マーダーミステリーとは?人気の理由や魅力、遊び方を解説

大学卒業後、クラシック音楽業界にて制作・マネジメント・プロデュースに従事し、アートと教育の融合をテーマに、「体験を学びとして届ける」手法を追求してきた。
その後、体験型コンテンツ会社を経て、株式会社IKUSAにクリエイティブプロデューサーとして入社。
現在は研修事業部の責任者として、体験型・ゲーム型の社員研修事業を統括している。
ユーザー視点に立ったサービス開発を得意とし、「楽しさが行動変容を生む」という信念のもと新しい研修体験を創出している。
ミステリーとは、まるで推理小説の世界に飛び込んだかのような没入感を味わいながら、謎を解いていく体験型ゲームです。事件の真相を追うスリルや、配役になりきる没入感だけでなく、論理的思考力や交渉力といったスキルも養えます。
本記事では、マーダーミステリーの魅力や遊び方、注意点や身につくスキルを解説します。
マーダーミステリーとは
通称「マダミス」ことマーダーミステリーは、推理小説の登場人物になりきって事件の真相を追ったり、プレイヤーそれぞれのミッションを達成したりする体験型ゲームです。プレイヤーはそれぞれ殺人事件の舞台となる物語の登場人物を担当し、自らの役割を演じながら議論を進めます。
プレイヤーの中には、正体を隠した犯人が紛れ込んでいます。犯人役は嘘や誘導を駆使して逃げ切りを目指す一方、他のメンバーは現場の証拠品や証言を頼りに、誰が真実を語っているのかを見極めながら犯人を推理していきます。
犯人探しに留まらない奥深さもこのゲームの魅力です。各プレイヤーには、秘密を隠し通したり、特定の人物を守ったりと、それぞれ個別の勝利条件(ミッション)が課せられており、多様な思惑が交錯する中で物語は展開していきます。会話や証拠のやり取りを通じて真相へ迫るスリルは、まさにサスペンスドラマの主人公になったかのような没入感を味わえるでしょう。
マーダーミステリーの歴史
マーダーミステリーの起源は、欧米でパーティゲームとして楽しまれていた「Murder Mystery Game」にあるといわれています。夕食を囲みながら会話劇を嗜む文化をベースに発展を遂げ、独自のエンターテインメントとして形作られました。
日本で広く認知されるようになったのは、2018年頃です。中国で大きなブームを巻き起こした「劇本殺(ジュウベンシャー)」のシナリオが輸入され、一気に注目を集めることとなりました。その流れを受けて国内産のオリジナルシナリオも次々と制作されるようになり、現在の盛り上がりへとつながっています。
マーダーミステリーの魅力と人気の理由
マーダーミステリーの魅力と人気の理由は、他のゲームでは味わえない独特の体験構造にあります。ここでは、マーダーミステリーの魅力と人気の理由を紹介します。
一度きりの特別感がある
マーダーミステリーの最大の特徴であり魅力のひとつが、一生に一度しか遊べないことです。物語の結末や犯人の正体、仕掛けられたトリックを一度知ってしまえば、二度と同じシナリオを新鮮な驚きとともに楽しむことはできません。
その瞬間の会話やそのメンバーでしか成し得ない推理は、二度と戻りません。そんな唯一無二の特別感が、プレイヤーを物語の世界へと引き込んでいくのでしょう。
登場人物になりきれる
普段の自分とは違う何者かになりきれる点は、このゲームの大きな醍醐味です。たとえば、富豪の主人や怪しい執事、あるいは秘密を抱えたアイドルなど、多様な役割を演じる楽しさがあります。
演じるといっても、プロの役者のような演技力は不要です。配られた設定をもとに、自分のキャラクターならどう考えるかを想像し、言葉を発するだけで良いのです。
物語が進むにつれて自然と役に入り込み、気づけばその人物に深く感情移入していることもあるでしょう。日常では味わえない心の揺れ動きを体験できることこそ、マダミスの持つ大きな魅力です。
謎を解き明かすやりがいがある
自分の手で謎を解き明かす快感も、マーダーミステリーが持つ魅力です。小説やドラマでは名探偵が解決を導いてくれますが、このゲームにおいてその役割を担うのは自分自身です。
散りばめられた証拠品や矛盾する証言、さらには怪しい行動履歴といった断片的な情報をパズルのように組み合わせ、犯人を論理的に追い詰めて自らの手で真実に辿り着く体験には、日常では味わえない達成感ややりがいが得られます。
ミステリー特有のハラハラを体感できる
犯人役になった場合は、ドキドキ感やハラハラ感も味わえます。鋭い追求を巧みにかわすのはもちろん、あえて真実を語って信憑性を高めたり、核心に触れる事実を伏せたりといった高度な心理戦を仕掛ける楽しさがあります。
