PDSサイクルとは?PDCAサイクルとの違いやその他のマネジメントサイクルを紹介

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この記事の監修者
株式会社motch me 取締役
石野 太一
同志社大学在学中に大学生向けクリエイティブスクールの立ち上げに携わる。25歳の時に「地頭を鍛える」をコンセプトに、謎解きやパズルを用いた学習塾「たいち数楽教室」を開塾し、延べ300名以上を指導。その後ベンチャー企業の一号社員として研修事業の責任者を務め、営業・コンテンツ開発から講師登壇までを担い、年間88回登壇した実績を持つ。「講師は現場を離れて講師だけをやっていてはいけない」をモットーに、現在はイベント制作会社の取締役として経営企画・人事に携わりながら、講師活動を続けている。

マネジメントサイクルで最も有名なのは、恐らくPDCAサイクルではないでしょうか。しかし、PDCAサイクル以外にも様々なマネジメントサイクルがあり、その一つが、PDSサイクルです。

本記事では、まずPDSサイクルとはどのようなものか、そもそもマネジメントサイクルとは何かを解説し、PDCAサイクルとの違い、PDSサイクルを活用するときのポイント、PDSサイクル・PDCAサイクル以外のマネジメントサイクルを紹介します。

 

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PDSサイクルとは

PDSサイクルとは、「Plan(計画)」→「Do(実行)」→「See(評価・見直し)」の3つのステップを回し続けていくというものです。業務改善や予算管理などに用いられています。

各ステップで行うことは、以下の通りです。

Plan(計画)

まず目標を定め、その達成に向けた計画を立てます。目標達成に必要なステップ、リソースなどを確認し、スケジュールを作成します。

Do(実行)

策定した計画を実行に移します。

See(評価・見直し)

行動した結果を評価・分析して、改善案を検討し次のサイクルにつなげます。

PDSサイクルはマネジメントサイクルの一つ

どれだけ念入りに計画を立てても、いざ実行に移すと、内容が組織に合っていないことに気づいたり、不備が見つかったりすることがあります。そのため、「何をするのかを決める → 実行する → 改善(軌道修正)する → 再度実行する」という、一連の流れが必要になるのです。これを仕組化したものを、マネジメントサイクルといいます。ステップの数や名称はマネジメントサイクルの種類によって異なりますが、基本的な考え方は同じです。

PDSサイクルも、このマネジメントサイクルの一つです。活用方法としては、まず管理者が計画を立てて(Plan)、それを部下が実行し(Do)、管理者が結果を評価して、見直しをする(See)という流れになります。このサイクルを、一度だけでなく何度も回していきます。そうすることで、もし軌道がズレてしまっても速やかな修正が可能となり、当初の計画自体も進化させていくことができるようになります。

マネジメントサイクルには、PDSサイクル以外にも多くの種類があります。お伝えしたように基本的な考え方は同じですが、それぞれ特徴がありますので、目標や状況に合わせて使い分けると効果的です。

参考:『「経営学の基本」がすべてわかる本』(著者:土方千代子、椎野裕美子 / 出版社:秀和システム)

PDSサイクルの特徴

このあと本記事でも代表的なマネジメントサイクルをいくつか紹介しますが、PDSサイクルのように3つのステップを回していくものもあれば、4つのステップを回していくマネジメントサイクルもあります。ステップの数が一つ少ない分、スピーディーに回せるというのがPDSサイクルの特徴です。そのため、中長期的な目標よりも、短期的な目標の管理に向いているでしょう。また、日々の業務効率化や改善にも適しています。

PDSサイクルは、「Plan(計画)」で立てる計画が具体的で実現可能なものになっていないと、サイクルがうまく回らなくなることがあります。PDSサイクルを活用する際は、その点は注意しましょう。

 

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PDSサイクルとPDCAサイクル

最も知られているマネジメントサイクルは、PDCAサイクルではないでしょうか。ここからは、PDCAサイクルの各ステップの内容と、PDSサイクルとPDCAサイクルの違いについて解説します。

PDCAサイクル

PDCAサイクルは、「Plan(計画)」→「Do(実行)」→「 Check(評価)」→「Action(改善)」の4つのステップを回し続けていきます。これをただ繰り返すだけでなく、螺旋のように徐々にレベルアップさせながら回し続けていくことが重要です。では、4つのステップを詳しく見ていきましょう。

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1.Plan(計画)

「計画」とありますが、まずやるべきなのが明確な目標の設定です。目標には、具体的な数値を用いた定量目標と、目指す状態を言葉で表した定性目標の2種類があります。評価をしやすくするために、可能な限り定量目標とすることが望ましいです。

そして、目標が決まったら、その達成に向けた計画を立てていきます。やるべきことを洗い出し、どれくらいの工数がかかるのか、どの手順が最適かなどを考えながら、スケジュールを組んでいきましょう。

計画を現場で実行するのは部下です。部下が「何をすべきか」を理解し、モチベーション高く取り組めるように、目標と計画は明確なものとすることが重要です。

2.Do(実行)

