プレイングマネージャーは限界?時間がない時の対処法も解説
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現代のマネージャーの多くは、プレイングマネージャーであるといわれています。プレイングマネージャーとは、プレイヤーとマネージャーの2つの役割を兼任している人のことです。多くのプレイングマネージャーが抱える悩みの一つとして、「時間がない」ことが挙げられます。
本記事では、まず株式会社IKUSAが実施した調査結果をもとに現代のプレイングマネージャーの実態を紹介し、時間が足りなくなる主な原因と対処法を解説します。「時間がない」状態を放置すると、そのうちプレイングマネージャーに限界が来てしまう恐れがあります。そうならないために、本記事も参考にしながら早めに対処するようにしてください。
現代のプレイングマネージャーの実態
まずは、株式会社IKUSAが実施した以下の調査結果をもとに、現代のプレイングマネージャーの実態や課題を見ていきましょう。
【調査概要】
- 調査名:マネジメントに関する意識調査
- 調査対象:20代~60代以上のマネージャー層
- 実施時期:2026年2月
- 調査方法:インターネット調査
- 有効回答数:300名
マネジメント業務に十分な時間を割けていない
プレイングマネージャーの業務比率としては、プレイング業務30%以下、マネジメント業務70%以上が望ましいといわれています。しかし、本調査において「現在の業務時間におけるマネジメント(育成・管理)業務の割合」を尋ねたところ、「7割以上」と回答した人はわずか35%でした。また、マネジメント業務に専念できているマネージャーは全体の1割にとどまり、現代のマネージャーの多くがプレイングマネージャーであることが明らかになっています。
マネージャーが「時間がない」状態を放置すれば、チームのパフォーマンスは上がらず、求める成果をなかなか得られないでしょう。それだけでなく、マネージャーが限界を迎え、身体を壊したり、退職につながったりする恐れもあります。この課題の主な原因や対処法については、のちほど詳しく紹介します。
業務の負担が大きい
「理想のチームを作るために、手放したい(やめたい)と思っていること」を尋ねたところ、「細かい実務フォロー(45%)」「形式的な会議・資料作成(41%)」「決済フローの多さ(40.3%)」の回答が高水準となりました。また、「今後強化していきたい取り組み」については、「業務効率化・生産性向上(50.7%)」の回答が最も多くなっています。これらの結果から、現在の業務の負担が大きく、どうにかして改善したいと考えているマネージャーが多いことがわかります。
そして、「今後マネジメントの高度化のために積極的に活用したいツール・手法」を尋ねた質問では、「タレントマネジメントシステム(52.3%)」「生成AI(46%)」「組織診断・エンゲージメントサーベイ(41.7%)」が高水準で、ツールや技術を活用して業務効率化を実現したいというニーズが高いことが読み取れます。マネージャーの負担を減らすために、会社としてこれらの導入も検討できるとよいでしょう。
ストレスが多い
現在のチーム運営において「解決したい課題」については、39%が「コミュニケーション不足・風通しの悪さ」と回答しています。また、「日々のマネジメント業務で最もストレス(精神的負荷)を感じるとき」については、50.3%が「メンバーへの言いにくいフィードバック」、46%が「上層部の意図を現場に納得させるための調整・翻訳」と、コミュニケーションの課題を挙げています。
これらの結果から、現代のマネージャーが多くのストレスを抱えていること、特に対人コミュニケーションに疲弊している人が多いことが読み取れます。
また、ストレスや負担が大きいのに、それに見合う評価・報酬が得られていないと感じているマネージャーも多いようです。「マネジメントの質を上げるために会社に改善してほしいこと」については、「マネジメントの成果に対する正当な評価・報酬(44.7%)」の回答が最多となっています。
プレイングマネージャーは大変ではあるが、やりがいは感じている
プレイングマネージャーは負担やストレスが大きく大変な役割ではあるものの、本調査ではやりがいを感じている人が多いこともわかりました。
マネージャーとして、「最もやりがい・喜びを感じる瞬間」としては、「チーム一丸となって高い壁(目標)を突破したとき(54.7%)」の回答が最も多く、特にチームビルディングにやりがいや喜びを感じる人が多いようです。
また、「今後のキャリアの方向性」については、「現場リーダーの継続」が47.3%となっており、多くの人がチームをまとめる立場の業務を継続する意欲があることがわかります。さらに後輩やメンバーから「マネージャーになりたい」と相談された場合の対応を尋ねたところ、「強く勧める」と「どちらかといえば勧める」の割合が半数を超える結果となりました。
ただ、最近は負担の大きい管理職を希望しない人も少なくありません。次世代のリーダー・マネージャー育成のため、会社としては管理職希望者を増やすための取り組みも検討する必要があるでしょう。
IKUSAのプレスリリース:「マネジメントに関する意識調査」の結果を公表
プレイングマネージャーはなぜ時間がないのか?主な原因5つ
前項で紹介した調査でも、現代のプレイングマネージャーの多くは、マネジメント業務に十分な時間を割くことができていない実態が明らかになりました。ここでは、なぜプレイングマネージャーは「時間がない」状態に陥りやすいのか、考えられる主な原因を紹介します。
プレイヤーとマネージャーの両立がシンプルにきつい
プレイングマネージャーには、プレイヤーとマネージャーという2つの役割が求められます。そのため、必然的にこなさなければならない業務の「量」が多くなります。また、この2つの役割は、業務の内容、求められるスキルもまったく異なるものです。業務の切り替えの際にもエネルギーが必要となり、時間のロスも生じるでしょう。
はじめは時間をきちんと管理してこなせていたとしても、仕事にトラブルはつきものです。何か問題が発生すれば、緊急性の高いプレイヤー業務を優先せざるを得なくなります。マネジメント業務が後回しになり、結果として時間が足りなくなってしまうのです。
このような状態を放置すると、両方の業務が中途半端になり、チーム全体のパフォーマンスも低下してしまう恐れがあります。
タイムマネジメントが苦手
