フォローアップ研修とは?実施するメリット・効果を高めるポイント・事例を紹介

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フォローアップ研修と聞くと、「新入社員研修の数ヶ月後に行う研修」というイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、新入社員研修以外でも実施されている研修です。

本記事では、そもそもフォローアップ研修とはどのような研修を指すのか、フォローアップ研修が必要な理由と、実施するメリット、具体的な流れや、実施する方法、効果を高めるポイント、フォローアップ研修の事例を紹介します

 

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フォローアップ研修とは

フォローアップ研修とは、初回の研修が終わってから一定の期間が過ぎたタイミング(3ヶ月後、6ヶ月後など)で、再度受講者を集めて行う研修のことです研修後の自身の振り返りや、課題や改善点の確認、今後の目標の設定、必要な知識・スキルの習得などを行います。

受講者は、初回の研修後に実際に業務を経験しています。そのため、フォローアップ研修では、実際の業務と照らし合わせながら学ぶことができるため、より高い学習効果を期待できるというメリットがあります。

また、フォローアップ研修を実施することで、初回の研修がその後どのように活かされているのかを検証できます。検証結果をもとに研修の内容を改善すれば、次回はより学習効果の高い研修が実施できるでしょう。

フォローアップ研修の対象者

特にフォローアップ研修が実施されることが多いのが、新入社員研修の後です。ビジネスパーソンとして成長していくためには、普段の業務においても振り返りをすることは大切ですが、ついこの間まで学生だった新入社員には、まだその習慣が身についていないことが多いでしょう。そのため、PDCAサイクルを実践という意味でも、新入社員研修とフォローアップ研修はセットで行われることが多いです。

もちろん、新入社員以外にフォローアップ研修を実施することもあります。いずれも、振り返りや問題点と改善点の確認などを目的として行われるものですが、階層別に次のような特徴があります。

  • 若手社員
    専門的な知識やスキル、ノウハウを学ぶために、フォローアップ研修を実施することがあります。モチベーションアップにも効果的です。
  • 中堅社員
    スキルアップ研修やリーダーシップ研修後に、フォローアップ研修を実施することがあります。新入社員や若手社員よりも、ディスカッションに時間を使うことが多いです。
  • 管理職
    マネジメントスキル向上のために、フォローアップ研修を実施することがあります。目標設定や業務改善、部下のやる気の引き出し方など、より実践的なスキルの習得を目指します。

 

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フォローアップ研修が必要な理由

少子高齢化の影響で、多くの業界・職種で人手不足が深刻化しています。そのようななかでも企業の競争力を維持するために、人材育成への注目度が高まっています

フォローアップ研修を行うことで、研修で学んだことを実務に活かす力を身につけてもらうことができます。その結果、生産性向上や業務効率化にもつなげられるでしょう。

また、入社後36ヶ月後というのは、新入社員が理想と現実のギャップを感じたり、仕事に悩みが生まれたりしやすくなる時期です。フォローアップ研修は、それらを新入社員同士で共有したり、解消をサポートしたりする場でもあります。新入社員の早期離職を防ぐためにも、フォローアップ研修は必要です。

さらに、「研修制度が充実しているかどうか」は、求職者にとっては「働きやすさ」を測る目安の1つになりますので、採用活動においては、フォローアップ研修を導入していることが1つのアピールポイントにもなるでしょう。

現状、新入社員研修後にフォローアップ研修を実施する企業は多いですが、そのほかの階層を対象としたフォローアップ研修を実施している企業は、あまり多くありません。ですが、中堅社員や管理職にこそ、フォローアップ研修は実施すべきといえます。なぜなら、リーダーやマネージャーといった役割を担う人に必要なスキルこそ、一度の研修だけでは効果が見えにくいからです。

