ビジネスマインドとは?養い方や研修のポイントを解説

  • ビジネススキル

どんなに高い能力を持っている人でも、ビジネスマインドを持ち合わせていなければ、ビジネスパーソンとして結果を出すことは難しいでしょう。企業を成長させるためにも、新入社員が入社したら、できるだけ早い段階で、ビジネスマインドを醸成する必要があります。

本記事では、ビジネスマインドとは何か、注目度が高まっている理由と必要性、ビジネスマインドの構成要素、ビジネスマインド研修を実施する際のポイント、ビジネスマインドの養い方を、わかりやすく解説していきます

 

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ビジネスマインドとは

ビジネスマインドとは、「仕事に対する姿勢や考え方」のことをいいますビジネスパーソンとしての基本的な心構えともいえるでしょう。

ビジネスマインドは、社会に出て、組織の一員として働くうえで欠かせないものです。どれだけ技術やスキルを身につけても、社会人としての意識が足りない、企業が目指すものを理解できていないといった状態のままでは、なかなか成果を上げることはできないでしょう。

のちほど詳しく紹介していますが、ビジネスマインドにはいろいろな要素が含まれており、どこからどこまでをビジネスマインドとするかは、企業によって異なります。たとえば、ビジネスマナーや成果を上げる意識など、ビジネスパーソンの「軸」ともいえる部分のみを指すこともあれば、企業の考え方や価値観なども含めてビジネスマインドとする場合もあります。また、ビジネスマインドに関する書籍も多数出版されており、ビジネスマインド研修を提供する研修会社もありますが、定義はさまざまです。

この記事では、広い意味でのビジネスマインドを解説していきます。

 

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なぜビジネスマインドが注目されているのか

ビジネスマインドは従来からある概念ですが、近年特に注目されるようになっています。その背景には、次の2つの理由があると考えられます。

働き方の多様化

新型コロナウイルス感染症が流行して以降、日本でもリモートワークが一気に普及しました。最近は、再び「原則出社」に戻す動きも強まっているようですが、引き続きリモートワークを継続する企業や、より働き方の自由度を高めるためにフレックスタイム制などを導入する企業も増えています。

このように働き方が多様化したことで、上司が部下を直接指導したり、ビジネスマインドを伝えたりする機会が少なくなりました。オフィス勤務であれば、部下が上司から「見て学ぶ」ことで自然に身につくことも多いですが、そうした機会も減少しています。

このように働き方が変わっていくなかで、ビジネスマインドの重要性や醸成する方法が、改めて注目されているのではないでしょうか。

Z世代とのギャップ

Z世代」に明確な定義はありませんが、経済産業省の資料では「19952004年生まれ」と紹介されています。

参考:今後の生活製品の可能性~若者・世代マーケティングの立場から|経済産業省(PDF)

この定義で考えると、2024年時点で29歳~20歳の人たちがZ世代に該当します。Z世代は、小さい頃からインターネットやデジタルデバイスに日常的に触れてきたため、それ以前の世代とは異なる価値観を持っているといわれています。

数年後には、Z世代が中心となり企業を支えていくようになるでしょう。そのため、彼らのビジネスマインドをどのように養って価値観のギャップを埋めていくべきかということで、改めてビジネスマインドが注目されるようになっているのではないでしょうか

Z世代の特徴については、以下の記事で詳しく紹介しています。

Z世代の特徴とは?仕事観・働き方や企業に求めるものを解説

ビジネスマインドが必要な理由

次に、なぜ社員にビジネスマインドを身につけてもらう必要があるのか、その理由を紹介していきます。

社会人としての意識を持ってもらうため

どんなに多くの資格やスキルを持っている優秀な学生であっても、意識が学生のままでは、成果を上げるのは難しいでしょう。社会で活躍できるようになるには、挨拶をする、いつも身だしなみに気使う、敬語を正しく使う、相手の立場で考えるといったことを、ビジネスパーソンとして当たり前にできるようになってもらわなければなりません。

ビジネスマインドには、このような基本的なビジネスマナーや社会人としての姿勢といったものも含まれます。社会人としての意識を持ってもらうために、ビジネスマインドは欠かせないものなのです。

働く意欲・モチベーションを高めるため

ビジネスマインドには、企業理念やビジョンなども含まれることが多いです。これらを理解することで、社員は企業における自分の役割を認識できるようになります。また、ビジネスマインドには、ストレスとの向き合い方といった要素も含まれることがあります。ビジネスマインドが身につくと、自分のストレスをある程度コントロールできるようになるでしょう。

これらの結果として、社員が仕事に意欲的になる、モチベーション高く仕事に取り組めるようになるといった変化が期待できます。このような社員が増えれば、職場の雰囲気が良くなり、士気も高まるでしょう。業務効率化や生産性向上のためにも、ビジネスマインドの醸成は欠かせません。

