リーダーシップにおけるコミュニケーション能力の重要性とは?求められるスキルや研修法を紹介

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組織を運営し発展させていくためには、リーダーシップを発揮する人材が不可欠です。あらゆる組織において、リーダーにはさまざまな役割が求められていますが、近年では特に、組織を円滑に動かすためのコミュニケーション能力を持つ人材に大きな注目が集まっています。

コミュニケーション能力と聞くと、その重要性は理解しており、スキルも身についていると思われがちですが、リーダーに求められるコミュニケーションスキルは、より複雑なものです。また、組織の形によって求められるリーダー像に違いがあることも理解しておかなければならないでしょう。

本記事では、リーダーシップの概要や種類、必要なコミュニケーションスキル、研修の方法について紹介します

 

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リーダーシップとは?

リーダーシップとは、「目標達成を目指すグループ内で、リーダーがメンバーに役に立つ影響を与えること」といわれています。リーダーシップと混同されがちなものに「マネジメント」という言葉がありますが、リーダーシップは、組織の変化や改革に関わる業務に影響を与える一方で、マネジメントは人材やモノ・資金を管理するという役割の違いがあります。

参照:リーダーシップを発揮しよう - 厚生労働省(PDF)

リーダーシップの理論・種類については、以下の記事で詳しく紹介しています。

リーダーシップの種類と特徴をわかりやすく解説

リーダーシップとコミュニケーションスキル

リーダーシップとは「他者に影響を与えること」であるため、リーダーシップを発揮するためには、対人関係を築く必要があります。そのため、リーダーが自身の役割を果たし、成果を上げるには、メンバーのモチベーション管理を行うことが重要です。リーダーがコミュニケーションスキルを高めることで、メンバーのモチベーションが向上し、より良い成果が望めるでしょう。

リーダーとコミュニケーションスキルについての研究では、「リーダーによる適切な意思伝達や発言によって、メンバーの自己効力感が向上し、パフォーマンス効率が10%改善した」という結果も出ています。

参照:リーダーのコミュニケーションスキルおよび組織規模と ケアの質の認識との関係:マルチレベル分析(PDF)

また、チーム内のコミュニケーション活発化は、チームワーク向上にも大きな効果が期待できます。チームワークの向上を目指すためにも、チームリーダー自身がコミュニケーションスキルを身につける必要があるでしょう。

 

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リーダーシップの種類とコミュニケーションの関係

組織の形や環境などによって、求められるリーダー像には違いがあります。また、リーダーシップにはさまざまな種類があり、それぞれ求められるコミュニケーションが異なります。そのため、あらゆるスタイルのリーダーシップを理解しておくことで、自身の立場にあったリーダーシップが見つけられるでしょう。

ここでは、リーダーシップの種類とコミュニケーションとの関係について見ていきます。

PM型リーダーシップ

PM型リーダーシップとは、三隅二不二(みすみしゅうじ)氏が提唱した「PM理論」における、理想のリーダー像です。「PM理論」では、リーダーシップスキルは「課題達成能力(P:Performance)」と「集団維持機能(M:Maintenance)」の2つから構成されていると考えられています。

PM型リーダーシップにおいては、「集団維持機能」がコミュニケーションと大きな関わりがあります。「集団維持機能」とは、メンバーの意見を傾聴し、コミュニケーションを活性化させることで、「チームをまとめ、目標を達成させる」ことです。組織において「集団維持機能」を働かせるためには、リーダーがコミュニケーションスキルを用いて、メンバーとの信頼関係を構築する必要があります。

PM理論については、以下の記事で詳しく紹介しています。

PM理論とは?リーダーシップ理論の内容・活用方法を紹介

カリスマ型リーダーシップ

カリスマ型リーダーとは、「メンバーに好意的な認識をされ、カリスマと認知されているリーダー」のことです。カリスマ型リーダーシップが発揮されている組織は、メンバーの労働意欲やモチベーションが高く維持されているのが特徴です。カリスマ型リーダーは次のような特性を持っています。

  • 高い水準の自己信頼
  • 他者との優位性
  • 自らの信念に道徳的正義を確信している
  • 強い影響力を発揮したい

組織において、リーダーがメンバーから信頼を得るためには、自身の方向性や目標を正しくメンバーに伝え、共感を得るための力である「コミュニケーションスキル」が必要です。そのため、カリスマ型リーダーシップでは、何よりもメンバーとのコミュニケーションが大切です。

参照:フォロワーの視点から見たカリスマ的・変革型リーダーシップ – 国立情報学研究所(PDF)

EQ型リーダーシップ

「EQ型リーダーシップ」とは、ダニエル・ゴールマン氏により提唱された、メンバーへの働きかけを重要とするリーダーシップです。「心の知能指数」と呼ばれている「EQ」の特性を活かしたリーダーシップを発揮することで、チームにプラスの影響を及ぼします。

