従業員エンゲージメント向上施策7選!企業事例・ポイントも解説
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従業員エンゲージメントの向上は、多くの企業にとって課題となっています。従業員が仕事に対してどれだけ情熱や責任感を持っているかは、企業の生産性や成長に影響を与える重要な要素です。
エンゲージメントが高い従業員は、自発的に業務に取り組み、職場の活性化や離職率の低下につながるため、従業員エンゲージメントを向上させる施策の実施が重要です。ただし、施策の実施を考える際には、社内の課題を明確にし、それが整備・改善されるような適切な施策が必要となります。
本記事では、従業員エンゲージメントとはなにか、従業員エンゲージメントの向上が必要な理由、施策の具体例、施策を実施する際のポイント、企業の事例を紹介していきます。
従業員エンゲージメントとは
従業員エンゲージメントとは、従業員が組織や業務に対してどれだけ積極的に関わり、意欲的に取り組んでいるかを示す指標です。従業員が自身の仕事にどれだけ働きがいを感じているか、組織に対する愛着心がどの程度あるか、そうした組織と従業員のつながりや、信頼の度合いによってエンゲージメントは構成されています。
従業員エンゲージメントを向上させることで、従業員の業務への積極性やモチベーションが向上し、職場の生産性の向上や離職率の低下といったメリットが期待されます。
エンゲージメントを把握するためのツールとして、エンゲージメントサーベイを活用することが一般的です。これは従業員の組織に対する意識や感情を数値化し、具体的な課題発見と改善策の立案につなげ、組織運営の改善に役立てることができます。
従業員エンゲージメントの向上が必要な理由
従業員エンゲージメントを向上させることが必要な理由として、少子化や労働人口の減少、働き方の多様化により、人材を長期間確保し続けることが難しくなっていることが挙げられます。
そうした課題に対して従業員エンゲージメントが高いと、従業員は企業への帰属意識が強まり、離職率が低下し、結果的に定着率の向上が期待できます。また、エンゲージメントの高い従業員は、業務に対して自主的かつ意欲的に取り組むため、生産性が向上し、仕事の質や組織の成長スピードの向上にも寄与するでしょう。
先が予測できず、変化の激しい現代において、企業が安定的に成長するためには、従業員のエンゲージメントを意識的に向上させることが求められ、そのためにも社内で従業員エンゲージメントを向上させる施策を実施することが重要になります。
従業員エンゲージメントを向上させる施策の具体例7選
従業員エンゲージメントを向上させるには、社内の従業員に関わるものを整備・改善することがひとつのポイントです。社内のどこかに課題があり、それに対して不満を抱く従業員がいれば、エンゲージメントが低下する恐れがあります。
そのため、施策の具体例のなかから「従業員が喜びそう」といった視点で施策を選定すると従業員とのニーズにズレが生じる可能性があります。今、社内にどのような課題があるのか、従業員はなにが不満なのかといった実態をベースにした視点を持つことで適切な施策を選定することにつながります。
これらを踏まえたうえで、以下で紹介する従業員エンゲージメントが向上する施策の具体例を参考にしてみてください。
1.ストレスの少ない職場環境の構築
従業員エンゲージメントを向上させるには、人間関係や業務の進行に支障がなく、従業員がストレスなく働ける環境を整えることが重要です。ストレスが少なく、業務を円滑に遂行できる職場環境は、働きやすく、モチベーションや生産性の向上にも寄与するでしょう。
具体例
- 業務量や業務フローの見直しを行い、負担の偏りを是正する
- 従業員が気軽に相談ができる窓口を設置する
- 定期的なストレスチェックを実施し、従業員のストレスレベルを把握する
2.社内コミュニケーションの強化
社内でのコミュニケーション手段を強化することも従業員エンゲージメントを向上させるうえで重要です。従業員同士の意見交換やリアルタイムの情報共有を促すツールの導入や会議の場を定期的に設けることで、組織全体の一体感を高めることにつながります。
チームビルディングイベントの開催も、従業員同士の関係性を深め、職場での信頼関係を構築する助けとなり、それにより普段の業務から積極的なコミュニケーションが生まれる可能性が高まります。
具体例
- 社内SNSやチャットツールを導入し、リアルタイムの情報共有を促進する
- 毎週の進捗ミーティングや全社報告会を開催し、部署間の連携を強化する
- プロジェクト単位のチームビルディングイベントを開催し、チーム間の信頼関係を構築する
3.報酬・福利厚生の見直し
報酬制度や福利厚生を見直しも必要に応じて考える必要があります。従業員のニーズに合わせた柔軟な福利厚生制度の拡充や、公平で透明性のある評価基準を導入することで、従業員のモチベーションを高めることにつながります。
具体例
- 成果給や業績連動型ボーナスを導入し、個々の成果に応じた報酬の提供する
- 従業員のニーズに合わせたカフェテリアプランを導入し、福利厚生を選択できる仕組みの提供する
- 公平で透明性のある昇給・昇進制度を導入し、従業員のモチベーションを向上させる
4.キャリア開発プログラムの充実
従業員が将来に向けて成長できるキャリア開発プログラムを提供することも、従業員の業務に対する意欲を高める要素です。例えば、個別のキャリア相談や目標設定支援、年次・役職別の研修プログラムの提供など、従業員自らがスキルアップに対する意欲をもつことにつながります。
具体例
- 定期的なキャリア相談会を実施し、従業員の個別のキャリア目標をサポートする
- 役職や年次に応じた研修プログラムを提供し、スキルアップの機会を増やす
- メンター制度を導入し、若手従業員が経験豊富な上司から学べる環境を整備する
5.ワークライフバランスの推進
従業員のワークライフバランスを大切にし、従業員が仕事とプライベートのバランスを取りやすくすることも長く働き続けるうえで重要な要素です。積極的な有給休暇の取得や産休・育休の促進など、従業員の個々の事情を汲んだ働き方の提供が求められるでしょう。
具体例
- フレックスタイム制度を導入し、従業員が仕事とプライベートを両立できる柔軟な働き方を提供する
- リモートワークを導入し、家庭や個人の事情に応じた働き方をサポートする
- 産休・育休制度の充実と、復職後のサポート体制を整備する
