研修とは?目的・目標設定・フロー・実施方法・ポイントを解説
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研修は、多くの企業で人材育成の一環として取り入れられていますが、研修の効果を最大限に発揮してもらうのは難しいものです。少子高齢化による人材不足が進む現代において、社員一人ひとりの能力をより高めることができる研修の実施が一層重要になっています。
そのような研修を実施するためには、目の前の課題を解決するだけでなく、将来的な自社のイメージをもって研修を作り上げることが重要です。また、研修の目的を明確にし、社員からの共感を得ることで研修の効果を高めることも求められています。
本記事では、研修とは何か、研修をおこなう意味・目的、研修の種類、フロー・実施の注意点・ポイント、実施方法(企画書・目標・計画・プログラム・案内・テーマ)を解説します。
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研修とは
研修とは、業務において必要となる能力や知識を、講座や勉強会、講師による指導などを通じて、社員に身につけてもらう人材育成の施策を指します。
研修といっても、業務の基礎や会社のマナーを学ぶ「新入社員研修」や、チームのなかで適切な判断・管理をおこなうための技術を学ぶ「マネジメント研修」、特定の業務を遂行するための「専門スキル研修」など、その目的はさまざまです。
研修という場を設けることで、一度に数名~数十名に対して効率的に知識・能力を高めることができるほか、研修に参加する社員同士がコミュニケーションをとる機会にもなります。また、研修の目的や、研修を通じて成長した先に自社が何を目指しているか、といった点を伝えることで、普段の業務において意識されづらい企業のビジョンや目指す方向を示すことができます。
研修の対象者・実施のタイミング
研修を実施するのは、入社後だけではありません。入社前の内定者に対して、入社後を見据えて「内定者研修」を実施することもあります。また、正社員だけでなくパート・アルバイトが研修対象となるケースもあります。
一般的には、階層別・テーマ別に対象者が定められます。階層は若手社員、中堅社員、リーダー・管理職、役員など、テーマはコンプライアンス、ハラスメント、ビジネス基礎力などが挙げられます。社内の課題や必要性に応じて、適切な対象者を定め、研修を実施することが重要です。
研修は、会社勤務でない教員や医師などの幅広い職種で用いられますが、本記事では主に企業における入社後に実施する研修について解説していきます。
社内研修と社外研修のちがい
研修には大きく分けて社内研修と社外研修の2つがあります。
社内研修とは、自社内で完結する研修で、研修の企画・立案から具体的な内容の決定、研修の準備から実施まで自社でおこなう形態を指します。
対して社外研修とは、研修を外部にアウトソースし、社内に外部講師を呼んで研修を実施したり、社外の研修に社員に参加してもらったりする形態を指します。
社内研修は、自社完結であるため企画の立案や担当者の確保、研修の準備といったコストはかかるものの、研修内容を現在の社内の状況や課題に合わせ、細かく調整することができます。自社が何を目指しているか研修を通じて伝えることで社内のビジョンの統一もしやすいでしょう。
社外研修では、外部にアウトソースするため費用はかかるものの、社内での企画や準備は少なく、さまざまなサービスから自社に合った研修を選ぶことができ、社内にはない専門知識を講師に教えてもらうこともできます。普段とは異なる環境の研修になるため、社員も気持ちを引き締めやすく、集中しやすいといえます。
自社の状況や研修の目的に合わせて選ぶとよいでしょう、
研修をおこなう意味・目的
研修を実施する意味、目的は何でしょうか。以下で具体的に説明します。
必要な能力の習得と能力の統一
社員の能力を一定まで引き上げ、統一することは業務を円滑に遂行するうえで重要な要素のひとつです。
同じ社員のなかでも能力に差は生まれるものです。しかし、能力の差によって「特定の社員しかこなせない業務」になってしまえば、業務の安定性に欠け、不公平感も生まれてしまいます。また、特定の社員が異動・退職してしまうといった場合に、業務が遂行できなくなってしまう危険性もあります。
社員を集めて同じ時間・同じ内容の研修を受けてもらうことで、業務遂行に必要な能力を全体的に引き上げることにつながるでしょう。
企業の求める人物像・方向性の伝達
研修を通じて中長期的に企業としてどのような目標達成を目指しているのか、また、そのためにどのような人材に成長してほしいかを社員に示し、企業と社員が同じビジョンを共有することも、研修の目的のひとつです。
研修は個々の能力を高めるものですが、企業側が「この研修を受けてください」と指示するだけでは、社員が「なぜ研修を受けるのか」に納得できず、積極的に取り組めないでしょう。研修を実施する理由を、企業の目標やビジョンと関連付けて説明し、納得してもらうことで、参加を指示された研修であっても社員は能動的に取り組むことができます。
研修に参加することの意義を感じることができれば、社員のエンゲージメント(※)が高まり、生産性や仕事の質が向上し、組織全体のパフォーマンスの向上も期待できます。
エンゲージメントについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
エンゲージメントとは?ビジネスにおける意味や重要性を解説
研修の種類
