自律性を高める方法20選!自立・自発・主体性との違い、自律性が求められる理由を解説

  • 組織・人材開発
この記事の監修者
友水 一喜
株式会社IKUSA
あそぶ社員研修事業部 責任者

変化の激しい現代社会においては、自らの考えや判断をもとに行動できる、自律性の高い社員の存在が、企業のさらなる発展には欠かせません。

本記事では、自律性とは何か、社員に自律性が求められる理由、自律性の高い社員が組織に与える影響、自律性を高める方法20選をそれぞれ紹介します

 

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自律性とは

自律性とは「自らを律する」と書くように、外からの影響を受けずに、自らの考えや判断に従って行動できる力を意味します「自律性のある人」というのは、自分で考えた決まりや習慣などから逸れることなく、目標に向かって行動できる人のことを表します。

ビジネスシーンでは、上司からの指示を待つのではなく、自らが率先して注力すべきことを考えて判断し、行動できるような人のことをいいます。

自立との違い

自律と自立はどちらも同じ読み方ですが、言葉の意味は異なります。自立とは、主には経済的なことや身体機能などにおいて、他者からのサポートを受けずに行動できる様を意味します。

上述した「自律」は、その人の内面を表すのに対して、自立は外面の様子を表す際に使われます。また、自立には「自らの決まりやルールに従う」という意味は含まれないことが、自律との1つの違いとしてあげられます。

自発との違い

自発とは、他者からの意見や発言などに影響されず、自ら進んで物事に取り組んだり行動に移したりすることをいいます。自らの判断によって行動を起こすことは「自律」と同義ですが、自発には「自らの決まりやルールに従う」という意味は含まれません

主体性との違い

主体性とは、ルールに縛られず、自分自身が必要と思う行動をすることをいいます。決まりやルールなどで自らを律するのではなく、自らができること(自分に必要とされていること)を考えて行動できる人を「主体性のある人」と表現します。

自律が「自分の決まりやルールに従う」ことに対して、主体性は決まりやルールに関係なく、自らが必要であると判断したことに取り組むのが、2つの相違点といえます

自律性を高める方法20

社員の自律性を高める方法20選を紹介します。

1.自社に必要な人材を定義する

自社の求める人材像を明確に定義しましょう。社員へ具体的に示し、それを人事評価にまで含めることで、社員は評価を得るために努力します。企業は経営戦略の1つとして、求める人材の育成に取り組みやすくなります。

実施する際のポイント・注意点

  • どのような人物像に成長してほしいのかを明確に定義することで、目標の設定も具体化されて、社員も努力の方向性を理解しやすい。
  • 成長過程で社員全員が同じ方向を向くことで、企業文化の醸成にもなる。

2.自社の「自律性の高い人」を分析し、具体的な育成目標を立てる

組織内の「自律性の高い人」をロールモデルとして見せることは、社員の自律性を育むのに効果的です。ロールモデルを分析し、「なぜ・どこが(どのような状況で)」自律性が高いと判断したのか明確にすることで、具体的な育成目標を立てることが可能になります。近くに目標となる人がいることは、仕事の取り組み方や考え方などをより具体的に理解できます。

実施する際のポイント・注意点

  • 自社にあった「自律性」を明確にする

3.「自律性を高める」ための施策の重要性を社内で共有する

社員自身が「自律性を高める重要性」を理解していないと、成長促進にはつながりません。部下を直接指導する上司や管理職以外にも、社員全員が同じ方向を向いて施策を受け入れることが、自律性の高い社員が多い職場づくりに必要です。

実施する際の実施する際の実施する際のポイント・注意点

  • トップメッセージや社内ミーティング、定期的な面談などが活用できる。
  • 上司や管理職が率先して取り組むことで、部下に対する説得力が増す。

4.心理的安全性を確保する

心理的安全性が高い環境だと、社員ものびのびと仕事に取り組めます。失敗を恐れず、主体的にチャレンジしていくことが、自律性の向上にもつながります。

実施する際のポイント・注意点

  • 社内コミュニケーション・相互理解の促進などが、心理的安全性を確保に効果的である。
  • 「馴れ合い」にならないように、チームとしての明確な目標設定や、「生産性を高める」という意識づけが求められる。

5.一人ひとりに合った仕事の進め方を考える

社員一人ひとりの仕事内容が最適かどうかはしっかりと把握しましょう。一人ひとりに合った仕事の量、進め方などを考えて実行していくと、社員も自律的に仕事に取り組みやすくなります。

実施する際のポイント・注意点

  • 本人の能力、スキル、特性などを理解することが、一人ひとりに合った仕事内容の考案につながる。
  • 物事の捉え方や価値観、モチベーションなどを把握することも、社員の仕事内容を考えるうえで大切である。

