マイクロラーニングとは?活用方法や効果を高めるポイントを紹介

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この記事の監修者
株式会社motch me 取締役
石野 太一
同志社大学在学中に大学生向けクリエイティブスクールの立ち上げに携わる。25歳の時に「地頭を鍛える」をコンセプトに、謎解きやパズルを用いた学習塾「たいち数楽教室」を開塾し、延べ300名以上を指導。その後ベンチャー企業の一号社員として研修事業の責任者を務め、営業・コンテンツ開発から講師登壇までを担い、年間88回登壇した実績を持つ。「講師は現場を離れて講師だけをやっていてはいけない」をモットーに、現在はイベント制作会社の取締役として経営企画・人事に携わりながら、講師活動を続けている。

スマートフォンやタブレットから気軽に学習できる「マイクロラーニング」という学習法のニーズが高まっています。社員に効率よく知識・スキルを習得してもらうために、人材育成に活用している企業も多くみられます。
本記事では、マイクロラーニングとはどのような学習法なのか、ニーズが高まっている背景、マイクロラーニングのメリットと注意点、企業における効果的な活用方法、効果的に実施するためのポイントを、わかりやすく解説します。

 

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マイクロラーニングとは

マイクロラーニングとは、非常に小さいことを意味する「マイクロ」の名の通り、短時間で学習できるコンテンツを活用した学習法です。コンテンツの時間は、非常に短いものでは1分程度、長くても15分程度で、スキマ時間を有効に使って学べるという特徴があります。

受講者は、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスから学習します。コンテンツは、動画視聴型やクイズ形式など、目的や内容に応じた多様な形があります。

マイクロラーニングとeラーニングの違い

パソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスとインターネットを利用して学ぶ学習法は、「eラーニング」と呼ばれています。マイクロラーニングは、eラーニングの一種です。

マイクロラーニングと従来のeラーニングとの違いとしては、まず「学習時間」が挙げられます。従来のeラーニングは30分~2時間程度のコンテンツが多く、一つのテーマを学習するためにある程度まとまった時間を確保する必要がありました。これに対しマイクロラーニングは、先ほどお伝えした通り115分程度のコンテンツが多いため、スキマ時間を活用して手軽に学習できます。そのため、忙しい現代人でも無理なく継続しやすい学習スタイルとして注目されているのです。

また、eラーニングは主にLMS(学習管理システム)を使用した学習を指すことが多いですが、マイクロラーニングはそれに限りません。インターネットで配信されている動画や英会話アプリなどで学ぶことも、マイクロラーニングに含まれます。

なお、eラーニングについては以下の記事でも解説していますので、あわせて参考にしてください。

eラーニングとは?メリット・デメリット、最近のトレンドまで解説 – あそぶ社員研修

 

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マイクロラーニングのニーズが高まっている背景

近年、短時間で手軽に学べるマイクロラーニングのニーズが高まっています。その背景には、大きく2つの理由があると考えられます。

スマートデバイスの普及

日本でeラーニングという言葉が広まり、企業の研修に導入されるようになったのは、2000年代に入ってからです。その後2000年代の後半にはスマートフォンが登場し、さらに2010年代にはタブレットが普及します。操作や持ち運びがしやすいこれらのデバイスの登場により、好きな時間・場所で学びたいというニーズが高まり、企業研修や学校、塾などさまざまな教育現場で活用が広がりました。

スマートフォンやタブレッドなどの「スマートデバイス」で学習するスタイルは「モバイルラーニング」とも呼ばれ、手軽な学習法としてニーズが高まっています。そのなかでも短いコンテンツを活用したマイクロラーニングは、スキマ時間で効率的に学習できるため、取り入れる企業やビジネスパーソンが増えているのです。

研修にかかるコストや負担の削減

企業研修といえば、以前は講師と受講者を一つの会場に集めて実施する「集合研修」が主流でした。しかし、すべての教育プログラムをこの形態で実施するとなると、準備に多くの工数がかかるだけでなく、会場や備品等のレンタル費用や交通費など、さまざまなコストも発生します。また受講者としても、研修に参加するためにまとまった時間を確保する必要があり、業務やスケジュールの調整が負担になることも少なくありません。
このように集合研修は、実施にあたり企業側・受講者側の双方に負担がかかります。そこでeラーニングの登場以降、これらの負担を軽減し、コストを抑えながら研修を実施するために、集合研修とeラーニングを併用する企業が増えてきました。なかでもマイクロラーニングは短時間で学習できるため、効率的な人材育成を実現する手法として、導入が進んでいます。

マイクロラーニングのメリット

ここからは、企業がマイクロラーニングを導入することでどのようなメリットがあるのかを、詳しく見ていきましょう。

受講者にとってのメリット

まず受講者にとってのメリットとしては、大きく以下の2つが挙げられます。

スキマ時間を活用し効率的に学べる

自身のキャリアやスキルアップのために「新しいことを学習したい」という気持ちはあるものの、毎日仕事が忙しく、なかなか学習時間を確保できないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

