コミュニケーションプランとは?作成するメリットや作り方を紹介
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プロジェクトを進めるためには、社内のチームのメンバーはもちろん、取引先や顧客などさまざまな外部の関係者ともコミュニケーションをとらなければなりません。情報の伝達や共有を確実に、そしてスムーズに行うために、コミュニケーションプランを作成しましょう。
本記事では、コミュニケーションプランとは何か、作成するメリット、含めるべき内容と、具体的な作り方についてわかりやすく解説します。
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コミュニケーションプランとは
コミュニケーションプランとは、プロジェクトマネジメントにおいて、ステークホルダーとのコミュニケーションの方法や、それぞれに伝えるべき情報などを定義して、チームのメンバーで共有できるようにまとめたもののことです。「コミュニケーション計画」と呼ばれることもあります。
ステークホルダーとは、プロジェクトにかかわる利害関係者のことです。社内のチームのメンバーだけでなく、取引先や顧客など外部の関係者も含まれます。
プロジェクトの規模が大きくなれば、かかわる人も多くなります。「誰に・どのような情報を・どうやって」伝えるかを明確にしておかないと、情報がうまく伝わらなかったり、重要な報告が漏れてしまったりする恐れもあるでしょう。
コミュニケーションプランは、プロジェクトを進めるうえで重要な情報を、必要な人に確実に届けるために作成する計画です。
そもそもプロジェクトマネジメントとは
プロジェクトマネジメントとは、その名のとおりプロジェクト全体を管理(マネジメント)することをいいます。
プロジェクトが立ち上がると、多くの場合、社内でそのプロジェクトを遂行するためのチームが結成されます。そして、メンバーにそれぞれタスクが与えられます。各タスクは相互に関連している場合が多いので、一つのタスクに遅れや問題が生じると、プロジェクト全体に影響が出る可能性もあります。そのため管理者(プロジェクトマネージャー)は、各タスクの進捗状況をしっかり把握し、管理する必要があるのです。
また、進捗管理だけでなく、目的や目標の設定、計画の立案、人員や品質、予算の管理なども、プロジェクト成功のためには欠かせません。プロジェクトマネジメントとは、このようにプロジェクトを総合的に管理することをいいます。
コミュニケーションプランを作成するメリット
コミュニケーションが不足すると、必要な人に情報が伝わらず、計画の進捗が遅れたり、プロジェクトが失敗してしまったりすることがあります。コミュニケーションプランを作成することで、情報の伝達や共有が確実に行われるようになるので、プロジェクトの成功率も向上するでしょう。
また、余計な手間や無駄を生まないためにも、コミュニケーションプランは必要です。たとえば、プロジェクトにかかわる問題や気づき、打ち合わせの内容などが一部のメンバーにしか共有されていなかったとしたら、ほかのメンバーにもう一度同じことを説明するという余計な手間が発生します。それだけでなく、後から知らされたメンバーが疎外感を感じることもあるかもしれません。そうなると、メンバーのプロジェクトへの参加意識や、モチベーション低下につながる可能性もあります。
コミュニケーションプランを作成することで、社内での情報共有も確実に行われるようになります。同じように、社外の関係者とも誰がどのように、どんなタイミングでコミュニケーションをとるかを明確にしておくことで、無駄や重複、漏れがなくなり、スムーズにプロジェクトを進められるようになります。
コミュニケーションプランに含めるべき内容
コミュニケーションプランは、PMBOK(ピンボック)の中にも登場します。PMBOKとは、「Project Management Body of Knowledge」の略称で、プロジェクトマネジメントに関する知識や手法をまとめたガイドラインのようなものです。PMBOKの中では、コミュニケーションプランは「コミュニケーション・マネジメント計画」と呼ばれています。これに含めるべき内容としては、以下のようなものが挙げられています。
- ステークホルダーのニーズ
- 伝達情報(書式、内容、詳細度などを含む)
- エスカレーション・プロセス(メンバーでは解決・判断が難しい場合に、どのように上に指示を仰ぐか)
- その情報を伝達する理由
- コミュニケーションをとる時間帯、頻度
- 情報伝達の責任者
- 情報を受信する個人またはグループ
- コミュニケーションの手段や技術(メール、プレスリリースなど)
- コミュニケーション活動に割り振る資源
- コミュニケーション・マネジメント計画書を更新・改善する方法
- 共有用語集
- 情報の流れ
- 制約条件
コミュニケーションプランの作り方
ここからは、コミュニケーションプランの作り方の例を紹介していきます。
1.フォーマットを決める
まずは、フォーマット選びです。プロジェクトのメンバーに共有しやすく、保存も簡単で、フィードバックを集めやすいフォーマットを選びましょう。
Microsoft Officeにもテンプレートがありますし、プロジェクト管理を助けてくれるツールを導入して作成する方法もあります。以下は、ツールの一例です。
- Creately……図表の作成や、グループ編集なども行える業務管理プラットフォーム
参考:スマートなビジュアルキャンバスでプロジェクトを構想・計画・実行 – Creately - Asana……仕事全体を見える化できるプロジェクト管理ツール
参考:【Asana】が選ばれる理由 – 無料で始めましょう - Lucidchart……資料の作成、情報共有、業務フローの可視化を行える作図ツール