また、犯人以外のプレイヤーも誰にも知られたくない秘密を抱えているのがこのゲームの面白いところです。常に、いつ自分の隠し事がバレるかという緊張感が漂います。疑心暗鬼に陥りながら、誰を信じるべきかと葛藤するプロセスは、まさにミステリーの登場人物そのものの体験といえるでしょう。
一方、必ずしも激しい対立や心理戦ばかりがマダミスのすべてというわけではありません。プレイヤー同士の協力を促すものや、純粋に物語を楽しむことに重きを置いた作品も数多く存在します。緊張感が苦手な場合は、ライトな作風やストーリー重視のシナリオを選んでみましょう。
クリアしたときに達成感が得られる
ゲームの幕が閉じると、物語の真相を解き明かす感想戦の時間が始まります。伏線が一つひとつ回収され、隠されていた謎の全貌が明らかになる瞬間は、点と点が線でつながる爽快感とともに、達成感がこみ上げてくるはずです。
たとえ犯人を逃してしまったとしても、あるいは犯人として捕らえられてしまったとしても、プレイヤー全員でひとつの物語を紡ぎ出した一体感が得られます。
マーダーミステリーの遊び方・ゲームの流れ
実際にマーダーミステリーはどのように進行するのでしょうか。ここでは、マーダーミステリーの流れと遊び方を解説していきます。
①シナリオの選択とルール説明
まずは遊ぶシナリオを決めます。プレイ人数や所要時間、好みのテイストを基準に、自分たちのグループに合った一作を絞り込んでいきましょう。
シナリオによってゲームマスターの有無は異なります。ゲームマスターがいる場合は、最初に世界観の説明や基本的なルールの解説が行われるほか、プレイ中にわからないことがある場合は都度確認できるため、初めての方でも安心して参加できます。
②キャラクターの選択
次に、自分が担当するキャラクターを選びます。簡単な紹介文を読み、直感で選ぶのも、他のプレイヤーと相談して決めるのも自由です。自分に近い性格や境遇の人物を演じることで、物語への没入感が一層深まるでしょう。
配役が決まると、その人物の生い立ちや当日の行動、目標が記された設定書が手渡されます。自分だけが知る物語の裏側が詰まったこの資料は、いわば役作りのガイドブックです。プレイ中ならいつでも読み返せるため、内容をすべて暗記する必要はなく、安心して物語の世界へ飛び込めます。
③推理フェーズ
いよいよゲームスタートです。与えられた役を演じつつ、証拠の収集や議論を重ねていきます。犯人は無実を装って巧妙に立ち回り、潔白なプレイヤーは自らの無実を証明するべく証拠を提示します。それぞれの立場に徹して振る舞うことで、物語への没入感が高まるでしょう。
全体での話し合いに加え、限られたメンバーだけでこっそり情報を共有する密談の時間が設けられていることもあります。関係の深いキャラクター同士で口裏を合わせたり、時には駆け引きや交渉を試みたりして、真相を少しずつ解き明かしていきましょう。
シナリオによっては、物語の途中で新たな情報や重要なアイテムを入手することも可能です。
④犯人投票とエンディング
集めた証拠と議論を整理し、最終的な推理を発表して犯人投票を行います。投票のスタイルは、用紙に名前を記入したり、一斉に指差したりと、シナリオや会場によってさまざまです。
その投票結果を受けて、物語はエンディングへと向かいます。犯人を特定できたか、あるいは各々の秘密を守り抜けたかによって、結末の内容が変化するのもマダミスの醍醐味といえるでしょう。
このゲームに、勝ち負けの概念は存在しません。犯人として逃げ切れたか、あるいは各々の目標を達成できたかなど、自分たちが演じたキャラクターにとって納得のいく結果に辿り着けたかどうかがポイントです。
⑤解説と感想交換
物語が終わった後は、ゲームマスターによる解説や全員でネタバレありの感想戦を楽しみます。あの場面でなぜあんな嘘をついたのか、実はアイテムを隠し持っていたなど、裏話を共有する時間はゲーム本編と同じくらい盛り上がり、物語の余韻を楽しめます。
マーダーミステリーを行う上での注意点
マーダーミステリーは対話を中心としたゲームであるため、プレイヤー全員が気持ちよく遊ぶための配慮が必要です。
ここでは、マーダーミステリーで楽しく遊ぶために守るべき注意点を解説します。
ネタバレしない
最も重要なルールがネタバレ禁止です。一度しか体験できない物語だからこそ、SNSやブログで犯人の名前やトリックを明かすことは許されません。
