標や任せる業務・育成方法・到達確認まで、一連の流れとして整理しておきましょう。
入社~3カ月|基礎的な業務知識・スキルを身につける
入社直後は、上長や先輩社員から指示を受けながら、基本的な業務を進められる状態を目標にします。社内ルールや業務で使用する基本用語・システムの使い方など、仕事の前提となる知識を整理し、業務を進めるための基礎を身につけてもらいましょう。
この時期に新入社員へ任せる業務としては、手順が明確で担当者が確認しやすい定型データの入力や、資料の準備・社内申請などが代表例です。OFF-JTで基礎知識を学び、OJTで実際の業務を経験する方法が考えられます。
また、到達度合いの確認では、基本手順に沿って業務を進められるか、分からない点を質問・相談できるかを確認します。研修を受けたかどうかだけでなく、学んだ内容を実際の業務で実践できるか、きちんとチェックすることが大事です。
4~6カ月|支援を受けながら担当業務を進める
入社後3カ月ぐらいまで基本業務を経験した後は、一定の定型業務を自分で進め、必要な場面で相談できる状態を目指す段階です。
この時期は、手順だけでなく「なぜこの確認が必要なのか」「どの条件なら上長に相談するのか」といった業務の目的・判断基準も伝えます。例えば、顧客対応であれば、どの問い合わせまで自分で対応し、どのような場合に上長に確認するのかを具体的に示します。
初めから完全に任せるのではなく、本人の習熟状況を見ながら、どの段階でどの程度の支援を入れるかも決めておくことが大事です。到達度合いを確認する際には、定型業務の品質・正確性が安定しているか、必要なタイミングで相談できているかをチェックします。
7~9カ月|自分で判断する業務の範囲を広げる
入社から半年が経過し、一定の業務を進められるようになったら、それまでの経験を生かして、自分で判断する範囲を少しずつ広げる段階に入ります。条件が少し異なる案件を担当してもらったり、複数の業務から優先順位を考えて進めてもらったりして、基本業務から一段階難しい仕事を経験させるとよいでしょう。
その際には、本人が判断してよい範囲と、上長に相談すべき範囲を明確にしておくことが大事です。ここでは、一連の業務を主体的に進められるか、過去の経験を応用できるか、判断に迷う場面を切り分けて相談できるかなどをチェックします。
なお、サポートを減らす時期は一律に決めるのではなく、実際の習熟度を見て調整するのがポイントです。本人が自分で考える機会を減らすことも、必要な支援まで外してしまうことも避ける必要があります。
10~12カ月|1年目の到達状況を確認する
1年目の終盤では、初めに設定した1年後に目指す姿と、現在の状態を照らし合わせて状況を確認します。担当業務をどこまで自分で進められるようになったか、必要な知識・スキルが身に付いたか、判断できる範囲がどこまで広がったかなどを判断します。
評価の方法は企業によってさまざまですが、本人の自己評価と、上長・育成担当者から見た評価を比べる方法が一般的です。さらに、日々の業務結果・レビュー内容などをもとに、設定した到達基準を満たしているか確認する方法も考えられます。
こうした評価結果をもとに、身に付いた能力と不足している能力を整理し、次年度に伸ばす課題を明確にしましょう。最初に設定した到達基準ごとに、達成できたものや、継続して支援が必要な項目などを記録し、次年度の育成担当者に引き継ぎます。
なお、1年目であらゆる業務を一人で完結できる状態を目指す必要はありません。最初に設定した目標に対する現在地を確認し、次の育成へつなげることが大事です。
新入社員1年目の育成計画を立てる際の注意点
新入社員の1年目の育成計画を進める際には、本人にも到達目標や評価基準を共有し、いつまでに何を身に付けるのか理解してもらいましょう。同じ時期に入社しても、人によって習熟度には差があるため、当初の計画通りに進めることを優先せず、評価結果をもとに育成内容や任せる業務を調整することが大事です。
加えて、育成をOJT担当者だけに任せるのではなく、上長や人事担当者・周囲の先輩社員などが役割を分担し、継続して支援できる体制も整えておきましょう。進捗に遅れが出た場合に誰がフォローするのか、担当者が変わる場合に、どのように情報を引き継ぐのかも決めておく必要があります。
きちんと計画を立てることは大事ですが、当初のプランに固執せず、実際の状況に合わせて適宜見直しながら運用することも重要なポイントです。
まとめ
新入社員1年目の育成計画は、1年後の目標を具体化し、必要な知識やスキル・行動を整理するところから始めましょう。その上で、時期ごとの到達目標を設定し、育成方法や担当者・評価方法まで決めると、1年間の育成を一つの流れとして設計しやすくなります。
また、育成の開始後は、実際の到達状況を確認しながら、育成内容や任せる範囲を調整することも大事です。育成計画は固定した予定表ではなく、新入社員の成長に合わせて見直していく必要があります。まずは、自社の新入社員に1年後、どの業務を一人でできるようになってほしいかを明確にするところから始めましょう。
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この記事の著者
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