研修とは?意味・種類・実施までのフロー・ポイントを解説

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研修は、多くの企業で人材育成の一環として取り入れられていますが、研修の効果を最大限に発揮してもらうのは難しいものです。少子高齢化による人材不足が進む現代において、社員一人ひとりの能力をより高めることができる研修の実施が一層重要になっています。

そのような研修を実施するためには、目の前の課題を解決するだけでなく、将来的な自社のイメージをもって研修を作り上げることが重要です。また、研修の目的を明確にし、社員からの共感を得ることで研修の効果を高めることも求められています。

本記事では、研修とは何か、研修をおこなう意味、研修の種類、研修を実施するまでのフロー、実施のポイントを解説します

 

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研修とは

研修とは、業務において必要となる能力や知識を、講座や勉強会、講師による指導などを通じて、社員に身につけてもらう人材育成の施策を指します

研修といっても、業務の基礎や会社のマナーを学ぶ「新入社員研修」や、チームのなかで適切な判断・管理をおこなうための技術を学ぶ「マネジメント研修」、特定の業務を遂行するための「専門スキル研修」など、その目的はさまざまです。

研修という場を設けることで、一度に数名~数十名に対して効率的に知識・能力を高めることができるほか、研修に参加する社員同士がコミュニケーションをとる機会にもなります。また、研修の目的や、研修を通じて成長した先に自社が何を目指しているか、といった点を伝えることで、普段の業務において意識されづらい企業のビジョンや目指す方向を示すことができます。

研修の対象者・実施のタイミング

研修を実施するのは、入社後だけではありません。入社前の内定者に対して、入社後を見据えて「内定者研修」を実施することもあります。また、正社員だけでなくパート・アルバイトが研修対象となるケースもあります。

一般的には、階層別・テーマ別に対象者が定められます階層は若手社員、中堅社員、リーダー・管理職、役員など、テーマはコンプライアンス、ハラスメント、ビジネス基礎力などが挙げられます。社内の課題や必要性に応じて、適切な対象者を定め、研修を実施することが重要です。

研修は、会社勤務でない教員や医師などの幅広い職種で用いられますが、本記事では主に企業における入社後に実施する研修について解説していきます。

社内研修と社外研修のちがい

研修には大きく分けて社内研修と社外研修の2つがあります

社内研修とは、自社内で完結する研修で、研修の企画・立案から具体的な内容の決定、研修の準備から実施まで自社でおこなう形態を指します。

対して社外研修とは、研修を外部にアウトソースし、社内に外部講師を呼んで研修を実施したり、社外の研修に社員に参加してもらったりする形態を指します。

社内研修は、自社完結であるため企画の立案や担当者の確保、研修の準備といったコストはかかるものの、研修内容を現在の社内の状況や課題に合わせ、細かく調整することができます。自社が何を目指しているか研修を通じて伝えることで社内のビジョンの統一もしやすいでしょう。

社外研修では、外部にアウトソースするため費用はかかるものの、社内での企画や準備は少なく、さまざまなサービスから自社に合った研修を選ぶことができ、社内にはない専門知識を講師に教えてもらうこともできます。普段とは異なる環境の研修になるため、社員も気持ちを引き締めやすく、集中しやすいといえます。

自社の状況や研修の目的に合わせて選ぶとよいでしょう、

研修をおこなう意味

研修を実施する意味、目的は何でしょうか。以下で具体的に説明します。

必要な能力の習得と能力の統一

社員の能力を一定まで引き上げ、統一することは業務を円滑に遂行するうえで重要な要素のひとつです

同じ社員のなかでも能力に差は生まれるものです。しかし、能力の差によって「特定の社員しかこなせない業務」になってしまえば、業務の安定性に欠け、不公平感も生まれてしまいます。また、特定の社員が異動・退職してしまうといった場合に、業務が遂行できなくなってしまう危険性もあります。

社員を集めて同じ時間・同じ内容の研修を受けてもらうことで、業務遂行に必要な能力を全体的に引き上げることにつながるでしょう。

企業の求める人物像・方向性の伝達

研修を通じて中長期的に企業としてどのような目標達成を目指しているのか、また、そのためにどのような人材に成長してほしいかを社員に示し、企業と社員が同じビジョンを共有することも、研修の目的のひとつです

研修は個々の能力を高めるものですが、企業側が「この研修を受けてください」と指示するだけでは、社員が「なぜ研修を受けるのか」に納得できず、積極的に取り組めないでしょう。研修を実施する理由を、企業の目標やビジョンと関連付けて説明し、納得してもらうことで、参加を指示された研修であっても社員は能動的に取り組むことができます。

研修に参加することの意義を感じることができれば、社員のエンゲージメント(※)が高まり、生産性や仕事の質が向上し、組織全体のパフォーマンスの向上も期待できます

※エンゲージメント……社員と企業の関係の深さを示す指標。社員が仕事や企業に対してどれだけ愛着を持っているか、どれだけ意欲を持って仕事に取り組んでいるかを表す。

研修の種類

ここでは研修において使用される主な手法を3つ紹介します。いずれもメリット・デメリットがあり、研修の内容や目的に合わせて使い分けたり、組み合わせたりことが重要です。

