ハイブリッドワークとは?メリットと課題、成功させるポイントを解説

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近年はリモートワークが普及し、オフィスに出社することなく業務に取り組むことができ、働きやすさが向上しています。その一方で、リモートワークに適さない業務もあり、オフィスワークの必要性も高まってきています。

そこで、リモートワークとオフィスワークのよいところを活用できる「ハイブリッドワーク」が注目されています。状況に応じて柔軟な働き方を選択でき、今後主流になる可能性のあるワークスタイルです。

本記事では、ハイブリッドワークとはなにか、求められる背景、メリット、課題、成功させるポイントを解説します

 

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ハイブリッドワークとは

ハイブリッドワークとは、会社に出社して業務に取り組む「オフィスワーク」と、自宅など会社以外で業務に取り組む「リモートワーク」を、社員自身が選ぶことのできる働き方です

選び方としては、「週三日はオフィスワーク、週二日はリモートワーク」といった週の中で切り替えるものと、「リモートワーク/オフィスワークのみ」といった固定の働き方から選ぶものがあります。

ポイントは、社員の事情や、業務の状況に応じて、社員自身が働く場所を柔軟に選べるということです。また、いずれも最初に選んだものを続けるわけではなく、状況に応じて、その都度選べるものとしています。

会社によっては、「全員出社日の設定」「週〇日は出社」などが決められている場合もあります。

リモートワークの課題とハイブリッドワークが求められている背景

リモートワークは近年急激に普及し、利便性が増した一方で、時間が経つにつれ課題も多く出てくるようになりました。

完全ではないコミュニケーション

チャットやメールを用いたやり取りは細かいニュアンスや反応がわかりづらく、電話でも顔を見ることができません。細かな部分を話し合うミーティングであればオフィスワークの方が適していることが多いです。

セキュリティの懸念

オフィス以外で業務する場合、会社のパソコンの紛失や盗難といった危険性があり、カフェなどのフリーWi-Fiを利用してしまうなど、情報漏洩のリスクもあります。そのため、機密性のある業務をオフィス以外で行いづらいといえます。

人によって自宅環境に差異がある

自宅で作業をしたことがなければ自宅のリモートワーク環境が整っていないことがほとんどでしょう。ネット回線や、机と椅子が必要といった点から、家が集中できる環境にない、などといった自宅環境によるリモートワークの向き不向きがあります。

健康への影響

リモートワークにより、通勤時間や労力の削減、プライベートの時間を確保しやすく、ワークライフバランスが改善された側面があります。その一方で、常に一人で作業し続ける孤独感や、終業時間になっても仕事のオンとオフがうまくいかないなど、リモートワーク特有のストレスを抱えて、体調を崩す人も出てきました。

 

このようにリモートワークのみの運用には課題があり、万能ではありません。反対に、オフィスワークのみの運用も長所と短所があり、難しいといえるでしょう。

そこで、オフィスワークとリモートワークの両方のよいところを活用できるハイブリッドワークが必要とされています。

ハイブリッドワークであれば、以下のような柔軟な働き方が可能になります。

  • 大事な会議がある日はオフィスワークにする
  • チームの仲間と話したいのでオフィスワークにする
  • 機密性のある企画の設計段階のため、設計が完了するまではオフィスワークにする
  • 介護で忙しいため、しばらくはリモートワークにする
  • 幼稚園が休みで、子どもが家にいる日だけリモートワークにする
  • 膨大なデータ入力作業があり、集中したいため、終わるまではリモートワークにする

状況に応じた最適な働き方を選択することで、生産性の向上や、社員の健康を保ち、モチベーションを高めることにもつながるでしょう。

ハイブリッドワークのメリット

ここでは、ハイブリッドワークの具体的なメリットを3つ紹介します。

オフィスの有効活用

完全なリモートワークに移行するとオフィス利用者が激減しますが、オフィスの維持費は依然としてかかってしまいます。

しかし、ハイブリッドワークであれば、オフィス利用者人も一定数おり、全員が出社した場合と比べると人も少ないため、オフィスのスペースも確保できるでしょう。

それにより今までは難しかった休憩室やミーティングスペースを作ることができたり、座席を固定化せず、さまざまな人とコミュニケーションが取れるフリーアドレスの導入ができたりなど、工夫次第でオフィスの有効活用が可能です

生産性の向上

ハイブリッドワークであれば、現在行っている業務に応じて適した働き方を選択することができます。

ホワイドボードで複数人が意見を書きながら会議したい場合は、リモート会議を行うよりも実際にオフィスに出向いて会議をした方が効率がよいでしょう。反対に、データ入力など、単純な作業であれば自宅で集中的に作業する方が効率がよいこともあります。

このように最適な働き方を選ぶことで、効率よく作業でき、生産性の向上も見込めます

柔軟な働き方の実現

オフィスワークか、リモートワークか選べることで社員個人や家庭の事情にも対応しやすくなります。

たとえば、子育てや介護などに追われ、オフィスワークが難しい人でも、一時的にリモートワークに切り替えることで勤務の調整ができるため、やむを得ない離職を減らせる可能性があるでしょう。

