わかりやすい資料を作成する方法やコツを紹介

  • ビジネススキル

会社員として働いていると、さまざまな資料の作成を任されることがありますが、資料作成に苦手意識を持っている人は少なくありません。

そこで本記事では、わかりやすい資料を作成することの重要性や、資料作成に必要な能力、プレゼンテーション資料の作成方法、資料を作成するときのコツを紹介していきます

 

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資料作成とは

ビジネスシーンでは、資料を作らなければならないことが多々あります。たとえば、報告書や議事録、依頼書といったビジネス文書や、会議資料、業務マニュアル、プレゼンテーション資料などです

作成する目的は資料ごとに異なりますが、どの資料も、受け取る相手にとって見やすく・わかりやすいものとしなければなりません。特に、最近は働き方が多様化したことで、打ち合わせや商談をオンラインで実施するケースが増えており、資料の重要性が高まっています。画面共有で資料を提示しながら相手に何かを説明するような場面では、対面で説明する場合よりも、資料に視線が集まりやすくなるためです。

また、たとえば営業の場合、とても説明がうまくできて、相手の心をつかむことができたとしても、実際に契約を決める決裁者はその場にいないこともあります。相手の手元に残る資料は、直接会えない人にアピールするための手段でもあるので、見やすく・わかりやすい資料を作るスキルを磨いていく必要があります。

資料作成に欠かせないソフト

資料作成に欠かせないのが、Microsoft社が提供するOfficeソフトです。そのなかでも次の3つは、資料作成によく使われるので、基本的な操作方法を覚えておきましょう。

Word

文書作成ソフトです。案内状や契約書、プレスリリースなど、文章がメインの資料を作成するのに適しています。

Excel

表計算ソフトです。見積書や請求書、アンケート集計などの計算が必要な資料や、名簿や在庫管理表といった一覧表を作成するのに適しています。数値を入力するだけで表やグラフも簡単に作成することができます。

PowerPoint

スライド機能が付いたソフトです。プレゼンテーション資料や会議資料、企画書などを作成するのに適しています。デザインやレイアウトの変更、図やグラフの挿入が簡単に行えるだけでなく、アニメーションを作成することもできます。

また、これらと同じように使えるGoogleのクラウドサービスもあります。Googleドライブというオンラインストレージサービスを使えば、ファイルをほかのメンバーと共有することもできます。ビジネスでは、チームで資料を共有しなければならないような場面も多々ありますので、こちらも使えるようになっておくと便利です。

 

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資料作成に必要な5つの能力

では、わかりやすい資料を作れるようになるためには、どのような能力を鍛えればよいのでしょうか。ビジネスパーソンとしてまず身につけたいスキルとしては、次の5つが挙げられるでしょう。

1.基本的なパソコンスキル

資料を作成するときは、先ほど紹介したOfficeソフトやGoogleクラウドサービスを使うことが多いです。まずは、これらの基本的なスキルを習得しましょう

Officeソフトの「基本的なスキル」の目安は、以下のとおりです。

Word

文字を入力して文書を書けることがまずは重要です。それに加えて、フォントの種類・サイズの変更、段落や行間、余白の調整といったレイアウトを整えるスキルや、表の作成、画像の挿入なども基本的なスキルとして求められることが多いでしょう。

Excel

データを用いて表やグラフを作成できる、SUM関数やAVERAGE関数などの簡単な関数を使うスキルも、基本的なスキルに含まれることが多いです。また、見やすい資料にするために、レイアウトを調整するスキルも求められます。

PowerPoint

文字を入力する、画像や表を挿入するといった操作だけでなく、入力した文字のサイズ変更や、画像の簡単な加工も基本的なスキルに含まれることが多いでしょう。

また、資料を作るスピードを上げるために、社会人になったらまずタッチタイピングも習得しておきたいところです。あわせて、いくつかショートカットキーも覚えておくと便利でしょう。