ここでは研修において使用される主な手法を3つ紹介します。いずれもメリット・デメリットがあり、研修の内容や目的に合わせて使い分けたり、組み合わせたりことが重要です。
OJT
OJT(On-the-Job Training)とは、職場で実務をこなしながら育成する手法で、上司や先輩社員がトレーナーとなり、部下や後輩(トレーニー)にマンツーマンで指導するのが一般的です。業務の流れを実践的に教わることができ、人間関係の構築にもつながります。
OJTは、複数の社員を集めて一斉におこなう研修のように、場所を確保したり、講師に依頼したりするといった調整が不要なため低コストで実施できます。
一方で、トレーナーとなる社員の時間やリソースを必要とします。業務を通じておこなうOJTが普段の業務に追加されることで、トレーナーが自身の仕事を後回しにしなくてはいけないケースや、OJTによる指導が疎かになってしまうケースも起こり得ます。また、トレーナーとなる社員は必ずしもトレーニングの専門家ではないため、適切に指導できるかどうかは個人差があり、教わる内容にも差が出てしまうこともあります。
OJTについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
OJTとは?Off-JTとの違いやメリット・デメリット、効果を高めるポイントを紹介
Off-JT
Off-JT(Off the Job Training)とは、講習会や講演への参加や、外部講師を招いた座学研修、グループワークの実施など、普段の業務から切り分けておこなう研修を指します。
OJTが実務を通じた実践的な内容を学ぶのに対して、業務とは切り分けた場で集中して学ぶことができるのが特徴です。
Off-JTでは、参加する社員が一斉に同じ内容を学ぶため、学習内容の質を一定化させやすくなります。新入社員のビジネスマナーにはじまり、中堅、ベテラン社員といった階層別に習得してほしい内容も学んでもらいやすいほか、研修に参加する社員同士のコミュニケーション促進にもつながります。
一方で、場所を手配する手間や、外部講師を呼ぶといった費用がかかり、Off-JTに参加している間は業務が進められないといった点には注意が必要です。
Off-JTについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
Off-JTとは?OJTとの違い、実施するメリットや効果を高めるポイントを解説
eラーニング
eラーニングとは、インターネットを通じて学習できる手法のことです。テキスト、画像、動画化された教材を用いて、場所や時間を問わず学ぶことができます。サービス利用の費用はかかりますが、多様なプログラムが用意されており、インターネット環境があればいつでも研修を実施することができます。
ただし、eラーニングは「見ること」に終始しており、受動的な学びになりやすいという欠点もあります。
また、OJTで先輩から学ぶ、Off-JTで同僚と一緒に学ぶといったこともないため、緊張感に欠けやすいといえます。また、わからないことが出てきた際に質問ができないこともあり、個人の理解しようとする姿勢、学習意欲に左右されやすいことは考慮しなくてはいけません。
eラーニングについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
eラーニングとは?メリット・デメリット、最近のトレンドまで紹介
研修実施までのフロー
ここでは研修実施までのフローを順序立てて解説します。
1.研修の目的を決める
はじめに、どのような研修を、何のためにおこなうかを決める必要があります。
研修の目的の大部分は「人材育成」にあたり、具体化すると「自社の課題を解決できる人材の育成」といえるでしょう。
ただし、場当たり的な研修にならないようにするためにも「何を課題とするか」は慎重に考えなければいけません。例えば、「直近の業績が悪いため『営業強化研修』を実施する」といったやり方には注意が必要でしょう。なぜなら、業績の低下は営業に原因があるとは限らないためです。これでは営業部門に責任があると上層部が判断したとして、研修自体に反発を持たれ、営業部門のエンゲージメント低下につながる恐れもあります。
経営や現場にどのような課題があるかをヒアリングし、本質的な問題を明らかにすることが重要です。ヒアリングによって出てきた課題を軸に目的を決め、課題を解決できるスキルを身につけられるような研修が求められます。
2.目的に合わせた研修内容を検討する
つぎに目的に合わせて具体的な研修内容を決めていきます。
決めるべき項目としては以下が挙げられます。
- 習得内容:研修を通じて対象者に習得してほしい能力やスキル
- 対象者:階層、職種、人数
- 研修の種類:社内研修か社外研修か、またOJT、Off-JT、eラーニングのいずれか
- 費用・コスト:研修内容や場所、研修担当者の人数、講師などから費用・コストを計算
- スケジュール:日時・回数
ここから先は、Off-JTとして集合型研修を実施する場合のフローを見ていきましょう。
3.予算・人員を確保する
研修の全体像が決まったら予算と人員を確保します。Off-JTの場合、会場や講師などの手配には費用がかかり、研修担当者にも人員が必要です。予算や人員が足りずに実施できないといった事態にならないように、この時点で計算し、確保しておきます。
研修の担当者と運営スタッフは、研修の立案から会場や講師の手配、設備の準備、予算の確保などといった業務から、ときには適切な研修かどうかのテスト、研修が適切だったかどうかの効果測定など、業務が多岐に渡ることもあります。
