研修疲れに陥る原因と対策、実践につなげるためのポイント
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社員に求める知識やスキルを効率的に身につけてもらうためには、研修が有効です。しかし研修が続いたり、内容が魅力的でなかったりすると、「きつい」「行きたくない」といったネガティブな感情が生まれ、研修疲れに陥ってしまうことがあります。このような状態で研修を受けてもらっても、高い効果は得られないでしょう。
本記事では、研修疲れに陥る原因と、研修疲れを防ぐための対策を解説します。そして、研修を成果につなげるためには「実施して終わりにしない」ことが重要です。記事の後半では研修後にやるべきことも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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研修疲れに陥る原因
研修疲れを改善するためには、まず研修の受講者が「研修が疲れた」と感じてしまう原因を把握することが重要です。ここでは、受講者が研修疲れに陥る主な原因を紹介します。自社にも当てはまりそうなものがないか、確認してみてください。
座っている時間が長い
座学中心の研修やオンライン研修の場合、受講者は座っている時間が非常に長くなるため、「疲れた」「きつい」などと感じやすくなります。長時間の座学は、身体に負担がかかります。姿勢が固定されることで腰や背中が痛くなったり、肩こりが悪化してしまったりする可能性もあるでしょう。それだけでなく、痛みや疲れを感じることで集中力やモチベーションも維持しにくくなります。座っている時間が長くなると、情報をインプットすることも難しくなるのです。
研修疲れを生じさせないためには、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう、研修の内容を工夫する必要があります。
研修がどのように役に立つのか理解できていない
その研修を自分が受講する意味や価値が理解できていない場合、モチベーションが上がらず、研修に対してネガティブなイメージを抱きやすくなります。このような状態で研修を受けても、内容は身につきません。
受講者が研修の意味や価値を理解できない原因は、さまざまなものがあります。たとえば、「研修の目的を明確に提示できていない」「研修の必要性を説明していない」「職場との連携不足で、そもそも研修が職場の役に立つ内容になっていない」などです。
研修にモチベーション高く取り組んでもらうためには、まず研修を「本当に職場の役に立つ」内容にすることが何よりも重要です。そして、あらかじめ受講者に対して、その研修が必要な理由や目的を丁寧に説明しておくことが求められます。
行動が制限されることに対するストレス
「研修」と聞くと、大きな研修室や会議室などで半日~丸一日かけて集中的に学ぶスタイルを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。研修のテーマや学習の量によっては、数日に分けて実施するケースもあります。また、最近は研修のスタイルも多様化しており、合宿所やホテル、アウトドア施設などで宿泊研修を行うケースも増えています。
どのようなスタイルの研修であっても、研修中は行動が制限されます。「自由に過ごせる時間」や「リラックスできる時間」が少なくなることも、「研修がきつい」「参加したくない」と感じてしまう原因の一つです。特に他の受講者が初対面の人、これまでにあまりかかわりがなかった人ばかりの場合は、苦痛を感じやすくなるでしょう。
研修は適度に休憩をはさみ、受講者が心と身体を休められる時間を設けることが大切です。さらに、何か受講者同士でコミュニケーションをとり、お互いの距離を縮められるようなワークを取り入れることで、心理的安全性が高まり、このようなストレスを軽減できる可能性があります。
内容が難しい・多い
研修で学習する内容が難しい、または多すぎる場合も、「疲れた」と感じやすくなります。特に新入社員研修では、これが原因で研修疲れに陥ってしまうケースが多いです。なぜなら、新入社員研修では非常に多くのことを短期間で習得することが求められるためです。
【新入社員研修学ぶことの一例】
- 企業の理念やビジョン、事業活動の内容
- 社会人としてのマインド
- 業務の基本的な進め方
- ビジネスマナー
- コミュニケーションのとり方
- コンプライアンス など
研修疲れを防ぐため、そして一つひとつの内容をしっかりと吸収してもらうためにも、短期間のうちにあまり内容を詰め込みすぎないことも重要です。
コミュニケーションや人間関係の問題
指導者とのコミュニケーションや人間関係がうまくいかないために、「疲れた」「きつい」と感じてしまうこともあります。これも、新入社員研修に多いケースです。研修の中では、当然わからないことや疑問点も出てくるでしょう。そんなときに、質問や相談をする機会がない、またはしにくいと感じると、受講者のモチベーションも下がってしまいます。
また、新入社員研修では「指導が厳しい」と感じて研修にネガティブになってしまうケースもあります。上司や先輩が新入社員の研修を担当する場合、本来の業務と並行して研修を行うことになります。指導する側としては厳しくしているつもりはなくても、時間や心の余裕がなくなり、冷たい態度・言動が出てしまうこともあるかもしれません。新入社員研修は、指導する側の負担も考慮して設計することが重要です。
