人事評価シートとは?書き方やポイントを解説

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この記事の監修者
株式会社motch me 取締役
石野 太一
同志社大学在学中に大学生向けクリエイティブスクールの立ち上げに携わる。25歳の時に「地頭を鍛える」をコンセプトに、謎解きやパズルを用いた学習塾「たいち数楽教室」を開塾し、延べ300名以上を指導。その後ベンチャー企業の一号社員として研修事業の責任者を務め、営業・コンテンツ開発から講師登壇までを担い、年間88回登壇した実績を持つ。「講師は現場を離れて講師だけをやっていてはいけない」をモットーに、現在はイベント制作会社の取締役として経営企画・人事に携わりながら、講師活動を続けている。

人事評価シートとは、社員の評価を記録し、管理するための書類のことです。一般的な人事評価シートには、被評価者が自己評価を記載する欄や、評価者がフィードバックコメントを記載する欄が設けられています。自己評価やフィードバックコメントは、書き方によって伝わり方が変わります。しかし、「どのように書けばよいのかわからない」という方も多いでしょう。

本記事では、人事評価シートの概要と、人事評価シートの書き方、ポイント、自己評価欄と評価者コメント欄に記載するコメントの例文を紹介します

 

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人事評価シートとは

人事評価シートとは、人事評価を行うための書類のことです。被評価者の基本情報、各項目の評価、被評価者の自己評価、評価者のコメントなどを書き込みます。給与や賞与の決定、昇進・昇格の判断、人材育成計画の策定などに役立てられます。

人事評価シートがあると、評価基準や評価期間内に達成すべき目標などを、被評価者・評価者の間で共有できるため、認識のずれが生じにくくなります。公平で客観的な評価を行うため、そして人事評価に対する社員の納得感や満足感を高めるためにも重要なツールなのです。また、人事評価シートで明確な評価基準を示すことで、組織の価値観や方向性が浸透しやすくなるというメリットもあります。

人事評価シートの3つの評価基準

評価基準とは、その名の通り社員を公平に評価するための基準のことです。一般的には、「業績評価」「能力評価」「情意評価」の3つの評価基準を軸とし、各基準に評価項目を設定します。

業績評価評価期間内の業績、目標達成率などの成果を評価する基準
(項目の一例:業績目標達成度、課題目標達成度、日常業務 など)
能力評価被評価者が持つ、職務を遂行するための知識やスキルなどを評価する基準
(項目の一例:企画力、判断力、コミュニケーション能力 など)
情意基準被評価者の勤務態度や、仕事に対する姿勢、意欲などを評価する基準
(項目の一例:規律性、協調性、積極性、責任感)

評価項目が多すぎると、評価者の負担が大きくなり、特に後半は評価が雑になりがちです。評価のばらつきも生じやすくなるため、あれもこれもと盛り込むのではなく、必要最低限の数に絞り込みましょう

人事評価シートの主な項目

人事評価シートには、主に以下のような項目を記載します。

項目内容
被評価者の基本情報氏名、社員番号、所属部署、役職、評価対象期間、評価者の氏名 など。
評価項目前項で解説した「業績評価」「能力評価」「情意評価」の基準別の評価項目。各項目には評価点を記載する欄を設ける。
自己評価欄被評価者が自己評価を記載する欄。
評価者コメント欄評価者がフィードバックコメント(評価の理由、今後期待することなど)を記載する欄。

公平性・客観性を確保するために、一人の被評価者を複数人で評価する企業もあります。一次評価は直属の上司が行い、さらに上位の管理者が二次評価を行うというケースが多いです。その場合は、評価者の人数分だけ評価点の記載欄と評価者コメント欄を設ける必要があります。

 

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【被評価者向け】人事評価シートの書き方

ではここからは、人事評価シートの書き方について解説していきます。

まずは被評価者向けに、自己評価欄を書くときのポイントを紹介します。ここを適当に記載してしまうと、努力や成果が評価者に正しく伝わらないかもしれません。また、書き方を少し変えるだけで、印象が大きく変わることもあります。自分自身を最大限にアピールできるよう、人事評価シートを書くときは以下の点を意識してみてください

客観的な評価を書く

人事評価シートを書くときは、できるだけ自分自身を客観的に評価することを心がけましょう。高い評価が欲しいからといって過大評価すると、逆に印象が悪くなってしまったり、「自分を客観視する能力に欠ける」としてマイナスな評価をつけられたりする可能性があります。反対に控えめな評価を書いても、特にプラスになることはないでしょう。

正しく評価しなければ、本当にためになるフィードバックももらうことができません。今後の自分自身の成長のためにも、客観的な事実にもとづき自己評価を行うようにしましょう。