社員に学んだことをしっかり身につけてもらうために、新入社員研修以外でも、ぜひフォローアップ研修を実施してみてください。

フォローアップ研修を実施するメリット

では、フォローアップ研修を実施することで受講者にはどのようなメリットがあるのか、もう少し詳しく見てみましょう。

自分の現状を把握できる

日々のなかでも振り返りの習慣をつけることはもちろん大切ですが、フォローアップ研修で、改めてじっくり振り返る時間を設けることで、自分自身の現状を客観的に把握できます。研修後は学んだことを活かせていたか、今の自分の課題、今後の目標などが明確になり、さらにステップアップするためにやるべきことも見えてくるでしょう。

自信が生まれる

フォローアップ研修で研修後の自分を振り返り、学んだことが身についていることが実感できれば、受講者のなかに自信が生まれます。また、実際に現場に出てみると、思うような成果が出ずに不安を感じたり、疑問が芽生えたりすることもあります。こうした不安や疑問をフォローアップ研修で共有し、解消につながるヒントを与えてあげることで、受講者がより自信を持って業務に取り組めるようになるでしょう。

仕事に対するモチベーションが向上する

成果を出せない時期が続くと、自信が持てなくなったり、仕事に対するモチベーションが下がったりすることがあります。フォローアップ研修で振り返りを行うことで、受講者は自分自身の成長を実感できるので、仕事に対するモチベーションも向上します。

また、フォローアップ研修で悩みや不安を受講者同士で共有することで、仲間意識も生まれます。モチベーションの向上だけでなく、受講者同士の結束力の強化やチームワークの向上といった効果も期待できるでしょう。

フォローアップ研修の流れ

フォローアップ研修の構成や内容は、もともとの研修の内容や、企業の課題によっても変わってきます。あくまで一例ですが、フォローアップ研修の流れを紹介しますので、フォローアップ研修の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

  1. 目的の確認
  2. 個人での振り返り
  3. グループで振り返りの内容を共有
  4. 成功体験や好事例の共有
  5. 今後の目標の設定

1.目的の確認

まずは、受講者に「今回のフォローアップ研修は何のために行うのか」という目的を伝えましょう。受講者が「ただ何となく研修に参加している」という状態では、せっかくフォローアップ研修を実施しても、高い効果は得られません。フォローアップ研修でしっかりと学びを得て、次の成長につなげてもらえるよう、まずは目的を伝え、理解してもらうことが大切です。

そして、目的と合わせて「フォローアップ研修後にはどうなってほしいのか」も伝えます。これを伝えることで、受講者のなかで研修の内容と実務とが結びつきやすくなり、学んだことをすぐに実践できるようになります。

2.個人での振り返り

次に、受講者に初回の研修後の自分を個人で振り返ってもらいます。具体的には、「初回の研修で学んだことを覚えているか」「実際に実務に活用することができたか」「研修後の行動に変化はあったか」などです。受講者に、現在の自分の課題や改善点を把握してもらいましょう。

フォローアップ研修で振り返りがしやすいように、あらかじめ初回の研修で、フォローアップ研修までの目標を設定しておいてもらうのがおすすめです。

3.グループで振り返りの内容を共有

個人で振り返りができたら、受講者を少人数のグループに分け、同じグループになったメンバーと振り返りの内容を共有してもらいます現在の課題や悩みを他者に話すことで、客観的なアドバイスや、解決につながるヒントが得られることもあります。また、グループ内に自分と同じ課題や悩みを抱えていたり、自分と同じことに対して不安を感じていたりするメンバーがいれば、その思いを共有することで心も軽くなり、仲間意識も生まれるでしょう。

受講者の自信や、仕事に対するモチベーションを引き出すためにも、振り返りの内容を共有する機会は重要です。

4.成功体験や好事例の共有

研修後に大きな成果を出した人がいれば、その体験をプレゼンテーションしてもらったり、業務における好事例を共有したりすることで、受講者は研修内容の「活かし方」を学べます。また、成功体験や好事例を共有することで、受講者の仕事に対するモチベーションの向上も期待できるでしょう。

