リーダーシップに必要なスキルとは?その種類や向上方法について解説

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リーダーシップを発揮できる人材は、いつの時代であっても多くの組織が必要としています。組織に所属するという経験がある方は、組織内でリーダーシップスキルの向上を求められたことがあるのではないでしょうか。リーダーシップスキルは先天的な才能であると思われがちですが、さまざまなスキルを身に付けることで、誰もが後天的に習得できる可能性があります。

本記事では、リーダーシップの概要や、習得すべきスキルと身に付ける方法、向上方法について解説します

 

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リーダーシップとは?

チームで取り組むビジネスにおいて、リーダーの存在は不可欠なものです。リーダーはメンバーに良い影響を与えることで組織を成長させ、成果の獲得や目標の達成に繋げています。つまり、リーダーが発揮すべきリーダーシップとは、「必要なスキルを取得したリーダーが、組織やチーム内で与えるポジティブな影響力」といえるでしょう。しかし、時代とともにさまざまな組織体系やビジネススタイルが生まれることに伴い、リーダーシップの形は大きく変化し続け、多様化しています。そのため、組織を先導する立場にあるリーダーは、リーダーシップの変化を学び理解しておくことが大切です。

参考:01_リーダーシップを発揮しよう テキスト – 厚生労働省(PDF)

リーダーシップの理論・種類については、以下の記事で詳しく紹介しています。

リーダーシップの種類と特徴をわかりやすく解説

リーダーシップの変化

リーダーシップに関するさまざまな研究が行われてきたことで、リーダーシップの形は大きく変化してきました。1940年代から現代に至るまでに、以下のようなリーダーシップ理論が研究されており、リーダーシップにはさまざまな形が存在しています。

  • 特性理論(~1940年代)

「リーダーは作られるものではなく、生まれながら持つ資質である」との考えに基づく理論

  • 行動理論(1950年代~)

リーダーとは、生まれ持った資質ではなく、「行動によってつくられる」との考えである理論

  • コンティンジェンシー理論(1960年代~)

リーダーシップはリーダー自身の行動だけでなく、「ビジネス環境などの条件に適応する必要がある」と考える理論

  • コンセプト理論(1970年代~)

コンティンジェンシー理論に基づきながら、「組織体系やメンバー・環境など、さまざまな異なる状況に合わせたリーダーシップが必要である」と考える理論

参考:リーダーシップ研究の動向と課題(PDF)

リーダーシップの種類

リーダーシップのスタイルにもさまざまな種類があり、組織の形や環境などによって求められるものが異なります。また、リーダーに必要とされるリーダーシップの種類は状況によって変化するため、さまざまな種類のリーダーシップを使いこなすことが大切です。ここでは、アメリカの心理科学者であるダニエル・ゴールマンの著書「EQこころの知能指数」で紹介されている、6種類のリーダーシップについて見ていきましょう。

1.強圧型

立場や権力などに基づいた、強制力によってフォロワー(※)を従わせるリーダーシップが強圧型のリーダーシップです。このリーダーシップでは、すべての権限をリーダーが持っており、フォロワーの意見を取り入れることなく、指示通りに業務を遂行させます

※フォロワー……チームにおいて、リーダーを支え補佐する役割を持つ人

2.権威主義型

権威主義型は、組織の目標や方向性を明確に示すことで、フォロワーを導くリーダーシップです。組織に変革をもたらす際に有効的なリーダーシップであり、組織のビジョンに賛同したフォロワーが集まりやすいといったメリットがあります。

3.親和型

親和型は、リーダーがフォロワーと同じ目線に立ち、意見を尊重することで、良好な人間関係を築くリーダーシップです。組織の目標や成果よりも、人間関係の構築を重視するリーダーシップであるため、フォロワーが働きやすい環境をつくることができます。

4.民主主義型

民主主義型のリーダーシップでは、フォロワーの意見やアイデアを積極的に取り入れ、組織の運営を行います。フォロワーの意見やアイデアが実現することで、労働意欲と達成感の向上が期待できます。