参考:クラウド作図ツール Lucidchart – Lucidchart公式サイト
いずれも、外部アプリとの連携にも対応しています。このようなツールを使えば、コミュニケーションもツールの中で行えるため、メールやチャットなどいくつものツールを切り替えることなく、スマートに必要な情報にたどり着けるという点もメリットです。
2.コミュニケーションの目的を設定する
次に、コミュニケーションの目的を設定します。コミュニケーションの目的とは、たとえば、キックオフミーティングなら「プロジェクトを紹介し、目的と成果物を確認する」、プロジェクトのチームミーティングなら、「プロジェクトのステータスを確認する」などです。
このステップは、意外と飛ばしてしまっている方も多いかもしれません。確かに、目的を決めなくても社内のチームメンバーであれば阿吽の呼吸でカバーできることもあるかもしれません。しかし、外部の関係者、特に顧客とのコミュニケーションはそうはいきません。コミュニケーションは、目的を達成するための手段であることを認識して、コミュニケーションを通して何を実現したいのかを明確にしましょう。
参考:「プロジェクトマネジメントの基本 この一冊ですべてわかる」(著者:好川哲人 / 出版社:株式会社日本実業出版社)
3.ステークホルダーを特定する
一つのプロジェクトには、多くのステークホルダーがかかわっています。そして、プロジェクトに及ぼす影響や関心のレベルはステークホルダーによって異なります。プロジェクトにかかわっているステークホルダーをすべてリストアップし、それぞれにどのタイミングでどんな情報を伝えるべきかを考えましょう。
4.コミュニケーションをとる方法を決める
ステークホルダーが特定できたら、ステークホルダーごとにどんな方法でコミュニケーションをとるのかを決めていきます。たとえば、以下のような方法が考えられます。
- 毎週の例会
- ミーティング(対面、電話、オンライン)
- コミュニケーションツール(Slack、Googleハングアウトなど)
- メール
- プロジェクト管理ツール
- プレゼン
- アンケート
- ToDoリスト
以下のように、各ツールの用途を特定すると決めやすいでしょう。
メール | 外部のステークホルダーとの連絡に使用する |
ビジネスチャットツール | 社内チームのリアルタイムのコミュニケーションに使用する |
プロジェクト管理ツール | タスクの詳細、プロジェクトに関する資料の共有などに使用する |
ビデオチャットツール | 会議や打ち合わせに使用する |
ただ、メールの用途を「外部のステークホルダーとの連絡に使用する」としたとしても、相手が「Slackは頻繁にチェックしているが、メールはほとんど見ない」という可能性もあります。ステークホルダーのニーズも考慮しながら、コミュニケーションの方法を決めていきましょう。
5.コミュニケーションの頻度を決める
最後に、コミュニケーションの種類別にコミュニケーションの頻度を決めます。たとえば、以下の例が挙げられます。
- 毎週金曜日にプロジェクト管理ツールからステータスの更新をする
- チームのメンバーは管理者に毎日ビジネスチャットでその日の報告する
- 毎月1日にビデオチャットツールでプロジェクトチーム会議を開催する
コミュニケーションの頻度を決めたら、確実に実行できるようにカレンダーやプロジェクト管理ツールなどにもスケジュールを追加しておきましょう。
コミュニケーションプランは随時見直しを
コミュニケーションプランは、一度作成してメンバー間で共有したら終わりではありません。たとえば、チームのメンバーが変わったときや、プロジェクトが次の段階に進んだときなどのタイミングで、定期的に見直しを行いましょう。
また、プロジェクトを進める中で、「このツールは使いにくい」「もっと違う方法でコミュニケーションをとったほうが効果的なのでは」など、コミュニケーションに関して新たな課題が見つかることもあります。プロジェクトを成功させるためには、ステークホルダーとのコミュニケーションが欠かせません。定期的に見直しをして、コミュニケーション不足の状態にならないようにしましょう。
社内コミュニケーションを活性化する施策や成功事例については、以下の記事で詳しく紹介しています。
社内コミュニケーションを活性化させる方法とは?施策例と成功事例を紹介
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まとめ
プロジェクトマネジメントにおけるコミュニケーションプラン(コミュニケーション計画)について解説しました。コミュニケーションプランを作成することで、情報の伝達や共有が確実に行われるようになります。プロジェクトがスムーズに進むようになり、成功率の向上にもつながるでしょう。
「一からコミュニケーションプランを作るのは大変そう」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、便利なフォーマットやテンプレートも多数あります。また、プロジェクト管理を助けてくれるツールを導入すれば、チームメンバーとのコミュニケーションや、プロジェクト全体の管理も効率的に行えるようになります。さまざまなツールがありますので、自社のプロジェクトにあったものを探してみてはいかがでしょうか。
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アクティビティが受講者の主体性を高めてコミュニケーションを促進させ、スキルアップやチームビルディングをはかれます。
この記事の著者
雪国生まれ、関西在住のライター・ラジオパーソナリティ・イベントMC。不動産・建設会社の事務職を長年務めたのち、フリーに転身。ラジオパーソナリティーとしては情報番組や洋楽番組を担当。猫と音楽(特にSOUL/FUNK)をこよなく愛し、人生の生きがいとしている。好きな食べ物はトウモロコシ。