研修の挨拶で伝えるべき内容とは?必要な準備と注意点も紹介

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研修の担当者になると、社内研修の司会を任されることがあります。多くの場合、研修は司会者の挨拶で始まり、司会者の挨拶で終わります。司会を任されたら、挨拶でどのようなことを話せばよいのでしょうか。

本記事では、まず研修で挨拶をする目的を紹介し、始まりと締めの挨拶で話す内容、注意点と、必要な準備を解説します

 

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研修で挨拶をする目的

まずは、挨拶の目的(役割)を確認しておきましょう。研修の冒頭で挨拶をする目的は、主に以下の3つです。

1.研修の目的や意味を伝えるため

受講者の中には「会社に言われたから仕方なく」研修を受けに来たという人もいるかもしれません。研修の中身をどれだけ工夫しても、受講者がこのような状態では、高い効果は期待できないでしょう。受講者の学習意欲を高めるためにも、まずは研修の冒頭で「なぜこの研修が必要なのか」という目的を伝え、理解してもらうことが大切です

また、事前に研修の目的を受講者に伝えていたとしても、主催者側と受講者の間で認識にズレがある場合もあります。挨拶の中で、研修の内容や受講者に期待することなどもあわせて伝えると、受講者は目的を正しく理解できるようになるでしょう。ただ、すでに目的を正しく理解できている人や、自分なりの目的を持って参加している人もいますので、司会者が研修の目的や意味を長々と話すのはNGです。挨拶の中で、コンパクトに伝えましょう。

2.学習に対するモチベーションを高めるため

研修の始まりの挨拶には、場の雰囲気を作って受講者のモチベーションを高めるという目的もあります。司会者が元気よく挨拶をすることで、受講者も「よし、頑張って学ぼう」という気持ちになり、場が「研修モード」になるのです。

司会者の話し方や態度で場の空気感が変わり、それが受講者のモチベーションにも影響を与えます。司会者は、挨拶に限らず研修全体を通して、元気よくハキハキと話すことを意識しましょう。

3.研修に参加してくれたことへの感謝を伝えるため

研修は、一般的には勤務時間内に行われます。受講者は、仕事がある中で時間を作って研修に参加してくれていますので、挨拶の中で、そのことに対して感謝を伝える必要があります

また受講者の中には、緊張していたり、ストレスを感じていたりする人もいるかもしれません。感謝の言葉には、場の雰囲気を和ませる、ストレスを和らげるといった効果があるともいわれています。学びやすい雰囲気を作るためにも、始まりの挨拶の中で感謝を伝えるようにしましょう。

 

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研修の始まりの挨拶で話す内容

では、研修の始まりの挨拶では、どのようなことを受講者に伝えればよいのでしょうか。ここからは、研修の挨拶文を考えるときに必要な項目を、例文とともに紹介していきます。

1.研修の目的

まずは、研修の目的や、実施するに至った背景などをわかりやすく伝えましょう。あわせて、受講者に期待すること(何を学んでほしいのか)も伝えると、学習意欲の向上も期待できます。

【例文】

数年前に新型コロナウイルス感染症が流行したことをきっかけに、当社もテレワークやフレックスタイム制を導入し、働き方改革を推進してきました。これにより、管理職のみなさんが直接部下をマネジメントする機会が減り、コミュニケーション不足やチームワークの低下が課題となっています。管理職のみなさんには、今回の研修を通じて、今の時代に求められるマネジメントスタイルや、部下との接し方などを学んでいただきたいと思っています。

2.研修を受けるメリット

今回の研修が、会社のためだけでなく、受講者本人にとってもメリットがあるものだということを伝えることも大切です。これにより、受講者が研修を「自分ごと」と捉えられるようになり、学習に前のめりになってくれることが期待できます。

【例文】

テレワーク等を導入する前に比べて、意思疎通がうまくいかないことや、チームがまとまらないことにストレスを感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。マネジメントの知識・スキルをアップデートし、それを実践できるようになれば、今よりも気持ちよく仕事を進められるようになり、成果にもつながりやすくなるでしょう。

3.過去の実績

過去に同じような研修を実施したことがあるなら、実際にどのような成果が得られたのかを伝えましょう。そうすることで、前項のメリットの信憑性が増し、受講者の学習意欲をより高めることができます。成果を具体的な数字で示すことができれば、受講者は研修後をよりイメージしやすくなるでしょう。

【例文】

2ヶ月前に、〇〇支社の管理職のみなさんに同じ研修を受けてもらいました。あるチームでは、先月の成績が前の月に比べて〇%アップしたそうです。研修に参加した方からは、「チームとして連携がとれるようになった」「明らかに効率がよくなったと感じる」という声もいただいています。

4.講師の情報

次に、今回の研修を担当してくれる講師の情報を簡単に紹介します。外部から講師を招く場合は、事前にプロフィールを教えてもらっておくか、公式サイトで確認しておくようにしてください。時間に余裕があれば、講師の情報を紹介した後に、今回の研修で何を学ぶのかを簡単に伝えるのもよいでしょう。

【例文】

本日の研修で講師を担当してくださるのは、(肩書)の〇〇先生です。(経歴を簡単に紹介する)。そのご経験を活かし、現在は講師として、年間〇〇件ほどの研修で講義をされています。本日は、マネジメントの基礎や、今の時代に求められるマネジメント手法についてお話いただきます。