5.先導型

先導型のリーダーシップは、高いスキルを持つリーダーがフォロワーの見本となりチームを導くスタイルです。成果主義の組織や有能な人材が集まる組織では非常に高い効果を発揮するリーダーシップですが、フォロワーの能力が低ければ、リーダーへの負担が高まるといったデメリットも存在します。

6.コーチ型

コーチ型は、リーダーがフォロワー一人ひとりの個性や能力を把握し、個々の目標達成へと導くスタイルのリーダーシップです。社員の能力開発や長期的な育成に向けて、非常に高い効力を発揮するリーダーシップであり、フォロワーのモチベーション管理にも繋がります。

参考:組織のリーダーとして成功を収めるにはEQ(こころの知能指数)が不可欠である ダニエル・ゴールマン 心理学者 | リーダーシップ|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

リーダーシップを発揮するために必要な8つのスキル

組織においてリーダーシップを発揮するためには、以下のようなスキルを取得しておく必要があります。

コミュニケーションスキル

組織の円滑な運営にはフォロワーとの信頼関係が大切です。そのため、リーダーは自身の意見を正確に伝える力や相手の意見を引き出す能力など、コミュニケーションスキルを習得しておく必要があります。特に、「親和型」「民主主義型」「コーチ型」のリーダーシップでは、フォロワーとの関係性を重要視しているため、コミュニケーションスキルは不可欠なものといえるでしょう。

育成スキル

コーチ型のリーダーシップが求められる組織でリーダーが成果をあげるためには、フォロワーを育成する必要があります。そのため、リーダーにはフォロワーの目標を達成させるための働きかけや、自主性を高めるためのコーチングなど、育成に関するスキルの習得が不可欠です。

目標設定スキル

リーダーは、組織の目標や方向性をフォロワーに示さなければなりませんリーダーが明確な目標設定スキルを有していれば、組織の連携が高まり、より大きな成果をあげることができます。「目標設定スキル」は、「権威型」のリーダーシップと直結しており、組織に変革をもたらすリーダーは、このスキルを身に付けておく必要があります。

業務遂行スキル

リーダーは、フォロワーの見本となるべき存在であるため、高い業務遂行スキルを有している必要があります。リーダーが先頭に立ち、高いレベルで業務を遂行することで、フォロワーからの信頼を獲得できます。特に自身の能力で、フォロワーを導く「先導型」のリーダーシップでは、高いレベルの業務遂行スキルが不可欠です。

意思決定スキル

組織運営において、選択は避けて通ることができません。リーダーの意思が弱く、判断ができない状況では、組織全体の士気が低下してしまいます。そのため、リーダーには、物事の優先順位を明確にし、迅速に正しい判断を行える意志決定スキルが必要です。緊急性の高い案件などで必要とされている「強圧型」のリーダーは、自身の意思を明確に示し、素早く判断を下す「意思決定スキル」を有していなければなりません。

リスクマネジメントスキル

時代の変化や、景気の変動など、組織にはさまざまなリスクが発生する可能性があります。危機的な状況に陥らず、安定した組織運営を行うためには、リーダーが事前にリスクを把握し、管理しておかなければなりません

アセスメントスキル

アセスメントスキルとは、人材の能力や適性を正しく見極める能力です。リーダーがアセスメントスキルを有していれば、適材適所の人材配置が行え、組織運営がより効率化するでしょう。一人ひとりの能力を最大限に発揮することを目的とした「コーチ型」のリーダーシップでは、このアセスメントスキルが不可欠です。

モチベーション管理スキル

成果をあげるためには、社員が高いモチベーションを持って業務に取り組む環境づくりが必要です。そのため、リーダーには、動機によるマネジメントを行い、フォロワーのモチベーションを管理するスキルが求められています。フォロワーのモチベーション管理スキルは、すべての型のリーダーに必要ですが、特にフォロワーと深い関係性を作り、成果をあげる「親和型」「民主主義型」「コーチ型」のリーダーは、必ず身に付けておきましょう。

