MVV（ミッション・ビジョン・バリュー）の企業例20選

MVVは、企業の社会に対する関わり方や生み出す価値を表現しています。MVVを策定するにはどのような切り口から考えていく必要があるのでしょうか。

本記事では、MVV（ミッション・ビジョン・バリュー）の企業例を20選紹介します。

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MVVとは

MVVとは、「Mission（ミッション）」、「Vision（ビジョン）」、「Value（バリュー）」の頭文字をとった言葉です。ミッションは「社会に対してなすべきこと」、ビジョンは「あるべき姿」、バリューは「生み出す価値・できること」を表しています。

MVVの設定は、さまざまな価値観を持つ社員や顧客、提携先などが、協力して最大限の力を発揮できるようにすることが目的です。それぞれの目的や考え方などを統一し、一丸となって事業に取り組むためにもMVVの設定は必要とされています。

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自社事業が重視されたMVVの企業例7選

自社事業の内容に重点を置いているMVVの企業例を紹介します。

1.トヨタ自動車株式会社

出典：TOYOTA｜トヨタフィロソフィー

日本を代表する自動車メーカーのトヨタ自動車株式会社は、創業以来受け継がれてきた「豊田綱領」という、創業者豊田佐吉の考えを経営の核としてきました。バリューには、顧客、社会、コミュニティ、社員、ステークホルダーを「パートナー」と捉え、ともに唯一無二の価値を生み出すという思いが込められています。

2.ソニー株式会社

出典：ソニー株式会社｜ミッション／ビジョン

カメラやイヤホンなどの商品開発を手掛けるソニー株式会社は、テクノロジーの力で実現することや、誰と関わっていきたいかなどに注目してミッション・ビジョンを定めています。技術を提供することでクリエイターの創作の可能性を広げ、顧客へ予想以上のエンタテインメントを届けるビジョンを描いています。

3.ソフトバンクグループ株式会社

出典：SoftBank｜理念・ビジョン・戦略

ソフトバンクグループ株式会社では、誰もが便利で快適に、安全な生活を送れるよう、同社の強みであるデジタルテクノロジーで貢献することで、ビジョンの達成を目指しています。バリューには「努力って、楽しい」という創業者の想いが込められており、通信業という変化の激しい事業環境に対応するうえで大切な考え方を定めています。

4.サントリー

出典：SUNTRY｜グループ企業理念

飲料メーカーであるサントリーは、同社の事業の根幹を支える「水」に多くのメッセージを託しているのが特徴です。ミッション（パーパス）に掲げられている「人間の生命いのちの輝き」は、創業時代から受け継がれてきた社是にある言葉であり、現在も継承されています。

5.リクルートホールディングス

出典：リクルートホールディングス｜ビジョン・ミッション・バリューズ

人材業界企業であるリクルートは、必要な情報を求めるユーザーと企業が出会うプラットフォームづくりをビジネスモデルとしてきた企業です。バリューやミッションは一人ひとりの価値観や好奇心などに言及しており、企業全体とは別に「個」の視点が強く反映されています。

6.キリンホールディングス株式会社

出典：キリンホールディングス｜企業方針

飲料メーカーのキリンホールディングス株式会社は、事業内容に深く関わる「食」「健康」をMVVに大きく盛り込んでいるのが特徴です。2027年までのビジョンにおいては、3つの事業領域の成長シナリオを盛り込み、中長期的な目線で定めています。

7.株式会社日立製作所

出典：株式会社日立製作所｜日立グループ・アイデンティティ

データテクノロジー事業を幅広く手掛ける日立は、グローバル企業であるため、地域や事業分野を超えて価値観を共有できるように、日立グループ・アイデンティティとしてMVVを策定しています。創業以来、企業理念は受け継がれてきており、「和」「誠」など日本の伝統的な価値観がMVVに盛り込まれているのが特徴です。

社会づくりが重視されたMVVの企業例8選

社会づくりや社会貢献の視点が強く出ているMVVの企業例を紹介します。

1.全日本空輸株式会社（ANA）

出典：ANA｜経営理念・ビジョン・行動指針

航空業を手掛ける全日本空輸株式会社は創立70周年を機にMVVを刷新しました。世界中の社員が生き生きと働き、顧客や社会に寄り添って価値を提供したいという思いが込められています。グループ行動指針には、「安全」「お客様視点」「社会への責任」「チームスピリット」「努力と挑戦」の行動指針が内包されています。

2. 株式会社ファーストリテイリング

出典：FAST RETAILING｜FAST RETAILING WAY （FRグループ企業理念）

UNIQLOなどを手掛けるアパレルメーカーの株式会社ファーストリテイリングは、服を通じて社会や暮らしにどう働きかけていくかをミッションに掲げています。バリューや行動規範では、顧客への働きかけを中心に、個や多様性の尊重など社員への視点も盛り込まれているのが特徴です。

3.日産自動車株式会社

出典：日産｜パーパス・ミッション・DNA

自動車メーカーの日産自動車株式会社は、ミッションを具体的に示しているのが特徴です。2030年までの長期ビジョンに掲げられているカーボンニュートラルとゼロ・エミッション車の実現を含め、サステナブルな企業を目指す意志が込められています。

参考：長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」｜日産自動車株式会社

4.株式会社ブリヂストン

出典：株式会社ブリヂストン｜企業理念

モビリティ業界を牽引してきた株式会社ブリヂストンは、創業者が社是とした言葉を不変として掲げ、MVVとして提唱しています。MVVを通じて社会貢献の要素が色濃く出ているのが特徴です。