OJT

OJTOn-the-Job Training)とは、職場で実務をこなしながら育成する手法で、上司や先輩社員がトレーナーとなり、部下や後輩(トレーニー)にマンツーマンで指導するのが一般的です。業務の流れを実践的に教わることができ、人間関係の構築にもつながります。

OJTは、複数の社員を集めて一斉におこなう研修のように、場所を確保したり、講師に依頼したりするといった調整が不要なため低コストで実施できます。

一方で、トレーナーとなる社員の時間やリソースを必要とします。業務を通じておこなうOJTが普段の業務に追加されることで、トレーナーが自身の仕事を後回しにしなくてはいけないケースや、OJTによる指導が疎かになってしまうケースも起こり得ます。また、トレーナーとなる社員は必ずしもトレーニングの専門家ではないため、適切に指導できるかどうかは個人差があり、教わる内容にも差が出てしまうこともあります。

OJTについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

OJTとは?Off-JTとの違いやメリット・デメリット、効果を高めるポイントを紹介

Off-JT

Off-JTOff the Job Training)とは、講習会や講演への参加や、外部講師を招いた座学研修、グループワークの実施など、普段の業務から切り分けておこなう研修を指します

OJTが実務を通じた実践的な内容を学ぶのに対して、業務とは切り分けた場で集中して学ぶことができるのが特徴です。

Off-JTでは、参加する社員が一斉に同じ内容を学ぶため、学習内容の質を一定化させやすくなります。新入社員のビジネスマナーにはじまり、中堅、ベテラン社員といった階層別に習得してほしい内容も学んでもらいやすいほか、研修に参加する社員同士のコミュニケーション促進にもつながります。

一方で、場所を手配する手間や、外部講師を呼ぶといった費用がかかり、Off-JTに参加している間は業務が進められないといった点には注意が必要です。

Off-JTについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

Off-JTとは?OJTとの違い、実施するメリットや効果を高めるポイントを解説

eラーニング

eラーニングとは、インターネットを通じて学習できる手法のことです。テキスト、画像、動画化された教材を用いて、場所や時間を問わず学ぶことができます。サービス利用の費用はかかりますが、多様なプログラムが用意されており、インターネット環境があればいつでも研修を実施することができます。

ただし、eラーニングは「見ること」に終始しており、受動的な学びになりやすいという欠点もあります。

また、OJTで先輩から学ぶ、Off-JTで同僚と一緒に学ぶといったこともないため、緊張感に欠けやすいといえます。また、わからないことが出てきた際に質問ができないこともあり、個人の理解しようとする姿勢、学習意欲に左右されやすいことは考慮しなくてはいけません。

eラーニングについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

eラーニングとは?メリット・デメリット、最近のトレンドまで紹介

研修実施までのフロー

ここでは研修実施までのフローを順序立てて解説します。

1.研修の目的を決める

はじめに、どのような研修を、何のためにおこなうかを決める必要があります

研修の目的の大部分は「人材育成」にあたり、具体化すると「自社の課題を解決できる人材の育成」といえるでしょう。

ただし、場当たり的な研修にならないようにするためにも「何を課題とするか」は慎重に考えなければいけません。例えば、「直近の業績が悪いため『営業強化研修』を実施する」といったやり方には注意が必要でしょう。なぜなら、業績の低下は営業に原因があるとは限らないためです。これでは営業部門に責任があると上層部が判断したとして、研修自体に反発を持たれ、営業部門のエンゲージメント低下につながる恐れもあります。

経営や現場にどのような課題があるかをヒアリングし、本質的な問題を明らかにすることが重要です。ヒアリングによって出てきた課題を軸に目的を決め、課題を解決できるスキルを身につけられるような研修が求められます。

2.目的に合わせた研修内容を検討する

つぎに目的に合わせて具体的な研修内容を決めていきます

決めるべき項目としては以下が挙げられます。

  • 習得内容:研修を通じて対象者に習得してほしい能力やスキル
  • 対象者:階層、職種、人数
  • 研修の種類:社内研修か社外研修か、またOJTOff-JTeラーニングのいずれか
  • 費用・コスト:研修内容や場所、研修担当者の人数、講師などから費用・コストを計算
  • スケジュール:日時・回数

ここから先は、Off-JTとして集合型研修を実施する場合のフローを見ていきましょう。

3.予算・人員を確保する

研修の全体像が決まったら予算と人員を確保しますOff-JTの場合、会場や講師などの手配には費用がかかり、研修担当者にも人員が必要です。予算や人員が足りずに実施できないといった事態にならないように、この時点で計算し、確保しておきます。

研修の担当者と運営スタッフは、研修の立案から会場や講師の手配、設備の準備、予算の確保などといった業務から、ときには適切な研修かどうかのテスト、研修が適切だったかどうかの効果測定など、業務が多岐に渡ることもあります。

研修の担当者になったことで、本来の業務に支障が出るといったリスクも考えられます。大きな負担によって研修の企画が進まなくなるといったことを避けるために、担当者ひとりに任せるのではなく、複数名で担当し、なるべく負担を減らすような体制が望ましいでしょう。