研修の担当者になったことで、本来の業務に支障が出るといったリスクも考えられます。大きな負担によって研修の企画が進まなくなるといったことを避けるために、担当者ひとりに任せるのではなく、複数名で担当し、なるべく負担を減らすような体制が望ましいでしょう。
4.研修の告知と受講者の募集
研修内容が決定し、予算と人員が確保できたら、研修の告知をおこないます。研修内容はもちろん、日時や場所、持ち物、対象者も記載し、メールやチャットなど社内で使用しているツールで告知しましょう。研修の目的や内容によっては任意参加で受講者を募るケースもあるため、その場合は受講者募集の告知もおこないます。
対象者には内容の確認、参加の意思を返信してもらい、告知が行き届いたことを確認しましょう。返信が来ない社員にはリマインドをおこなうと安心です。
5.研修の実施
研修当日は、あらかじめ決めたスケジュールに沿って進めていきます。始める前に受講者が全員参加しているか確認します。遅刻や欠席の連絡が来ていない受講者がいれば連絡を取りましょう。
また、配布物が行き渡っているか、機材にトラブルが生じていないかなどをチェックし、スムーズに進行できるように努めます。場所や会場を押さえている場合は、時間が超過しないようにタイムキーパーを立てることも重要です。
はじめから完璧な研修を実施するのは難しいものと考えておきましょう。当日は予想外のトラブルや考慮漏れなどがあるかもしれません。良かった点、改善すべき点はメモしておき、次回以降のブラッシュアップに役立てる姿勢が大切です。
研修を実施する際の注意点・ポイント
研修を実施する際に踏まえておきたいポイントを紹介します。
最初に研修にかかるコストを意識する
どのような形の研修であっても、時間や人手、費用などのコストが生じます。企画から準備にも時間がかかり、簡単に何度も実施できるものではありません。
それにも関わらず、意義の薄い研修や、曖昧な目的の研修をおこなってしまうと、社員の満足度の低い研修になってしまい、エンゲージメント低下にも影響を与えます。社員も時間を削って参加しているという点を忘れてはなりません。
総じて、研修はコストがかかるものであり、実施できる回数には限りがあるということを最初に意識しておくことが重要です。
研修目的の理解を促す
自社にどのような課題があって、どのようなスキルを研修によって身につけてほしいかを伝えることは、社員からの理解・共感を受けるうえで重要です。
研修には必ず目的があるため、その目的をしっかりと示せないと、「なんのために研修を受けるのか」といった疑問が沸き、業務時間を削ってまで受講することに対してモチベーションが低下することも起こり得ます。なかでも、将来的に必要となるスキルを身につける研修の場合、中長期的な目的までしっかりと説明しないと「必要性の低い研修」だと認識されてしまいます。
研修を始める前に時間を作り、研修目的の理解を促します。
研修後の効果測定をおこなう
実施した研修にどれほどの効果があったのかを確かめることは、より良い研修を目指すに重要な要素のひとつです。研修は種類があり、組み合わせも多岐に渡ります。一見して研修が成功したように見えても、本当に最適な研修だったかどうかは検討の余地があるでしょう。
研修後に理解度テストを実施し、研修で得た知識を習得できたか確かめるほか、アンケートや受講者へインタビューをおこない、受講者視点での意見や満足度を調べることも大切です。知識は習得できたものの、受講者の満足度が低い場合は研修の目的や意義がうまく伝わっていない可能性があります。
さまざまな研修の形を検討する
企画した研修が、受講した社員から好評だった場合、再度同じような形式の研修を実施したくなるかもしれません。しかし、さまざまな形の研修を検討してみることが大切です。
先述した通り、社外研修と社内研修をみてもそれぞれ良し悪しがあります。社外研修では主に費用がかかり、社内研修では主に社内の人手や時間といったコストがかかります。研修形態がどちらか一方に偏り、研修に費用が大きく取られてしまうことも、社内の人材が研修で疲弊してしまうことも問題といえるでしょう。
また、同じような研修が続くと、社員が研修に対してマンネリしてしまうほか、研修の効果が発揮されづらいこともあります。
- 社内研修と社外研修で費用と人材コストのバランスを調整する
- 座学と実戦形式の研修を織り交ぜ、メリハリをつける
単体の研修の質だけではなく、さまざまな研修の形式を実施することで、研修全体の質も向上していくでしょう。
研修企画書を作成する方法
研修企画書とは、研修を実施する際の内容・プロセス・スケジュール・効果測定方法などをまとめた企画書です。
研修を実施する際には、関係者・上長などの合意・許可を得ることや、予算を確保するために社内稟議を通すことが一般的に必要になります。その際に作成するものが研修企画書です。
研修企画書の項目・ポイント
- 目的
- 対象者
- 開催場所
- プログラムの概要
- スケジュール
- 予算
- 効果測定方法
研修企画書の項目は、上記が一般的です。作成する際のポイントとしては、「目的から記載すること」、「各項目について結論から記載すること」、「図やグラフを活用してわかりやすくすること」などが挙げられます。GoogleやMicrosoftのツールを活用し、情報を簡潔にまとめたわかりやすい研修企画書を作成することが大切です。
研修の目標を設定する方法
研修を行う前に明確な目標を設定することで、適切なカリキュラムの作成、受講者のモチベーション向上・行動変容などにつながります。
