ハレーションとは?ビジネス用語としての意味や使い方を紹介

  • 組織・人材開発

仕事をしているなかで、「ハレーション」という言葉を聞いたことはありますか。もともとは写真や映像の分野で使われてきた言葉ですが、最近はビジネスシーンや日常生活のなかでも使われるようになってきています。

本記事では、ビジネス用語としてのハレーションの意味や使い方、ハレーションと意味が似ている言葉、さらに、業界別のハレーションの意味についても解説します

 

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ビジネス用語のハレーションとは?

ビジネスシーンで用いられるハレーションは、「周りに悪影響を及ぼす」ことを意味しています一つのミスやトラブル、発言や行動などが、周りも巻き込むような大きな影響を与えることを表す言葉で、ネガティブな副作用や、二次被害という意味合いで用いられることもあります。

ビジネスにおけるハレーションの具体例

では、ハレーションとはどのようなものなのか、ここでいくつかビジネスにおけるハレーションの具体例を紹介します。

ハレーションの具体例1

たとえば、「製品をつくるのに必要な部品が届かない」というトラブルが発生したとします。すると、その後の工程も後ろにずれ込むことになり、結果として、取引先への納品が間に合わなくなってしまった……というようなケースが考えられます。

このケースの場合、取引先に対しては納品が遅れることについての説明と、お詫びをしなければなりません。さらに、最初のトラブルの原因によっては、別の調達先の確保や、体制の見直しといった対応が必要になることもあるでしょう。ハレーションが起こると、このように本来なかった対応が発生してしまいます。

ハレーションの具体例2

情報の共有漏れや、コミュニケーション不足からハレーションが起きるケースもあります。

たとえば、売上目標を達成したい営業部が、開発部に何も相談することなく、無理なスケジュールで仕事を受注してしまったとします。すると、製品をつくる開発部には大きな負担がかかることになります。場合によっては、納期に間に合わなくなってしまったり、品質が落ちてしまったりする可能性もあるでしょう。また、部署間の対立が深まり、より大きなトラブルが発生する恐れもあります。

ハレーションの具体例3

何か一つの出来事がきっかけとなり、ハレーションが起きるケースもあります。

たとえば、新たな社長が就任したことで、企業の方針が大きく変わったとします。これにより、その企業で働く人にもさまざまな影響が及ぶことがあります。たとえば、これまで担当していた業務がなくなる、希望しない部署へ異動になるなどです。このような状況も、ハレーションと表現することができます。

英単語のハレーションの意味

そもそもハレーションとは、英単語の「halation」を由来とする単語です。カナカナで「ハレーション」と表記してあるものには、写真・映像分野における専門用語のように、業界によって意味やニュアンスが異なるケースがあるので注意が必要です。英単語の「halation」は、写真や映像の分野で用いられる言葉で、カメラで撮影する際に強い光が当たって、白くぼやけたり、濁ってしまったりする現象を意味しています。逆光で撮影した場合に、特に起きやすい現象です。そして、「halation」が起きると写真がダメになってしまうという意味から転じて、ビジネスシーンでは「周りに悪影響を及ぼす」という意味でも使われるようになりました。

英単語の「halation」にはビジネス用語のハレーションの意味(周囲に悪影響を及ぼす)はありません。悪影響を英語で表現するなら、一般的には「bad influence」「ill effects」などが使われます。

ハレーションという言葉の使い方と例文

ビジネス用語としてのハレーションは、「ハレーションが起こる」「ハレーションが生まれる(生じる)」という表現で用いられます。また、「大きい」「小さい」で影響の大きさを表すこともできます

【例文】

  • 自分がミスをしてしまったせいで、ハレーションが起きてしまった。
  • 新しい仕組みを導入したことで、現場にハレーションが生まれている。
  • 先日の部長の失言が、社内にハレーションを生じさせた。
  • トラブルはあったけれど、大きなハレーションが起きなくてよかった。

ハレーションと似ている言葉

ビジネス用語のハレーションを別の言葉で言い換えるなら、「悪影響」になるでしょう。悪影響とは、文字通りよくない影響のことです。

そして、ハレーションと意味が似ている言葉としては、「マイナス効果」や「逆効果」があります

  • マイナス効果……期待に反してマイナスの結果が出ること。
  • 逆効果……予想していた結果とは反対の結果が出ること。

マイナス効果や逆効果は、何か「期待していること」や「予想していること」があり、そうならなかった場合に用いられる言葉です。ハレーションとはニュアンスが異なるため、置き換えて使用すると正しく伝わらない可能性があります。

業界別のハレーション

ハレーションは、業界によっても意味やニュアンスが異なるため、使用する際は注意が必要です。最後に、業界別のハレーションの意味を紹介します。

IT業界

IT業界におけるハレーションは、一つの操作やミスが大きな悪影響を及ぼすことを指します。たとえば、プログラミングでコードの些細な記載ミスがあったため、システムが動かなくなったり、誤作動が起こったりするケースです。原因となったミスを見つけて修正するには、多くの時間的・人為的コストがかかります。システムや精密機器に大きな影響を与える可能性もあるため、IT業界で用いられるハレーションという言葉には、かなり厳しいニュアンスが含まれています。

デザイン業界

デザインやアートの業界では、見る人に違和感や不快感を与える色の組み合わせを、ハレーションといいます。鮮やかな赤と緑、赤と青といった組み合わせを見ていて、目がチカチカしたり、色の境界がちらついて見えたりしたことはありませんか。これが、ハレーションです。

ハレーションが起こるような色の組み合わせは、基本的には避けるべきとされていますが、見る人にインパクトを与えるために、これをあえて活かしてデザインする場合もあります。また、「神々しさ」や「まぶしさ」を伝えるポジティブな表現として使われることもあり、アートやデザインにおいてのハレーションはひとつの効果として用いられます。

医療業界

医療業界では、MRICTなどの画像検査において、電磁波やX線が、体内にあるボルトや銀歯などの金属に反射して、画像に光が入ってしまう現象を、ハレーションといいます。これが起こると、正確な診断や判定ができなくなってしまいます。医療業界におけるハレーションは、英単語の「halation」が持つ本来の意味に近いといえるでしょう。

美容業界

美容業界では、パーマや縮毛矯正をした後に髪の毛が傷んでチリチリになってしまう現象を、ハレーションといいます。パーマや縮毛矯正は、強い薬剤を使います。そのため、髪が弱っているときにこれらを行った場合に、さらに髪の毛を痛める結果になることを伝える言葉として用いられます。

まとめ

ビジネスシーンで用いられるハレーションとは、一つのミスやトラブルが周りに悪影響を与えることを意味します。ハレーションは、英単語の「halation」から生まれたビジネス用語です。英語圏では「周りに悪影響を及ぼす」という意味では通じません。また、業界によっても意味やニュアンスが変わりますので、使用する際はミスコミュニケーションを起こさないように注意する必要があります。

 

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この記事の著者

あらたこまち

雪国生まれ、関西在住のライター・ラジオパーソナリティ・イベントMC。不動産・建設会社の事務職を長年務めたのち、フリーに転身。ラジオパーソナリティーとしては情報番組や洋楽番組を担当。猫と音楽(特にSOUL/FUNK)をこよなく愛し、人生の生きがいとしている。好きな食べ物はトウモロコシ。

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