具体的な成果を書く

人事評価シートには、評価期間内に自分が出した具体的な成果を、わかりやすく記載することが重要です。

「成果だけでなく、そこに至るまでのプロセスや努力を評価してほしい」という人もいるでしょう。もちろん、その部分をアピールすることも大切です。しかし、人事評価においては、やはり「目標を達成した」「業績がアップした」などの成果が重視されます。特に営業職や中位階層以上では、先ほど紹介した3つの評価基準のうち「業績評価」のウェイトが高くなる傾向があります。「何をしたのか・何をがんばったのか」だけでなく、それにより何が生まれたのかをきちんと記載することで、高い評価を得やすくなります。

具体的な数字を書く

前項で具体的な成果を示すことの重要性をお伝えしましたが、その成果は数字で示せるとよいでしょう。たとえば、「営業をがんばった」ことをアピールしたいなら、それによって商談や契約を何件獲得できたのかなどを記載します。特に目標に関連する成果は、具体的な数字を根拠として示すことが重要です。そうすることで、評価者が正確な評価をつけやすくなります。

事務職など成果を数値化しにくい職種の場合は、業務効率化(作業時間の短縮)やコスト削減、ミス・エラー発生率の低下などに貢献できたことがないか、振り返ってみるとよいでしょう

課題や改善点も書く

人事評価シートは、課題や改善点なども含めて正直に書くことが大切です。評価が低くなるのが嫌だからといって、良いところをアピールするだけにならないように注意しましょう。

ただし、課題や改善点は書き方を工夫する必要があります。以下は、「売上目標を達成できなかった」場合の記載例です。

<記載例>

  • 悪い例:自分の能力不足で、売上目標を達成できませんでした。
  • 良い例:売上目標は達成できませんでしたが、〇〇〇(原因)という学びが得られました。次回はこの対策として〇〇〇を行い、目標達成を目指します。

「売上目標を達成できなかった」という、一見マイナスな内容を記載するときも、上記の「良い例」のように、「原因は何なのか」「それをどのように解決・改善しようと思っているのか」をわかりやすく記載することで、前向きな印象を与えられます。また、原因と対策まで記載することで、評価者から具体的なフィードバックも得やすくなるでしょう。

【評価者向け】人事評価シートの書き方

次に、評価者向けに人事評価シートの書き方のポイントを紹介します。評価者の評価のつけ方、フィードバックコメントの書き方によって、被評価者の納得感や満足感も変わります。被評価者のさらなる成長のために、人事評価シートを書くときは、以下のポイントを押さえておきましょう

公平で客観的な評価を書く

人事評価は、公平性と客観性が確保されていることが重要です。これらが欠けていると、被評価者が「なぜこの評価になったのかわからない」「がんばっても報われない」などの不満を持ちやすくなります。

人事評価シートに公平で客観的な評価を記載するために、評価者は、自分の主観や思い込みが入らないように注意する必要があります。個人的な印象や感情は切り離し、具体的な行動や成果、プロセスなどを会社が定める評価基準と照らし合わせ、正しく評価する意識を常に持つように心がけてください。

また、人事評価エラーは誰にでも起こるものです。研修やセミナーを受講し、陥りやすいエラーと対策を学んでおくと、評価の公平性・客観性を高められます。

評価の理由や根拠を書く

人事評価シートの評価者コメント欄には、その評価となった理由や根拠を記載することも重要です。「評価面談で被評価者に直接説明すればよいのでは?」と思われるかもしれませんが、人事評価シートにも理由や根拠が記載されていると、納得感を得やすくなります。

そして、「できていました(できていませんでした)」のような抽象的な表現ではなく、何が(どのような成果や行動が)、どのようによかった(またはよくなかった)のかがわかるように記載することもポイントです。可能な限り定量的なデータを添えることも意識してみてください。

良いところ・改善すべきところの両方を書く

全体的な評価の高さにかかわらず、評価者コメント欄には、良いところと改善すべきところの両方を記載するのが望ましいです。評価が低かったからといって、指摘ばかりだと被評価者のモチベーションは下がってしまうでしょう。結果にはつながらなかったとしても、プロセスや姿勢などで良い点を見つけて、「認める」ことが大切です。

また、改善点を伝えるときは、単純に指摘するだけでなく「どうすれば良くなるか」まで伝えることもポイントです。被評価者が「次につなげよう」と思えるようなポジティブな伝え方を心がけましょう。

被評価者の成長を意識して書く

人事評価制度は、給与や賞与、異動などの処遇を決めるためだけの制度ではありません。自社が求める人材を育てることも、人事評価制度の目的の一つです。そのため評価者には、「被評価者をより成長させること」を意識して人事評価シートを書くことが求められます。

評価者コメント欄には、今後被評価者に期待すること(役割や成果など)、そのために何をすればよいか、上司や会社でサポートできることなども記載できるとよいでしょう。そうすることで、被評価者から成長意欲を引き出しやすくなります。