2.数字力

ビジネスにおける数字力とは、数字をうまく活用する能力のことです収集したデータを分析し、それをもとに意思決定を行ったり、将来をシミュレーションしたり、相手にわかりやすく伝えたりする力のことをいいます。

たとえば、「コストを大きく削減できます」よりも、「コストを〇%削減できます」というように、具体的な数値を示したほうが、説得力が増します。資料を作成するときは、できるだけあいまいな表現は避け、数値化できるところは数値で示すべきです。そうすることで、資料を受け取った相手は具体的なイメージをしやすくなります。その結果、企画や提案も通りやすくなるでしょう。

3.文章力

ビジネスパーソンに求められる文章力とは、誰が読んでも内容を理解できる文章を書く力です

わかりやすい文章を書くためにまず意識すべきなのが、「一文を短く、簡潔に書く」ということ。相手は、仕事が忙しいなかでこちらが作った資料を読んでくれるわけですから、さっと目をとおしただけで理解できるような文章が望ましいです。

そして、「相手の立場になって、わかりやすい表現を使う」のもポイントです。まずは、回りくどい表現をしない、相手が知らないような専門用語は使わないようにするといった点を意識してみるとよいでしょう。

4.デザイン力

ビジネスパーソンに求められるのは、画像や写真に特殊な加工をしたり、おしゃれなデザインにしたりといった、デザイナーのような高度なデザイン力ではありません。資料を受け取る相手にとっての「見やすさ」を重視した色の使い方、フォントの選び方、行間の使い方、レイアウトなどです

デザインのコツについては、記事の後半で詳しく解説していますので、参考になれば幸いです。

5.論理的思考力

どれだけ数字を使ってわかりやすい文章を書いて、デザインを工夫したとしても、資料全体のまとまりがなければ、内容が正しく伝わらないこともあります。相手にこちらが伝えたいことを正しく伝えるためには、筋道を立てて論理的に説明する必要があります。資料の構成を考えたり、記載する情報を精査したりするためには、論理的思考力(ロジカルシンキング)も欠かせません。

論理的思考力は、さまざまなツールやフレームワークを使って、物事を体系的に整理していきます。自分の意見を主張するときに役立つのが、ピラミッドストラクチャーというフレームワークです。伝えたいこと(主張)とその根拠を、ピラミッド状に図式化していくというものです。詳しくは、以下の記事で解説しています。

ピラミッドストラクチャーとは?作り方や活用の具体例を紹介

資料作成の流れ

どのような資料を作るかによって手順は異なりますが、ここからは一例として、プレゼンテーション資料の基本的な作成手順を紹介します。

  • ステップ1:目的を明確にする
  • ステップ2:構成を考える
  • ステップ3:コンテンツを作成する
  • ステップ4:デザインやレイアウトを調整する

ステップ12は、いわば「準備」の段階です。資料を作るとき、いきなりソフトを立ち上げる人もいらっしゃるかもしれませんが、わかりやすい資料を作れるかどうかは、その前の準備をどれくらいしっかりできるかで決まるといっても過言ではありません。

では、各ステップでやるべきことを詳しく見ていきましょう。

ステップ1:目的を明確にする

まずは、「誰に」「何を」伝えるのか、伝えることで「相手に何を求めるのか」を明確にしましょう

たとえば、サービスの提案資料を作成する場合は、お客様に(誰に)自社サービスの価値を(何を)伝え、お客様に自社サービスを利用してもらう(相手に何を求めるのか)ことが目的となります。

目的によって、資料に含めるべき情報や、表現(どのくらい専門用語を使えるかなど)も変わるので、まずはこれを明確にすることが重要です。

ステップ2:構成を考える

次に、資料の構成を考えます。構成と聞くと難しく感じてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、フレームワークを使えば、簡単にわかりやすい構成を作ることができます。たとえば、次のようなフレームワークがあります。

