抽象化思考とは?メリットやトレーニング方法ビジネスでの活用例を紹介
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大学卒業後、クラシック音楽業界にて制作・マネジメント・プロデュースに従事し、アートと教育の融合をテーマに、「体験を学びとして届ける」手法を追求してきた。
その後、体験型コンテンツ会社を経て、株式会社IKUSAにクリエイティブプロデューサーとして入社。
現在は研修事業部の責任者として、体験型・ゲーム型の社員研修事業を統括している。
ユーザー視点に立ったサービス開発を得意とし、「楽しさが行動変容を生む」という信念のもと新しい研修体験を創出している。
抽象化思考とは、物事の中から共通点や、本質的なことを抜き出して把握し、概念化する思考方法です。問題解決や商品開発やプレゼンテーションなど、さまざまなビジネスシーンで必要とされています。しかし、具体的にどのようにすれば身につけられるのか、分からない方も多いでしょう。
本記事では、抽象化思考の概要、身につけるメリット、実際のビジネスシーンでの活用法、具体的な鍛え方について紹介します。
抽象化思考とは
抽象というと、「漠然としてはっきりしないこと」という印象を持っている方もいるでしょう。「話が抽象的すぎて、理解できない」というふうにネガティブな使われ方をすることもあります。
しかし、抽象という言葉自体は、多くの物事の中から共通点や本質的なことを抜き出して把握し、概念化することを指します。「抽象化思考」とは、物事の重要な点を抽出して本質としてとらえる思考方法です。
抽象化思考を身につけることで、一見複雑な問題も、その本質を理解できるようになるため、解決策を見つけだせることもあります。
クリエイティブな人やギフテッドは、抽象化思考が得意であり、自然と抽象化思考が癖になっていることもあるようです。彼らは、一見すると整合性のない複雑な物事でも、すぐに整理して、的確な判断をくだすことができます。
具体化思考との関係
抽象の対義語は、具体ですが、具体化思考が抽象化思考と対極にある思考法かというと、実はそうではありません。具体化思考とは、物事を詳細に分析したり、イメージを細分化して明確にしたりする思考法です。
抽象化思考と具体化思考は、状況によって使い分けたり、相互に行き来したりすることで、さらに効率の良い課題解決につながります。
抽象化思考のメリット
物事の共通点や本質を概念化することで、アイデアの源泉にもなる抽象化思考ですが、具体的にどのように役に立つのでしょうか。主なメリットは以下の通りです。
- 理解力がアップする
- 多くのアイデアを生み出せるようになる
- 理解しやすい説明ができるようになる
- 問題解決力がアップする
一つずつ解説します。
理解力がアップする
抽象化思考を身につけることのメリットのひとつに、理解力のアップがあげられます。
誰でも未経験のことや、知見のないことに挑むのは大変なことです。たとえば、今までとはまったく違う業界に転職した場合、なかなかスムーズに業務をこなせないこともあります。しかし、人によっては、未経験であっても、業務内容を理解し、慣れるのが早い方もいるでしょう。
抽象化思考を身につけている人の場合、このように未経験の仕事でも早くこなせる傾向があります。それは、未経験の仕事の中に、過去の仕事の経験の共通点を見出して結びつけ、理解する能力があるからです。
抽象化思考によって、未経験のことであっても、実質的にはゼロからはじめなくて済むようになります。
多くのアイデアを生み出せるようになる
抽象化思考によって、発想力が豊かになり、多くのアイデアを生み出せるようになります。
たとえば、アイスの商品開発をしている際に、ただアイスのことだけを考えていても、既存のアイスのアイデアしか浮かばないでしょう。しかし、抽象化思考を身につけていれば、アイスとはまったく関わりのない物事からもアイスのアイデアを思いつくことができます。さまざまな要素を組み合わせて、今までにない商品を生み出すことも可能なのです。
理解しやすい説明ができるようになる
説明する際も、抽象化思考が役に立ちます。
まず説明が苦手な人は、話の要点を整理するのが苦手な傾向があります。最も重要なことをしっかりと伝えることが大切ですが、そうではないことばかりを話してしまうこともあるでしょう。
抽象化思考を磨くことによって、物事の中で核となることが分かるようになり、その点を意識して説明ができるようになります。そのため、長々と話さなくても、相手にしっかり伝わるように話せるようになります。
また、相手が理解しやすいように、例え話をつくるのも得意になるでしょう。複雑な内容であっても、伝わりやすいように単純化した例え話ができるようになります。
問題解決力がアップする
抽象化思考を磨くことで、問題が起きた時、スムーズに解決しやすくなります。
何か問題が起きた時、既存の知識だけでは対応できないこともあります。今までにない状況に陥ったからこそ問題が起こるからです。しかし、抽象化思考によって、既存の知識の中で、問題解決し得るヒントを抽出できることがあります。「実はあの時と同じだ」と気づき、対処できることもあるでしょう。
抽象化思考のデメリット・注意点
抽象化思考によってさまざまなメリットが期待できますが、一方で、以下のように注意すべきデメリットもあります。
- 最適な手段が見落とされることがある
- 認識の誤りを生むこともある
- 話が大きくなりすぎて、伝わりにくい
一つずつ解説します。
最適な手段が見落とされることがある
抽象化にこだわりすぎるあまり、個々の固有の要素の中にある最適な手段を見落としてしまうこともあります。そのため、目的達成にとってマイナスになることもあり得ます。
