プレイングマネージャーは限界?時間がない時の対処法も解説

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この記事の監修者
株式会社motch me 取締役
石野 太一
同志社大学在学中に大学生向けクリエイティブスクールの立ち上げに携わる。25歳の時に「地頭を鍛える」をコンセプトに、謎解きやパズルを用いた学習塾「たいち数楽教室」を開塾し、延べ300名以上を指導。その後ベンチャー企業の一号社員として研修事業の責任者を務め、営業・コンテンツ開発から講師登壇までを担い、年間88回登壇した実績を持つ。「講師は現場を離れて講師だけをやっていてはいけない」をモットーに、現在はイベント制作会社の取締役として経営企画・人事に携わりながら、講師活動を続けている。

現代のマネージャーの多くは、プレイングマネージャーであるといわれています。プレイングマネージャーとは、プレイヤーとマネージャーの2つの役割を兼任している人のことです。多くのプレイングマネージャーが抱える悩みの一つとして、「時間がない」ことが挙げられます。

本記事では、まず株式会社IKUSAが実施した調査結果をもとに現代のプレイングマネージャーの実態を紹介し、時間が足りなくなる主な原因と対処法を解説します。「時間がない」状態を放置すると、そのうちプレイングマネージャーに限界が来てしまう恐れがあります。そうならないために、本記事も参考にしながら早めに対処するようにしてください。

 

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現代のプレイングマネージャーの実態

まずは、株式会社IKUSAが実施した以下の調査結果をもとに、現代のプレイングマネージャーの実態や課題を見ていきましょう。

【調査概要】

  • 調査名:マネジメントに関する意識調査
  • 調査対象:20代~60代以上のマネージャー層
  • 実施時期:2026年2月
  • 調査方法:インターネット調査
  • 有効回答数:300名

マネジメント業務に十分な時間を割けていない

Q:現在の業務時間において、「マネジメント(育成・管理)」に割けている時間は全体の何割程度ですか?(n=300)

プレイングマネージャーの業務比率としては、プレイング業務30%以下、マネジメント業務70%以上が望ましいといわれています。しかし、本調査において「現在の業務時間におけるマネジメント(育成・管理)業務の割合」を尋ねたところ、「7割以上」と回答した人はわずか35%でした。また、マネジメント業務に専念できているマネージャーは全体の1割にとどまり、現代のマネージャーの多くがプレイングマネージャーであることが明らかになっています。

マネージャーが「時間がない」状態を放置すれば、チームのパフォーマンスは上がらず、求める成果をなかなか得られないでしょう。それだけでなく、マネージャーが限界を迎え、身体を壊したり、退職につながったりする恐れもあります。この課題の主な原因や対処法については、のちほど詳しく紹介します。

業務の負担が大きい

Q:理想のチームを作るために、あなたが「今、手放したい(やめたい)」と思っている仕事は何ですか?(n=300)

「理想のチームを作るために、手放したい(やめたい)と思っていること」を尋ねたところ、「細かい実務フォロー(45%)」「形式的な会議・資料作成(41%)」「決済フローの多さ(40.3%)」の回答が高水準となりました

Q:チームの成果を最大化するために、今後「強化していきたい取り組み」は何ですか?(n=300)

また、「今後強化していきたい取り組み」については、「業務効率化・生産性向上(50.7%)」の回答が最も多くなっています。これらの結果から、現在の業務の負担が大きく、どうにかして改善したいと考えているマネージャーが多いことがわかります。

Q:マネジメントを高度化するために、今後「積極的に活用したいツール・手法」は何ですか?(n=300)

そして、「今後マネジメントの高度化のために積極的に活用したいツール・手法」を尋ねた質問では、「タレントマネジメントシステム(52.3%)」「生成AI(46%)」「組織診断・エンゲージメントサーベイ(41.7%)」が高水準で、ツールや技術を活用して業務効率化を実現したいというニーズが高いことが読み取れます。マネージャーの負担を減らすために、会社としてこれらの導入も検討できるとよいでしょう。

