理解力を高める方法13選!理解力が高い人の特徴や低いことで生じる問題も紹介
- 組織・人材開発
本記事では、自分で理解力を高める方法や、高い人の特徴、理解力が低いことで生じやすい問題、理解力が低い人の力を高める手法を解説します。
理解力が高いことで、業務や人間関係の構築などさまざまなことを円滑に進められます。理解力は鍛えられるため、方法を心得て、日ごろから取り組みましょう。
受講者が没入して取り組むアクティビティ・振り返り・専門講師が行う講義をブリッジし、研修の学びを最大化
⇒受講者のスキルアップとチームビルディングをはかる「あそぶ社員研修 総合資料」を無料で受け取る
理解力とは
理解力とは、物事の仕組みや相手の話す内容を正しく理解する能力で、相手とのコミュニケーションを円滑にし、仕事を着実に進めていくうえで必要な力の1つです。
理解力が不足していると、業務の進行を遅らせてしまったり、取引先とトラブルを起こしたり、さまざまな問題が発生すると考えられるため、仕事を効率的に運ぶためには理解力を鍛えていくことが大切です。
理解力が高い人の特徴
理解力が高い人の特徴を紹介します。
構造化しながら話を理解している
相手の話を構造化して聞ける力は、理解力の高い人が持つ特徴の1つです。
理解力が高い人は、相手の話を漫然と聞くのではなく、「この話から何を伝えたいのか」「先ほどの話題とつながっている部分がある」などと把握しながら耳を傾けています。
そうすることで、理路整然と語られなくても話の要点を素早く理解でき、会話を円滑に運ぶことができます。
質問できる
理解力が高い人は、相手の話を聞いていて感じた疑問点をすぐに質問できるという特徴があります。
相手の使う言葉の意味に捉われず、「要するにこういうことか」と論点や相手の意見が確認でき、誤った理解をしたまま進めないように会話をコントロールしています。
質問することで、「きちんと話を聞いている」姿勢を相手に示すことができるため、信頼関係を構築する面でも大切です。
自分の言葉で説明できる
理解力が高い人は、相手の話を自分の言葉で要約できます。
業務上では、話がまとまらない顧客と話す場合に内容を確認する時や、自分1人で行った商談の報告をする際、特に必要な能力です。
相手に興味を持ち、仮説を立てて話を聞いている
理解力が高い人は、人の話を聞くときに相手の考え方や振る舞いに関心を持って聞きます。
また相手の最近の言動や置かれている状況から、仮説を立てて聞く傾向があり、能動的に接することで相手の話を理解するスピードも速くなります。
例えば「相談したいことがある」と同僚から声をかけられたとき、「最近業務でこんな失敗をしていた」という状況を知っていれば、相談内容の想像ができ、あらかじめ自分の考えを整理して受け答えできます。準備ができるため、相手の話をよく聞いて理解する余裕が生まれるでしょう。
相手の気持ちを想像できる
理解力が高い人は、相手の気持ちや置かれた状況を想像したうえで、相手の言葉を聞けるため、言葉以上のことが理解できます。
例えば商談相手が明確な意見を見出せず、希望の要点を掴めないような場合でも、相手の置かれた状況を想像することで効果的な解決策を提案できるでしょう。
理解力とは知識量や話術だけでなく、心をいかに通わせられるかという側面も持っているのです。
理解力を高める方法13選
理解力を高める方法を紹介します。
1.関心を持って相手の話を聞く
まずは話している相手やその内容に関心を持つ姿勢を身につけましょう。100%を理解するのは無理でも、頭に入れた内容を足がかりに質問し、相手に歩み寄ることができます。
ポイント・注意点
- あらかじめ話し相手の情報が手に入る場合は、相手の経歴や活動内容を予習しておく
- 理解するのを諦める態度が相手に伝わってしまうと、相手が話す意欲を失い、必要な情報を聞き出せないため、そのような姿勢でコミュニケーションをとるのは避ける
2.疑問点があれば調べる癖をつける
相手の話を聞いたり、研修で講義を受けたりしたあと、いくつか疑問点が生じるはずです。それらを放置せずに調べる習慣をつけましょう。
物事を理解するためには一定の知識量が必要です。一つひとつの調べ物は瑣末に思えても、積み重ねていくことで、徐々に理解力を高めていけるでしょう。
ポイント・注意点
- 感じた疑問点は書き留めておく
- 調べた内容をまとめておくことで、記憶の定着を図る
3.スキルアップの機会をつくる
柔らかい表情を意識して話しかけやすい雰囲気をつくったり、5W(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ)に基づく答えやすい質問を投げかけたりして傾聴力を高め、コミュニケーションスキルを上げることも、相手の話を引き出し、理解を深めるのに効果的です。
