あそぶ社員研修 > お役立ち情報 > ビジネススキル > 戦略思考とは?鍛え方や求められる理由をわかりやすく解説 戦略思考とは?鍛え方や求められる理由をわかりやすく解説 2025.01.23 ビジネススキル 戦略思考 目まぐるしく変化する環境に対応するため、ビジネスパーソンに「考える力」が求められる時代となっています。「○○思考」、「○○シンキング」といった名前のついた思考法や発想法は非常に多くありますが、まず身につけたい思考の一つに「戦略思考」があります。本記事では、戦略思考とは何か、ビジネスパーソンに求められる理由や、戦略思考の鍛え方、戦略思考の強化につながる研修サービスを紹介します。 退屈で効果が薄い研修にお困りですか?ゲーム形式でチームビルディングと学びを促進⇒研修総合資料を受け取る目次戦略思考とは戦略思考が求められる理由戦略思考を鍛える5つの方法戦略思考の強化につながる研修サービスまとめ戦略思考とは戦略思考とは、ビジネス上の課題を経営者の視点で正しく捉え解決に導く思考法のことです。「戦略的思考法」と呼ばれる場合もあります。これを身につけることで、会議やミーティングなどで、話の本質を突いて論理的に自分の考えを発言できるようになります。戦略思考は、1970年代後半に出版された『企業参謀』という本で、初めて体系的にまとめられました。著者は大前研一氏。経営コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーの元日本支社長などを経て、現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めている人物です。現在までに戦略思考に関するビジネス書や論文は多数発表されており、定義や捉え方もさまざまなものがあります。たとえば、問題解決や論理的思考と同じものとして捉えているものもあれば、フレームワークや分析ツールを用いて戦略を考えることが戦略思考であるとしているものもあります。また、「戦略」なのか「戦略的」なのか、「的」の有無によっても、多様な捉え方ができます。「戦略そのものを考える」ことを意味するのか、「ものごとを戦略的に考える」ことなのか、どちらの意味にもとれます。このように、戦略思考や戦略的思考法には決まった定義はなく、非常に多義的に理解されており、現在もさまざまな研究がなされています。参考:国士館大学 学術情報リポジトリ – 戦略的思考に関する概念的検討(小林崇秀)戦略思考はものの本質を見抜くこと戦略思考は、「ものの本質を見抜く思考」と言い換えることができるでしょう。「常識」で包まれているものを一度すべて分解し、一つひとつのパーツを正しく理解したうえで、今度は自分に都合が良いように組み立てていきます。このとき、「なんとなく」や「勘」で組み立てるのではなく、「理屈」で組み立て直すことがポイントです。先ほど紹介した、戦略思考を初めて体系的にまとめた本である『企業参謀』では、いくつか戦略思考の考え方の例が紹介されています。その中の一つに、次のようなパッケージ旅行の費用が妥当かどうかを考えるという例があります。東京~伊勢志摩 一泊二日景色がきれいなところでさまざまなスポーツを楽しめる。料金:17,000円(※1970年代に紹介された例ですので、現在の相場とは異なります。)これを、戦略思考を使って活動ごとの所要時間で分析してみると、移動に約半分、睡眠や食事に30%をとられることになり、スポーツを楽しむ時間はわずか14%(5時間)となりました。17,000円から食事代2,000を差し引くと15,000円。これを5時間で割ると、1時間あたり3,000円となります。当時の東京近郊の高価なテニスコート使用料は1時間1,000円。スポーツを楽しむだけなら、東京近郊でテニスコートを借りたほうが安いという結果となります。ただ、ここには景色の美しさや大自然の中だからこそ味わえる解放感などは加味されていません。スポーツをするだけなら東京でやったほうが安いけれど、それでも「大自然の中でスポーツがしたい」「一度伊勢志摩に行ってみたかった」などの理由で17,000円を正当化していると認識することが大切なのです。このように、一度すべてのパーツに分解して一つひとつを把握することで、ものごとの本質を見極めることができるようになり、ほかの選択肢との比較もしやすくなります。参考:3分でわかる戦略思考!本質を見抜き、答えに素早くたどり着く | ビジネススキル大全 | ダイヤモンド・オンライン 退屈で効果が薄い研修にお困りですか?ゲーム形式でチームビルディングと学びを促進⇒研修総合資料を受け取る戦略思考が求められる理由かつての日本は、終身雇用と年功序列が一般的でした。しかし近年は、キャリアップのために前向きな転職をする人や、副業や兼業をする人、年齢や勤続年数に関係なく成果や実力で社員を評価する「成果主義」を導入する企業も増えています。