さらに、プレゼンテーションをする人はもちろん、そのほかの受講者も、発表を聞くことで、話の組み立て方や、相手にわかりやすく伝える話し方なども学ぶことができます。

5.今後の目標の設定

最後に、フォローアップ研修後の目標を設定します。受講者は、初回の研修からフォローアップ研修までの間に実際に業務を経験しているので、初回の研修のときに設定した目標よりも、具体的でより高い目標を設定できるはずです。今後の目標を設定することで、受講者はフォローアップ研修で学んだことを実践しやすくなるでしょう。目標は、期間を細かく区切ったり、受講者同士でディスカッションしながら設定してもらったりすることで、達成へのモチベーションも高まりやすくなります

また、新入社員に対するフォローアップ研修の場合は、キャリアプランを作成してもらうものおすすめです。1年後、5年後、10年後はどのような自分になりたいと考えているかをまとめてもらい、講師からフィードバックを与えます。

フォローアップ研修を実施する方法

次に、フォローアップ研修を実施する方法を紹介します。

自社で実施する

フォローアップ研修は、自社で一から研修を設計して実施することが可能です。講師を自社の社員に担当してもらえば、外部の講師に依頼する場合に比べてコストを抑えられます。また、講師の社員とフォローアップ研修の受講者との間で日頃から信頼関係が築けていれば、悩みや本音を聞き出しやすいというメリットもあります。

ただ、研修プログラムの設計や研修資料の準備などもすべて自社でやらなければならないため、研修の担当者にかかる負担は大きくなります

研修会社を利用する

外部の研修会社を利用するというのも1つの方法です。研修会社に任せれば、準備の手間が省けるだけでなく、研修会社の講師が持つスキルやノウハウを活用できるというメリットがあります

研修プログラムの設計から実施まですべてを任せることができる研修会社もあれば、研修の一プログラムとして活用できるサービスを提供する研修会社もあります。特徴や強みもさまざまですので、研修会社を利用するなら、十分に比較検討して、自社の研修の目的に合った研修会社を選びましょう。

研修会社を選ぶときのポイント

研修会社を選ぶときは、以下のポイントはチェックしておきましょう。

  • 目的に合ったカリキュラムがつくれるか
  • 講師はどのような人物か(ビジネス経験、実績など)
  • 予算に合っているか
  • 研修内容をカスタマイズできるか
  • 十分な実績がある研修会社か
  • オンライン研修は可能か

フォローアップ研修の効果を高めるポイント

次に、フォローアップ研修の効果を高める4つのポイントを紹介します。

1.PDCAサイクルを意識して研修を設計する

PDCAサイクルとは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)の4つのステップを繰り返し、業務改善や効率化を図るという、仕事の基本的なフレームワークです

フォローアップ研修は、Check(評価)とAction(改善)を行い、次につなげるためのものといえます。研修の効果を高めるためには、次のような流れをつくることが重要です。

  • Plan:初回の研修で、受講者にフォローアップ研修までの行動目標を設定してもらう。
  • Do:フォローアップ研修までの間に、行動を実践してもらう。
  • CheckAction:フォローアップ研修で研修後の自分を評価し、改善すべきポイントを考える。

この流れを意識して、研修全体を設計してみてください。

なお、PDCAサイクルについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

PDCAサイクルとは?具体例や各ステップのポイントをわかりやすく解説

2.アイスブレイクを実施する

アイスブレイクとは、受講者の緊張をほぐし、その場の雰囲気を和ませるためのコミュニケーションのことです。たとえば、本題に入る前に少し雑談をしたり、ちょっとしたクイズを出したりします。

フォローアップ研修は、受講者同士でディスカッションをしてもらうことも多いですが、普段から接点がある人ばかりではないため、緊張してなかなかうまく話せないということもあるでしょう。アイスブレイクを実施することで、受講者の緊張がほぐれ、活発な意見交換が行えるようになります。

