社会人基礎力「チームで働く力」とは?概要と高める方法を紹介
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「チームで働く力」は、経済産業省が提唱した「社会人基礎力」の1つです。人生100年時代を迎える今、個人にとってこれまで以上に企業や組織、社会との関わりが長くなります。ライフステージの各段階で、それぞれが活躍し続けるために求められるのが「チームで働く力」です。チームで働く力を高めることは、さまざまなメリットがあります。
本記事では、社会人基礎力における「チームで働く力」の概要から重要な理由、チームで働く力を高める方法を詳しく解説します。
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チームで働く力とは
「チームで働く力」とは、多種多様な人々とともに、目標に向けて努力する力のことです。チームで働く力は、2006年に経済産業省が提唱した「社会人基礎力」の1つであり、以下の6つの能力要素からなります。
- 発信力
- 傾聴力
- 柔軟性
- 情況把握力
- 規律性
- ストレスコントロール力
そもそも「社会人基礎力」とは
社会人基礎力は「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、2006年に経済産業省が提唱したものです。「チームで働く力」の他に「前に踏み出す力」と「考え抜く力」の3つの能力から構成され、さらに12の能力要素に細分化されています。
組織内やグループ内だけでなく、外部のさまざまな人々と協力して働く力を重視して構成されています。
現代の日本は「人生100年時代」といわれるほど長寿社会です。長寿社会であるということは、これまで以上に個人が企業や組織、社会と関わる期間が増えていくということ。そのために必要となる「どのライフステージでも活躍し続けるための力」として、社会人基礎力が提唱されたという背景があります。
社会人基礎力については、以下の記事で詳しく紹介しています。
社会基礎力とは?構成要素や必要性、高めるために必要なこと
チームで働く力が重要な理由
社会人基礎力の「チームで働く力」は、なぜ重要なのでしょうか。ここでは、チームで働く力が重要である理由について解説します。
1.仕事は1人で完結できないため
最も大きな理由は、どのような仕事であっても誰かが関わって成り立つものであり、1人では完結できないためです。
2.効率よく目標を達成するため
メンバー各自の得意分野でパフォーマンスを最大限に発揮するためにも、チームで働く力は欠かせません。それぞれのメンバーが苦手な分野を補い合うことで、効率よく目標を達成することができるようになります。
3.メンバー同士の成長が促せるため
チームで働く力が重要な理由として、メンバー同士の自己成長を促進できることが挙げられます。
メンバー同士でサポートし合うことで仕事の効率が上がり、社内全体のモチベーションの向上、さらには生産性の向上が期待できるでしょう。ビジネスにおける好循環は、チームで働く力が大きな力になっています。
環境の変化が激しい現代では、周囲の人たちと協力し合うことが重要な要素の1つです。
チームで働く力の6要素
チームで働く力に必要な、「発信力」「傾聴力」「柔軟性」「情況把握力」「規律性」「ストレスコントロール力」の6つの能力要素について解説します。
発信力
「発信力」とは、自分の意見や考えを、相手に対してわかりやすく伝える力のことです。仕事をするうえで、提案や議論、報告などさまざまな場面で発信力が必要になります。それは、個人であってもチームであっても同じことです。
たとえば、クライアントに新企画を提案するときや、部下が上司に今日1日の行動を報告するときなど、伝える相手がどのような立場でも、仕事を円滑に進めるために必要な能力の1つです。
傾聴力
チームで働く力における「傾聴力」は、相手の意見や話しを聴いて考えを理解することを指します。発信力とセットで考える要素で、同じく仕事を円滑に進めるためのコミュニケーション能力の1つです。
相手が発信力に長けていない場合も、こちらの傾聴力が役立ちます。たとえ相手が分かりにくい話しを長々としても「要点は何か」「何を伝えたいのか」を見極められるようになることが重要です。ただ相手の意見や話しを聴くだけでなく、相手の考えを理解できることが大切です。
柔軟性
「柔軟性」は、意見や立場が異なった場合に、お互い理解し合って相手を尊重することです。チーム内で対立してしまうと、仕事の効率が低下してしまいます。チームワークを発揮するためにも柔軟性が重要です。
自分の意見と相手の意見の両方を取り入れることで、より完成度の高い意見が生まれる場合もあります。そのため、自分の考えが正しいと固執し過ぎるのではなく、まずは相手の意見を理解し、受け入れる姿勢をもつことも大切です。
情況把握力
「情況把握力」とは、自分と周囲の人々や物事との関係性を理解し、把握する力のことです。チームで仕事をするとき、自分がどのような役割を果たせるのかを把握することは重要です。情況把握力があれば、トラブルが起きた場合でも冷静に論理的な判断ができます。