「大きな企業に入って忠義を尽くしていれば安心」という昔ながらの考え方が、通用しなくなりつつあるのです。2003年に出版された『戦略思考コンプリートブック』(著者:河瀬誠)という本では、これからの企業が求めるのは、企業に忠義を尽くしてくれる「サラリーマン」ではなく、企業に付加価値を与えてくれる人材であり、自分で課題を見つけて解決できる「ビジネスパーソン」になる必要があると述べられています。サラリーマンからビジネスパーソンになるために欠かせないのが、戦略思考です。『戦略思考コンプリートブック』では、コンピュータでいうなら戦略思考は思考のOS(オペレーティング・システム)であり、業務に必要な専門知識はOSの上で動くアプリケーションであると紹介されています。OSには、戦略思考のほかにもロジカルシンキング、コミュニケーション、基礎的な会計とITの知識、英語力も含まれています。企業に求められるビジネスパーソンになるためには、まずはOSの部分を身につけることが重要なのです。参考:「戦略思考コンプリートブック」(著者:河瀬誠 / 出版社:株式会社日本実業出版社)戦略思考を鍛える5つの方法では、戦略思考を鍛えるにはどうすれば良いのでしょうか。ここからは、その方法を5つ紹介します。自分の現状を知る知識を習得する設問の訓練をする「やるべきこと」ではなく「やること」を決める戦略思考研修を受講する一つずつ、詳しく見ていきましょう。1.自分の現状を知るまずは、自分自身を分析して現状を認識するところから始めましょう。自分のことを理解すれば、どこをどう変えればいいのか、何をすれば良いのかが見えてくるはずです。自分の強みや弱み(課題)、思考や行動の癖、現状どれくらい戦略思考が身についているかを把握しましょう。戦略思考が身についているかどうかを把握するには、「戦略思考力アセスメント」の活用がおすすめです。戦略思考力アセスメント「戦略思考力アセスメント」は、一般社団法人日本能率協会(JMA)が提供するサービスです。先ほどもお伝えしたように、戦略思考に決まった定義はなく、捉え方も呼び方もさまざまなものがあります。JMAが考える「戦略思考力」は、「戦略的なマインド」と「戦略的な思考スキル」で構成されています。「戦略的なマインド」とは、戦略的な価値観や意識を持って行動できているか、「戦略的な思考スキル」とは、戦略的に考える力があり、それを発揮できているかというものです。戦略思考力アセスメントは、この2つの側面から戦略思考力を診断します。戦略思考アセスメントを実施することで、マネージャーやリーダー個人だけでなく、組織の現在の水準や課題も把握することができます。回答は、選択形式が50問、記述式が20問です。オンラインのアセスメントですので、時間・場所を選ばず受験することができます。参考:戦略思考力アセスメント – 講師派遣型研修の経営ソリューション – JMA2.知識を習得する知識が豊富であればあるほど、課題に直面したときに戦略を立てやすくなります。知らないことを学び、学んだことを普段から意識して活用することで、戦略思考を磨くことができます。専門的な知識を学ぶことももちろん大切ですが、まずは考え方に関する知識を習得しましょう。たとえば、戦略思考に役立つフレームワークや思考法などです。その一例として、「3C分析」「SWOT分析」「ロジカルシンキング」を紹介します。3C分析3C分析は、マーケティング戦略の策定や、事業計画を立てる際によく用いられるフレームワークです。以下の3つの観点からマーケティング環境を分析し、検討を重ねて、成功要因(Key Success Factor)を見つけ出します。Customer(市場・顧客):市場と顧客ニーズはどのように変化しているか。Competitor(競合):どのような競合企業があり、それらの競合企業は変化にどう対応しているか。Company(自社):自社の強み・弱み、成功要因はあるか。自社の分析だけでなく、市場や顧客、競合企業といった外部要因を分析し、内部要因と照らし合わせることで、計画や戦略を最適化できます。この3C分析のコンセプトを考案したのは、『企業参謀』の著者でもある大前研一氏です。1982年の著書『ストラテジックマインド ― 変革期の企業戦略論』の中で紹介されたことで、広く知られるようになりました。SWOT分析SWOT分析は、自社の置かれている状況を分析するためのフレームワークです。以下のように、縦軸に「内部環境」と「外部環境」、横軸に「プラス要因」と「マイナス要因」を設けて、現状を「強み(Strengths)」、「弱み(Weaknesses)」、「機会(Opportunities)」、「脅威(Threats)」の4つに分けて整理します。SWOTは、この4つの頭文字を取ったもので、「スウォット」と読みます。 