4.研修の告知と受講者の募集

研修内容が決定し、予算と人員が確保できたら、研修の告知をおこないます。研修内容はもちろん、日時や場所、持ち物、対象者も記載し、メールやチャットなど社内で使用しているツールで告知しましょう。研修の目的や内容によっては任意参加で受講者を募るケースもあるため、その場合は受講者募集の告知もおこないます。

対象者には内容の確認、参加の意思を返信してもらい、告知が行き届いたことを確認しましょう。返信が来ない社員にはリマインドをおこなうと安心です。

5.研修の実施

研修当日は、あらかじめ決めたスケジュールに沿って進めていきます。始める前に受講者が全員参加しているか確認します。遅刻や欠席の連絡が来ていない受講者がいれば連絡を取りましょう。

また、配布物が行き渡っているか、機材にトラブルが生じていないかなどをチェックし、スムーズに進行できるように努めます。場所や会場を押さえている場合は、時間が超過しないようにタイムキーパーを立てることも重要です。

はじめから完璧な研修を実施するのは難しいものと考えておきましょう。当日は予想外のトラブルや考慮漏れなどがあるかもしれません。良かった点、改善すべき点はメモしておき、次回以降のブラッシュアップに役立てる姿勢が大切です。

研修を実施する際のポイント

研修を実施する際に踏まえておきたいポイントを紹介します。

最初に研修にかかるコストを意識する

どのような形の研修であっても、時間や人手、費用などのコストが生じます。企画から準備にも時間がかかり、簡単に何度も実施できるものではありません。

それにも関わらず、意義の薄い研修や、曖昧な目的の研修をおこなってしまうと、社員の満足度の低い研修になってしまい、エンゲージメント低下にも影響を与えます。社員も時間を削って参加しているという点を忘れてはなりません。

総じて、研修はコストがかかるものであり、実施できる回数には限りがあるということを最初に意識しておくことが重要です

研修目的の理解を促す

自社にどのような課題があって、どのようなスキルを研修によって身につけてほしいかを伝えることは、社員からの理解・共感を受けるうえで重要です

研修には必ず目的があるため、その目的をしっかりと示せないと、「なんのために研修を受けるのか」といった疑問が沸き、業務時間を削ってまで受講することに対してモチベーションが低下することも起こり得ます。なかでも、将来的に必要となるスキルを身につける研修の場合、中長期的な目的までしっかりと説明しないと「必要性の低い研修」だと認識されてしまいます。

研修を始める前に時間を作り、研修目的の理解を促します。

研修後の効果測定をおこなう

実施した研修にどれほどの効果があったのかを確かめることは、より良い研修を目指すに重要な要素のひとつです。研修は種類があり、組み合わせも多岐に渡ります。一見して研修が成功したように見えても、本当に最適な研修だったかどうかは検討の余地があるでしょう。

研修後に理解度テストを実施し、研修で得た知識を習得できたか確かめるほか、アンケートや受講者へインタビューをおこない、受講者視点での意見や満足度を調べることも大切です。知識は習得できたものの、受講者の満足度が低い場合は研修の目的や意義がうまく伝わっていない可能性があります。

さまざまな研修の形を検討する

企画した研修が、受講した社員から好評だった場合、再度同じような形式の研修を実施したくなるかもしれません。しかし、さまざまな形の研修を検討してみることが大切です

先述した通り、社外研修と社内研修をみてもそれぞれ良し悪しがあります。社外研修では主に費用がかかり、社内研修では主に社内の人手や時間といったコストがかかります。研修形態がどちらか一方に偏り、研修に費用が大きく取られてしまうことも、社内の人材が研修で疲弊してしまうことも問題といえるでしょう。

また、同じような研修が続くと、社員が研修に対してマンネリしてしまうほか、研修の効果が発揮されづらいこともあります。

  • 社内研修と社外研修で費用と人材コストのバランスを調整する
  • 座学と実戦形式の研修を織り交ぜ、メリハリをつける

単体の研修の質だけではなく、さまざまな研修の形式を実施することで、研修全体の質も向上していくでしょう

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まとめ

研修は企業にとって人材育成の意味合いが強いですが、より良い研修の効果は人材育成に留まりません。

能力や知識を身につけるだけではなく、研修の目的や自社の目標が伝わり、社員からも共感が得られる研修を実施することができれば、組織としての団結力、一体感が増し、より良い組織になることにもつながります。

裏を返せば、社員に「この研修であれば業務をしていたかった」と思わせてしまうような研修を実施してしまっては組織に対する信頼性を失うことになります。

そのため、研修にかかるコストを意識しながら、研修の質を追求していく姿勢が重要です。本記事を参考により良い研修の形を探していきましょう。

 

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この記事の著者

湯川 貴史

1989年生まれ。趣味でゲームを作ったり、文章を綴ったりの日々。前職はゲーム開発関連に携わる。現在は素敵な妻と、可愛い二人の子どもと共にフリーランス生活を謳歌。

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