業務上で専門的な知識を必要としている場合や、特定分野の話題に精通した人と話す機会が多いときなどは、勉強する機会を設けて自分の能力を上げる努力をしましょう。
ポイント・注意点
- コミュニケーション術に関する書籍を読んだり、講座を受講したりする
- 理解力が高い人の話を聞き、その人が取り組んでいることを実践する
4.アウトプットを行う
話したり、書き出したり自分に合った形でアウトプットすることで、さらに理解が深まります。
理解しきれていなかった箇所がわかるため、その部分を再度調べて知識を増やしていけるでしょう。
ポイント・注意点
- 聞いた話を同僚や家族に自分の言葉で話す
- 話の内容を紙に書いて要点を整理してみる
5.要点を掴む習慣をつける
考えながら聞くことで、内容を処理しながら聞けるようになり理解力が高まります。話を聞きながら論点や要点を整理する習慣をつけましょう。
ポイント・注意点
- 話題の論点や課題、解決策といった、話を聞く際のチェックポイントをいくつか決めて、それらについて考えながら耳を傾けるように意識する
- 掴んだ要点が正しいと決めつけず、質問して確認し、どこが理解できていなかったのか認識するようにして、考え方の精度を上げるようにする
6.視野を広げて物事を捉える
理解力を高めるためには、物事をさまざまな視点から見る力が大切です。人は情報を素早くかつ効率的に処理するために、多くの情報を、既に持っている知識や経験に基づいて判断するといわれています。この判断は無意識に行われるもののため、アンコンシャスバイアス(無意識の偏ったものの見方)と呼ばれており、誰もが持っている思考の癖です。
物事の本質を理解するためには、アンコンシャスバイアスをできるだけ排して物事を捉えることが大切です。
アンコンシャスバイアスについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
アンコンシャスバイアスとは?具体例や解消法を紹介
ポイント・注意点
- 物事には自分に見えていない側面があるということを意識し、「自分はどんな先入観を持ちやすいか」など思考の癖を把握する
- 会話中に相手の表情が暗くなったり声のトーンが低くなったりした場合、アンコンシャスバイアスで相手を傷つけていないか、発言を振り返る
7.先を予測しながら話を聞く
話を聞きながら、自分なりに仮説を立ててみることで、話の要点を掴みやすくなり、理解力が高まります。例えば相手が話す意見について、「根拠を尋ねた場合、先日起きたあの事例を挙げるだろう」と話の展開を予測します。
仮説を自分なりに立ててみることで、能動的な質問につながり、「聞いてもらえている」という安心感を相手に与えることができるでしょう。
ポイント・注意点
- 自分の立てた予測と違う展開になることもありうるため、決めつけずに柔軟な姿勢で話を聞く
- 相手が会話に詰まった場合、予測をもとに質問をして、必要な情報を引き出す
8.論理的思考力を鍛える
相手から得た知識を効率的に自分のものにできれば、理解力が高まります。そのためには、物事の結論と、それを支える根拠を導き出す論理的思考法を身につけることが大切です。
根拠と結論のつながりを捉えながら物事を理解する力が身につけられれば、話の全体像が見えやすくなります。
論理的思考(ロジカルシンキング)については、以下の記事で詳しく紹介しています。
ロジカルシンキングとは?定義・必要性・基本的な手法「MECE(ミーシー)」について解説
ポイント・注意点
- 例えば「人材不足」という話が出たら「どんな人材が不足しているのか」など、話をより具体化する質問を投げかける
- 1つのテーマについて、自分の中で賛成と反対の立場に立って議論する「セルフディベート」を行い、物事を客観的に捉える力を鍛える
9.質問力を鍛える
理解できていない部分を的確に聞く質問力を鍛えることは、理解力を高めるうえで大切です。腑に落ちないことがあれば、「今のお話は〇〇ということでしょうか?」というように、自分の言葉に置き換えて問い直すことで、理解の浅い箇所や誤解していた箇所に気づけるでしょう。効率的に疑問を解消できるため、話題に対する理解をより深めていけます。
また質問ができれば会話が生まれるため、違う解決策が生まれたり、より本質的な問題に気づけたり、議論をさらに発展させることができるでしょう。
ポイント・注意点
- 違和感を持ったら、すぐに確認し、言語化する習慣をつける