6.「決断力と判断力をつける機会を与える承認欲求」

小さなことから裁量を与えて、判断・決断する機会をつくりましょう。決断力をつけることは、後に大きい業務に自律的に取り組んでもらえる練習になります。

実施する際のポイント・注意点

  • 挑戦する機会を提供すると同時に、心理的安全性も確保することが望ましい。
  • 部下の決断内容に対しては、上司が適切なフィードバックを行うことが、部下の成長促進になる。

7.フォロー体制を整える

社員がチャレンジをして、それが失敗したとしても、失敗を受け入れられるような企業文化を醸成しましょう。社員は安心して新たなチャレンジができるようになり、次なる目標達成に向かって高い自律性の発揮へと効果が期待できます。

実施する際のポイント・注意点

  • 社員に対して適切なフィードバックを行うことが、次の目標設定やモチベーションの維持に大切である。

8.「チャレンジしたこと」を評価する

社員が新しいことにチャレンジしたら、その行動を評価しましょう。自らが率先して物事を考えて判断し、行動できるような人を育成するには、「自ら行動を起こしたこと」の評価が効果的です。

実施する際のポイント・注意点

  • 上司や評価者は、部下がチャレンジした物事の大小やその結果は問わず、まずは「チャレンジしたこと」への評価を意識づけることが望ましい。
  • 評価するポイントは具体的に伝えられると、部下も次の行動へと移しやすい。

9.目標を設定する

仕事における目標は具体的に設定しましょう。目標が明確であれば、ゴールまでの道筋も順序立てることができて、ゴールに向かうための自律的な行動に移せるようになります。

実施する際のポイント・注意点

  • 大きい目標と、それを達成するための中間目標を設けると、モチベーションの維持がしやすい。
  • 上司は、部下の目標達成度合いを定期的に確認することでサポートがしやすくなり、部下の失敗を防ぐことにも効果的である。

10.企業理念を共有・浸透させる

企業理念やミッション・ビジョン・バリューは、社員全員に共有し、組織内に浸透させることが求められます。企業の目指す方向性を示すことが、社員の行動の原動力になり、自律した行動促進につながります。

実施する際のポイント・注意点

  • 行動を促すだけではなく、人事評価にまで落とし込めると、自律的な行動に移しやすい。
  • 管理職や上司が手本となることで、部下への説得力が高まる。

11.行動指針を定める

行動指針とは、自社の一員として行動する際の判断基準を定めたものです。「自律した行動」を行動方針として定めることで、社員の自律性の高い行動変容を期待できるでしょう。

実施する際のポイント・注意点

  • 日常業務や人事評価のなかに行動方針を含めると、社員も率先して行動しやすい。
  • 管理職や上司が、指針にそった行動を率先して行うことが望ましい。

12.役割を制限しない

社員の能力やスキル、経験に対して役割を制限しすぎると、自律性やモチベーションが下がってしまいます。役割を制限しすぎず、指示の丸投げにはならないように注意しながら、社員のキャリアに合った役割を任せることが自律性の発揮に効果的といえます。

実施する際のポイント・注意点

  • 制限をしない一方で、役割を広げすぎると何から取り組めばいいのかわからず、かえって生産性の低下になるので注意が必要である。
  • フォロー体制を整えることが望ましい。

13.定期的な振り返りとフィードバックを行う

自律性を高めるには、仕事の定期的な振り返りと、適切なフィードバックを行うことが効果的です。社員の課題と解決に向けた策を考案し、目標達成までの道筋をつくることで、自律性を高く持って仕事に取り組めるようになるでしょう。

実施する際のポイント・注意点

  • 相手の言動を評価するポジティブフィードバックを活用すると、話を聞き出すことにつながり、より適切なフィードバックを行うことができる。

14.評価基準を見直す

社員を適切に評価することは、さらなる自律性やモチベーションの向上になります。評価者の主観的ではなく、客観的な評価基準を設けることは、正しい評価につながります。

実施する際のポイント・注意点

  • 人事評価の基準をつくり、評価項目を社員に周知すると、評価につながる行動に移しやすい。
  • 社員を評価する際には、「どのような行動が評価につながったのか」を具体的に伝えると、モチベーションも高まり、さらなる自律性の向上に期待できる。

15.モチベーションを高める

社員のモチベーションや意欲が低いと、自ずと自律性も下がってしまいます。社員のモチベーションを高めることが、自らを律して、責任感のある行動に取り組めるようになります。

実施する際のポイント・注意点

  • 社員の話や相談に耳を傾けたり、適切な評価をしたりすることが、モチベーションの維持、向上に効果的である。
  • モチベーションの高い社員に対しては、さらにチャレンジできる機会を与えることが、自律性の醸成につながる。

16.研修を実施する

社員が成長できる機会をつくると、モチベーションや自律性の向上に効果的です。例えば、スキル・能力アップにつながる研修の実施や、業務に関連した資格取得の支援、好みの講座内容を自由に選択して学習できるe-Learningの導入などが方法としてあげられます。