プラス要因マイナス要因内部環境<強み(Strength)>自社の強み、長所、得意なことなど<弱み(Weakness)>自社の弱み、短所、苦手なことなど外部環境<機会(Opportunity)>社会や市場の変化などで、自社にとってプラスになる要素<脅威(Threat)>社会や市場の変化などで、自社にとってマイナスになる要素事業全体の分析だけでなく、項目やテーマごとにSWOT分析を行うことで、課題が明確になり、効果的な戦略を立てやすくなります。また、戦略思考を鍛える方法として、一つめに「自分の現状を知る」ことを紹介しましたが、SWOT分析は自己分析にも使えるフレームワークです。ロジカルシンキングロジカルシンキングとは、日本語では「論理的思考法」と呼ばれているものです。各種の要因・要素をモレ・重複なく整理して全体を把握し、的確な結論を導き出して、さらにそれを他者にわかりやすく伝えるスキルのことをいいます。ロジカルシンキングを学ぶことで、分析力や問題解決力が向上するだけなく、筋道を立てて説明する力(プレゼンテーション能力)も向上します。ロジカルシンキングも、現代のビジネスパーソンに求められるスキルの一つです。ロジカル・シンキングについては、以下の記事で詳しく紹介しています。ロジカルシンキングとは?思考法やツールをわかりやすく解説 3.設問の訓練をする普段から「ただ改善策を集めるだけの設問」ではなく、「解決につながる設問」ができるように意識してみましょう。大前研一氏は、自身の著書の中で、残業を減らすにはどうすれば良いかを話し合うときの設問の例を紹介しています。そのまま「残業を減らすにはどうすれば良いだろう?」という設問をすると、「昼休みを短くする」「17時までに終わらせることを目標にする」など、メンバーからはさまざまなアイデアが出るでしょう。しかし、これらは単なる思いつきであり、有効性を確かめる方法はありません。では、「仕事量に対して人手は足りているのか?」という設問ならどうでしょう。これだと、答えは「Yes」か「No」に二択になり、「Yes」とするなら、それを証明するための分析をしなくてはならなくなります。このように、「Yes」か「No」で答えられる設問をして、必要なデータを集めながら考えていくことで、本質を突いた答えにたどり着けるようになるのです。参考:「〔新装版〕企業参謀」(著者:大前研一 / 出版社:プレジデント社)4.「やるべきこと」ではなく「やること」を決める課題を解決するために、「やるべきこと」を洗い出してリストを作るということがあると思います。これ自体は間違いではありませんが、洗い出した「やるべきこと」に優先順位をつけて、実際に「やること」を決めるところまでしっかり実行しましょう。お金や人材、時間といった経営資源には限りがあります。どんなに良い解決策をたくさん並べても、すべて実行できるとは限りません。最優先で取り組むことを絞り込み、実際に「やること」と「やらないこと」を決めましょう。普段から何かを決めるときに、このように優先順位をつけて絞り込む癖をつけると、戦略思考が鍛えられます。5.戦略思考研修を受講する戦略思考の注目度の高まりとともに、戦略思考を学べる研修やサービスを提供する企業も増えています。内容は研修会社によってさまざまですが、課題の発見から分析、解決策の立案といった流れを体験できるワークが盛り込まれているものが多いです。戦略思考の強化につながる研修サービス社員の戦略思考を鍛えるために、戦略思考を鍛えられる研修を実施するというのも一つの方法です。体験型の研修サービスを活用することで、ロジカルシンキングや問題解決のプロセスを実践的に学ぶことができます。また、グループに分かれて行うことで自然とコミュニケーションが促進され、チームビルディングにもつながります。ワールドリーダーズワールドリーダーズは、株式会社IKUSAが提供する、SDGsも学べる研修サービスです。参加者は世界トップレベルのビジネスリーダーとなり、与えられた労働力や資本を使って利益を生み出していきます。最終的に最も多くの利益を出したグループが勝利です。しかし、利益をあげることだけを追求していては、ワールドリーダーズで勝つことはできません。各グループにランダムで配られる事業カードには環境・経済・社会の3つの値が書かれており、事業が設立するとそれぞれの値が変動します。環境や社会にも配慮しながら事業を進めなければ敗退となってしまうため、これらも考慮して戦略を立てなければなりません。また、「情報・調査カード」というほかのグループの事業の情報を得ることができるカードもあります。これで得た情報をもとに、ほかのグループとうまく交渉が進められるかどうかも、勝つために重要なポイントです。実際に戦略を立ててそれを実行するという流れを繰り返す中で、戦略思考や交渉力、経営者の視点などを学ぶことができます。