2020年から始まった「第三の創業」としての経営方針では、サステナビリティを中核に据え、その変革をさらに加速させるため、2022年には「Energy」「Emotion」などの「E」から始まる8つの価値観「Bridgestone E8 Commitment （ブリヂストンイーエイトコミットメント）」を制定しました。

参考：株式会社ブリヂストン｜企業情報

5. 株式会社セブン‐イレブン・ジャパン

出典：セブンイレブン｜企業理念

コンビニチェーンを手掛ける株式会社セブン‐イレブン・ジャパン。特にビジョンにおいては社会実現の視点に重きを置かれています。MVVとは別に、目指す姿として「明日の笑顔を共に創る」が掲げられ、ビジョンで謳われている「価値創造」や「幸せな社会の実現」が盛り込まれています。

6.花王株式会社

出典：Kao｜花王ウェイ（企業理念）

日用品・消費財メーカーの花王は、MVVを「花王ウェイ」とよび、グループ全体の企業活動の拠り所としています。さらにMVVのベースとなる考え方として「共生視点」「現場起点」「個の尊重と力の結集」「果敢に挑む」を掲げ、社員へより具体的な行動原則を示しています。

7.ヤマハ株式会社

出典：YAMAHA｜理念・ビジョン

楽器事業をはじめ多様な事業を手掛けるヤマハ株式会社は、音・音楽を起点として世界中の人々の豊かな暮らしづくりに貢献している企業です。バリューには社員の在り方に重点が置かれ、自律や高い志を規定する内容が特徴です。

MVVでは、「ヤマハの価値」と「社会的な価値」の創造を繰り返すことで企業価値を高め、ビジョンの達成による企業収益の向上とミッションの実現を目指すことが示されています。

参考：YAMAHA｜価値創造ストーリー

8.三井物産株式会社

出典：MITSUI&CO.｜経営理念

三井物産株式会社は、世界各地に営業拠点を置き、エネルギーや食料、モビリティなど多岐にわたる分野の商品販売と物流、プロジェクトを手掛けています。ビジョンでは社員一人ひとりの「挑戦と創造」が事業を育てるとされており、バリューでは「挑戦と創造」を支える価値観が挙げられています。社員の成長と行動が、MVVに欠かせない要素とされているのが特徴です。

顧客との関係性が重視されたMVVの企業例3選

企業と顧客の関係性を重視しているMVVの企業例を紹介します。

1.株式会社三菱UFJ銀行

出典：MUFG｜MUFG Way

金融業大手の株式会社三菱UFJ銀行は、ミッション（パーパス）において、すべてのステークホルダーの課題解決を通じて変化の早い時代を動かす力になるという思いを伝えています。ビジョンは中長期的な視点に立ったもので、顧客との繋がりに重点を置いた内容となっています。

2.株式会社SUBARU

出典：SUBARU｜トップメッセージ

自動車メーカーの株式会社SUBARUは、コンパクトな経営資源を「安心と愉しさ」に集中させることで、バリューを実践しています。コーポレートサイトでは、ビジョン策定に「お客様の振る舞いや喜びの声」が影響を受けていると語られ、顧客との関係性を大切にしている姿勢がうかがえるMVVとなっています。

小見出し：3.株式会社三井住友フィナンシャルグループ

出典：三井住友フィナンシャルグループ｜SMBCグループの理念体系

金融業界の大手企業である株式会社三井住友フィナンシャルグループのMVVは、顧客への価値創出と信頼に重点を置いた内容が特徴です。バリューは5つの項目を制定し、すべての役職員が認識するべき価値観としています。

グローバルな視点が重視されたMVVの企業例2選

グローバルカンパニーとしての視点を重視しているMVVの企業例を紹介します。

1.株式会社資生堂

出典：資生堂｜THE SHISEIDO PHILOSOPHY

化粧品メーカーの株式会社資生堂は、「グローバルカンパニーを目指す」という目的において、MVVも英語で表現されています。バリュー（プリンシパル）は社員同士の信頼（TRUST）がベースとしてあり、「TRUST8」という別名でも社員に親しまれています。

2.楽天グループ株式会社

出典：楽天グループ株式会社｜企業理念

通信業やEC産業などを手掛ける楽天グループ株式会社は、グローバルな視点をMVVに盛り込んでいる点が特徴です。バリューにおいては、楽天が独自に掲げる「ブランドコンセプト」と「成功のコンセプト」の2つを合わせて「楽天主義」と表現しており、多岐にわたる業界に影響を与える企業としての世界観を作り出しています。

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。

学びのポイント

• 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
• フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
• 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

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2.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

• 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
• 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
• より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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3.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

• 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
• ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

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4.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。

学びのポイント

• 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
• 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

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まとめ

MVVは「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の頭文字をとった言葉で、社員同士を繋ぐ内部的な側面と会社と社会を繋ぐ外部的な側面の両面性があります。

各企業で切り口に個性が出るので、自社でMVVの策定にあたっては、紹介した事例からヒントが得られるでしょう。本記事を参考に、自社の目指すべき姿を表現するMVVを検討してみてはいかがでしょうか。

「あそぶ社員研修」は、受講者全員が没入して取り組むアクティビティ・振り返り・講義をブリッジすることで学びを最大化させ、翌日から業務で活かせる知識・スキルが身につく講義・アクティビティ一体型の研修プログラムです。
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