前項でもお伝えしたように、プレイングマネージャーにはマネージャーとプレイヤーという2つの役割が求められるため、業務の「量」が多くなります。また、マネージャーになると自分だけでなくチーム全体のタイムマネジメントも行わなくてはなりません。
そのためプレイングマネージャーになると、プレイヤー時代よりも高いタイムマネジメントスキルが必要になります。しかし、これが不足していると、時間というリソースをうまく配分できず、常に「時間がない」状態になってしまうのです。
メンバーに業務を任せられない
メンバーに業務を任せられず、全部自分でこなそうとするために、時間が足りなくなるケースもあります。任せられない理由はさまざまですが、よくあるケースとしては以下のようなものが挙げられます。
- メンバーのことを信頼できていない(任せても結果が出ないと思っている)
- 自分でやった方が早い(指導や報告、相談に時間を割かなくてよいため)
- 頼みごとをするのが苦手
「時間がない」状態から抜け出すためには、メンバーに任せられる業務は任せて、自身のプレイヤー業務の比率を小さくすることが重要です。
マネジメントの経験が浅い
マネジメントの経験が浅いために、一つひとつの業務をこなすのに時間がかかりすぎて、時間が足りなくなるケースもあります。
マネジメントには「正解」というものがありません。そのときの状況や、チーム・メンバーの変化に合わせて動くことが求められます。そして、当然やることすべてがよい結果につながるわけではありません。特にはじめのうちは、うまくいかないことも多いでしょう。
マネジメントは、非常に時間を取られる仕事です。ある程度経験を積まなければ、マネジメント業務の時間を短縮することは難しいため、状況を改善するためには、やはりプレイヤー業務の比率を縮小する工夫が必要となります。
メンバーとのコミュニケーションが不足している
メンバーとのコミュニケーション不足が、「時間がない」という状況を生み出している可能性もあります。
メンバーに目標を共有したり、役割やタスク、指示を伝えたりするのも、マネージャーの仕事です。しかし普段からのコミュニケーションが足りていないと、これらが正しく伝わらない場合があります。すると、時間のロスが生じます。
さらに、コミュニケーションが不足すると、目指す方向がバラバラになる、ミスが起こる、「言った・言わない」などの揉め事が発生するなど、チームにさまざまな悪影響がもたらされる恐れもあります。
時間を有効に使うため、そして強いチームを作るためにも、普段からメンバーとコミュニケーションをとり、意思疎通を図ることが大切です。チームのコミュニケーションを改善し、チーム全員で業務をスムーズに進められるようになれば、マネージャー自身のストレスも減らせるのではないでしょうか。
プレイングマネージャーが「時間がない」「もう限界」の状態から抜け出す方法
「時間がない」状態を放置すると、チーム全体の業務効率やパフォーマンスの低下、さらには自身の身体や心に限界が来てしまう恐れもあります。ここからは具体的な対処法を紹介しますので、状況の改善にぜひ役立ててください。
マネジメント業務に集中する時間を作る
自分の中で、「この時間はマネジメント業務だけを行う」というルールを作るのはいかがでしょうか。
日中はプレイヤーとして緊急の対応を求められる可能性もあるため、朝の早い時間がおすすめです。脳科学者の茂木健一郎氏によれば、朝目覚めてからの3時間は脳の「ゴールデンタイム」で、最も効率よく働く時間帯とされています。マネジメント業務のように、重要な判断が求められる業務をこなすのに適した時間帯なのです。
この時間をより有効に使うために、前日の夜にやるべきことを書き出し、優先順位をつけておけるとよいでしょう。
積極的にメンバーに任せる
プレイングマネージャーが「時間がない」状態から抜け出すためには、マネジメント業務ではなくプレイヤー業務の比率を小さくする必要があります。そのために、任せられる業務は他のプレイヤー(メンバー)に任せましょう。
ただ、先ほどお伝えしたように、メンバーに業務を任せられない理由はさまざまで、理由によって対処法も異なります。メンバーを信頼できていないことが理由なら、まずはメンバーと信頼関係を築く必要があります。頼みごとが苦手であることが理由なら、自分の意識を変えたり、伝え方を学んだりするとよいのではないでしょうか。
また、業務を任せるとなると、はじめは教育や指導が必要になり、メンバーからの報告や相談にも対応しなければならなくなります。そのため、最初は「メンバーに業務を任せたことで、逆にやることが増えてしまった」と感じるかもしれません。しかし、メンバーがある程度成長すれば、自分のプレイヤー業務の量を減らすことができます。メンバーの育成もマネージャーの役割の一つなので、積極的に任せていきましょう。
マネジメントに必要なスキルを磨く
プレイヤーとマネージャーでは、求められるスキルも異なります。しかし、プレイヤーとして優秀だった人が、マネジメントに必要なスキルを学ぶ機会を与えられないまま、プレイングマネージャーとなるケースも少なくありません。
プレイヤーにとって特に重要なのは、業務に関する専門知識や、技術力、実行力などです。一方マネージャーになると、戦略的思考や、全体を俯瞰する力、人を動かす力、高いコミュニケーション能力などが求められるようになります。
本来はマネジメント業務を任せる人に対し、会社から教育や研修を行うべきですが、その機会がないなら、状況を改善するために自身でスキルを学ぶことも検討しましょう。
デジタルツールを活用する
マネジメント業務を効率化させるため、デジタルツールの活用も検討しましょう。マネジメントに活用できるツールには、以下のようにさまざまな種類があります。チームの状況や課題に合うものを導入することが大切です。
- プロジェクト管理ツール……プロジェクトに関する情報を一元管理できるツール。必要な情報をメンバー間でリアルタイムに共有できる。
- 人材マネジメントツール……人材に関する情報を管理するツール。人材配置や評価、モチベーション管理などに用いられる。
- ナレッジマネジメントツール……各メンバーが持つノウハウを一元管理し、共有・活用しやすくするツール。
- ワークマネジメントツール……プロジェクトやタスクを可視化・一元管理し、作業負荷の最適化や業務の効率化を図るツール。
このようなツールを活用することで、情報の整理や報告、確認作業にかかる時間を大幅に削減できます。
プレイングマネージャー同士で交流を深める
自分以外のプレイングマネージャーと、「時間がない」という悩みを共有するのもおすすめです。自分では気づかなかった解決の糸口が見つかることがあります。定期的に社内のプレイングマネージャーで集まって情報交換会を実施したり、社外の交流会に参加したりしてみてはいかがでしょうか。