また、グループで戦略を練るためには、深いコミュニケーションが必要になりますので、チームビルディングにもつながります。※SDGsとは……Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。2030年までに環境・経済・社会のバランスのとれた持続可能な世界を実現するための国際目標で、17の目標と169のターゲットで構成される。まとめ戦略思考にはさまざまな定義や捉え方がありますが、一言で表すなら「ビジネス上の課題を経営者の視点で正しく捉え解決に導く思考法」であるといえるでしょう。これからの時代のすべてのビジネスパーソンに求められるスキルの一つです。社員の戦略思考を鍛えるには、本記事で紹介した5つの方法を、社員に普段から意識して実践してもらうことも大切ですが、やはり一番効果的なのは問題解決のプロセスを体験することではないでしょうか。戦略思考を強化するための施策として、外部の研修サービスの利用も検討してみてください。 ゲーム形式のアクティブラーニングで楽しく学びを定着させる研修⇒研修総合資料を受け取る 【戦略思考を身につけたい方へ】あそぶ社員研修「あそぶ社員研修」は、受講者全員が没入して取り組むアクティビティ・振り返り・講義をブリッジすることで学びを最大化させ、翌日から業務で活かせる知識・スキルが身につく講義・アクティビティ一体型の研修プログラムです。⇒あそぶ社員研修の資料を無料で受け取る以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。 1.戦略思考研修戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。学びのポイント不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる⇒戦略思考研修の資料を無料で受け取る 2.クリティカルシンキング研修クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。学びのポイント証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出すフェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する⇒クリティカルシンキング研修の資料を無料で受け取る 3.リーダーシップ研修リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。学びのポイントメンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、⾃分らしいリーダーシップを学べる⇒リーダーシップ研修の資料を無料で受け取る 4.交渉術・ネゴシエーション研修交渉術・ネゴシエーション研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、利益を増やすことを目指し、自チームでの戦略構築や他チームとの交渉を行います。学びのポイント配られた事業・資金・労働力などの資源だけで目的が達成できない場合に、他チームと交渉してそれらを手に入れるための交渉力を習得する他チームの情報を得てから相手にとって価値のあるものを提供し、自チームにとってさらに価値のあるものを引き出すことが求められる⇒交渉術・ネゴシエーション研修の資料を無料で受け取る 研修の相談をする この記事の著者 あらたこまち 雪国生まれ、関西在住のライター・ラジオパーソナリティ・イベントMC。不動産・建設会社の事務職を長年務めたのち、フリーに転身。ラジオパーソナリティーとしては情報番組や洋楽番組を担当。猫と音楽(特にSOUL/FUNK)をこよなく愛し、人生の生きがいとしている。好きな食べ物はトウモロコシ。 先行オーガナイザーとは?ビジネスシーンでの使い方をわかりやすく解説 社内コミュニケーションを活性化させる方法とは?施策例と成功事例を解説 よく読まれている記事 2023.09.28 エンゲージメントとは?ビジネスにおける意味や重要性を解説 組織・人材開発 2023.09.28 チームビルディングとは?チームづくりのポイントや具体例を含めて網羅的に解説 組織・人材開発 2023.09.26 ロジカルシンキングとは?思考法やツールをわかりやすく解説 ビジネススキル 2023.09.28 グループワークの進め方や効果的に進めるポイントを解説 組織・人材開発 すべて見る とりあえずこの記事 2023.09.28 組織・人材開発 グループワークの面白いテーマ20選!タイプ別に解説 2023.09.29 組織・人材開発 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