チームで成果を上げられるようになってもらうため

どのような仕事であっても、たった一人で完結できるものはほとんどありません。組織では、個人の成果よりも組織・チームとしての成果を求められることが多くなります。社員には、ほかのメンバーと協力しながら「チームで成果を上げる力」を身につけてもらう必要があります。自分は組織の一員であり、組織として利益を出すにはどうすればいいかを考え、行動できるようになってもらわなければなりません。

ビジネスマインドを身につけ、チームで成果を上げることの大切さがわかると、自然に組織のために考え、行動できるようになるでしょう

企業の成長のため

ここまでに紹介したように、ビジネスマインドが身につくと、社員の行動にさまざまな変化が見られるようになります。社員一人ひとりがビジネスマインドを身につければ、企業全体のパフォーマンスが上がり、成果が生まれやすくなるでしょう。

逆に、ビジネスマインドが身についていないと、取引先に失礼な態度をとってしまったり、1つのルール違反からトラブルが生まれたりして、企業の評価を下げてしまうことがあるかもしれません。

企業の成長のためにも、社員にはビジネスマインドをしっかり養ってもらう必要があります

ビジネスマインドを構成する要素

冒頭でもお伝えしたとおり、何をビジネスマインドとするかは企業や書籍、研修会社によってもさまざまですが、主に以下のような要素が含まれていることが多いです。

企業の軸となる考え方

「企業の軸となる考え方」とは、たとえば企業理念、社訓、ビジョン、方針などが挙げられます。これらを知ることで、社員は企業がどこを目指しているのか、自分の役割、どのような気持ちで仕事に取り組むべきかといったことを理解できるようになります。責任感を持ち、やりがいを感じながら仕事に取り組めるようになるでしょう。

ビジネスマナー

ビジネスマナーとは、その名のとおりビジネスシーンにおいて必要なマナーのことです。たとえば、服装や身だしなみ、挨拶、ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)、コミュニケーションのとり方、電話・来客対応、名刺交換などです。

ただ、これらの「型」を覚えるだけでは、ビジネスマインドを身につけたとはいえません。大切なのは、心(マインド)です。研修などで社員にビジネスマナーを教える際は、「なぜビジネスマナーが必要なのか」というマインドの部分もしっかり伝えましょう。そうすることで、あらゆる場面で応用できるようになり、自然と社会人として失礼のない立ち振る舞いができるようになっていくでしょう。

規則やルールを守る意識

社内には、さまざまな決まりごとがあります。就業規則のように法律で制定することが義務付けられているものや、業務の進め方をまとめた業務マニュアル、さらに、服装のルールや休憩室の使い方、掃除当番、シフト希望の提出期限など、さまざまな社内ルールがそれぞれの企業にあるはずです。社員には、社内の秩序を保つため、仕事をスムーズに進めるために、これらをきちんと守ってもらわなくてはなりません

また、当たり前ですが、法令や社会の基本的なルールを守ってもらうことも重要です。社員には、個人の違反が企業の評価にマイナスの影響を与えるということを、しっかり認識してもらう必要があります。

このような、さまざまな規則やルールを守る意識も、ビジネスマインドとしてとらえられることが多いです。

相手のことを理解しようとする姿勢

社会人になると、学生のときよりも多様な人とかかわることになります。世代や国籍、経歴などが違えば、考え方や価値観も異なります。多様な人と力を合わせて、チームとして成果を上げられるようになるためには、まずは相手のことを理解しようとする姿勢が欠かせません。加えて、職場では周りの人に配慮する姿勢、職場の外に出れば顧客や取引先の思いに寄り添って考える姿勢も求められます

ビジネスマインドが身につくと、相手の目線に立ってコミュニケーションがとれるようになります。相手と良好な関係が築けるようになり、仕事が円滑に進むようになるでしょう。

ストレスとの向き合い方

仕事をしていると、困難な問題や課題に直面することがあります。特に新人のうちは慣れないことばかりで、ストレスを感じることが多くなるでしょう。

社会人になると、ストレス要因にぶつかったときも、ある程度は自分で乗り越え、仕事をやり抜く力が求められるようになります。そのため、ストレスとの向き合い方や自己管理能力、精神力といった要素も、ビジネスマインドに含まれることがあります。社員にモチベーション高く、意欲的に仕事に取り組んでもらうためにも、重要な要素です。

ビジネスマインド研修を実施する際のポイント

社員にビジネスマインドを身につけてもらいたいなら、研修を実施するのがおすすめです。形態は、オンラインよりも集合型研修が向いています。通常業務のなかでマインドを伝えることも可能ですが、あえて仕事から離れて「研修」という場を設けることで、社員も学習に集中できます。また、研修で改めて企業のビジネスマインドを伝えることで、社員の意識統一も図れるでしょう。

ここからは、ビジネスマインド研修を検討されている担当者様に向けて、実施する際のポイントを紹介していきます。

新卒の社員にはなるべく早い段階で実施する

ビジネスマインドは、すべてのビジネスパーソンが身につけておくべき、基本的な心構えです。新卒の社員は社会人の経験がありませんので、入社後できるだけ早い段階でビジネスマインド研修を実施して、社会人としての土台を固めてもらいましょう。新入社員研修のなかに、1つのカリキュラムとしてビジネスマインドを組み込んでもよいかもしれません。

