社内コミュニケーションを活性化させる方法とは?施策例と成功事例を紹介
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業務をスムーズに進めるには、活発な社内コミュニケーションは欠かせません。しかし、なかなか社内コミュニケーションが上手くいかないと悩むこともあるでしょう。
今回は、社内コミュニケーションを活性化させるメリットをはじめ、具体的な施策について解説します。また、社内コミュニケーションの活性化の成功事例も紹介しますので参考にしてください。
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社内コミュニケーションとは
コミュニケーションとは、広辞苑によると「社会生活を営む人間の間に行われる知覚・感情・思考の伝達のこと」を指します。社内コミュニケーションは、組織内で従業員感や部門間で行われる、さまざまな伝達のことを指します。
社内コミュニケーションの活性化が重要な理由
近年の日本は、人材や業務、働き方の多様化が進んでいます。さまざまな文化的背景や価値観を持った社員が、それぞれの価値観を尊重しあい、スムーズに業務を進めるためには、企業が意識的に社内コミュニケーションを活性化する必要があります。
HR総研による「社内コミュニケーションに関するアンケート」では、「社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になる」と答えた人事担当者は9割以上にも上りました。また、社内コミュニケーション不足は以下のような業務において障害になるという意見が挙がっています。
- 迅速な情報共有
- 部署内のチームビルディング
- 部門間・事業所間の連携
- 業務中の気軽な相談・質問
- 目指す方向への認識の統一
- 業務へのモチベーション維持向上
- エンゲージメント向上
- 精神的ストレスの軽減
- 技術や知識の継承
- コンプライアンス違反や不正行為の防止
- 離職防止
- 新規事業の提案
参考:社内コミュニケーション状況に改善の兆しか、改善・悪化の要因とは? /HR総研:社内コミュニケーションに関するアンケート 結果報告 – HR総研 | 人事のプロを支援するHRプロ
コミュニケーションプランの作成については、以下の記事で詳しく紹介しています。
コミュニケーションプランとは?作成するメリットや作り方を紹介
社内コミュニケーションを活性化させるメリット
ここでは、社内コミュニケーションを活性化させるメリットについて紹介します。
社員のモチベーション向上
社内コミュニケーションが活性化すれば、社員同士が積極的に意見を交換できる環境を作れます。それにより、自発的に業務へ取り組むようになり、仕事に対するやりがいやモチベーションを向上させられる可能性が高まります。
また、コミュニケーションを通じて、社員の性格や特徴も把握できることもメリットの一つです。社員の長所やそれぞれの希望にあわせた人員配置も実現しやすくなり、社員一人ひとりが気持ちよく働ける環境を整えられるでしょう。
業務効率の向上
社内コミュニケーションが活性化されることで、情報共有がスムーズになり、業務効率の向上が期待できます。進捗状態や必要な情報が常に共有されていれば、業務に取り組むうえでの誤解や混乱が減り、全体的な生産性の向上にもつながるでしょう。
また、普段からコミュニケーションが活発であれば、社員の得意・不得意を把握でき、業務分担がスムーズになるとともに、必要なときに他のメンバーに協力を依頼しやすい職場環境になるでしょう。
離職率の低下
社内のコミュニケーション活性化により、良好な人間関係が構築され、離職率の低下につながる点も大きなメリットです。
厚生労働省の「令和3年雇用動向調査結果の概況」によると、転職入職者が前職を辞めた理由として「職場の人間関係が好ましくなかった」が8.1%と、一定数の理由として挙がっています。
この結果から、好ましくない人間関係は、離職する一因になり得ることがわかります。離職率を低下させたいときには、社内コミュニケーションの活性化に取り組むことが大切です。
参考:-令和3年雇用動向調査結果の概況-(PDF)|厚生労働省
新たなアイデアの創出
社内でのコミュニケーションが活発になると、社員同士で気軽に話す機会が自然と増えるため、新たなアイデアが生まれる可能性が高まります。
1人で考えても、新しいアイデアはなかなか生まれづらいものです。しかし、上司や同僚との何気ない会話の中から新たなアイデアを得られる可能性があります。
【オフィス編】社内コミュニケーションを活性化させる施策
ここでは、オフィスで取り入れられる、社内コミュニケーション活性化の具体的な施策を紹介します。
1. 1on1
上司と部下が1対1の2人だけでミーティングを行う1on1は、コミュニケーション活性化に有効な施策です。1on1では1対1で対話する機会を設けられるため、双方がお互いの意見や状況を共有し、深い理解を得られます。結果的に、日常業務におけるコミュニケーション量の増加も期待できます。
上司は部下の目標や課題、関心事を把握し、適切なサポートやフィードバックができるように、傾聴する姿勢が大切です。
2. フリーアドレスの導入
オフィスでの社内コミュニケーション活性化の施策として、フリーアドレスの導入も有効です。フリーアドレスとは、社員の席を固定せず、好きな席に座って作業できるようにするワークスタイルのことを指します。