たった一言が、これから遊ぶ誰かの楽しみを奪いかねません。感想を投稿する際は「最高の緊張感だった」「あの結末には驚いた」といった感情面を中心に綴るなど、未プレイの方への配慮を徹底しましょう。
集合時間を守る
多くのシナリオは、決められた人数が揃わないとゲームを開始できません。一人の遅刻がプレイヤー全員を待たせるだけでなく、最悪の場合は開催中止という事態を招く恐れもあります。
事前のルール説明や配役にかかる時間も考慮し、開始10分から15分前には到着しておくのがマナーです。時間にゆとりを持って会場入りし、非日常の世界へ没入する準備を万全に整えておきましょう。
プレイヤー同士のコミュニケーションに気をつける
議論が白熱するあまり、つい言葉が荒くなってしまう場面もあるかもしれません。しかし、相手を執拗に責め立てたり、暴言を吐いたりするのは避けるべき行為です。対立はあくまで物語の中だけのものであり、プレイヤー同士は一つの体験を共有する大切な仲間にほかなりません。
たとえ嘘をついていると疑う際でも、キャラクターの特性を理解した上で、建設的な対話を意識しましょう。高圧的な態度は場の空気を悪くし、全員の没入感を損ねかねません。キャラクターや物語の世界観に没入しつつも、相手への尊重は忘れないようにしましょう。
設定書は他の人に見せない
設定書には、自分しか知り得ない重要情報が書かれています。もし内容が他人の目に触れてしまえば、ネタバレになりかねないため、管理には細心の注意が必要です。
また、シートの内容を共有する際は、そのまま読み上げるのではなく、自分の言葉に置き換えて話してみましょう。自らの言葉で語ることで、場全体の没入感も高まります。
設定書を読み返す際は周囲の視線に配慮し、離席時もシートを裏返すなど、自分だけの秘密を死守する姿勢を徹底しましょう。
マーダーミステリーを遊ぶ方法
マーダーミステリーを遊ぶ主な3つの方法を紹介します。
専門店
初心者にもおすすめなのが、マーダーミステリー専門店に行くことです。プロの進行と照明・音響による本格演出が、リアルな没入感を演出してくれます。
店舗によっては一人で参加できる公演や初心者限定の公演枠もあるため、人数を集めるのが難しかったり、初めての参加で不安だったりする場合も安心です。衣装の貸し出しがある店舗であれば、より非日常感を楽しめます。
専門店は基本的に事前予約制で、規定人数に満たない場合は中止になる点に注意しましょう。
オンライン・アプリ
自宅で楽しむなら、DiscordやLINEを用いたオンラインプレイがおすすめです。物理的な移動が不要で、遠方の友人と気軽に集まれるのはオンラインならではの利点です。マーダーミステリー専用アプリも登場しており、音声通話だけで手軽に遊べるシナリオが多数配信されています。
たとえば、オールインワンマダミス通話アプリ「uzu」は、進行から通話までマダミスに必要なすべてがアプリ内に揃っています。公開募集でメンバーを募れるほか、1500作以上(2025年12月時点)が揃い、新作も毎週更新されるため飽きずに遊べるでしょう。
パッケージ購入
ショップや書店、通販でパッケージ版を購入し、自宅やレンタルスペースで遊ぶ方法もあり、友人を集めホームパーティー気分で楽しめるのが魅力です。物語の冊子や調査カードが同封され、難易度も幅広いため、プレイヤーの習熟度に合わせてシナリオを選べます。
ただし、規定のプレイ人数を集める必要がある点には留意しましょう。
楽しいだけじゃない!マーダーミステリーで身につくスキル
マーダーミステリーは楽しみながら、ビジネスや実生活に役立つスキルも磨けるため、企業研修に取り入れられることもあります。
ここでは、マーダーミステリーで身につくスキルを紹介します。
コミュニケーションスキル
プレイ中は、自らの意見を論理的に伝え、相手の話を正確に聞き取る力が求められます。潔白の証明や矛盾の指摘を繰り返す過程で、実践的な会話力が自然と磨かれるでしょう。初対面の人とも共通の目的を持って対話するため、人見知りの克服やアイスブレイクの練習にもなります。
交渉力
推理フェーズでは、情報を得るために証拠やアイテムを交換条件にする取引が行われることもあります。情報を教える代わりに秘密を明かしてほしいといった駆け引きは、交渉力を養えるでしょう。同時に、相手が何を求めているかを鋭く察知する洞察力も身につきます。
状況把握力・課題発見力
犯人特定には、次々と現れる情報や証拠を整理し、状況を俯瞰して捉える力が欠かせません。情報の既知・未知を仕分け、解決すべき課題を見極める思考プロセスは、仕事のプロジェクト管理やトラブル対応にも通じるものです。膨大なデータの中から本質を見抜く、実戦的な訓練となるでしょう。