また、自身の裁量で働きやすい環境を選べることでモチベーションの向上や、社員の満足度にもつながります。そのほかにも、孤独感がある、仕事のオンオフがうまくいかない、など自身の状態によって臨機応変に働き方を選択でき、身心の管理がしやすいこともメリットです。

こうした柔軟な働き方を実現することで長期的に働いてもらいやすく、求職者の目にも魅力的に映る効果もあるでしょう

ハイブリッドワークの課題と対策

オフィスワークとリモートワークのよいところを活用できますが、ハイブリッドワークならではの課題もあります。対策と合わせて解説します。

勤怠管理の煩雑さ

リモートワークの勤怠管理は、相手の状況が見えず確認が難しいとされていますが、オフィスワークと合わさることでより煩雑になりやすいことは課題のひとつです。

また、日によって出社するかどうかも変わるため、誰がどこにいるのかがすぐわからないこともあります。

対策として、勤怠管理システムやグループウェアを導入し、勤務状況を管理できるようにしましょう

不公平感が生まれることがある

オフィスワークだと、緊急の対応が発生した際に口頭で素早く内容を伝えられるため、オフィスに出社している人に対応を依頼しがちになり、業務量が増加することがあります。

また、リモートワークだと、その場に居ないため業務への評価がされづらく、チーム内での急な対応がオフィスにて行われると大事な意思決定の場に参加できないといったことも起こり得ます。

このような働き方の差によって不公平感を生まれると、社員のモチベーションや、チームワークも低下してしまうでしょう。

業務の割り振りにはオフィス、リモートを問わず、最適な相手に依頼することを心がける必要があります。また、評価面についても、工数管理ツールを用いて業務進捗を可視化し、勤務場所を問わない明確な評価項目の作成や、個人目標の達成度の評価、成果が見える報告書単位での評価などの対策が必要になるでしょう。

コミュニケーションの問題

同じチームでもオフィスとリモートで二分化されてしまうため、「オフィスでしか共有されていない情報」「リモートワークのチャット上でしか共有されていない情報」が生まれてしまうことがあります。

また、ちょっとした連絡や相談についても、オフィスワーク側では即時に返事があることから同じオフィスワークの人に、リモートワーク側も同様に画面を見ていることが多いリモートワークの人にコミュニケーションを取りがちです。「正しい情報を知っている相手」ではなく、「聞きやすい相手」に相談してしまうといったことはチームワークの分散であり、生産性の低下にもつながります。

対策として、リモートワーク準拠のコミュニケーションを心がけ、オフィス、リモートワーク関わらず共通のツールで必ず情報を共有するルールの設定や、定例のWeb会議などでコミュニケーションを取ることが重要です

ハイブリッドワークを成功させるポイント

ハイブリッドワーク導入前に押さえておきたいポイントを紹介します。

事前にルールを定めておく

オフィスと自宅では働き方が大きく異なるため、細かいところまでルールを作っておかないと、いざ業務が始まった際に判断に迷うことが多く、社員の混乱を招くことにもなってしまいます

はじめにリモートワークの対象となる人や業務、勤務場所の規定、休憩時間を取るタイミングなどを細かく決めておきましょう。また、離れた場所での連携が必要になるため、報告や連絡の方法やルールについても決めておく必要があります。とくに情報共有がオフィスとリモート間で疎かになる場合があるため、チーム全員が利用しているチャットなど、オープンな場で発信することが重要な点を押さえておきましょう。

ただし、ハイブリッドワークは社員が柔軟な働き方を選択できることがポイントなため、「週〇日は出社する」というルールはかえって不自由になることがある点には注意が必要です。また、会社全体で同じルールにする必要はないため、部署ごとなどでルールを決めていくとよいでしょう。

属人性の高い業務への対策

特定の担当者しか作業できないにも関わらず、その人がリモートワークだと対応できないといった、属人性の高い業務がある状態でハイブリッドワークを導入するのは避けるようにしましょう

「貴方にしかできないから」といった理由でオフィスワークのみを強いられてしまう状況はモチベーションの低下も招いてしまいます。そのため、事前に属人性が高い業務がないかを洗い出し、あれば他の人でも対応できるようにマニュアルの整備や、担当者を交代制で運用できるような体制を整えることが必要です。

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まとめ

ここまでハイブリッドワークについて、概要やメリット、課題や成功のポイントを解説してきました。

ハイブリッドワークは、オフィスワークとリモートワークのよいところを活用できますが、取り扱いを誤ると悪いところばかりが残ってしまいます。導入前の準備や、ルールの設定も必要ですが、ハイブリッドワークを導入することで、社員には常に「働き方を選ぶ」という選択肢が増えることになります。個々の選択肢がなるべく正解に向かうように、社員の自主性を重んじつつも、サポートしていく姿勢が重要です。

ハイブリッドワークは時代に適合した働き方であり、少し先行きが見えていなかったリモートワークの着地点のひとつといえます。目的に合わせて導入し、臨機応変で快適なハイブリッドワークを目指してみてください。

 

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この記事の著者

湯川 貴史

1989年生まれ。趣味でゲームを作ったり、文章を綴ったりの日々。前職はゲーム開発関連に携わる。現在は素敵な妻と、可愛い二人の子どもと共にフリーランス生活を謳歌。

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