早い段階でビジネスマインドを身につけてもらうことで、配属後も仕事をスムーズに進められるようになり、早期に活躍できるようになるでしょう。

グループワークを取り入れる

人とコミュニケーションをとることの重要性や、相手の目線に立ったコミュニケーションのとり方を学んでもらうために、ビジネスマインド研修には、受講者同士で協力して取り組むグループワークを取り入れるのがおすすめです

組織では、チームで成果を上げることが求められるようになります。そのために、コミュニケーションは欠かせません。しかし社員のなかには、もともと人と話すことが苦手、または好きではないという人もいるでしょう。そのような社員には、コミュニケーションを「マインド」ではなく「必須のスキル」としてとらえてもらったほうが、研修に意欲的に取り組んでもらえるようになるかもしれません

ロールプレイングを取り入れる

ビジネスマナーや相手の目線に立ったコミュニケーションのとり方などは、研修では理解できたつもりでも、実際にやってみるとなると、なかなかうまくできないことも多いでしょう。ビジネスマインド研修にロールプレイングを取り入れると、学んだことをどのように使うのかを身体で覚えることができ、実践につながりやすくなります

ビジネスマインドの養い方

ビジネスマインドは、社員が自分自身で養うこともできます。最後に、その方法を紹介します。

主体性を高める

主体性とは、自分の意志や判断に基づいて、責任を持って行動しようとする性質のことをいいます。社会に出たら、「誰かに言われたからやる」のではなく、「自分でやるべきことを決め、それを実行できる」人になってもらわなければなりません。自分から積極的にチャレンジしていかなければ、成長することもできないでしょう。

では、主体性を高めるためにはどうすればよいのでしょうか。2つの方法を、簡単に紹介します。

目標を持つ

主体性を高めるために、「目標を持つ癖をつける」という方法があります。設定した目標を達成するためには、目標と現状のギャップを埋める方法を考えて、自分で行動を起こさなければならないので、主体性を養うことができるでしょう。仕事でも、プライベートでも、目標を持つ癖をつけてみてください。

ただ、高すぎる目標を設定すると、途中でモチベーションが下がり、「自分には無理だ」と諦めてしまうかもしれません。目標は、努力すれば達成できるレベルに設定するのがポイントです。

積極的に発言する

主体性のない人に共通してみられる特徴の1つに、「自分の意見がない / 言わない」が挙げられます自分の意見を持つために、まず「考える」癖をつけてみましょう。たとえば、「もっと早く帰るためには(仕事をより早く終わらせるには)どうすればいいか」など、小さなことからで構いません。そして、考える癖がついて自分の意見が持てるようになったら、発言の機会があれば積極的に発言しましょう。そうすることで、「言ったことはやらなければ」という気持ちになり、行動につながりやすくなります。

または、逆に発言することで考える癖をつけるという方法もあります。たとえば、「会議では必ず1回は発言する」というルールを自分のなかで作っておきます。すると、このルールをクリアするために、「何を発言すればチームに貢献できるか」などと自然に考えるようになるでしょう。

相手の目線で考える

さまざまな場面で、相手の目線に立つことを意識するようにしましょう。そうすることで、自然とビジネスマインドが養われ、相手と良好な関係が築けるようになります

自分では相手の目線に立っているつもりでも、無意識に自分目線になってしまっていることもあります。相手の目線で考えるには、考えるときに「相手の顔」ではなく、「相手から見た自分の顔」を思い浮かべることがポイントです。

ビジネス書を読む

ビジネス書からビジネスマインドを学ぶのも1つの方法です基本的なビジネスマインドが学べる本、仕事への取り組み方が学べる本、マナーや法律が学べる本など、さまざまな書籍がありますので、ビジネスマインドを身につけたいなら、自分に合うものを探してみてはいかがでしょうか。

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.ビジネスマナー研修

ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。

学びのポイント

  • 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
  • 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる

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2.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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3.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる。

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4.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。

学びのポイント

  • 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
  • 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

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まとめ

社会に出たら、まず身につけるべき「ビジネスマインド」について解説しました。今回、ビジネスマインドの構成要素を紹介しましたが、ビジネスマインドが具体的に何を指すかは、企業や書籍、研修会社によってさまざまな考え方があります。社員にビジネスマインドを身につけてほしいと考えているなら、まずは「自社にとってのビジネスマインドとは何か?」を定義してみてはいかがでしょうか。

 

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この記事の著者

あらたこまち

雪国生まれ、関西在住のライター・ラジオパーソナリティ・イベントMC。不動産・建設会社の事務職を長年務めたのち、フリーに転身。ラジオパーソナリティーとしては情報番組や洋楽番組を担当。猫と音楽(特にSOUL/FUNK)をこよなく愛し、人生の生きがいとしている。好きな食べ物はトウモロコシ。

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