6.社内イベントやサポートプログラムの実施
社内イベントやウェルビーイングサポートプログラムを実施することで、従業員の健康を意識し、結束を高めながら組織全体のエンゲージメントを向上させることも期待できます。従業員同士の交流機会を増やすことで、チームワークを強化し、組織内の信頼関係を深めることにもつながります。
具体例
- 社内スポーツ大会やウォーキングチャレンジなど、健康促進を目的としたイベントを定期的に開催する
- 従業員が主体となって参加できるボランティア活動を企画し、組織に積極的に関われる機会を提供する
- 社内カフェやランチ会を定期的に開催し、部署を超えた交流の場を提供する
7.企業理念・ビジョンの浸透
従業員が企業のビジョンや理念を理解し共感することも、エンゲージメントを向上させる要因となります。そのため、企業が目指すべき方向性を明確にし、従業員が自社に対して共感を持てるような発信をすることも必要な施策のひとつです。
具体例
- キックオフミーティングで企業のビジョンや戦略を従業員に共有し、組織の進む方向性を明確にする
- 社内報を通じて、企業理念やビジョンにもとづく社内事例を発信する
- 全社イベントやリーダーシップ会議で、経営陣から直接ビジョンに対する意見を発信し、従業員に理解を深めてもらう
従業員エンゲージメントを向上させる施策を実施する際のポイント
従業員エンゲージメントを向上させる施策を実施するには、単発の取り組みではなく、継続的な改善と工夫が求められます。以下では、エンゲージメント施策を企画・実施する際の重要なポイントについて解説します。
施策後の改善サイクルを継続的に回す
エンゲージメント向上のための施策は、一度実施しただけでは期待する効果が得られるとは限りません。また、すべての施策が初回から成功するわけではなく、場合によっては思わぬ結果に終わることもあります。しかし、失敗を恐れず、目的を再確認し、どの部分を改善すべきかを検討することが重要です。
組織の状態は常に変化しており、施策後も定期的に効果を検証し、改善するサイクルを回すように意識しましょう。
そのためには、エンゲージメントサーベイといったツールを用いた診断を行い、組織の現状を把握し、課題を分析します。そして診断結果にもとづいた施策を実施し、その成果を評価することで、従業員エンゲージメントの向上を継続的に追求することができます。
例えば、従業員のストレスレベルが高いと診断された場合、職場環境の改善やストレスケアプログラムの導入が考えられますが、その後も定期的にストレスレベルを測定し、施策の効果を確認しつつ、必要に応じて施策の見直しを行いましょう。
施策の意図や背景を明確に伝える
施策の実施前に、「なぜこの施策を行うのか」「どのような成果を目指しているのか」など、従業員に意図を明確に伝えることが大切です。意図が伝わらなければ、従業員に誤解を与え、施策が逆にモチベーションを低下させてしまうリスクもあります。
以下は施策と誤解の例、解決策の一例です。
ケース①
施策内容 | 社内コミュニケーションを活性化させるために社内イベントやレクリエーションを実施した |
誤解の内容 | 一部の従業員は「余暇の時間まで拘束されるのか」と感じてしまった |
解決策 | リフレッシュやチームの連携強化を目的としていることを事前に説明することで、イベントに対する理解が深まり、参加意欲も高まる |
ケース②
施策内容 | スキルアップやキャリア開発を促進するために、新しい研修プログラムを導入した |
誤解の内容 | 一部の従業員は「業務外での負担が増えるだけではないか」と不安を抱かれてしまった |
解決策 | 研修の目的や期待される成果を明確に伝え、長期的なキャリア成長につながることを示すことで、前向きな取り組みとして受け入れてもらう |
複数の施策を組み合わせて継続的に実施する
組織内の課題は一つではなく、さまざまな側面からエンゲージメントに影響を与えるため、多角的なアプローチが求められます。そのため、エンゲージメントを向上させるための施策は、単独の取り組みではなく、複数の施策を組み合わせて実施しましょう。
例えば、コミュニケーションの改善が必要であれば、社内SNSの導入やチームミーティングの頻度を増やす施策が考えられます。一方で、従業員のキャリア開発に課題がある場合には、トレーニングプログラムやメンタリング制度の導入などが必要になります。
エンゲージメント向上の施策は組織の現状や目標に応じて多様に展開し、継続的に実施することが求められます。
従業員エンゲージメントを向上させる施策の企業事例
従業員エンゲージメントを向上させる施策の具体例を紹介しましたが、ここでは実際の企業が行った施策の例を紹介します。
株式会社福井
卸売業を営む株式会社福井では、従業員のエンゲージメント向上を目的に、複数の施策を実施しています。
同社では、売上増加とともに採用を進めていたものの、採用者と同程度の離職者も発生していました。また、社内の関係が良好ではなく、コミュニケーションも一方的で、組織から従業員への対応がフェアでないことが課題でした。
そこで社内コミュニケーションの改善に着手し、その一環として導入されたのが、月次のエンゲージメントサーベイです。このサーベイでは、毎月15~20問の質問に対する従業員のフィードバックを収集し、匿名のフリーコメントも受け付けることで、より率直な意見を得ることができました。
導入当初、特に多かったフィードバックは、職場環境に関するもので、具体的には「暑い・寒い・忙しい」という物理的な問題が指摘されました。これを受けて、同社ではエアコンの導入など設備改善に投資する一方、休暇制度を変更し、休暇を柔軟に取得しやすい環境作りにも取り組みました。例えば、休暇の取得日数の増加や、1日単位での休暇を半日単位で取得できるようにしたことが挙げられます。
また、1on1ミーティングも実施しており、社長と従業員が定期的に腹を割って話せる場を設けることで、双方向のコミュニケーションが進みました。
この取り組みは、従業員の声を吸い上げるだけでなく、組織全体の一体感が強まり、社内が良い雰囲気に代わるといった効果がありました。
結果として、同社では突然の離職が減少し、新規採用に貢献しています。
株式会社ハンナ
道路貨物運送業を営む株式会社ハンナでは、世代を超えた経営方針の違いや従業員との対話不足によるエンゲージメント低下という課題に直面していました。