SDS

SDS法は、Summary(要点)、Details(詳細)、Summary(要点)の順に情報を伝えていくというフレームワークです。最初に要点を伝え、次に詳細を説明し、最後にまとめとして再度要点を伝えます。

たとえば、採用管理システムを提供する企業が、顧客に導入を提案する場合の例を見てみましょう。

  • S(要点):「業務効率化のために、採用管理システムの導入を検討されてはいかがでしょうか。」
  • D(詳細):「これを導入することで、応募者の管理や選考状況・評価の確認などの採用に関する業務を一元管理できるようになります。」
  • S(要点):「採用管理システムを導入すれば、煩雑な作業が効率化されるため、より本質的な業務に時間を使えるようになります。」

PREP

PERP法は、Point(結論)、Reason(理由)、Example(実例・具体例)、Point(結論)の順に相手に説明していくというフレームワークですSDS法と似ていますが、具体例を提示することで、より説得力を持たせることができます。

前項同様に、採用管理システムの導入を提案する場合の例に当てはめてみます。

  • P(結論):「業務効率化のために、採用管理システムの導入を検討されてはいかがでしょうか。」
  • R(理由):「これを導入することで、応募者の管理や選考状況・評価の確認などの採用に関する業務を一元管理できるようになるからです。」
  • E(実例・具体例):「実際にこのシステムを導入いただいたことで、採用活動がスムーズに進むようになり、結果として採用コストの削減にもつながったという事例がございます。」
  • P(結論):「現状の課題解決のために、ぜひ弊社のシステムの導入をご検討ください。」

DESC

DESC法は、自分の意見を、Describe(描写する)、Express(説明する)、Suggest(提案する)、Choose(選択する)の4段階に分けて伝えていくというフレームワークです。まずは客観的な事実を述べたあと、相手の気持ちに配慮しながらこちらの意見を伝え、具体的な提案をします。

こちらも、採用管理システムの導入を提案する場合の例に当てはめてみましょう。

  • D(描写する):「現状、採用業務の量に対して人員が不足しているように見受けられます。」
  • E(説明する):「担当者一人あたりの業務負担が大きくなっているのではないでしょうか。このままの状態だと、採用活動の質も下がりかねません。」
  • S(提案する):「事務作業を効率化し、より効果的な採用活動を行うために、採用管理システムの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。」
  • C(選択する):こちらの提案に対して、相手が「イエス」「ノー」のいずれかを返してくれるはずなので、それに対しての行動を選択します。

DESC法は、アサーティブ・コミュニケーションのトレーニング法としても知られています。アサーティブ・コミュニケーションとDESC法については、以下の記事でも詳しく解説しています。

アサーティブコミュニケーションとは?メリットやスキルの高め方を紹介

ステップ3:コンテンツを作成する

構成が固まったら、その構成に沿ってコンテンツを作っていきます。まずは言語化して、言葉だけでは十分伝わらないような部分を画像や図、グラフなどに置き換えていくのがおすすめです。先ほどお伝えしたように、文章は一文を短く、簡潔にまとめることを意識しましょう。

ステップ4:デザインやレイアウトを調整する

コンテンツを作成できたら、最後に全体のデザインやレイアウトを整えます。「凝った」デザインにするのではなく、相手にとって見やすく・わかりやすい資料にすることが大切です。

資料作成のコツ

最後に、わかりやすい資料を作るためのコツを紹介します。

プレゼンテーション資料は「1スライド1メッセージ」を基本とする

1枚のスライドにメッセージを詰め込みすぎると、伝えたいことや重要なポイントがわかりにくくなります。「結局何が言いたいのか」がすぐにわからないと、読み手にとってはストレスにもなりますので、プレゼンテーション資料は情報を絞り、「1スライド1メッセージ」を基本としましょう