また、情況の分析や把握に時間をかけ過ぎず、瞬時に情況を察知する力も求められます。
規律性
「規律性」は「社会のルールや人との約束を守る力」を指します。つまり、和を乱さず協調性をもって仕事に取り組むことを意味します。
規律性を身につけるには、自分の利益だけでなく周囲の利益も考慮しなければなりません。「なぜルールがあるのか」「ルールを破るとどんな影響が出るのか」を理解して行動することが大切です。
さまざまなトラブルを未然に防ぐためにも、規律性は社会人に欠かせない要素の1つといえるでしょう。
ストレスコントロール力
「ストレスコントロール力」は、ストレスの発生源に対応する力と定義されます。現代社会では、様々な場面にストレスの要因がありますが、全てのストレスを受け止めてて耐えようとすると、耐えられるレベルを超えたときに心身ともに大きなダメージを受けてしまうでしょう。
ストレスを感じることがあっても「成長の機会」と考え、力を抜いて対応することで、最も自分の能力を出せる状態を維持することができます。
出典:経済産業省産業人材政策室 人生100年時代の社会人基礎力について
チームで働く力を高める方法
ここでは、チームで働く力を高める方法について紹介します。
1.フィードバックをもらう
チームで働く力は、個人の習慣や特性に大きく関わるものであり、自分の判断だけでは分析が難しい側面があります。そのため、自分にはどの程度チームで働く力が備わっているのか、信頼できる人にフィードバックをしてもらいましょう。上司との1on1でフィードバックをお願いする方法もおすすめです。自分の弱みや強みについてのフィードバックをもらい、フィードバックの内容を受け入れることで、チームで働く力を高めることにつながります。
2.自分自身で目標を立てる
周囲の人からフィードバックを受けたときは、それを参考に期限付きで目標を立てましょう。目標は、最低限達成できるものである必要があります。
目標設定の際は、「SMARTの法則」に基づくフレームワークの活用がおすすめです。SMARTの法則とは、1981年にジョージ・T・ドラン氏が発表した目標設定法のことで、目標達成の実現可能性を高めてくれるフレームワークです。
以下のように、「Specific」「Measurable」「Achievable」「Relevant」「Time-bound」の頭文字を繋げて、SMARTの法則と呼ばれています。
- Specific(具体性):設定した目標は具体的か
- Measurable(計量性):目標達成や進捗度は計測可能か
- Achievable(達成可能性):設定した目標は達成可能か
- Relevant(関連性):達成したい目標との関連性があるか
- Time-bound(期限):目標達成に期限を設けているか
上記のフレームワークに従って目標を設定することで、設定した目標に沿った行動をとりやすくなります。また、行動に対するモチベーションの維持にもつなげられます。
3.実践する
チームで働く力を向上させるには、実践を重ねることが大切です。仕事やプライベートを問わず、チームのやりとりに細心の注意を払い、チームで働く力の6要素を意識して過ごしてみましょう。
6要素すべてを一度に意識することが難しい場合は、まず特定の要素を伸ばせるように目標設定する方法がおすすめです。SMARTの法則のフレームワークを活用して目標を立て、実践してみましょう。
4.チームで働く力が高い人の真似をする
チームで働く力が高い人の言動を真似ることも、スキルを高める方法の1つです。
優れたチームワークを発揮した実例を見つけた場合は、どのような関わり方をしていたのかを調べ、メモを取っておきましょう。実際に優れている人の行動を真似ることで、どのように行動したら良いのかを自然に理解できます。
ただし、完全にすべてを真似てしまうことは「これが正しい」と1つの実例に固執してしまいかねないため注意しましょう。1つの実例に固執しすぎると反対にチームで働く力を低下させる原因にもなり得ます。参考にできる部分のみを真似するようにし、他はチームメンバーの動向を見ながら柔軟に対応しましょう。
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- 複数回のフィードバックによって学びを定着させる
まとめ
今回は、経済産業省が提唱した「チームで働く力」について概要をはじめ、重要な理由やチームで働く力を高める方法を解説しました。ぜひ当記事を参考に「チームで働く力」を高める方法を個人やチームで取り組みながら、それぞれのパフォーマンスを最大限に発揮し、効率よく目標を達成できるようにしましょう。
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この記事の著者
フリーランスのWebライター。大学卒業後はバレエダンサーや法人営業、Web編集職、Webディレクター職を経験。記事作成に限らず、企画立案やオウンドメディアの立ち上げ、オンライン事務など幅広い仕事に携わっています。