マイクロラーニングは、一つのコンテンツの時間が115分程度と非常に短く、スマートフォンやタブレットさえあれば、いつでも・どこからでも学習できます。日常のなかに取り入れやすく、通勤時間、休憩時間、待ち時間などスキマ時間を使って学習できるというのが大きなメリットです。

また、「すでに知っている内容はとばす」「自分にとって重要な部分は繰り返し学習する」というように、自分のレベルに合わせて学習を進められるため、不足する知識を効率的に身につけられます。

このような特徴があるマイクロラーニングは、忙しい現代のビジネスパーソンにぴったりの学習法といえるでしょう。

学習内容が定着しやすい

知識を習得する際は、一度だけ集中的に学習するより、少し間隔を空けて繰り返し学習したほうが、記憶として定着しやすくなるといわれています。つまり、復習が大切なのです。一つのコンテンツの時間が短く、時間と場所に縛られずに学習できるマイクロラーニングは、復習に最適な学習法です。これを活用して研修などで学んだことを復習することで、しっかりと「自分の知識」として身につけることができるでしょう。
また、クイズ形式のコンテンツを活用することで、手軽に理解度の把握もできます。間違えたところを再度マイクロラーニングで復習すれば、そのテーマについてより理解を深められるでしょう。

企業側のメリット

時間や場所を選ばず、短時間で学習できるマイクロラーニングを取り入れることで、社員に効率よく知識やスキルを習得してもらえるようになります。

また、マイクロラーニングは使用する教材(コンテンツ)が短時間であるため、従来のeラーニングの教材に比べて制作費が安く、作成や修正がしやすいというメリットもあります。研修のなかで個人学習でも問題ない部分はマイクロラーニングに置き換えることで、コストも削減できるでしょう。

さらにLMSを利用すれば、管理業務の負担を減らすこともでき、得られたデータを分析して今後の教育に活かすことも可能となります。

このように、マイクロラーニングを活用することで、より効果的な教育プログラムを効率よく実施できるようになる可能性があります。

マイクロラーニングの注意点

さまざまなメリットがあるマイクロラーニングですが、以下のような注意点もあります。

マイクロラーニングでは習得が難しい知識・スキルもある

マイクロラーニングは、専門的な知識・スキルの習得には不向きです。専門性が高くなるほど学ぶことも多くなるため、企業としては大量のコンテンツを作らなければならなくなります。受講者としても、すべてを受講するには多くの時間が必要になるため、効率的とはいえません。そもそもマイクロラーニングの短時間のコンテンツでは、複雑な内容の解説も難しいでしょう。
また、対人スキルのようにコミュニケーションが必要な学習も、マイクロラーニングでは効果的に実施はできません。マイクロラーニングは動画を見たり、クイズに答えたりして学ぶ学習法であり、双方向のコミュニケーションはできないためです。コミュニケーションが必要な学習は、対面でディスカッションやグループワークを通して学んだほうが、実践につながりやすくなり効率的といえます。
マイクロラーニングは、簡単な知識・スキルの習得や復習に適した学習法です。学習の効果と効率を高めるためには、特徴を理解し適切に活用することが重要です。マイクロラーニングの効果的な活用方法については、のちほど詳しく紹介します。

コストがかかる

お伝えしたように、インターネットで配信されている動画や英会話アプリなどで学習することもマイクロラーニングに含まれますが、社員に求める知識・スキルを習得してもらうためには、企業側できちんとした教材を用意したほうがよいでしょう。しかし、当然これにはコストがかかります。マイクロラーニングの教材は短時間であるため、従来のeラーニングよりも一本当たりの製作費は抑えられますが、教材の数は多くなります。そのため、教材の管理が大変になることも注意点として挙げられます。
また、管理業務を効率化するためにLMSなどのシステムを活用することをおすすめしますが、これの導入・運用にもコストがかかります。
マイクロラーニングの導入を検討しているなら、導入・運用にどれくらいコストがかかるのか、それに見合う成果が得られるのかどうかを、十分検討することが重要です。

マイクロラーニングの効果的な活用方法

では、企業においては具体的にどのような形でマイクロラーニングを取り入れるとよいのでしょうか。ここからは、マイクロラーニングの効果的な活用方法を紹介します。

研修との併用

マイクロラーニングは、研修の予習や復習に活用できます。たとえば新入社員に対して、集合研修でビジネスマナーを教えているという企業は多いでしょう。しかし、ビジネスマナーは研修で一度見て・やってみただけでは、なかなか覚えられないものです。マイクロラーニングで動画を繰り返し見て復習することで、しっかりと型を覚え、現場でも実践できるようになるでしょう。
また、管理職に対しても研修が必要になることがありますが、管理職になると抱えている仕事も多くなり、研修のために業務やスケジュールを調整するのが難しくなります。個人学習で可能な部分はマイクロラーニングに置き換えて集合研修の日程を短くすることで、受講率も高められるでしょう。