現場の課題から目標を設定するには、研修を設計するための手法をまとめたモデル・理論であるインストラクショナルデザインについて理解することが大切です。インストラクショナルでは、目標を明確にするための要素として「目標行動」、「評価条件」、「合格基準」が挙げられています。
インストラクショナルデザインについては以下の記事で詳しく紹介しています。
インストラクショナルデザインとは?代表的なモデルや理論を紹介
また、目標設定の法則であるSMARTの法則を活用することも重要です。「Specific(具体的である)」、「Measurable(測定できる)」、「Achievable(達成できる)」、「Relevant(関連性のある)」、「Time-bound(期限がある)」の5つを意識することで、明確な目標を立てることができます。
SMARTの法則については以下の記事で詳しく紹介しています。
SMARTの法則とは?目標設定の方法や活用例・ポイントを紹介
以下では、研修の目標を設定する際のアプローチ方法を紹介します。
トップダウン型アプローチ
トップダウン型のアプローチとは、経営目標から目標設定について考える方法です。
経営目標を達成するための経営戦略・人材作成計画などに基づいて研修の目標を立てていきます。その際には、経営層が決定した方針に沿って計画することが重要です。
トップダウン型アプローチの具体例
- 方針:DXの推進
- 目的:デジタル人材の育成
- 目標:必要な知識・スキルの習得や求める行動に関する目標
ボトムアップ型アプローチ
ボトムアップ型アプローチとは、現場の課題から目標設定について考える方法です。
売上・実績などのデータ、ヒアリングやアンケートで得た現場の状況に関する情報を参考に、必要な研修を考えていきます。現場の課題に対して直接的にアプローチすることができることが特徴です。
ボトムアップ型アプローチの具体例
- 方針:国籍が異なる社員のコミュニケーションに課題がある
- 目的:コミュニケーション促進
- 目標:入社時の研修内容を見直し、コミュニケーションの課題を解決させる
研修計画(カリキュラム)・スケジュールを作成する方法
研修の目的や目標が明確になった後に、具体的な研修計画(カリキュラム)や研修スケジュールを決めていきます。
研修計画(カリキュラム)とは、研修の対象ごと・コンセプトごとに作成する全体計画です。研修計画(カリキュラム)を作成する際には、受講者に習得してもらう知識やスキルに応じてOJTとOff-JTをバランスよく組み合わせることが大切です。
また、研修を実施した後の効果測定・評価方法を決めておくことも重要です。課題や目的に応じた研修内容にすることに加え、先々を見据えて改善を図れるように研修計画(カリキュラム)を作成しましょう。
できるだけ正確に研修の効果測定を行うためのモデルである「カークパトリックモデル」については以下の記事で詳しく紹介しています。
カークパトリックモデルとは?効果の測定方法やポイントをわかりやすく解説
研修スケジュールは、年間の研修実施に関するスケジュールです。研修スケジュールを作成する際には、「いつまでに」、「どのように行動できる人材になってほしいか」を考え、研修を実施するタイミングを決めていくことが大切です。
また、社外での調整が必要な研修(社外研修)のスケジュールを先に決めることも重要です。そのようにすることで、効率的に準備を進めることができます。
研修プログラムを作成する方法・準備
研修プログラムとは、研修ごとに作成する予定表・内容です。学校でたとえると、研修計画(カリキュラム)は教育課程、研修プログラムは授業の内容といえます。
研修プログラムを作成する際に必要な準備
- 教育方針・育成方針(求める人物像)を明確にする
- 過去に実施した研修を整理する
- 予算を確保する
研修プログラムを作成する際の準備としては、上記の3点が重要です。受講者が「求める人物像」になるために必要な研修内容を決めていきます。
研修プログラムを作成する方法
研修プログラムを作成する方法としては、5W1Hに当てはめる方法が挙げられます。
- Where:どこにどのようにして向かうのか
- Why:なぜ研修を実施する必要があるのか
- Who:誰を対象者とするのか
- What:何を習得してもらうのか
- When:いつ研修を行うのか
- How:どのようにして研修を行うのか
上記の5W1Hを明確にすることで、効果的な研修を実施することにつながります。
研修の案内メールを作成する方法
研修を実施することが決まったら、対象となる方々に案内メールを送付する必要があります。
以下では、研修の案内メールに関する内容・項目について紹介します。
研修の案内メールに記載する内容・項目
- 件名(研修の案内メールであることをわかりやすく記載する)
- 宛名(ビジネスメールのマナーに合わせて記載する)
- 挨拶文(ビジネスメールのマナーに合わせて記載する)
- 研修の概要(研修に関する情報を簡潔に記載する)
- 申し込み方法(申し込み・返信の方法や期限を記載する)
- 問い合わせ先(会社名・部署名・氏名・連絡先を記載する)
研修を実施する際の案内メールに記載する内容や項目としては、上記の6つが挙げられます。基本的には一般的なビジネスメールを作成する際と同様に記載します。
研修の案内メールに記載する研修の概要については、以下で紹介します。
研修の概要に関して記載する内容項目
- 日時
- 会場
- 参加対象
- 講師
- 講義内容
- 持ち物
研修の概要については、上記の項目を箇条書きでわかりやすく記載する方法がおすすめです。外部の講師を招く場合は、経歴・プロフィールなどの情報を簡潔に記載しましょう。
研修テーマの具体例8選