「EQ」とは、「自己認識」や「動機付け」など、さまざまな要素から構成されています。特にコミュニケーションスキルと関わりが深いものは、「ソーシャルスキル」や「共感性」など、相手との良好な人間関係を築くためのスキルです。

参照:組織のリーダーとして成功を収めるにはEQ(こころの知能指数)が不可欠である ダニエル・ゴールマン 心理学者 | リーダーシップ|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

ファシリテーション型リーダーシップ

「ファシリテーション型リーダーシップ」とは、メンバーの意見を引き出す働きかけをリーダーが行うことで、組織を円滑に運営するリーダーシップです。このリーダーシップが発揮されている組織では、メンバーの主体性が高まり、活発な意見交換などが生まれることで、より良い成果を生み出します。

メンバーの意見を引き出し、まとめるためには、普段からリーダーとメンバーが親密なコミュニケーションをとっておかなければなりません。

サーバント型リーダーシップ

サーバント型リーダーシップとは、1970年にロバート・グリーンリーフによって提唱された、奉仕のマインドを持ってフォロワーをサポートするリーダーシップです。サーバントリーダーシップが発揮されている組織では、「自主性の向上」「連携強化」「モチベーションの維持」「仕事の効率化」など、さまざまなプラスの影響が生み出されます。

サーバント型のリーダーシップを発揮するためには、何よりも奉仕の精神を持つことが重要とされます。メンバーの意見を傾聴し、どのようなサポートが好ましいのかを常に考える必要があるため、親密なコミュニケーションが不可欠であるといえるでしょう。また、サーバントリーダーシップに必要なものとして挙げられている「10の特性」の多くは、メンバーとのコミュニケーションに関わる特性であり、リーダーのコミュニケーションスキルの重要性が伺えます。

サーバントリーダーシップについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

サーバントリーダーシップとは?特徴や10の特性について解説

オーセンティック・リーダーシップ

オーセンティック・リーダーシップとは、リーダーが自分らしさを持ってチームを主導し、リーダーシップを発揮することです。自分らしさを活かしたオーセンティック・リーダーシップでは、リーダーだけが権限を持つのではなく、それぞれが得意なことを活かすため、メンバーに権限を分散します。このような特徴によって、オーセンティック・リーダーシップが発揮されている組織は、さまざまな状況に対応することができます。

情報化が進み、より複雑な構造になりつつある現代社会では、リーダー一人の力だけで、すべての問題を解決することはできません。より多くのメンバーと協力し、良好な関係を築くためのコミュニケーションスキルが、オーセンティック・リーダーシップを発揮するための鍵となるでしょう。

リーダーシップに必要なコミュニケーション力を身につけるには

リーダーシップを発揮するのに不可欠なコミュニケーション力を身につけるには、いくつかポイントがあります。ここでは、コミュニケーションを取る際のポイントについて見ていきましょう。

明確な言葉を使う

対人関係において、言葉は最も重要なツールです。自身の意思を伝えるためには、はっきりとした口調で明確な言葉を使いましょう。また、声の抑揚や感情を込めた言葉使い、話すスピードなどにも気を配ることが大切です。

簡潔に伝える

自身の意思を相手により細かく伝えようとすると、話す時間や文章などが長くなってしまいがちです。しかし、長時間の会話や長文のメールは、コミュニケーションエラーの原因や、相手の興味を失わせることに繋がる可能性があります。メンバーに物事を伝える際は、簡潔で分かりやすい文章や言葉を使うことが大切です。

相手の意見を聴く

コミュニケーションでは、自身の意思を伝えることだけでなく、相手の考えを理解することが大切です。人とコミュニケーションを取る場合は、「相手が自身と違った考えを持っていること」を事前に頭に入れておきましょう。自身と相手の違いを受け入れ、しっかりと意見を聴くことで、自然と相手の立場に立った話し方が身につきます。

多角的な視点で考える

組織のなかには、さまざまな意見が存在しており、リーダーは異なる意見を一つにまとめなければなりません。リーダーには公平な立場に立つことが求められるため、自身の考えだけでなく、あらゆる視点で物事を考えることが重要です。普段から多くのメンバーと積極的なコミュニケーションを取り、さまざまな意見を知っておくことで、多角的な視点が得られるでしょう。

コミュニケーション能力を高める研修

コミュニケーション能力を磨くためには、組織のメンバーとコミュニケーションをとるだけでなく、セミナーなどに参加することがおすすめです。近年、コミュニケーション能力の重要性が高まってきており、さまざまな研修会社が、リーダーのコミュニケーション能力を高める講座や実習などを提供しています。