リーダーシップに関するスキルは、以下の記事で詳しく紹介しています。

リーダーシップ力とは?9つの能力・スキルの高め方を紹介

リーダーシップスキルの身につけ方

学習による知識の習得など、明確な取得方法がある技術的なスキルとは違い、内面のスキルを磨くソフト的なリーダーシップスキルの取得には多くの時間と努力が必要です。普段から以下のようなポイントを意識し、行動することでリーダーシップスキルを身につけ、磨くことができます。

自身の持つリーダーシップのスタイルを見極める

リーダーは、さまざまなリーダーシップのスタイルを使い分け、状況に適した役割を果たさなければなりません。先述の通り、リーダーシップにはさまざまな型が存在します。まずは、多くのリーダーシップ理論やリーダーシップの型を学び、知識を身に付けることが大切です

その後、普段の業務時における自身の考えや行動を客観視し、性質と合ったリーダーシップを見極めることで、身につけるべきリーダーシップのスタイルが見えてくるでしょう。また、さまざまな状況に対応できるリーダーシップを身につけるためには、自身に合ったリーダーシップスキルを磨くだけではなく、足りないスキルを新たに習得することも大切です。

積極的にコミュニケーションをとる

リーダーシップを発揮するためには、コミュニケーションによるフォロワーとの信頼関係の構築が必要です。特に、「親和型」「民主主義型」「コーチ型」のリーダーシップスキルを身につける場合は、職場やプライベートを問わず、人との積極的なコミュニケーションを意識しましょう。相手を深く知る経験を多く積むことで、相手の意見を尊重し、傾聴する姿勢が身につきます

判断力を養う

判断力はどの型のリーダーにおいても必要であり、判断力のないリーダーでは、フォロワーの能力を充分に活かすことができません。まずは、決定権が与えられていない業務に対しても、自身であればどのような判断を下すか考えるなどのトレーニングを実施しましょう。さまざまなケースを想定し、常にリーダーとしての立場から、物事を考える癖を付けることで、的確な判断力が養えます。

リーダーシップを発揮する機会を増やす

リーダー職に就いていない人は、業務内でリーダーシップを発揮する機会が多くはないため、リーダーを務める場を作ることが大切です。まずは、所属している組織において、業務外などの活動でリーダーを募集しているかなどを調べてみるとよいでしょう。また、組織内だけでなくプライベートの時間に、趣味のサークルやボランティア活動など外部の集まりに参加し、リーダーを経験しておくことで、業務に活かせる可能性があります。リーダーシップスキルを身につけるためには、何よりも数多くのリーダー経験を積むことがとても大切です。

尊敬できるリーダーを見つける

職場や周辺の環境で、尊敬できるリーダーを探してみましょう。自身の尊敬するリーダーの働きを、直接見て学ぶことは、リーダーシップスキルを効率的に身に付けるための良い方法です

外部の研修・セミナーに参加する

さまざまな企業がリーダーシップスキル取得に向けた、スキルアップ講座や研修・セミナーを提供しています。そのような外部の研修や講座を受講することで、リーダーシップに必要なスキルについて体系的に学ぶことができます。自身の目指すリーダースタイルと合った講習や研修を探し、積極的に参加してみましょう。

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まとめ

以前までは、生まれ持った素質であると考えられていたリーダーシップですが、現在では学習によって後天的に身に付けられるスキルであると認識されています。そのため、組織に属するビジネスマンにとって、リーダーシップスキルの習得は、不可欠なものになりつつあります。

リーダーシップが発揮されている組織では、「業務の円滑化」「仕事のクオリティ向上」が見込めるため、企業においてリーダーシップスキルを有する人材は、非常に貴重な存在です。また、リーダーシップスキルは、組織だけにメリットがあるものではなく、個人のキャリアアップ手段としても非常に有効的であり、学ぶ価値の高いスキルといえるでしょう。

 

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

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