固定の席を設けないことで、社員は異なる部署やチームのメンバーとコミュニケーションをとる機会が増え、アイデアや情報を共有しやすくなります。プロジェクトごとや時期によって、最適なメンバー配置ができる点も大きな魅力でしょう。
3. リラックススペースの設置
ソファが置いてあったり、気軽にドリンクが飲めたりするなど、一息つけるリラックススペースの設置も有効です。さまざまな部署の社員が使えるようにすれば、フラットな会話ができるようになり、コミュニケーション活性化につながります。
また、リラックススペースは、一時的に仕事の疲れやストレスを解消する場としても活用できます。リラックススペースでリフレッシュすることで社員のメンタルヘルスを向上させ、コミュニケーションによるストレスや緊張を緩和させる効果も期待できるでしょう。
4. 社内報
企業規模によっては、自分が所属する部署以外との関わりを持ちづらい場合があるでしょう。そこで、部署間のコミュニケーションを活性化させるために、社内報の導入がおすすめです。
社内報でさまざまな部署を特集することで、お互いの仕事を知る機会を設けられます。社内報は紙で発行するだけでなく、WebマガジンやSNS、動画など形式を自由に決められるので、自社に適した媒体を選びましょう。
5. 社内バーの導入
社内にバーを設置し、社員が各種ドリンクを自由に飲めるスペースを設置する施策もあります。社内バーがあることで、普段話さないような人と交流ができるなど、コミュニケーションの活性化が期待できます。
社内バーは、実際に導入している企業もあります。社員同士がお酒やドリンクを飲みながら、気軽にコミュニケーションを取る場として活用できるでしょう。
ただし、お酒を飲めるようにする場合は、業務時間中はお酒を飲めないようにするなどのルール作りが重要です。
【テレワーク編】社内コミュニケーションを活性化させる施策
ここでは、テレワーク環境で実施できる社内コミュニケーション活性化の施策を紹介します。
1. オンラインディベート
ディベートとは、ひとつテーマを定め、肯定・否定の2グループに分かれて行う討論のことを指します。テレワークにおいてオンラインディベートを実施することは、社員同士が意見を出し合うよい機会になります。
Web会議ツールを活用すれば、オンラインでも手軽にディベートすることが可能です。ディベートは論理的に意見を組み立てて、第三者を納得させることが必要であるため、社員の論理的思考力やプレゼン力も養えます。
2. オンライン懇談会
テレワーク環境でも実施できるコミュニケーション活性化の施策が、オンライン懇談会です。ご飯を食べたり、飲み物を楽しんだりしながら懇談会を開催することで、気軽な雑談がしやすくなり、社内コミュニケーションの活性化が期待できます。
ただし、オンラインの場合は人数が多いと話しづらくなりがちです。オンライン懇談会を実施する際は、少人数のグループに分かれて会話ができるツールを選びましょう。
3. バーチャルオフィスの導入
実際に出社しているような感覚でコミュニケーションがとれる、バーチャルオフィスの導入もおすすめです。
バーチャルオフィスは、オンライン上にオフィスを構築して、社員のアイコンやアバターを動かして使用するものです。離席中や対応可能などの状態を表示できるため、オンラインにありがちな「相手の状態が見えないため話しかけづらい」といったコミュニケーションの問題を緩和できます。
4. シャッフルランチ
シャッフルランチは、普段コミュニケーションを取ることが少ない他部署の人や、違う役職の人とグループを作りランチをすることです。オンラインの場合は、ZoomなどのWeb会議ツールを使用しましょう。
普段話さない人と交流を図ることで、社内全体のコミュニケーションの活性化が見込めます。ランダムにメンバーが選ばれることで、新鮮さが生まれ、楽しみながら新たなつながりが生まれるでしょう。
社内コミュニケーション活性化の成功事例5選
さまざまな企業で社内コミュニケーションの活性化を図る施策が実施されています。以下では、社内コミュニケーションの活性化に成功した事例を5選紹介します。
株式会社バンダイナムコエンターテインメント
株式会社バンダイナムコエンターテインメントでは、社内コミュニケーション活性化のためにオフィスのリニューアルを実施しました。オフィスリニューアル前に、社員とのディスカッションを積極的に行い、十分なヒアリングを実施したことが成功につながった事例です。
実施前の状況
オフィスリニューアル前は、事業部ごとにフロアが分かれている状態でした。事業部内でのコミュニケーションはとれていたものの、事業部外のコミュニケーションは活発ではなく、部門間の状況把握が難しい環境でした。
社内コミュニケーション活性化を図る工夫
新たなアイデアを作るためには事業の軸を超えた交流が必要と感じた同社は、共用空間である「共創スペース」を作ることに取り組みました。共創スペースでは、自分の関わる領域だけでなく、会社のさまざまな情報に触れられるよう工夫されました。
実施後の変化
オフィスリニューアルで共創スペースを設けたことにより、コミュニケーション頻度が増加。さらに「共創スペースで社外の人とも気軽に打ち合わせができるようになった」との嬉しい声も上がりました。