次は、計画通りに取り組みを実行するステップです。取り組みの結果を正しく評価できるように、このステップではできるだけ活動の記録を残しておくようにしましょう。

また、管理者は積極的に部下とコミュニケーションをとり、進捗状況を把握するようにしましょう。

3.Check(評価)

計画を実行し終えたら、取り組みの結果を評価します。このステップでは、成果が得られたかどうかだけでなく、「なぜその結果になったのか」という部分をしっかり分析することが重要です。

もし計画通りにいかなかった部分があったのなら、なぜできなかったのか、目標やテーマ、スケジュールは妥当だったか、どこに無理があったのかなどを振り返り、深掘りしていきます。

4.Action(改善)

最後は、評価の結果にもとづき、改善案を検討するステップです。

改善すべきところが複数ある場合、次回の計画ですべて改善するのは難しい場合もあります。優先順位をつけるなどして絞り込み、盛り込みすぎないことも大切です。また、次の計画には「上手くいかなかった点」だけでなく、「上手くいった点」を反映させることも忘れないようにしましょう。

参考:PDCAサイクルと OODAループ – 厚生労働省(PDF)

PDSサイクルとPDCAサイクルの違い

では、PSDサイクルとPDCAサイクルはどのように使い分ければよいのでしょうか。どちらのサイクルも、基本的な考え方や流れは同じです。まず目標と計画を立て、計画を実行し、その結果を評価・分析して改善につなげていきます。

PDSサイクルでは、PDCAサイクルの「Check(評価)」と「Action(改善)」が「See(評価・見直し)」という一つのステップにまとめられています。PDSサイクルはステップの数が一つ少ない分、PDCAサイクルより素早く回すことができます。

また、PDCAサイクルは、先ほどお伝えしたように徐々にレベルアップさせながら回していくことが重要です。つまりPDCAサイクルは、「次の計画をより良くしようとする方法」とも考えることができます。これに対してPDSサイクルは、計画のレベルを上げるというよりは、「次はより上手く実行するための方法」と考えられます。

このような特徴の違いから、PDSサイクルは短期的な目標や日々の業務の改善・効率化に、PDCAサイクルは中長期的な計画の実行に向いているといえるでしょう。たとえば、企業や部署の長期的な計画をPDCAサイクルで管理し、その中でチーム・個人単位の活動をPDSサイクルで回すといった使い分けが可能です。

PDSサイクルを活用するときのポイント

PDSサイクルは、ただ回し続けていれば成果が得られるというものでもありません。ここからは、PDSサイクルを効果的に回すためのポイントを紹介します。

目標と計画を明確にする

「PDSサイクルの特徴」の項でもお伝えしたように、最初に立てる目標や計画があいまい、または非現実的なものになっていると、サイクルが回りにくくなります。目標は明確に、かつ、できるだけ定量的なものとするのが望ましいでしょう。また、目標とあわせて、その達成度を測る定量的な評価基準も設定しておくと、評価がしやすくなるのでおすすめです。

そして目標が決まったら、その目標と現状を照らし合わせて、ギャップを埋めるために必要なことを漏れなく洗い出します。一つひとつにどれくらい時間がかかるのか、どの手順が最適かなどを考慮して、現実的に実行可能な計画を立てましょう。

また、「Do(実行)」のステップで実際に行動するのは管理者ではなく部下なので、決まった目標と計画は部下に共有し、きちんと理解してもらうことも大切です。そのため、目標はわかりやすいものとすることも意識しましょう。目標がわかりにくいと、部下は何のために何をすればよいのかわからず、モチベーションも下がってしまう恐れがあります。

目標設定に活用できる「SMARTの法則」

目標を設定する際は、以下の5つの要素を意識するとよいでしょう。これは、効果的な目標を設定するためのフレームワーク、「SMARTの法則」と呼ばれるものです。

  • Specific(具体的である)……目標の内容が誰でも理解できるくらい具体的であるか。
  • Measurable(測定できる)……目標の達成度を測定することができるか。
  • Achievable(達成できる)……目標の内容が現実的に達成できるものになっているか。
  • Relevant(関連性のある)……目標が自社の事業や目的、個人の利益と関係しているか。
  • Time-bound(期限がある)……目標の達成期限が定められているか。

これら5つをすべて満たさなければいけないというわけではありませんが、モチベーションを引き出すために、「Relevant(関連性のある)」は満たしておきたいところです。その他の要素もできるだけ満たせるように意識することで、具体的でわかりやすい目標を設定することができ、達成に向けた計画も立てやすくなるでしょう。

なお、「SMARTの法則」については以下の記事で詳しく解説しています。目標を設定する際に、よろしければ参考にしてください。

SMARTの法則とは?目標設定の方法や活用例・ポイントを解説

サイクルを見える化する

サイクルをチームメンバー全員で回していくために、目標・計画、進捗状況などを見える化して、簡単にメンバー間で共有できる仕組みがあると便利です。情報共有をスムーズに行えるようになれば、サイクルも円滑に回るようになるでしょう。プロジェクトやタスクを管理できる便利なツールも多数リリースされていますので、そうしたツールを活用することも検討してみてはいかがでしょうか。

