ハイブリッドワークとは?メリットと課題、成功させるポイントを解説
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大学卒業後、クラシック音楽業界にて制作・マネジメント・プロデュースに従事し、アートと教育の融合をテーマに、「体験を学びとして届ける」手法を追求してきた。
その後、体験型コンテンツ会社を経て、株式会社IKUSAにクリエイティブプロデューサーとして入社。
現在は研修事業部の責任者として、体験型・ゲーム型の社員研修事業を統括している。
ユーザー視点に立ったサービス開発を得意とし、「楽しさが行動変容を生む」という信念のもと新しい研修体験を創出している。
近年はリモートワークが普及し、オフィスに出社することなく業務に取り組むことができ、働きやすさが向上しています。その一方で、リモートワークに適さない業務もあり、オフィスワークの必要性も高まってきています。
そこで、リモートワークとオフィスワークのよいところを活用できる「ハイブリッドワーク」が注目されています。状況に応じて柔軟な働き方を選択でき、今後主流になる可能性のあるワークスタイルです。
本記事では、ハイブリッドワークとはなにか、求められる背景、メリット、課題、成功させるポイントを解説します。
ハイブリッドワークとは
ハイブリッドワークとは、会社に出社して業務に取り組む「オフィスワーク」と、自宅など会社以外で業務に取り組む「リモートワーク」を、社員自身が選ぶことのできる働き方です。
選び方としては、「週三日はオフィスワーク、週二日はリモートワーク」といった週の中で切り替えるものと、「リモートワーク/オフィスワークのみ」といった固定の働き方から選ぶものがあります。
ポイントは、社員の事情や、業務の状況に応じて、社員自身が働く場所を柔軟に選べるということです。また、いずれも最初に選んだものを続けるわけではなく、状況に応じて、その都度選べるものとしています。
会社によっては、「全員出社日の設定」「週〇日は出社」などが決められている場合もあります。
リモートワークの課題とハイブリッドワークが求められている背景
リモートワークは近年急激に普及し、利便性が増した一方で、時間が経つにつれ課題も多く出てくるようになりました。
完全ではないコミュニケーション
チャットやメールを用いたやり取りは細かいニュアンスや反応がわかりづらく、電話でも顔を見ることができません。細かな部分を話し合うミーティングであればオフィスワークの方が適していることが多いです。
セキュリティの懸念
オフィス以外で業務する場合、会社のパソコンの紛失や盗難といった危険性があり、カフェなどのフリーWi-Fiを利用してしまうなど、情報漏洩のリスクもあります。そのため、機密性のある業務をオフィス以外で行いづらいといえます。
人によって自宅環境に差異がある
自宅で作業をしたことがなければ自宅のリモートワーク環境が整っていないことがほとんどでしょう。ネット回線や、机と椅子が必要といった点から、家が集中できる環境にない、などといった自宅環境によるリモートワークの向き不向きがあります。
健康への影響
リモートワークにより、通勤時間や労力の削減、プライベートの時間を確保しやすく、ワークライフバランスが改善された側面があります。その一方で、常に一人で作業し続ける孤独感や、終業時間になっても仕事のオンとオフがうまくいかないなど、リモートワーク特有のストレスを抱えて、体調を崩す人も出てきました。
このようにリモートワークのみの運用には課題があり、万能ではありません。反対に、オフィスワークのみの運用も長所と短所があり、難しいといえるでしょう。
そこで、オフィスワークとリモートワークの両方のよいところを活用できるハイブリッドワークが必要とされています。
ハイブリッドワークであれば、以下のような柔軟な働き方が可能になります。
- 大事な会議がある日はオフィスワークにする
- チームの仲間と話したいのでオフィスワークにする
- 機密性のある企画の設計段階のため、設計が完了するまではオフィスワークにする
- 介護で忙しいため、しばらくはリモートワークにする
- 幼稚園が休みで、子どもが家にいる日だけリモートワークにする
- 膨大なデータ入力作業があり、集中したいため、終わるまではリモートワークにする
状況に応じた最適な働き方を選択することで、生産性の向上や、社員の健康を保ち、モチベーションを高めることにもつながるでしょう。
ハイブリッドワークのメリット
ここでは、ハイブリッドワークの具体的なメリットを3つ紹介します。
オフィスの有効活用
完全なリモートワークに移行するとオフィス利用者が激減しますが、オフィスの維持費は依然としてかかってしまいます。
しかし、ハイブリッドワークであれば、オフィス利用者人も一定数おり、全員が出社した場合と比べると人も少ないため、オフィスのスペースも確保できるでしょう。
それにより今までは難しかった休憩室やミーティングスペースを作ることができたり、座席を固定化せず、さまざまな人とコミュニケーションが取れるフリーアドレスの導入ができたりなど、工夫次第でオフィスの有効活用が可能です。
生産性の向上
ハイブリッドワークであれば、現在行っている業務に応じて適した働き方を選択することができます。
ホワイドボードで複数人が意見を書きながら会議したい場合は、リモート会議を行うよりも実際にオフィスに出向いて会議をした方が効率がよいでしょう。反対に、データ入力など、単純な作業であれば自宅で集中的に作業する方が効率がよいこともあります。