すべてにおいて、抽象化思考だけが最適な解決策とは限りません。具体化思考も意識して、使い分けるのがおすすめです。
認識の誤りを生むこともある
抽象化思考では、物事を一般化して、他のことにも当てはめます。しかし、すべてが一般化できるわけではなく、当てはまらないのに当てはめたことにすると、認識の誤りを生むことになるでしょう。この場合、誰かに何かを伝えた際は、相手に間違った内容を伝えてしまうこともあるでしょう。
話が大きくなりすぎて、伝わりにくい
抽象化思考を磨くと、例え話が得意になると前記しましたが、例え話の内容が大きくなりすぎると、伝わりにくいこともあるでしょう。共通点があったとしても、相手がピンとこないと感じるほど、かけ離れた話である場合は、何を言わんとしているか理解されないこともあります。
抽象化思考のトレーニング方法
抽象化思考を身につけることは、仕事や学習、他人とのコミュニケーションでも、プラスになります。しかし、今まで抽象化思考を意識してこなかった場合、どのように見つけたらいいのかわからないでしょう。また、実際に慣れていなければ、そのように思考するのは難しいです。そういう場合は、抽象化思考を以下のような方法で身につけましょう。
- 日頃から物事の共通点を探す
- 日頃から物事をグループ分けする
- メモを取る際、図にして考える
- 論理パズルを活用する
- 水平思考クイズで遊ぶ
- 新しいことを学び、新しい趣味を見つける
- 抽象的思考に関する本を読む
- 異なる業界を比較する
- 芸術鑑賞をする
一つずつ解説します。
日頃から物事の共通点を探す
抽象化思考は、特に訓練しなくても、思考の癖として身についている人もいます。そういう人の場合は、まったく関係性のない物同士であっても、類似性や関連性を見つけだすことも少なくありません。
抽象化思考が癖になっていない方は、意図的に2つ以上の物事の特徴をピックアップして、その中に共通する要素がないかを探る癖をつけるようにしましょう。
日頃から物事をグループ分けする
物事をグループ分けすることも、抽象化思考のトレーニングになります。たとえば、書類を整理する時に、会議の資料、プロジェクトの資料、研修の書類といったふうにグループに分けてみます。また、それらを優先順位ごとに置き場所を決めます。このようなグループ分けの作業を繰り返すことで、情報を整理して、パターンを理解する力が養われます。
メモを取る際、図にして考える
業務の際のメモや、議事録などをあえて文章のみではなく、図にしてみるのもよいでしょう。文章は、意味が通った内容にするために、本質とは関係のないことまで記す必要があります。しかし、図は、文章のように何もかも記すわけにはいかないので、必然的に余計なものがそぎ落とされ、最も本質的なものが残ることになります。
また、一目で見て分かるように分類され、並べられるという点でも、抽象化思考を鍛える助けになります。
論理パズルを活用する
ロジックパズルとも呼ばれている論理パズルは、思考力や問題解決能力を養うクイズゲームです。普通のクイズではなく、問題文に対して、論理的に推理して回答を導き出します。論理パズルでは、物事の共通点やルールを把握することが鍵となるため、抽象化思考と密接な関りがあります。
論理パズルはテキストとして購入することもできますが、インターネット上でも無料で活用できる論理パズルのサイトもあります。
水平思考クイズで遊ぶ
水平思考(ラテラルシンキング)とは、イギリスの心理学者であるエドワード・デ・ボノ氏が提唱した、固定概念や既成概念にとらわれずに物事を考える思考法です。今までにないアイデアや解決策を生み出します。自由な発想という点で、水平思考は抽象化思考と密接な関りがあります。
水平思考をトレーニングするために、水平思考で答えを考え出す水平思考クイズがあります。
新しいことを学び、新しい趣味を見つける
これまでとは異なる体験をしたり、新しいことを学んだりすることは、抽象化思考を養うのにプラスになります。新しいことの中に、今までの経験との共通点もあり、そのことを見つけ出すことで抽象化思考を鍛えるきっかけになるでしょう。
新しい趣味は、視野が広がると同時に、これまでの経験と組み合わせることで、さらに創造性を育めます。
抽象化思考に関する本を読む
抽象化思考をより深く学ぶために、抽象化思考に関する本を読むのも良いでしょう。抽象化思考の概念を深堀りした本や、具体的な実践法が書かれた本など、さまざまありますので、何冊か読んでみるのがおすすめです。
また、哲学や心理学など、抽象的な概念を扱った本を読むことも抽象化思考のトレーニングに適しています。
異なる業界を比較する
未経験の仕事をはじめる時に、抽象化思考が活用できることを前記しましたが、トレーニングとして、異なる業界を比較してみるのもよいでしょう。まったく違う業界であっても、根本的な仕組みの部分で共通点があるものです。こうしたトレーニングにより、思考の柔軟性が高められます。
芸術鑑賞をする
芸術鑑賞も抽象化思考を養うのに役立ちます。芸術の魅力や価値は抽象的なものです。また、作品に込められたテーマやメッセージを考えることや、過去に鑑賞した作品と比較することは、抽象化思考のトレーニングになります。
抽象化思考のビジネスシーンでの活用例
多くのビジネスパーソンが抽象化思考を養うことに関心があり、実際にトレーニングを実践しています。それは、さまざまなビジネスシーンで抽象化思考が有効だからです。具体的に以下のような場面で抽象化思考が活用されています。
- 新規企画の立案
- プロダクト開発
- 営業戦略の立案