- 話の腰をたびたび折ると相手が話しにくくなってしまうため、感じた疑問はメモしておき、ある程度まとめて聞くなど、話し相手に配慮する
10.クリティカルシンキングを意識する
クリティカルシンキングとは、情報が本当に正しいかを疑うことで物事の本質を見極め、正しい答えを導き出す思考法です。物事を客観的な姿勢で捉えることで認識違いが生まれにくくなり、理解力が高まるでしょう。
ポイント・注意点
- 無意識の思い込みに気づけるように、普段から自分の会話の中のあいまい表現(「多い / 少ない」「うまくいく / うまくいかない」「急 / 不急」)について分析する
- オズボーンのチェックリストで自分が持つ思考の癖や偏りを認識し、固定観念を取り払う
クリティカルシンキングやその鍛え方については、以下の記事で詳しく紹介しています。
クリティカルシンキングとは?ロジカルシンキングとの関係や実践方法を紹介
11.相手の立場に立って考える
想像力を働かせ、相手の気持ちや状況を考えることで、理解が深まります。相手の立場に立つことができれば、相手の意図を汲み取りやすくなり、それに対して最適な行動をとれます。相手から信頼を得ることで、コミュニケーションが一層スムーズにとれるようになるでしょう。
ポイント・注意点
- 小説を読んだり、ドラマを鑑賞したりすることで、登場人物の感情を読み取る練習ができる
- 普段の会話で、相手にどう伝えればわかりやすいかを考えてみる
12.メモを取る癖をつける
大切だと感じたことは、逐一メモをとる習慣をつけましょう。不明確なところを後日調べたり、その場で質問したりすることで理解を深めることができます。
またメモを取る姿勢を見せることで、「きちんと話を聞いてくれている」と相手に感じてもらえ、前向きな印象を持ってもらえるでしょう。
ポイント・注意点
- スマートフォンのメモ機能であれば、あらゆる場面でも使いやすい
- 理解力が高い人のメモを見せてもらい、どのような点を書き留めているか参考にする
13.読書をする
文章や言葉を正確に読み取るスキルの不足が考えられる場合は、日ごろから読書をして読解力を磨くことが理解力を高めるうえで重要です。業務上や私生活においてチャットツールが普及し、テキストコミュニケーションをとる機会が増えているため、読解力は積極的に鍛えていきたいスキルといえるでしょう。
ポイント・注意点
- まずは自分が興味のあるジャンルから始め、徐々に幅を広げてみる
- 小説やビジネス本、文芸、雑誌など、ジャンルが違うと読み方が異なるため、できる限り幅を広げることで、さまざまな文章に対応できるようになる
理解力が低いことで生じやすい問題
理解力が不足していることで引き起こされるデメリットは以下の通りです。
業務上で低評価を受けやすくなる
ビジネスシーンでは、ノルマや締め切りが設定されていることが多く、スピード感を持って取り組まなければならない場面が多くあります。
理解力が不足していると、業務の流れについていけない印象を持たれ、評価が下がる恐れがあります。
業務上のミスが増える
理解力が不足していると、指示を正確に受け取れず、仕事のミスにつながってしまう可能性があります。
また誤った理解をしたまま仕事を進めてしまうと、大きなミスに発展しやすくなり、周囲の信頼を失いかねません。
同僚から誤解されやすくなる
理解力が不足していることによって、話しても理解してもらえないと周囲から認識されてしまう可能性が高まります。それによりコミュニケーションの機会が減ると、より周囲を理解しにくい環境になるという悪循環に陥る恐れがあります。
また、自分のことを伝える機会が少なくなってしまうと職場やチームの中で孤立することにもつながり、より自信を失ってしまいます。
できるだけこのような事態を避けられるよう、わからなければ聞き返す習慣を大切にしましょう。
話が長くなる
理解力が不足していると、要点を掴みきれないため、どうしても話が長くなりがちです。
「結局何が言いたいのか?」と思われる状況が常態化すると、交流を敬遠されてしまうことも考えられるため、理解力を高めることは、円滑な人間関係を築くうえでも重要です。
社員の理解力を高める手法
社員の理解力を高める手法を紹介します。
相談しやすい環境をつくる
理解を深めてもらうためには、会話を重ねることが不可欠です。質問や相談を遠慮させてしまう環境では、理解不足からのミスが増える悪循環に陥りかねないため、相談しやすい環境を整えることが大切です。
また自分で調べる方法を提示するなど、解決方法を教え、身につけてもらうことも重要です。
定期的に振り返りの機会をつくる