ここでは、研修会社が実施しているコミュニケーション講座や実習の内容を紹介します。

株式会社IKUSA「サバ研」

株式会社IKUSAでは、サバイバルゲームでチームビルディングやリーダーシップスキルが学べる、実践型研修「サバ研」を提供しています。「サバ研」は、近年大きな注目を浴びているフレームワーク「OODA LOOP」(※)を体感しながら学べる画期的な研修です。常に変化する環境の中で、リーダーはリーダーシップスキルを発揮し、チームを勝利に導かなければなりません。

「サバ研」は、少人数制のチームで行う実践的な研修であるため、リーダーは次のようなリーダーシップスキルが身に付きます。

  • 常にメンバーと意思疎通を行うための「コミュニケーションスキル」
  • 状況に合わせた、迅速で正確な「意思決定スキル」
  • 危険を予測し、チーム全体の安全を確保する「リスクマネジメントスキル」
  • 一人ひとりの能力に合った役割を与える「アセスメントスキル」

「サバ研」は、一般的な座学の研修とは異なり、実際に体を動かし学べる研修であるため、独自性のある研修を受講したい方や、社内での大型研修の企画を考えている方などには、特におすすめできる研修です。

※「OODA LOOP」……米空軍の出身である「ジョン・ボイド大佐」が提唱した、勝利に向けた意思決定プロセスを分かりやすく理論化したフレームワーク。

参照:サバ研 | サバゲーでOODA LOOPを学べるチームビルディング研修 | IKUSA.JP

株式会社日本能率協会マネジメントセンター「コミュニケーション研修」

株式会社日本能率協会マネジメントセンターでは、「ビジネス上の信頼関係構築のための論理的コミュニケーションを学ぶ」ことを目標とした、コミュニケーション研修を提供しています。この研修では、次の5つの立場に合わせた、コースが用意されています。

  • 新人・若手社員
  • 中堅・リーダークラス向け
  • 課長向け
  • 部長向け

管理職やリーダー職向けの研修では、部下への指導方法や信頼の獲得方法など、よりリーダーシップを発揮するために必要なコミュニケーションスキルを学ぶことができます。

参照:リーダーシップ研修|コース一覧|JMAM 日本能率協会マネジメントセンター

株式会社Schoo「部下とのコミュニケーション向上研修パッケージ」

株式会社Schooが提供している、「部下とのコミュニケーション向上研修パッケージ」では、優秀なマネージャーが実践している、メンバーとのコミュニケーションの方法やポイントなどについて学ぶことができます。この研修で用意されているプログラムは、以下の3つです。

  • 【ケーススタディで学ぶ組織マネジメント】優秀なマネージャーが実践する、メンバーとのより良い関係の築き方
  • チームで成果を出すためのコーチング
  • 60分で変わるダメ・コミュニケーション改善術

3つの主要プログラムを受講し、「部下とのコミュニケーションを向上させ、プロジェクトやチームを牽引できる人材になる」ことが、この研修の目標です。

参照:部下とのコミュニケーション向上研修パッケージ | オンライン研修・人材育成 – Schoo(スクー)法人・企業向けサービス 

【リーダーシップを基礎から学べる】あそぶ社員研修

あそぶ社員研修」は、受講者全員が没入して取り組むアクティビティ・振り返り・講義をブリッジすることで学びを最大化させ、翌日から業務で活かせる知識・スキルが身につく講義・アクティビティ一体型の研修プログラムです。

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.リーダーシップ研修

リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。

学びのポイント

  • メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
  • 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、⾃分らしいリーダーシップを学べる

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2.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。

学びのポイント

  • 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
  • フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
  • 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

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3.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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4.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

  • 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
  • ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

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まとめ

組織やチームを動かすためには、リーダーシップスキルについて学ぶ必要があります。リーダーに求められているスキルはさまざまですが、円滑に組織を運営するためには、特に「コミュニケーションスキル」を磨くことが大切です。リーダーは、ついてきてくれるメンバーがいてこそ成立する立場であることを忘れてはならず、コミュニケーションによるメンバーからの信頼獲得に努めなければなりません。

リーダーに求められるコミュニケーションスキルは要求が高く、普段の業務だけでは身に付けることが困難です。そのため、コミュニケーションスキルを高めるには、外部研修などを活用すると良いでしょう。自身に合った研修を受けることで、コミュニケーションスキルの向上が見込めます。

 

あそぶ社員研修」は、受講者全員が没入して取り組むアクティビティと専門講師の講義・振り返りをブリッジすることで、翌日から業務で活用できる知識・スキルが身につく研修プログラムです。
アクティビティが受講者の主体性を高めてコミュニケーションを促進させ、スキルアップやチームビルディングをはかれます。

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

あそぶ社員研修は、企業の研修担当者向けのお役立ち情報を発信するメディアです。研修に関するノウハウ、組織・人材開発の手法、ビジネススキルなどをわかりやすく紹介します。

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