語学学習

厚生労働省が公表しているデータによると、令和6年度10月末時点の外国人労働者数は2,302,587人で、届け出が義務化されて以降過去最高を更新しました。

出典:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)|厚生労働省

人手不足を補うため、外国人雇用を検討している企業もあるでしょう。外国人雇用で直面するのが「言葉の壁」ですが、マイクロラーニングは、外国人社員向けの日本語学習や、日本人社員向けの外国語学習にもおすすめです。短い時間でリスニング、スピーキングを繰り返し学ぶことができます。

製品・サービスに関する知識の習得

社員に自社で販売する製品・サービスを理解してもらっておくことは非常に重要です。特に営業の場合、顧客とのやりとりのなかで製品・サービスをきちんと説明できないと、顧客からの信用を失ってしまう可能性もあります。

マイクロラーニングを活用すれば、社員に製品・サービスの基本情報や最新の情報を効率的に学んでもらうことができます。社員が必要とする知識を選んですぐに学べるように、製品・サービスごとにコンテンツを用意しておけるとよいでしょう。

スキル技術やノウハウの継承

マイクロラーニングは、社内に技術やノウハウを共有する手段としても活用できます。特定の社員が持っている技術やノウハウを教材にして、社員がいつでも学習できるようにしておくことで、属人化を防ぎ、引継ぎもスムーズに行えるようになるでしょう。

同じように、過去に起きたミスや失敗も教材にしておけば、同様のミス・失敗の発生を防ぎやすくなります。

学習データの活用

マイクロラーニングを取り入れるなら、LMSなどのシステムを導入することをおすすめします。システムを活用することで、受講者の学習履歴や成績などのさまざまな学習データが得られるためです。これを分析することで、受講者が興味を持っている分野、強み、苦手なことなども把握しやすくなるでしょう。特にマイクロラーニングはコンテンツが細かく分かれているため、細かい分析がしやすいという特徴があります。

分析結果は、個人の育成プラン作成やキャリア相談、組織全体としての育成計画策定の際などにも活用できます。

マイクロラーニングを効果的に実施するためのポイント

最後に、マイクロラーニングを効果的に実施するためのポイントを紹介します。

一つで完結できるコンテンツを作る

マイクロラーニングは、短い一つのコンテンツを繰り返し学習することで学びを深めるものです。一つひとつのコンテンツは、それだけで学習が完結するように作ることが求められます。
学習しなければならないコンテンツが多くなると、学習の効率も落ちてしまいます。テーマによっては複数のコンテンツに分けて作成するケースもありますが、できるだけ一つコンテンツに収まるようにしたほうがよいでしょう。

自社に合うシステムを利用する

マイクロラーニングは、LMSなどのシステムがなくても実施することは可能です。しかし、企業の人材育成にマイクロラーニングを取り入れるなら、システムを導入することをおすすめします。さまざまな学習データの活用が可能になるほか、教材の配信・管理・更新、受講者の管理、成績の確認なども容易に行えるようになり、管理業務を効率化できるためです。
システムを選ぶ際は、機能や費用だけでなく「使いやすさ」も重視しましょう。受講する社員にとって使いやすいシステムを選ぶことで、自発的に学んでくれるようになることが期待できます。
LMSの機能や選び方などは以下の記事でも解説していますので、参考にしてください。

学習管理システム(LMS)とは?機能・メリット・比較ポイントを解説 – あそぶ社員研修

ほかの学習法と組み合わせる

先ほどお伝えしたように、マイクロラーニングでは習得が難しい知識・スキルもあります。「予習と復習はマイクロラーニングを活用し、具体的な解説やロールプレイングなどは対面の集合研修で実施する」というように、ほかの学習法と組み合わせると、学習の効果と効率をより高めることができるでしょう。

マイクロラーニングだけでなく、どのような学習法にも向き・不向きがあります。内容に合わせて適切な方法を選び、組み合わせて、計画的に実施することが大切です。

まとめ

マイクロラーニングは、スマートフォンやタブレットさえあれば、いつでも・どこからでも学習できます。一つのコンテンツが短く、スキマ時間を活用して学習できるため、効率的な学習法としてニーズが高まっています。ただ、学習内容によってはマイクロラーニングよりも集合研修や従来のeラーニングのほうが効果的に学習できる場合もあります。マイクロラーニングにも向き・不向きがありますので、特徴を理解したうえで適切に活用することが大切です。

 

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

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