出典:人×知識×アイデア×アソビが交わる共創空間|コクヨマーケティング
株式会社デンソー安城製作所
株式会社デンソー安城製作所では、チームビルディングを目的に、「チャンバラ合戦」を実施しました。チャンバラ合戦は、当たっても痛くないスポンジ製の刀を用い、相手の肩についたボールを落とすというシンプルなルールで、体当たりなどの危険につながる行為は禁止としているため、年代問わず安全に参加できるアクティビティです。合戦の合間には、軍議と呼ばれる作戦タイムが設けられます。自然とコミュニケーションが活性化され、PDCAサイクルを回す訓練にもなるアクティビティです。
実施後のアンケートでは、「コミュニケーションが図れた」「楽しめた」という評価が多く、年齢や部署を超えて、和気あいあいとコミュニケーションが活性化されました。
出典:【大好評!】デンソー安城製作所様にてチャンバラ合戦を実施いただきました! | IKUSA.JP
株式会社トータテハウジング
株式会社トータテハウジングでは、オフィスリニューアルとともに、クラウド導入によるペーパーレス化など、働き方改革に取り組みました。なかでも社内の大きな課題であった、コミュニケーション不足の解消につながるオフィス作りに取り組みました。
実施前の状況
「会議であまり意見が出ない」「社内調整に時間がかかる」などのコミュニケーションにおける課題や、「セクショナリズムが強い」「書類の山・棚で周囲をブロックし、お互いの顔が見えない」などの問題がありました。
社内コミュニケーション活性化を図る工夫
社員から出た意見をもとに、目指す職場環境を具体化していきました。社員の主体性や情報共有の活発化を促進するために、個人のデスクを作らない「フリーアドレス」を採用。またフリーアドレス化に先駆けて、ペーパーレス化を進めました。
実施後の変化
オフィスリニューアル後、会話が増えたと回答した社員が50%、職場環境が快適になったと回答した方は80%と高評価となりました。
出典:真のコミュニケーションズカンパニーを目指して|コクヨマーケティング
ファミリーマートユニオン
ファミリーマートユニオンでは、オンラインでチームビルディングを行い、会社への帰属意識の向上につなげるための研修を実施しました。
実施した研修「ある惑星からのSOS」は、謎解きを楽しみながらSDGsについて学べる研修です。参加者は4~5人のチームになり、物語に沿って謎を解いていきます。謎解きを通して、自然とコミュニケーションが活性化され、SDGsについて考えるきっかけにもなりました。
参加した社員からは、「通常の業務で関わることがない先輩方と、謎解きを通して協力して問題に取り組むことが新鮮で楽しかった」などの意見が上がりました。コミュニケーション活性化に成功した事例といえるでしょう。
出典:【事例紹介】ファミリーマートユニオン様にSDGs謎解き「ある惑星からのSOS」を実施いただきました! | IKUSA.JP
モランボン株式会社
モランボン株式会社では、クライアントとの関係強化と社員同士のコミュニケーション活性化を目指し、オフィスの移転を実施しました。
実施前の状況
当時は全社員が固定席で働いており、勤務するフロアが分断されており、社員同士のスムーズなコミュニケーションがとりづらい環境でした。お互いに社内で働いているにも関わらず、携帯電話による通話でやり取りをしていることもあったといいます。
社内コミュニケーション活性化を図る工夫
フリーアドレスやオフィスカジュアルの導入、文房具の共有化の取り組みの採用を検討し、社員に納得してもらうために、オフィス移転の半年以上前から試験的に実施していきました。
実施後の変化
予約なしで使用できるミーティングスペースを多く設けたことで、社員同士のコミュニケーションが活発になったことを実感。トップダウン型の施策ではなく、社員参画型で取り組んだことで、理想の働き方の実現につながった事例です。
出典:クライアントとの関係強化と社員同士のコミュニケーション活性化を目指し、新しい働き方に挑戦|コクヨマーケティング
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- 誰もが没入できる「あそび」を取り入れた体験型アクティビティで受講者の主体性を引き出す
- 複数回のフィードバックによって学びを定着させる
まとめ
社内コミュニケーションを活性化させることは、社員のモチベーションを高めたり、業務効率を向上させたり、離職率の低下につながったりするなど、さまざまなメリットがあります。本記事では、具体的な施策として、フリーアドレスの導入やリラックススペースの設置、シャッフルランチなどを紹介しました。
社内のコミュニケーションに関する悩みがある場合は、活性化するための施策導入を検討してみましょう。
「あそぶ社員研修」は、受講者全員が没入して取り組むアクティビティ・振り返り・講義をブリッジすることで学びを最大化させ、翌日から業務で活かせる知識・スキルが身につく講義・アクティビティ一体型の研修プログラムです。
アクティビティが受講者の主体性を高めてコミュニケーションを促進させ、スキルアップやチームビルディングをはかれます。
この記事の著者
フリーランスのWebライター。大学卒業後はバレエダンサーや法人営業、Web編集職、Webディレクター職を経験。記事作成に限らず、企画立案やオウンドメディアの立ち上げ、オンライン事務など幅広い仕事に携わっています。