また、PDSサイクルやPDCAサイクルが上手く回らないときによくあるのが、「Plan(計画)」と「Do(実行)」で満足してしまって、その後の評価や見直しが疎かになっているというケースです。サイクルを回し続けるためには、結果をきちんと評価して改善につなげていくことが重要です。そして、きちんと評価をするためには、「Do(実行)」でできるだけ記録をつけておくことがポイントになります。便利なツールがあれば、メンバーは記録をつけやすくなりますし、管理者としても進捗状況の把握や軌道修正をしやすくなるというメリットもあります。

サイクルは回し続ける

PDSサイクルは、一周したら終わりではなく、回し続けていくことが大切です。そうすることで、得られる成果も大きくなる可能性があります。また、改善を続ける中で、社内にノウハウも蓄積されていくでしょう。

ノウハウを溜めていくには、「See(評価・見直し)」のステップで、悪かった部分・上手くいかなかった部分だけでなく、良かった部分・上手くいった部分もきちんと評価することが重要です。それらを標準化できれば、より大きな成果を生み出せるようになるでしょう。そのためには、先ほどお伝えしたように「Do(実行)」のステップでできるだけ記録をつけておくことが大切です。実行する中で「これは良かった」「これは上手くいった」と感じることがあれば、しっかり記録に残しておきましょう。

その他のマネジメントサイクル

最後に、PDSサイクルとPDCAサイクル以外のマネジメントサイクルを紹介します。

CAPDサイクル

CAPDサイクルは、「Check(評価)」→「Act(改善)」→「Plan(計画)」→「Do(実行)」を繰り返していくマネジメントサイクルです。「CAPDo(キャップドゥ)」と呼ばれることもあります。

1.Check(評価)

現状の問題点を把握し、評価・分析を行います。

2.Act(改善)

「Check(評価)」の内容をもとに、改善案を考えます。

3.Plan(計画)

改善案をもとに、具体的な計画を立てます。

4.Do(実行)

計画にもとづいて、取り組みを実行します。

4つのステップは、PDCAサイクルと同じです(「Act」と「Action」という英単語の違いはありますが)。しかしCAPDサイクルでは、最初のステップが「Check(評価)」となっています。そのため、現状の問題や課題、改善点などを計画に反映しやすいという特徴があります。また、PDCAサイクルよりも気軽に取り入れることができ、サイクルを素早く回せるともいわれています。

PDRサイクル

PDRサイクルは、「Preparation(準備)」→「Do(実行)」→「Review(評価)」を繰り返していくマネジメントサイクルです。ハーバードビジネススクール教授の、リンダ・ヒル氏により提唱されました。

1.Preparation(準備)

これから何を実行するのか、その理由や目的を考えます。

2.Do(実行)

「Preparation(準備)」で考えた目的に合わせて、取り組みを実行します。

3.Review(評価)

実行した結果を客観的に評価し、見直します。

PDRサイクルは、計画ではなく実行に向けた準備から始まります。また、ステップも3つしかないので、サイクルをコンパクトに素早く回せるという特徴があります。

STPDサイクル

STPDサイクルは、「See (現状を見る)」→「Think(考える)」→「Plan(計画する)」→「Do(実行する)」を繰り返していくマネジメントサイクルです。

1.See (現状を見る)

客観的なデータを収集し、現状を把握します。

2.Think(考える)

収集した情報を客観的に分析し、どうするべきか、何を変えるべきかを考えます。

3.Plan(計画する)

具体的な計画を立てます。

4.Do(実行する)

計画にもとづいて、取り組みを実行します。

STPDサイクルは、まず現状を正しく把握するところから始まるため、目標と現状のギャップを把握したうえで計画を立てることができます。また、PDCAサイクルよりもスピーディーに回せるともいわれています。

OODAループ

OODA(ウーダ)ループは、アメリカ空軍のジョン・ボイド氏により提唱されました。正確には意思決定のフレームワークですが、マネジメントサイクルとして紹介されることもあります。

Observe(観察)

周りの状況をよく観察し、生データを集め、現状を把握します。

Orient(状況判断)

観察した結果から、どのような状況なのかを判断します。

Decide(意思決定)

状況判断にもとづいて、実行することや計画を策定します。

Act(行動)

計画に沿って、取り組みを実行します。

上記の通りステップは4つですが、OODAループはここまでに紹介したマネジメントサイクルのように、アルファベット順に進めていかなければならないというわけではありません。同時に行ったり、戻ったりすることもあります。また、スピードを重視するため、環境の変化にも対応しやすいという特徴があります。

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まとめ

PDSサイクルは、PDCAサイクルよりも素早く回せるため、短期的な目標、日々の活動の改善や効率化に適しています。一方PDCAサイクルは、どちらかというと中長期的な目標に向いているため、PDCAサイクルの中でPDSサイクルを回すというイメージで組み合わせると効果的です。

他にもさまざまなマネジメントサイクルがあり、それぞれ特徴が違いますので、状況や目的に合わせて使い分けてみてください。

 

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

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