また、現代のプレイングマネージャーは、「時間がない」以外にもさまざまな課題や悩みを抱えています。しかし、気軽に相談できる相手が周りにいないため、一人で孤独感やストレスを抱え込んでしまうことがあります。同じ立場の人同士で悩みを共有することは、孤独感やストレスを軽減する方法としても有効です。
上司や会社に支援を求める
ここまで、主にプレイングマネージャーとして働く人向けに、時間が足りなくなる原因や対処法を紹介してきましたが、現代のプレイングマネージャーが抱える課題は、個人の力だけでは解決できないものが多いといえます。自分一人でどうにかしようと思わず、上司や会社に支援を求めることをおすすめします。
そして会社としては、社員から支援を求められる前に、プレイングマネージャーが仕事をしやすい環境を整えておきましょう。プレイングマネージャーに負担がかかりすぎていないか、業務内容と評価・報酬が釣り合っているか、会社として必要な教育を行っているかなどを、まず振り返ってみてください。
まとめ
プレイングマネージャーは、プレイヤーとマネージャーという2つの役割をこなさなくてはならないため、「時間がない」状態に陥りやすいです。この課題を放置すると、そのうち限界が来てしまう恐れがあります。しかし、個人の努力だけでは解決できない場合も多いため、「一人で何とかしよう」と思わず、上司や会社に早めに相談することが大切です。
会社としては、さらなる成長のため、そして社員の健康を守るために、プレイングマネージャーの課題解決に取り組んでいきましょう。
以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。
1.合意形成研修
合意形成研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。
学びのポイント
- 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
- 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
- より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す
2.PDCA研修
PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。
学びのポイント
- 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
- 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく
3.戦略思考研修
戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。
学びのポイント
- 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
- 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる
4.コミュニケーション研修
コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。
学びのポイント
- 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
- 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる
5.ロジカルシンキング研修
ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。
学びのポイント
- 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
- 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる
6.クリティカルシンキング研修
クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。
学びのポイント
- 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
- フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
- 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する
7.リーダーシップ研修
リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。
学びのポイント
- メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
- 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる
8.ビジネスマナー研修
ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。
学びのポイント
- 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
- 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる
9.防災研修
防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。
学びのポイント
- 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
- 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ
10.OODA LOOP研修
OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。
学びのポイント
- 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
- ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う
この記事の著者
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