ストレスが多い

Q:現在、チーム運営において「解決したい課題」はどれですか?(n=300)

現在のチーム運営において「解決したい課題」については、39%が「コミュニケーション不足・風通しの悪さ」と回答しています。

Q:日々のマネジメント業務で最も「ストレス(精神的負荷)」を感じるのはいつですか?(n=300)

また、「日々のマネジメント業務で最もストレス(精神的負荷)を感じるとき」については、50.3%が「メンバーへの言いにくいフィードバック」、46%が「上層部の意図を現場に納得させるための調整・翻訳」と、コミュニケーションの課題を挙げています

これらの結果から、現代のマネージャーが多くのストレスを抱えていること、特に対人コミュニケーションに疲弊している人が多いことが読み取れます。

Q:「マネジメントの質」を上げるために、会社側に最も改善してほしいことは何ですか?(n=300)

また、ストレスや負担が大きいのに、それに見合う評価・報酬が得られていないと感じているマネージャーも多いようです。「マネジメントの質を上げるために会社に改善してほしいこと」については、「マネジメントの成果に対する正当な評価・報酬(44.7%)」の回答が最多となっています。

プレイングマネージャーは大変ではあるが、やりがいは感じている

プレイングマネージャーは負担やストレスが大きく大変な役割ではあるものの、本調査ではやりがいを感じている人が多いこともわかりました。

Q:マネージャーとして、最も「やりがい・喜び」を感じるのはどのような瞬間ですか?(n=300)

マネージャーとして、「最もやりがい・喜びを感じる瞬間」としては、「チーム一丸となって高い壁(目標)を突破したとき(54.7%)」の回答が最も多く、特にチームビルディングにやりがいや喜びを感じる人が多いようです

Q:あなた自身の「今後のキャリアの方向性」として、最も近いものはどれですか?(n=300)

また、「今後のキャリアの方向性」については、「現場リーダーの継続」が47.3%となっており、多くの人がチームをまとめる立場の業務を継続する意欲があることがわかります。

Q:あなたは、信頼している後輩やメンバーから「マネージャーになりたい」と相談されたら、自信を持って勧めますか?(n=300)

さらに後輩やメンバーから「マネージャーになりたい」と相談された場合の対応を尋ねたところ、「強く勧める」と「どちらかといえば勧める」の割合が半数を超える結果となりました。

ただ、最近は負担の大きい管理職を希望しない人も少なくありません。次世代のリーダー・マネージャー育成のため、会社としては管理職希望者を増やすための取り組みも検討する必要があるでしょう

IKUSAのプレスリリース:「マネジメントに関する意識調査」の結果を公表

 

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プレイングマネージャーはなぜ時間がないのか?主な原因5つ

前項で紹介した調査でも、現代のプレイングマネージャーの多くは、マネジメント業務に十分な時間を割くことができていない実態が明らかになりました。ここでは、なぜプレイングマネージャーは「時間がない」状態に陥りやすいのか、考えられる主な原因を紹介します。

プレイヤーとマネージャーの両立がシンプルにきつい

プレイングマネージャーには、プレイヤーとマネージャーという2つの役割が求められます。そのため、必然的にこなさなければならない業務の「量」が多くなります。また、この2つの役割は、業務の内容、求められるスキルもまったく異なるものです。業務の切り替えの際にもエネルギーが必要となり、時間のロスも生じるでしょう。

はじめは時間をきちんと管理してこなせていたとしても、仕事にトラブルはつきものです。何か問題が発生すれば、緊急性の高いプレイヤー業務を優先せざるを得なくなります。マネジメント業務が後回しになり、結果として時間が足りなくなってしまうのです。

このような状態を放置すると、両方の業務が中途半端になり、チーム全体のパフォーマンスも低下してしまう恐れがあります。

タイムマネジメントが苦手

前項でもお伝えしたように、プレイングマネージャーにはマネージャーとプレイヤーという2つの役割が求められるため、業務の「量」が多くなります。また、マネージャーになると自分だけでなくチーム全体のタイムマネジメントも行わなくてはなりません。