環境が変わったことに対するストレス
こちらも、新入社員研修に多いケースです。新卒の新入社員に対する研修は、4月に入社してすぐに始まり、1~3ヶ月かけて行われるのが一般的です。少し前まで学生だった新入社員は、これまでとはまったく異なる環境の中に身を置きくことになり、生活リズムも変わります。「早く戦力にならなければ」とプレッシャーを感じたり、周りの同期と比較して自信を失ってしまったりすることもあるでしょう。
環境変化によるさまざまなストレスに負けてしまい、研修期間が終わる前に離職を決めてしまう人もいます。新入社員研修期間中は、新入社員の状態に気を配り、適切なサポートやフォローを行うことが求められます。
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研修疲れを防ぐための対策
ではここからは、受講者の研修疲れを防ぎ、モチベーション高く取り組んでもらうためにできることを紹介していきます。
研修の目的や必要性を伝える
お伝えしたように、受講者が「研修がどのように役に立つのか」を理解できていない場合、研修疲れに陥りやすくなります。また、研修は情報をただインプットしてもらうだけでなく、それらを実際に職場で「使えるように」なってもらう必要があります。しかし受講者が研修の意味や価値を理解できていない状態では、せっかく研修を実施しても、実践につながらない可能性が高いでしょう。
効果的な研修を実施するためには、あらかじめ研修の目的や必要性(なぜこの研修を実施するのか、どのように役に立つのか)を受講者に説明しておき、理解した状態で研修を受けてもらうことが重要です。研修後は学んだことを職場で活用できるよう、あわせて明確な目標(目的を達成するための指標)も提示できるとよいでしょう。
研修の内容を見直す
研修疲れの原因が研修そのものにある場合、内容を見直すことで改善される可能性があります。
どのような研修が求められているのか
では、受講者はどのような研修なら「受けたい」と感じるのでしょうか。株式会社IKUSAは、2023年に社内外で研修を受けたことがある入社1~3年目の会社員、全国の20代男女を対象に、インターネットで『新人・若手社員の研修に関する調査』を実施しました。「研修に求めるもの」の質問に対する上位8つの回答は、以下の通りです。
- スキルの向上につながる(39.0%)
- 業務知識が得られる(36.0%)
- 研修中にフィードバックがもらえるなど、双方向性がある(34.6%)
- チームになって取り組める(18.8%)
- 集中して受講できる環境が整っている(18.4%)
- 講師のスキルが高い(17.2%)
- 時間や場所の融通が利く(15.0%)
- ゲーム性が感じられる(14.6%)
研修を設計するときは、上記の要素を含めることを意識してみてください。
「体験」があると学習効果が高まる
先ほどお伝えしたように、「座っている時間が長い」研修も、研修疲れが起きやすいです。前項で紹介した要素に加えて、何か「体験」を取り入れられないかも検討してみるとよいでしょう。
体験とは、たとえばグループで考える、話し合う、教え合う、実際にやってみるなどです。学習方法ごとの学習定着率を示した「ラーニングピラミッド」という図があります。これを見ても、座学だけの研修よりも体験があったほうが、学習内容が定着しやすくなることがわかります。

出典:あそぶ社員研修
また、グループワークを取り入れることで、受講者同士の間に交流が生まれ、相互理解やコミュニケーションを促進できます。その結果、人間関係が構築され、職場に戻ってからも協力し合って仕事に取り組めるようになることが期待できます。
研修のテーマにもよりますが、個人ではなくグループで「体験して学べる」内容にできないか、検討してみてはいかがでしょうか。
スケジュールや形態を見直す
学習内容が難しい、または多すぎることも、研修疲れを生じさせるよくある原因として挙げられます。詰め込みすぎると、理解も追いつかなくなってしまいます。それでは、当然実践にもつながりません。
受講者にとって負担の大きい研修になっていないか確認し、まずスケジュールから見直してみましょう。具体的には「何日かに分けて実施できないか」「予備日を設けられないか」などを検討します。
ただ、日程を伸ばせばそれだけコストもかさみますし、関係各所と調整も必要になるため、難しいことも多いでしょう。その場合は、「他の形態で実施できないか」を検討してみましょう。たとえば、すべて集合研修で実施している場合、一部をオンライン研修に置き換えたり、e-ラーニングで予習・復習のコンテンツを提供したりする方法が考えられます。複数の形態を組み合わせることで、受講者の負担を選らせるだけでなく、研修のコストも抑えられる可能性があります。
休憩をはさむ
研修中は、適度に休憩をはさみましょう。1時間に1回立つだけで、血流が改善され疲れにくくなるといわれています。特に座学中心の研修の場合は、こまめに休憩をとり、受講者に「席から立つ」ことを促すとよいでしょう。