実施する際のポイント・注意点

  • 研修などで学んだ内容は、実際の業務で発揮できるようにサポートすることで、研修の効果を最大限に活かせる。
  • 研修内容の習得度合いを人事評価の項目に加えたり、上司が適宜フィードバックをしたりすると、社員もより自律的に自己研鑽に励み、スキルや能力アップにもなる。

17.キャリアの相談に乗る

社員が今後のキャリアについて不安を抱えていると、なかなか自律性を発揮できません。企業が社員の成長を望んでいることや、自社で実現できるキャリアパスについて伝えて、成長できる道筋を企業が示すことが、高い自律性の発揮に効果的です。

実施する際のポイント・注意点

  • さまざまなキャリアパスをつくることで、社員のモチベーションや定着率の向上につながる。
  • 社内インターン制度やジョブローテーション制度などを活用すると、社員の自律性を育むことに効果が期待できる。

18.情報収集力を高める機会を与える

信頼度が高い情報を選び取る力や、情報を分析する力を養うことは、判断を下すときの指標になります。多くの情報のなかから、最適な選択肢を選べるという自信が、自律性の向上につながります。

実施する際のポイント・注意点

  • 朝礼や定期ミーティングなどで、社員が気になったニュースや話題をメンバーに発表する時間を設けると、情報収集を行う習慣づけに効果的である。
  • 情報収集力を高める目的を明確化したり、論理的思考力を高めたりすると、より正確な情報を集める能力が身につく。

19.疑問を持ってもらう

日々の仕事のなかで「当たり前」と思っていることに疑問を持ってもらいましょう。社員に「なぜこれを行うのか」「なぜ自分にその役割が与えられたのか」などを考えてもらうことで、自分のすべきことを考えられるようになります。

実施する際のポイント・注意点

  • 疑問に対してただ考えてもらうのではなく、考えた内容に対して上司がフィードバックを行い、正解へと導けるようにサポートすることが望ましい。

20.管理職・上司自身が自律性を高める

上司自らが自律性を発揮し、行動に移せるような人でないと、部下の自律性を高めたり評価したりすることも難しいでしょう。部下を指導する上司自身が自律性を有していることが、部下への説得力となります。

実施する際のポイント・注意点

  • 管理職向けのマネジメント研修などを実施し、上司や評価者の教育に取り組むことが望ましい。

社員に自律性が求められる理由

社員に自律性が求められる理由を解説します。

時代の変化

テクノロジーの進化や技術の進歩などから、現代社会は「VUCA時代」といわれるように、これまでよりも時代の変化が激しく、予測困難な状況にあります。

  • VVolatility・変動性
  • UUncertainty・不確実性
  • CComplexity・複雑性
  • AAmbiguity・曖昧性

このような激動の時代を生き抜くには、企業は常に柔軟に対応できるような優秀な人材や、自律的に行動できる人材の確保が求められます。

働き方の多様化

時代の変化に伴い、リモートワーク、時短勤務、フレックス勤務、副業・兼業などの働き方が導入されている企業もあります。働き方の多様化に対して自律的に対応できる社員は、企業としても重宝したい人材といえます。

優秀な人材の確保

自律性の高い社員は、上司の指示を待たずに自ら行動に移せるでしょう。また、自己研鑽に励んだり、さらなるスキルアップを目指したりして成長することは、結果として企業側は優秀な人材の確保につながります。

自律性の高い社員が組織に与える影響

自律性の高い社員が組織に与える影響を解説します。

組織の生産性が高まる

自律性の高い社員は、組織の生産性向上に貢献します。指示待ちや受け身ではなく自ら進んで行動するために、意欲やエンゲージメントは高く、より高い仕事の成果を期待できます。

創意工夫が生まれやすい

自らの考えを持ち、意見交換などでも積極的に発言、アイデア出しをすることが、結果として創意工夫になります。新たなアイデアや提案などが生まれることは、組織の成長や新規事業の創造、既存サービスの改善などにつながります。

管理職・上司の負担が減る

自律性の高い社員が組織内に増えると、上司が細かな指示をする回数も減るでしょう。指示をする時間を、部下の教育や成長につながる機会に変換できれば、上司の負担軽減と、社員の成長促進に効果的です。

まとめ

VUCA時代」と呼ばれる現代社会を生き抜くためには、責任を持ち、自らで判断、行動ができる自律性を身につけた社員の存在が企業にとって必要です。企業は社員の自律性を高める取り組みを実施し、優秀な社員を確保することが、自社の成長につながる1つの方法といえます。自律性を高めるにはさまざまな方法がありますので、自社で取り組める内容から始めてみてはいかがでしょうか。

 

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

あそぶ社員研修は、企業の研修担当者向けのお役立ち情報を発信するメディアです。研修に関するノウハウ、組織・人材開発の手法、ビジネススキルなどをわかりやすく紹介します。

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