そのためプレイングマネージャーになると、プレイヤー時代よりも高いタイムマネジメントスキルが必要になります。しかし、これが不足していると、時間というリソースをうまく配分できず、常に「時間がない」状態になってしまうのです。

メンバーに業務を任せられない

メンバーに業務を任せられず、全部自分でこなそうとするために、時間が足りなくなるケースもあります。任せられない理由はさまざまですが、よくあるケースとしては以下のようなものが挙げられます。

  • メンバーのことを信頼できていない(任せても結果が出ないと思っている)
  • 自分でやった方が早い(指導や報告、相談に時間を割かなくてよいため)
  • 頼みごとをするのが苦手

「時間がない」状態から抜け出すためには、メンバーに任せられる業務は任せて、自身のプレイヤー業務の比率を小さくすることが重要です

マネジメントの経験が浅い

マネジメントの経験が浅いために、一つひとつの業務をこなすのに時間がかかりすぎて、時間が足りなくなるケースもあります。

マネジメントには「正解」というものがありません。そのときの状況や、チーム・メンバーの変化に合わせて動くことが求められます。そして、当然やることすべてがよい結果につながるわけではありません。特にはじめのうちは、うまくいかないことも多いでしょう。

マネジメントは、非常に時間を取られる仕事です。ある程度経験を積まなければ、マネジメント業務の時間を短縮することは難しいため、状況を改善するためには、やはりプレイヤー業務の比率を縮小する工夫が必要となります

メンバーとのコミュニケーションが不足している

メンバーとのコミュニケーション不足が、「時間がない」という状況を生み出している可能性もあります。

メンバーに目標を共有したり、役割やタスク、指示を伝えたりするのも、マネージャーの仕事です。しかし普段からのコミュニケーションが足りていないと、これらが正しく伝わらない場合があります。すると、時間のロスが生じます。

さらに、コミュニケーションが不足すると、目指す方向がバラバラになる、ミスが起こる、「言った・言わない」などの揉め事が発生するなど、チームにさまざまな悪影響がもたらされる恐れもあります

時間を有効に使うため、そして強いチームを作るためにも、普段からメンバーとコミュニケーションをとり、意思疎通を図ることが大切です。チームのコミュニケーションを改善し、チーム全員で業務をスムーズに進められるようになれば、マネージャー自身のストレスも減らせるのではないでしょうか。

プレイングマネージャーが「時間がない」「もう限界」の状態から抜け出す方法

「時間がない」状態を放置すると、チーム全体の業務効率やパフォーマンスの低下、さらには自身の身体や心に限界が来てしまう恐れもあります。ここからは具体的な対処法を紹介しますので、状況の改善にぜひ役立ててください。

マネジメント業務に集中する時間を作る

自分の中で、「この時間はマネジメント業務だけを行う」というルールを作るのはいかがでしょうか。

日中はプレイヤーとして緊急の対応を求められる可能性もあるため、朝の早い時間がおすすめです。脳科学者の茂木健一郎氏によれば、朝目覚めてからの3時間は脳の「ゴールデンタイム」で、最も効率よく働く時間帯とされています。マネジメント業務のように、重要な判断が求められる業務をこなすのに適した時間帯なのです。

この時間をより有効に使うために、前日の夜にやるべきことを書き出し、優先順位をつけておけるとよいでしょう。

積極的にメンバーに任せる

プレイングマネージャーが「時間がない」状態から抜け出すためには、マネジメント業務ではなくプレイヤー業務の比率を小さくする必要があります。そのために、任せられる業務は他のプレイヤー(メンバー)に任せましょう。

ただ、先ほどお伝えしたように、メンバーに業務を任せられない理由はさまざまで、理由によって対処法も異なります。メンバーを信頼できていないことが理由なら、まずはメンバーと信頼関係を築く必要があります。頼みごとが苦手であることが理由なら、自分の意識を変えたり、伝え方を学んだりするとよいのではないでしょうか。