「あそぶ社員研修」は、受講者全員が没入して取り組むアクティビティ・振り返り・講義をブリッジすることで学びを最大化させ、翌日から業務で活かせる知識・スキルが身につく講義・アクティビティ一体型の研修プログラムです。
以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。
1.コミュニケーション研修
コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。
学びのポイント
- 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
- 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる
2.PDCA研修
PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。
学びのポイント
- 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
- 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく
3.ロジカルシンキング研修
ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。
学びのポイント
- 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
- 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる。
4.クリティカルシンキング研修
クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。
学びのポイント
- 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
- フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
- 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する
5.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修
合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。
学びのポイント
- 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
- 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
- より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す
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6.戦略思考研修
戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。
学びのポイント
- 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
- 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる
7.防災研修
防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。
学びのポイント
- 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
- 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ
8.SDGs研修
SDGs研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。
学びのポイント
- 環境に配慮する事業としない事業それぞれのメリットおよびデメリットを学ぶ
- 企業経営のシミュレーションを通して、社会における企業活動と環境を両立することの重要性を学ぶ
まとめ
研修は企業にとって人材育成の意味合いが強いですが、より良い研修の効果は人材育成に留まりません。
能力や知識を身につけるだけではなく、研修の目的や自社の目標が伝わり、社員からも共感が得られる研修を実施することができれば、組織としての団結力、一体感が増し、より良い組織になることにもつながります。
裏を返せば、社員に「この研修であれば業務をしていたかった」と思わせてしまうような研修を実施してしまっては組織に対する信頼性を失うことになります。
そのため、研修にかかるコストを意識しながら、研修の質を追求していく姿勢が重要です。本記事を参考により良い研修の形を探していきましょう。
「あそぶ社員研修」は、受講者全員が没入して取り組むアクティビティ・振り返り・講義をブリッジすることで学びを最大化させ、翌日から業務で活かせる知識・スキルが身につく講義・アクティビティ一体型の研修プログラムです。
アクティビティが受講者の主体性を高めてコミュニケーションを促進させ、スキルアップやチームビルディングをはかれます。
この記事の著者
あそぶ社員研修は、企業の研修担当者向けのお役立ち情報を発信するメディアです。研修に関するノウハウ、組織・人材開発の手法、ビジネススキルなどをわかりやすく紹介します。