身体を動かすワークなどが取り入れられている場合も、学習が続くと集中力はどうしても低下してしまいます。受講者の様子を見ながら休憩時間を増やせるように、時間に余裕を持ったプログラムを組むことが大切です。
メンター制度や1on1を導入する
特に研修疲れに陥りやすいのが、新入社員です。新入社員の研修疲れを防ぐためには、研修の内容やスケジュール、形態を見直すだけでなく、周りが積極的にコミュニケーションをとり、新入社員のサポートやフォローを行うことが重要となります。具体的な方法としては、メンター制度や1on1の導入が有効です。
メンター制度
メンター制度とは、先輩社員が新入社員の悩みの解決や成長をサポートする制度です。業務に関することに限らず、キャリアや人間関係の悩みなども含めて幅広く対応します。メンター(新入社員をサポートする人)は、新入社員に年齢が近い他部署の社員が担当するのが一般的です。直属の上司には話しにくいことも相談しやすいため、導入することで新入社員の悩みやストレスにいち早く気づける可能性があります。
1on1
1on1とは、新入社員の成長のために実施する、上司との1対1の面談のことです。普段から職場でしっかりコミュニケーションをとることも大切ですが、改めて新入社員と向き合ってコミュニケーションをとる時間を設けることで、新入社員の状態を把握しやすくなります。また、1on1の中で適切なフィードバックを与えることで、仕事や研修に対するモチベーションを高めることもできるでしょう。
研修は「実施して終わりにしない」ことが重要
研修疲れを防ぎ、受講者に学んだことを職場で活用できるようになってもらうためには、研修を「実施して終わり」にしないことが重要です。最後に、研修を成果につなげるためのポイントを解説します。
振り返り・復習の時間を設ける
研修で集中的に学んだことも、時間が経てばその記憶は薄れてしまうものです。ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスが提唱した「エビングハウスの忘却曲線」によると、人は1日後には新たに学習したことの74%を忘れてしまうとされています。
学んだことを中長期の記憶として定着させるために重要なのが、振り返りや復習です。適切なタイミングで、その機会を企業側から提供しましょう。具体的には、以下のような方法が考えられます。
- 「研修終了後1日以内に、上司に研修で学んだことや今後の目標を報告する」という課題を与える。
- 研修の数週間後に、確認のためのテストやロールプレイングを実施する。
- 研修の数ヶ月後に、フォローアップ研修を実施する。
職場で実践する機会を作る
研修後受講者には、学んだことを職場で積極的に活用してもらいましょう。小さな成功体験を積み重ねることで、自信を持って実践できるようになっていきます。
しかし、「どのように使えばよいのかわからない」「使ってみたいが、その機会がない」という場合もあるでしょう。そのため、実践を受講者任せにするのではなく、企業のほうからその機会を提供することが大切です。具体的には、研修担当者は受講者の職場(特に上司)と連携し、上司から受講者に実践の機会を与えてもらいます。
アンケートを実施する
研修を実施したあとは、効果の測定も忘れずに行いましょう。その方法の一つに、受講者に対するアンケートがあります。研修後にアンケートを実施することで、受講者が研修疲れを感じていたかどうか、良かった点・改善点などを把握できます。厳しい意見が返ってくることもあるかもしれませんが、それも研修をより良くしていくためには重要なものです。また、良い意見が返ってくれば、研修担当者にとっても次回に向けてのモチベーションになるでしょう。
ただ、研修後に実施するアンケートで測定できるのは「研修そのものに対する満足度」だけです。「実践につながっているのか」「成果が得られたのか」などを把握するためには、より詳細に効果の測定を行う必要があります。これには、カークパトリックモデルの活用がおすすめです。カークパトリックモデルについては、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
カークパトリックモデルとは?効果の測定方法やポイントをわかりやすく解説 – あそぶ社員研修
まとめ
座学中心の研修よりも、「体験して学ぶ」研修のほうが、研修疲れは起きにくいと考えられます。体験を取り入れることで、受講者同士の間に交流が生まれ、相互理解やコミュニケーションを促進できるというメリットもあります。研修のテーマにもよりますが、何らかの体験を取り入れられないか、検討してみてはいかがでしょうか。
あそぶ社員研修では、チームで取り組むアクティビティを取り入れた研修プログラムを多数提供しています。体験して学ぶ研修を実施したいと考えているなら、お気軽にご相談ください。
「あそぶ社員研修」は、受講者が主体の研修。心理的安全性が保たれた場で、ワークを通じて「成功と失敗」を擬似体験できます。自ら気づきを得るから、研修後の行動が変わります。
「どの研修が自社に合うかわからない」という方は、お気軽にご相談ください。目的やご予算に合わせて最適なプログラムをご提案します。
この記事の著者
あそぶ社員研修は、企業の研修担当者向けのお役立ち情報を発信するメディアです。研修に関するノウハウ、組織・人材開発の手法、ビジネススキルなどをわかりやすく紹介します。