色を使いすぎない

カラーで渡す資料も、色を使いすぎないようにしましょう。色が多いと、読みにくいだけでなく、どこが重要な部分なのかがわかりにくくなってしまいます。

全体として、使う色は以下の4色が目安です。

  • ベースカラー……背景色
  • 文字色……文字に使う色
  • メインカラー……強調したいところに使う色
  • アクセントカラー……より強調したいところに使う色

ビジネス資料の場合、ベースカラーは白の場合が多いので、実質使える色は3色となります。また、アクセントカラーは多用すると見づらくなってしまうので、全体バランスを見ながら使用するようにしましょう。

フォントは統一する

フォントは「読みやすさ」を重視して選び、できれば1つに統一するのが望ましいです。プレゼンテーション資料ならゴシックかメイリオが、改まった文章には明朝が向いています。

強調したい部分はあえてフォントを変えるというのも1つの方法ですが、これを多用すると読みにくくなってしまうので、「ここぞ」という箇所以外は太字で対応するのがよいでしょう

「余白」を使う

資料が文字や図形で埋め尽くされていると、わかりにくくなるだけでなく、読み手が疲れやすくなります。全体のバランスを見ながら、ページの上下左右、行間、文字と画像、図、グラフの間などに意図的に余白を取り、読みやすい資料にすることが大切です

画像や図、グラフを使う

文字ばかりの資料よりも、画像や図、グラフなどが使われた資料のほうが、パッと見ただけで内容を理解することができ、読み手の負担も軽減できます。プレゼンテーション資料の場合は特に、ビジュアル要素が多いほうが内容も伝わりやすくなりますので、積極的に使うことをおすすめします。この際、画像や図の位置がバラバラだと見づらくなるので、きちんと整列させることも重要です

視線の流れを意識する

人の視線は、「左から右へ」「上から下へ」流れていくといわれています。アルファベットの「Z」の形、もしくは、情報量が多い場合は「F」の形を意識して情報を配置すると、伝わりやすくなるでしょう

ビフォーアフターのように2つを比較するときは、比較するものを左に、伝えたいものを右に配置するのがおすすめです。

テンプレートを活用する

Officeソフトで資料を作るなら、テンプレートも活用してみましょう。テンプレートを活用すれば、簡単にわかりやすい資料を作ることができます。また、一から自分で作成するよりも、時間も短縮できるでしょう。インターネット上には、無料でダウンロードできるテンプレートもたくさんあるので、目的に合うものを探してみてはいかがでしょうか。

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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2.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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3.交渉術・ネゴシエーション研修

交渉術・ネゴシエーション研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、利益を増やすことを目指し、自チームでの戦略構築や他チームとの交渉を行います

学びのポイント

  • 配られた事業・資金・労働力などの資源だけで目的が達成できない場合に、他チームと交渉してそれらを手に入れるための交渉力を習得する
  • 他チームの情報を得てから相手にとって価値のあるものを提供し、自チームにとってさらに価値のあるものを引き出すことが求められる

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4.リーダーシップ研修

リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。

学びのポイント

  • メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
  • 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、⾃分らしいリーダーシップを学べる

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まとめ

打ち合わせや商談のオンライン化が進み、資料の重要性が高まっています。また、資料は、自分が直接会えない相手に情報を伝える手段でもあります。企画や提案を通すためには、トークスキルももちろん大切ですが、資料作成のスキルも磨いていく必要があります。

資料を作成する際は、本記事で紹介したコツも参考にしていただきながら、相手にとって見やすく・わかりやすい資料となるように意識してみてください。

 

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アクティビティが受講者の主体性を高めてコミュニケーションを促進させ、スキルアップやチームビルディングをはかれます。
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この記事の著者

あらたこまち

雪国生まれ、関西在住のライター・ラジオパーソナリティ・イベントMC。不動産・建設会社の事務職を長年務めたのち、フリーに転身。ラジオパーソナリティーとしては情報番組や洋楽番組を担当。猫と音楽(特にSOUL/FUNK)をこよなく愛し、人生の生きがいとしている。好きな食べ物はトウモロコシ。

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