人事評価シートを書くときのポイント

次に、人事評価シートを書くときに意識したい、被評価者・評価者共通のポイントについて解説します

簡潔にまとめる

人事評価シートの自己評価欄、評価者コメント欄は、あまり大きな枠ではありません。また、だらだらと長い文章だと、本当に伝えるべきことが伝わりにくくなってしまいます。人事評価シートを書くときは、できるだけ簡潔にまとめることを意識しましょう。

自己評価コメントでありがちなのが、プロセスや努力したことについての記載が長くなりすぎるケースです。もちろん、それらを記載してアピールすることも重要ですが、先ほどお伝えしたように、人事評価においてはまず成果が重視されます。順序としては、はじめに結論である成果を記載し、続いてその成果に至るまでのプロセスや努力したことなどを記載するのがよいでしょう

ポジティブな表現を使う

お伝えしたように、人事評価は処遇を決めるためだけでなく、社員の成長のために行うものでもあります。人事評価シートに課題や改善点を記載するときは、「反省」や「指摘」で終わるのではなく、「改善するためにどうするのか」まで記載することが大切です。次につながるような、ポジティブな表現を使うことを心がけましょう。

定量的な成果以外も記載する

人事評価シートは、具体的な成果を記載すること、そしてその成果はできれば数字で示すことが望ましいとお伝えしました。しかし、定量的な成果だけでは見えないこともあります。そのため、自己評価欄や評価者コメント欄には、定量的な成果以外の内容も記載できるとよいでしょう

特に若手のうちは、職種にもよりますが、個人としての成果を示すのがなかなか難しい場合もあります。プロセスやチームへの貢献、協働姿勢なども評価することで、人事評価に対する満足感も高められるのではないでしょうか。

調査結果から見る若手社員のニーズ

株式会社IKUSAは、2026年3月に400名の若手社員(社会人1~5年目の方)を対象に「人事評価制度に対する満足度と納得感についての実態調査」を実施しました。

この調査では、「評価に対して不満を感じた理由」として、10.7%が「プロセスが評価されない」と回答しています。また、「理想的な評価制度」を尋ねたところ、最も多かった回答は「チーム成果重視型(24.5%)」、次いで「プロセス重視型(20.5%)」となっており、「成果重視型(11.5%)」「自己目標達成型(15.5%)」を上回っています。

これらの結果から、「定量的な成果だけでなく、プロセスやチームへの貢献も見てほしい・評価されたい」と考える若手社員が多いことがわかります

しかし、いくらこれらを人事評価シートに記載しても、実際に評価されない(人事評価シート上で評価者が褒めてくれたとしても、待遇に反映されない)ようでは意味がありません。若手社員の人事評価制度に対する納得感・満足感を高めるには、定量的な成果以外の部分も公平に評価し、その結果を待遇に反映させる仕組みを、会社側で整える必要があるでしょう。

IKUSAのプレスリリース:「人事評価制度に対する満足度と納得感についての実態調査」の結果を公表 – IKUSA.jp

人事評価シートに記載するコメントの例文

最後に、人事評価シートに記載するコメントの例文を紹介します

営業職の場合

<自己評価欄>

売上目標〇〇〇万円は達成できましたが、新規顧客については獲得件数〇件と、目標である〇件に届きませんでした。既存顧客への対応にリソースを回しすぎて、新規顧客獲得のための営業に時間を割けなかったことが原因と考えています。来期は時間の使い方を工夫し、営業を積極的に行っていきます。

<評価者コメント欄>

今期の売上は〇〇〇万円、目標達成率〇〇〇%と素晴らしい成果を出してくれました。既存顧客のフォローを丁寧に行ってくれていることも評価できます。新規顧客獲得のための営業については、成功率を上げるために事前準備も見直してみるとよいと思います。

事務職の場合

<自己評価欄>

備品の購入先を見直し、〇〇〇(通販サイト)で注文する形としたことで、コストを前期比〇%削減できました。また、業務効率化のために新たに導入したシステムについては、マニュアルを作成し配布しました。システムに関する問い合わせは〇件、うち〇件が〇〇〇に関するものだったため、この部分のマニュアルの改善を検討しています。

<評価者コメント欄>

コスト削減は前年比〇%と、目標を大きく上回る素晴らしい成果です。新たに導入したシステムについても、わかりやすいマニュアルを作成・配布いただきありがとうございます。デジタルツールに不慣れな社員もいるため、一度説明会や講習会などの開催も検討してもらえるとよいかもしれません。

まとめ

人事評価シートの自己評価や評価者のフィードバックコメントは、書き方で伝わり方が変わります。評価の結果や、被評価者のその後のモチベーション、成長意欲などに影響を与える場合もあるので、ポイントを押さえて書くことが重要です。

また、被評価者・評価者がいくら人事評価シートの書き方を工夫しても、人事評価シートのフォーマットに問題があれば、人事評価制度は効果的に機能しません。評価基準の表現や数は適切か、被評価者・評価者双方にとって使いやすいフォーマットになっているかなども、定期的に見直しをすることをおすすめします

 

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

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