定期的に振り返る時間をつくり、何がわかっていないのかを言葉にしてもらうことで、理解力を高めることにつながります。
社員にとってはフォローしてもらえる安心感を得られ、職場での心理的安全性を高められるでしょう。
OJTなど実践的な研修を取り入れる
必要な業務は場数を踏んで理解してもらえるよう、OJT といった実践的なトレーニングを積むことも大切です。また研修実施後は、学んだ内容が業務に生かせているかフィードバックの時間を設け、不十分な社員にはフォローアップの研修を検討しましょう。
「読解力研修」や「傾聴講座」「メモを取る方法」など、理解力を高めるための研修を準備することでスキルを身につけてもらえるでしょう。
理解力を高めることにつながる研修5選
「あそぶ社員研修」は、受講者全員が没入して取り組むアクティビティ・振り返り・講義をブリッジすることで学びを最大化させ、翌日から業務で活かせる知識・スキルが身につく講義・アクティビティ一体型の研修プログラムです。
以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。
1.コミュニケーション研修
コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。
学びのポイント
- 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
- 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる
2.PDCA研修
PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。
学びのポイント
- 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
- 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく
3.ロジカルシンキング研修
ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。
学びのポイント
- 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
- 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる。
4.クリティカルシンキング研修
クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。
学びのポイント
- 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
- フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
- 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する
5.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修
合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。
学びのポイント
- 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
- 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
- より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す
⇒合意形成・アサーティブコミュニケーション研修を含む研修資料を無料で受け取る
まとめ
理解力を高めることで、コミュニケーションを円滑にとることができるようになり、生産性の向上や、よい成果が期待できます。理解力は日ごろの心がけ次第で高められるため、紹介した方法を参考に、日常の中で意識して鍛えていきましょう。
社員の理解力は、相談しやすい環境づくりや振り返り、適切な研修を取り入れることで高められます。トレーニングを積み重ね、社員が持つ能力の底上げを図りましょう。
「あそぶ社員研修」は、受講者全員が没入して取り組むアクティビティ・振り返り・講義をブリッジすることで学びを最大化させ、翌日から業務で活かせる知識・スキルが身につく講義・アクティビティ一体型の研修プログラムです。
アクティビティが受講者の主体性を高めてコミュニケーションを促進させ、スキルアップやチームビルディングをはかれます。