目的達成のための行動力
キャラクターの目的達成には、限られた時間の中で自ら考え、実行に移す主体性が求められます。ただ議論を傍観しているだけでは目的は達成できません。自分から誰かに話しかけ、部屋を調査するといった積極的なアクションが必要です。目的から逆算して動くこのプロセスは、日常のあらゆる場面で役立つ汎用的なスキルといえるでしょう。
マーダーミステリーは研修や社内イベントにもおすすめ
IKUSAは、研修や社内イベント向けにマーダーミステリーを再定義し、独自のスタイルに確立しています。
プロのMCが参加者を物語へと引き込み、唯一無二の体験を提供。平均3時間を超えるプレイ時間は、まさに映画の世界に入り込んだかのような没入感が味わえます。推理の過程で交渉力や思考力、主体的な連携が試され、諦めずに乗り越える体験も得られるでしょう。
犯人探しに留まらず、振り返りを重視した設計により、プレイヤーは楽しみつつもスキルを身につけられるのが最大の特徴です。
現在は、IKUSAのオリジナルと名作の2種類のシナリオを展開しています。
タイトル | 赤いトランク(IKUSAオリジナル) | 何度だって青い月に火を灯した |
ストーリー | 客船の荷物置き場に4人の乗客が集められ、そこには彼らの持ち込んだ4つの赤いトランクがある。乗組員のセイラーは「この船の赤いトランクに爆弾が仕掛けられたらしい」と言う。彼らは時間内に爆弾を止めることができるのだろうか。 | 舞台は1960年代のイタリア。跡目争いの火種がくすぶるマフィア・ファミリーの屋敷でボスが殺害された。ボスの死体の隣にはロープで椅子に縛られた男がいる…。マフィアとその関係者たちが紡ぐ、儚くも切ないハードボイルドミステリー。 |
シナリオのポイント |
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まとめ
マーダーミステリーでは、1つのシナリオを一生に一度しか味わえない特別感と没入感を楽しめます。遊びに留まらず、論理的思考や交渉力といった実戦的なスキルが磨かれるのも大きな魅力です。誰もが気軽に遊べるのもマーダーミステリーの魅力であり、企業の研修としても取り入れられる汎用性の高いゲームといえます。
一体感を醸成したい、楽しみながらスキルを身につけてほしいといった場合には、ぜひIKUSAのマーダーミステリー研修をご活用ください。
以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。 1.合意形成研修 合意形成研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。 学びのポイント 2.PDCA研修 PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。 学びのポイント 3.戦略思考研修 戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。 学びのポイント 4.コミュニケーション研修 コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。 学びのポイント 5.ロジカルシンキング研修 ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。 学びのポイント 6.クリティカルシンキング研修 クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。 学びのポイント 7.リーダーシップ研修 リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。 学びのポイント 8.ビジネスマナー研修 ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。 学びのポイント 9.防災研修 防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。 学びのポイント 10.OODA LOOP研修 OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。 学びのポイント
この記事の著者
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