3代目の現社長が就任した際、一部の従業員との間で経営戦略への理解が得られませんでした。また、コミュニケーション不足が原因で、従業員の不満や対立が生じ、最終的には多数の従業員が離職するという事態にまで至りました。
この課題を解決するため、同社は従業員との信頼関係の再構築を重視し、入社後も従業員と経営層で定期的な面談を行う制度を導入しました。
具体的には、入社後6カ月間、段階的に4回の面談を行い、企業風土や価値観を擦り合わせる機会を設けました。また、6カ月経過後には、今後どのような点を長所として成長させていくかを話し合う「グッドポイント面談」を実施し、従業員自身の長所に気づいてもらうことで、モチベーション向上を図る仕組みを整えました。
この取り組みの結果、従業員のエンゲージメントが向上し、社内の雰囲気が改善されただけでなく、「従業員を大切にする会社」としての評判が広まり、採用活動にも良い影響を与えました。これにより、応募者が集まり、採用の活性化にもつながっています。
まとめ
従業員エンゲージメントが向上する施策は、企業の安定的な成長にとって不可欠です。しかし、エンゲージメント向上を目指す際には、表面的な施策を実施するのではなく、根本的な課題を見極めることが重要です。社内の現状や従業員の声に耳を傾け、課題にもとづいた環境の整備や改善を進めることで、より効果的な施策を導き出すことができます。
従業員のモチベーションを高め、企業全体のパフォーマンスを向上させるためにも、今一度社内の環境を見直し、適切な対策を考えていきましょう。
以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。
1.合意形成研修
合意形成研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。
学びのポイント
- 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
- 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
- より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す
2.PDCA研修
PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。
学びのポイント
- 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
- 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく
3.戦略思考研修
戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。
学びのポイント
- 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
- 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる
4.コミュニケーション研修
コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。
学びのポイント
- 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
- 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる
5.ロジカルシンキング研修
ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。
学びのポイント
- 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
- 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる
6.クリティカルシンキング研修
クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。
学びのポイント
- 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
- フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
- 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する
7.リーダーシップ研修
リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。
学びのポイント
- メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
- 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる
8.ビジネスマナー研修
ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。
学びのポイント
- 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
- 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる
9.防災研修
防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。
学びのポイント
- 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
- 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ
10.OODA LOOP研修
OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。
学びのポイント
- 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
- ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う
この記事の著者
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