このように最適な働き方を選ぶことで、効率よく作業でき、生産性の向上も見込めます。
柔軟な働き方の実現
オフィスワークか、リモートワークか選べることで社員個人や家庭の事情にも対応しやすくなります。
たとえば、子育てや介護などに追われ、オフィスワークが難しい人でも、一時的にリモートワークに切り替えることで勤務の調整ができるため、やむを得ない離職を減らせる可能性があるでしょう。
また、自身の裁量で働きやすい環境を選べることでモチベーションの向上や、社員の満足度にもつながります。そのほかにも、孤独感がある、仕事のオンオフがうまくいかない、など自身の状態によって臨機応変に働き方を選択でき、身心の管理がしやすいこともメリットです。
こうした柔軟な働き方を実現することで長期的に働いてもらいやすく、求職者の目にも魅力的に映る効果もあるでしょう。
ハイブリッドワークの課題と対策
オフィスワークとリモートワークのよいところを活用できますが、ハイブリッドワークならではの課題もあります。対策と合わせて解説します。
勤怠管理の煩雑さ
リモートワークの勤怠管理は、相手の状況が見えず確認が難しいとされていますが、オフィスワークと合わさることでより煩雑になりやすいことは課題のひとつです。
また、日によって出社するかどうかも変わるため、誰がどこにいるのかがすぐわからないこともあります。
対策として、勤怠管理システムやグループウェアを導入し、勤務状況を管理できるようにしましょう。
不公平感が生まれることがある
オフィスワークだと、緊急の対応が発生した際に口頭で素早く内容を伝えられるため、オフィスに出社している人に対応を依頼しがちになり、業務量が増加することがあります。
また、リモートワークだと、その場に居ないため業務への評価がされづらく、チーム内での急な対応がオフィスにて行われると大事な意思決定の場に参加できないといったことも起こり得ます。
このような働き方の差によって不公平感を生まれると、社員のモチベーションや、チームワークも低下してしまうでしょう。
業務の割り振りにはオフィス、リモートを問わず、最適な相手に依頼することを心がける必要があります。また、評価面についても、工数管理ツールを用いて業務進捗を可視化し、勤務場所を問わない明確な評価項目の作成や、個人目標の達成度の評価、成果が見える報告書単位での評価などの対策が必要になるでしょう。
コミュニケーションの問題
同じチームでもオフィスとリモートで二分化されてしまうため、「オフィスでしか共有されていない情報」「リモートワークのチャット上でしか共有されていない情報」が生まれてしまうことがあります。
また、ちょっとした連絡や相談についても、オフィスワーク側では即時に返事があることから同じオフィスワークの人に、リモートワーク側も同様に画面を見ていることが多いリモートワークの人にコミュニケーションを取りがちです。「正しい情報を知っている相手」ではなく、「聞きやすい相手」に相談してしまうといったことはチームワークの分散であり、生産性の低下にもつながります。
対策として、リモートワーク準拠のコミュニケーションを心がけ、オフィス、リモートワーク関わらず共通のツールで必ず情報を共有するルールの設定や、定例のWeb会議などでコミュニケーションを取ることが重要です。
ハイブリッドワークを成功させるポイント
ハイブリッドワーク導入前に押さえておきたいポイントを紹介します。
事前にルールを定めておく
オフィスと自宅では働き方が大きく異なるため、細かいところまでルールを作っておかないと、いざ業務が始まった際に判断に迷うことが多く、社員の混乱を招くことにもなってしまいます。
はじめにリモートワークの対象となる人や業務、勤務場所の規定、休憩時間を取るタイミングなどを細かく決めておきましょう。また、離れた場所での連携が必要になるため、報告や連絡の方法やルールについても決めておく必要があります。とくに情報共有がオフィスとリモート間で疎かになる場合があるため、チーム全員が利用しているチャットなど、オープンな場で発信することが重要な点を押さえておきましょう。
ただし、ハイブリッドワークは社員が柔軟な働き方を選択できることがポイントなため、「週〇日は出社する」というルールはかえって不自由になることがある点には注意が必要です。また、会社全体で同じルールにする必要はないため、部署ごとなどでルールを決めていくとよいでしょう。
属人性の高い業務への対策
特定の担当者しか作業できないにも関わらず、その人がリモートワークだと対応できないといった、属人性の高い業務がある状態でハイブリッドワークを導入するのは避けるようにしましょう。
「貴方にしかできないから」といった理由でオフィスワークのみを強いられてしまう状況はモチベーションの低下も招いてしまいます。そのため、事前に属人性が高い業務がないかを洗い出し、あれば他の人でも対応できるようにマニュアルの整備や、担当者を交代制で運用できるような体制を整えることが必要です。
まとめ
ここまでハイブリッドワークについて、概要やメリット、課題や成功のポイントを解説してきました。
ハイブリッドワークは、オフィスワークとリモートワークのよいところを活用できますが、取り扱いを誤ると悪いところばかりが残ってしまいます。導入前の準備や、ルールの設定も必要ですが、ハイブリッドワークを導入することで、社員には常に「働き方を選ぶ」という選択肢が増えることになります。個々の選択肢がなるべく正解に向かうように、社員の自主性を重んじつつも、サポートしていく姿勢が重要です。
ハイブリッドワークは時代に適合した働き方であり、少し先行きが見えていなかったリモートワークの着地点のひとつといえます。目的に合わせて導入し、臨機応変で快適なハイブリッドワークを目指してみてください。
以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。
1.合意形成研修
合意形成研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。
学びのポイント
- 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
- 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
- より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す
2.PDCA研修
PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。
学びのポイント
- 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
- 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく
3.戦略思考研修
戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。
学びのポイント
- 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
- 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる
4.コミュニケーション研修
コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。
学びのポイント
- 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
- 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる
5.ロジカルシンキング研修
ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。
学びのポイント
- 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
- 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる
6.クリティカルシンキング研修
クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。
学びのポイント
- 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
- フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
- 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する
7.リーダーシップ研修
リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。
学びのポイント
- メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
- 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる
8.ビジネスマナー研修
ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。
学びのポイント
- 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
- 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる
9.防災研修
防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。
学びのポイント
- 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
- 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ
10.OODA LOOP研修
OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。
学びのポイント
- 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
- ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う
この記事の著者
あそぶ社員研修は、企業の研修担当者向けのお役立ち情報を発信するメディアです。研修に関するノウハウ、組織・人材開発の手法、ビジネススキルなどをわかりやすく紹介します。