- 業務の報告
一つずつ解説します。
新規企画の立案
新しい商品やサービスの企画を立案する際に、抽象化思考で考えることで、今までにないアイデアや発想が浮かびやすくなります。新規企画を成功させるには、業界のトレンドや売れ筋を把握して、それに沿った企画にすることも大切です。しかし、新しいトレンドを作り、新しい市場を作るには、従来とは異なるアイデアや発想が必要でしょう。
抽象化思考で新規企画を立案することで、無関係の分野からもアイデアを得られるので、多様な企画を立案できます。その中に、これからのトレンドをつくる優れたアイデアがある可能性もあります。
プロダクト開発
ユーザーに価値ある製品やサービスを提供するために、市場のトレンドや顧客のニーズのリサーチは大事です。しかし、それだけではなく、目に見えていない、顧客も意識していない本質的課題に気づき、根本から解決することが求められます。抽象化思考は、こうした真の課題の特定に役立つ思考方法です。
営業戦略の立案
営業活動が思う通りにいかない時、売れない理由を表面に見えている事情だけで計り、それに基づいて計画を立てても、事態を打開できないことはよくあります。それは、根本的な理由ではないからです。抽象化思考を用いることで、顧客からなぜ選ばれていないのか、その真の理由を探ることができます。
業務の報告
業務について分かりやすく説明、報告することで、時間の節約になるだけではなく、相手に内容がしっかりと伝わるため、的確なアドバイスが得られるでしょう。抽象化思考を身につけることで、最も相手に伝えるべき本質的な内容が分かるようになるため、的確な報告ができるようになります。また、報告を聞いた相手も内容を正しく理解しやすくなるでしょう。
抽象化思考が得意な人
抽象化思考が得意で、常日頃から、抽象化思考で物事を考えている人もいます。以下のような、いくつかの特徴があります。
知的好奇心が強く、知識が豊富
抽象化思考を活用するためには、そもそも多くの引き出しが必要です。豊富な知識や教養があるからこそ、さまざまな物事の共通点を探すことができます。
論理的に物事を考える人
論理には、具体化だけではなく、抽象化する能力や、物事の因果関係を分析、把握する力が必要です。そのため、抽象化思考が得意な人は、論理的に物事を考える傾向があります。
直観力がある
直観はひらめきであり、偶然の産物のように感じられますが、突然天から降ってくるわけではありません。頭にある情報が常に抽象化されているからこそ、直観的なひらめきはもたらされます。
芸術に関心がある
芸術を楽しむには、抽象的に鋭く物事を捉え、楽しむ感性が必要です。また、抽象化思考を鍛えるのに、芸術を楽しむことは適しています。
理解力が高い
抽象化思考を用いることによって、そうでない人と比べて、情報を的確に分類するため、処理速度が速くなります。そのため、理解力が高くなります。短時間で、多くのことを達成しやすい傾向があります。
ユーモアに富んでいる
物事を面白がり、楽しむには、型にはまらない自由な視点を持つ必要があります。抽象化思考が得意な人は、ユーモアに富んでいる傾向があります。
まとめ
抽象化思考について解説しました。抽象化思考は、人によっては特別なものではなく、自然とそのように思考しているケースもあります。そうした場合は、他の人とは異なる豊かな発想やアイデアを生み出すことが可能です。
抽象化思考は、さまざまなビジネスシーンで役に立ちます。また、後天的に磨いたり、身につけたりすることもできます。日頃から物事の共通点を探したり、分類したり、芸術に親しんだり、本を読んだり、誰でも実践可能なので試してみてはいかがでしょうか。
以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。 1.合意形成研修 合意形成研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。 学びのポイント 2.PDCA研修 PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。 学びのポイント 3.戦略思考研修 戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。 学びのポイント 4.コミュニケーション研修 コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。 学びのポイント 5.ロジカルシンキング研修 ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。 学びのポイント 6.クリティカルシンキング研修 クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。 学びのポイント 7.リーダーシップ研修 リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。 学びのポイント 8.ビジネスマナー研修 ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。 学びのポイント 9.防災研修 防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。 学びのポイント 10.OODA LOOP研修 OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。 学びのポイント
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