また、業務を任せるとなると、はじめは教育や指導が必要になり、メンバーからの報告や相談にも対応しなければならなくなります。そのため、最初は「メンバーに業務を任せたことで、逆にやることが増えてしまった」と感じるかもしれません。しかし、メンバーがある程度成長すれば、自分のプレイヤー業務の量を減らすことができます。メンバーの育成もマネージャーの役割の一つなので、積極的に任せていきましょう。

マネジメントに必要なスキルを磨く

プレイヤーとマネージャーでは、求められるスキルも異なります。しかし、プレイヤーとして優秀だった人が、マネジメントに必要なスキルを学ぶ機会を与えられないまま、プレイングマネージャーとなるケースも少なくありません。

プレイヤーにとって特に重要なのは、業務に関する専門知識や、技術力、実行力などです。一方マネージャーになると、戦略的思考や、全体を俯瞰する力、人を動かす力、高いコミュニケーション能力などが求められるようになります

本来はマネジメント業務を任せる人に対し、会社から教育や研修を行うべきですが、その機会がないなら、状況を改善するために自身でスキルを学ぶことも検討しましょう。

デジタルツールを活用する

マネジメント業務を効率化させるため、デジタルツールの活用も検討しましょう。マネジメントに活用できるツールには、以下のようにさまざまな種類があります。チームの状況や課題に合うものを導入することが大切です。

  • プロジェクト管理ツール……プロジェクトに関する情報を一元管理できるツール。必要な情報をメンバー間でリアルタイムに共有できる。
  • 人材マネジメントツール……人材に関する情報を管理するツール。人材配置や評価、モチベーション管理などに用いられる。
  • ナレッジマネジメントツール……各メンバーが持つノウハウを一元管理し、共有・活用しやすくするツール。
  • ワークマネジメントツール……プロジェクトやタスクを可視化・一元管理し、作業負荷の最適化や業務の効率化を図るツール。

このようなツールを活用することで、情報の整理や報告、確認作業にかかる時間を大幅に削減できます。

プレイングマネージャー同士で交流を深める

自分以外のプレイングマネージャーと、「時間がない」という悩みを共有するのもおすすめです。自分では気づかなかった解決の糸口が見つかることがあります。定期的に社内のプレイングマネージャーで集まって情報交換会を実施したり、社外の交流会に参加したりしてみてはいかがでしょうか

また、現代のプレイングマネージャーは、「時間がない」以外にもさまざまな課題や悩みを抱えています。しかし、気軽に相談できる相手が周りにいないため、一人で孤独感やストレスを抱え込んでしまうことがあります。同じ立場の人同士で悩みを共有することは、孤独感やストレスを軽減する方法としても有効です。

上司や会社に支援を求める

ここまで、主にプレイングマネージャーとして働く人向けに、時間が足りなくなる原因や対処法を紹介してきましたが、現代のプレイングマネージャーが抱える課題は、個人の力だけでは解決できないものが多いといえます。自分一人でどうにかしようと思わず、上司や会社に支援を求めることをおすすめします

そして会社としては、社員から支援を求められる前に、プレイングマネージャーが仕事をしやすい環境を整えておきましょう。プレイングマネージャーに負担がかかりすぎていないか、業務内容と評価・報酬が釣り合っているか、会社として必要な教育を行っているかなどを、まず振り返ってみてください。

まとめ

プレイングマネージャーは、プレイヤーとマネージャーという2つの役割をこなさなくてはならないため、「時間がない」状態に陥りやすいです。この課題を放置すると、そのうち限界が来てしまう恐れがあります。しかし、個人の努力だけでは解決できない場合も多いため、「一人で何とかしよう」と思わず、上司や会社に早めに相談することが大切です。

会社としては、さらなる成長のため、そして社員の健康を守るために、プレイングマネージャーの課題解決に取り組んでいきましょう。

 

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

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