3.全員が研修を「自分ごと」に感じられる工夫をする

グループでのディスカッションやワークは、全員が参加せざるを得ない仕組みにすることも重要です。一人でも消極的な受講者がいると、ほかの受講者の学習効果に影響が出る恐れもあります。研修の効果を高めるには、受講者全員が研修を「自分ごと化」できるような工夫が必要です。

4.研修内容はアップデートしていく

一度研修プログラムを作成したら、それをずっと使い続けていくのではなく、現状に合わせてアップデートしていくことが重要です。現状の悩みや課題について、フォローアップ研修の受講者に事前にアンケートをとっておくのもよいでしょう。受講者の知りたいことがわかっていれば、あらかじめ準備をしておくことができるため、より学習効果の高いフォローアップ研修を実施できます。

フォローアップ研修の事例

最後に、フォローアップ研修の事例を紹介します。

一般社団法人東京都中小建設業協会

202210月、一般社団法人東京都中小建設業協会は、新入社員を対象とした三団体合同のフォローアップ研修を開催しました。

グループに分かれて行ったのは、「キャリアデザインすごろく」。ワークとライフに関するさまざまな出来事を疑似体験しながら、今後のキャリアを考えるという、この研修オリジナルのすごろくです。新入社員のフォロー役として、各グループに入社5年目までの先輩社員も入ってもらいました。

参考:令和4年度フォローアップ研修を開催 – 一般社団法人 東京都中小建設業協会

株式会社Too

202111月、株式会社Tooは、45月に新入社員研修を受けた人を対象としたフォローアップ研修を開催しました。

まずは、さまざまな部署に配属された新入社員から、半年の間に経験してきたことや、マニフェストの進捗の発表が行われました。その後は、相互理解を深めるために、グループに分かれて、同じグループになったメンバーの業務内容をヒアリングし、ほかのグループに紹介するということを行いました。そして最後は、自分の強みの言語化に取り組んでもらいました。

参考:2021.12.08 新人フォローアップ研修を実施しました | お知らせ | Tooグループ採用 | 株式会社Too

【フォローアップ研修にも最適な体験型研修】あそぶ社員研修

あそぶ社員研修」は、受講者全員が没入して取り組むアクティビティ・振り返り・講義をブリッジすることで学びを最大化させ、翌日から業務で活かせる知識・スキルが身につく講義・アクティビティ一体型の研修プログラムです。

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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2.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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3.交渉術・ネゴシエーション研修

交渉術・ネゴシエーション研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、利益を増やすことを目指し、自チームでの戦略構築や他チームとの交渉を行います。

学びのポイント

  • 配られた事業・資金・労働力などの資源だけで目的が達成できない場合に、他チームと交渉してそれらを手に入れるための交渉力を習得する
  • 他チームの情報を得てから相手にとって価値のあるものを提供し、自チームにとってさらに価値のあるものを引き出すことが求められる

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4.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる。

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まとめ

フォローアップ研修を実施することで、受講者は自分の現状を客観的に把握できます。自分の成長を実感することができるため、自信を持って業務に取り組めるようになり、仕事に対するモチベーションの向上も期待できるでしょう。現状、フォローアップ研修を行っていないという企業は、ぜひ実施を検討してみてください。

 

あそぶ社員研修」は、受講者全員が没入して取り組むアクティビティと専門講師の講義・振り返りをブリッジすることで、翌日から業務で活用できる知識・スキルが身につく研修プログラムです。
アクティビティが受講者の主体性を高めてコミュニケーションを促進させ、スキルアップやチームビルディングをはかれます。
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この記事の著者

あらたこまち

雪国生まれ、関西在住のライター・ラジオパーソナリティ・イベントMC。不動産・建設会社の事務職を長年務めたのち、フリーに転身。ラジオパーソナリティーとしては情報番組や洋楽番組を担当。猫と音楽(特にSOUL/FUNK)をこよなく愛し、人生の生きがいとしている。好きな食べ物はトウモロコシ。

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