5.研修に参加してくれたことへの感謝

受講者は仕事が忙しい中、スケジュールを調整して研修に参加してくれています。最後に、挨拶の締めくくりとして、そのことに対する感謝を伝えます。

時間に余裕があれば、講師に対しても、今回講師を引き受けてくれたことへの感謝も伝えられるとよいでしょう。

【例文】

本日は、業務もお忙しい中、本研修のためにお集まりいただき、誠にありがとうございます。また、今回講師を引き受けてくださった〇〇先生にも、心より感謝申し上げます。素晴らしい研修になることを期待しています。

研修の締めの挨拶で話す内容

司会者は、研修の冒頭だけでなく、研修の最後にも挨拶をする必要があります。締めの挨拶は、始まりの挨拶ほど長く話す必要はありません。「受講者と講師への労い」と「研修を今後に活かしてほしい」ことは最低限含めるようにして、できるだけコンパクトにまとめましょう。以下は、研修の締めの挨拶の例文です。

【例文】

以上を持ちまして、本日の研修は終了となります。自分らしいマネジメントスタイルは見つけられたでしょうか。今回学んだことを、ぜひ明日から業務の中で実践してみてください。

〇〇先生、本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。そして参加してくださったみなさま、お疲れさまでした。ありがとうございました。

複数回に分けて研修を実施する場合は、次回の日程や、その他連絡事項があれば、挨拶の最後に忘れずに案内するようにしてください

研修の挨拶で注意すること

司会者が挨拶をするときは、以下の2点を意識しましょう。

丁寧にハキハキと話す

先ほどお伝えしたように、司会者の話し方や態度で、場の空気感が変わります。偉そうな話し方や態度をとると、受講者が反感を抱きやすくなり、学習に対するモチベーションも下がってしまう恐れがあります。逆に、自信がなさそうにしていると、受講者が不安を感じやすくなり、場の雰囲気も暗くなってしまうでしょう。そうなると、講師にも失礼です。

司会者は、挨拶をするときはもちろん、研修全体を通して、元気よく丁寧に、ハキハキと話すことを意識しましょう

時間は23分に収める

研修は、始まりの挨拶以降がメインですので、司会者は長く話しすぎないようにしましょう。挨拶から時間がオーバーしてしまうと、その分をどこかで調整しなくてはならなくなります。司会者の挨拶の時間は、だいたい23分が目安です。

研修の内容によっては、経営者や責任者が挨拶を担当し、企業の想いなどを伝えることもあるかもしれません。このような場合はもう少し長くなっても構いませんが、それでも5分程度に収めるようにしましょう。

研修の挨拶に必要な準備

研修の挨拶は、何の準備もなしに臨むものではありません。研修の挨拶を任されたら、当日までに以下のことを準備しておきましょう

話す内容をまとめておく

挨拶で話すことを、あらかじめ整理しておきましょう。文章で原稿として作成してもよいですし、箇条書きでポイントをまとめるだけでも構いません。

また、司会者が受講者の前で話さなければならないのは、挨拶をするときだけではありませんので、どのタイミングで何を話さなければいけないのか確認しておくことも大切です。司会者が話さなければならないタイミングとしては、始まりと締めの挨拶、質疑応答、講師交代、休憩開始・終了時などが挙げられます。プログラムを見ながら、確認しておきましょう。

事前に練習しておく

挨拶で話す内容をまとめたら、何度か練習しておきましょう。練習するときは、しっかり時間を測るようにしてください。3分を超えるなら研修の挨拶としては長すぎますので、どこかを削る必要があります。

また、話がまとまっているか、伝わりやすいか、早口になっていないかなどを客観的に確かめるために、誰かに挨拶を聞いてもらうのがおすすめです。もしくは、自分の姿を動画で撮影してチェックしてみてもよいでしょう。

挨拶に必要な書類や映像を用意する

始まりの挨拶で資料を配布したり、映像を流したりするなら、それらをきちんと用意しておきましょう。当日になって資料が足りない、映像が止まってしまうなどのトラブルが発生すると、場の空気が重たくなってしまいます。しっかり準備し、不備がないか確認しておきましょう。また、トラブルが起こった際の対処法についても事前に決めておくことが大切です。

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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2.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します

学びのポイント

  • 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
  • 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

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3.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる。

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4.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します

学びのポイント

  • 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
  • フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
  • 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

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5.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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6.戦略思考研修

戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します

学びのポイント

  • 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
  • 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる

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7.防災研修

防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します

学びのポイント

  • 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
  • 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ

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8.SDGs研修

SDGs研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します

学びのポイント

  • 環境に配慮する事業としない事業それぞれのメリットおよびデメリットを学ぶ
  • 企業経営のシミュレーションを通して、社会における企業活動と環境を両立することの重要性を学ぶ

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まとめ

研修で司会者が挨拶をする主な目的は、「研修の意味や目的を伝える」「受講者のモチベーションを高める」「研修に参加してくれたことへの感謝を伝える」の3つです。研修の司会を任されたら、この3つを意識しながら内容を考えてみてください。

 

あそぶ社員研修」は、受講者全員が没入して取り組むアクティビティと専門講師の講義・振り返りをブリッジすることで、翌日から業務で活用できる知識・スキルが身につく研修プログラムです。
アクティビティが受講者の主体性を高めてコミュニケーションを促進させ、スキルアップやチームビルディングをはかれます。
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研修のノウハウに関しては、以下の記事にまとめて記載しています。

研修とは?目的・目標設定・フロー・実施方法・ポイントを解説

この記事の著者

あらたこまち

雪国生まれ、関西在住のライター・ラジオパーソナリティ・イベントMC。不動産・建設会社の事務職を長年務めたのち、フリーに転身。ラジオパーソナリティーとしては情報番組や洋楽番組を担当。猫と音楽(特にSOUL/FUNK)をこよなく愛し、人生の生きがいとしている。好きな食べ物はトウモロコシ。

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