上司と部下の関係を改善する方法20選

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この記事の監修者
株式会社IKUSA あそぶ社員研修事業部 責任者
友水 一喜
慶應義塾大学文学部人文社会学科美学美術史学専攻卒業。
大学卒業後、クラシック音楽業界にて制作・マネジメント・プロデュースに従事し、アートと教育の融合をテーマに、「体験を学びとして届ける」手法を追求してきた。
その後、体験型コンテンツ会社を経て、株式会社IKUSAにクリエイティブプロデューサーとして入社。
現在は研修事業部の責任者として、体験型・ゲーム型の社員研修事業を統括している。
ユーザー視点に立ったサービス開発を得意とし、「楽しさが行動変容を生む」という信念のもと新しい研修体験を創出している。

仕事を円滑に進めるうえで、社員同士が良好な関係を築くことは欠かせません。しかし、実際には多くのビジネスパーソンが職場の人間関係に悩みを抱えています。特に悩みや課題が生じやすいのが、「上司と部下」の関係です。

本記事では、上司向け、部下向け、人事向けに分けて、上司と部下の関係を改善する方法を20選紹介します。

上司向け|部下との関係を改善する方法

まずは上司向けに、部下との関係を改善する方法を7つ紹介します。

1.上司から積極的にコミュニケーションをとる

職場の雰囲気や上司の人柄にもよりますが、部下から上司へはなかなか話しかけづらいものです。上司のほうから積極的に部下に話しかけることで、職場に「コミュニケーションをとりやすい雰囲気」が生まれやすくなり、全体のコミュニケーションも活発になります。

具体的には、上司から「しっかり挨拶をすること」と、「声かけを増やすこと」を意識してみてください。それぞれのポイントは、以下の通りです。

  • 挨拶:きちんと相手の顔を見て、明るい声で挨拶をしましょう。忙しいからと適当な挨拶になってしまうと、逆効果になることがあります。
  • 声かけ:ポジティブな声かけや、相手を気遣うような声かけを積極的に行いましょう。
    (例:作業中の部下に「お疲れ様、いつも頑張ってくれていますね。」/休み明けの部下に「休日はゆっくり休めましたか?」など)

2.ポジティブな言動を心がける

上司の言動は、部下に大きな影響を与えます。管理職やリーダーとなると、疲れやイライラがたまることも多くなるかもしれませんが、職場ではできるだけネガティブな感情を表には出さないようにして、ポジティブでいることを心がけましょう。いつもポジティブな人がいると、職場の雰囲気も明るくなります。

ただ、何に対してもポジティブでエネルギッシュすぎると、逆に部下が「この人には本音を言いづらい」「弱音を吐いてはいけない」などと感じてしまうケースもあります。「ポジティブでいなくては!」と頑張りすぎるのではなく、自分らしくポジティブに、ときには弱さも見せつつ、部下と誠実に向き合うことが大切です。

3.部下の仕事量・レベルを調整する

仕事量が多い、または能力以上の仕事を任されると、体力的にも精神的にも負担がかかってしまいます。このような状態では、コミュニケーションも少なくなりがちです。逆に体力的・精神的に余裕が生まれると、コミュニケーションが生まれやすくなり、職場の雰囲気も明るくなります。

部下の健康管理も、上司の大切な役割の1つです。部下との関係がうまくいっていないと感じるなら、一度部下の仕事の量・レベルが適切かどうか、見直してみてください。

4.定期的に部下と話をする機会を作る

普段の業務のなかで部下とコミュニケーションをとることはもちろん大切ですが、信頼関係を築くためには、部下とじっくり話をする機会を定期的に設けることも重要です。できれば部下一人ひとりと1対1で向き合って話し合えるとよいので、1on1の導入を検討してみはいかがでしょうか。

1on1とは、部下の成長を目的に定期的に実施する面談のことです。一般的な面談のように、上司から部下に一方的にアドバイスや指導をするのではなく、双方向のコミュニケーションによって部下の成長をサポートします。1回の面談の時間は30分程度で、週1回~月1回などの頻度で行うのが一般的です。

5.目標を設定し、一緒に取り組む

部下個人やチームの目標を設定することも、上司やリーダーの仕事の1つです。これがきちんと行えているかどうか、振り返ってみましょう。

また、信頼関係を築くためには、目標をただ与えるだけでなく、上司・リーダーも目標達成に向けて一緒に取り組むことが大切です。同じゴールを目指すなかで、心理的な距離が縮まりやすくなります。一緒に取り組むことで、「上司が見てくれているから、評価のために頑張ろう」と、部下やチームのメンバーのモチベーションが向上する可能性もあるでしょう。

6.客観的に、公平に評価する

部下を評価することも、上司の仕事の1つです。これを行う際は、業績や能力、仕事に対する熱意や姿勢などを、客観的な指標にもとづいて公平に評価することが大切です。そして、評価基準や根拠も公表し、部下が納得できるような説明を行いましょう。

評価が主観的であったり、部下が納得できないものだったりすると、部下は上司、さらに会社にも不信感を持ってしまう恐れがあります。

7.フィードバックの質を高める

フィードバックとは、仕事や成果に対し、評価や改善点を伝えることをいいます。

上司から部下へのフィードバックは、上司と部下の関係を深めるものでもあります。部下は納得できるフィードバックを受け取ることで、「この上司は自分のことをわかってくれている・受け入れてくれている」と感じられるようになります。そうした小さな安心や信頼を積み重ねていくことで、良好な関係が築かれていくのです。

部下に適切なフィードバックをするためには、上司は部下のことをよく理解しなければなりません。普段から部下のことをよく見て、理解するよう努めましょう。

また、フィードバックは、悪いところだけでなく、良いところもしっかり伝えることが大切です。部下との関係がよくないと感じるなら、フィードバックがただの「指摘」や「ダメ出し」になっていないか、振り返ってみてください。

部下向け|上司との関係を改善する方法

次に、部下向けに上司との関係を改善する方法を6つ紹介します。

8.積極的に自己開示する

自己開示とは、自分自身の情報を相手に開示する(主に言葉で伝える)ことをいいます。相手と良い関係を築くには、まずお互いに理解を深めることが大切です。上司との関係を改善したいなら、自分の情報を積極的に上司に伝えてみましょう。

また、上司に自分の強み・弱みや、理想の働き方、キャリアビジョンなどを理解してもらえると、それに沿った仕事を任せてもらえるようになる可能性もあります。自身を成長させるためにも、積極的に自己開示をすることは重要なのです。

自己開示については以下の記事でも解説していますので、参考にしてください。

同月記事:「自己開示 社員」へリンク

9.上司のことを理解する

上司と良い関係を築くためには、上司に自分のことを知ってもらうだけでなく、上司に対する理解も深める必要があります。特に理解を深めていただきたいのが、上司と自分との「違い」です。「違い」とは、世代、価値観、経験や知識、立場などが挙げられます。

たとえば、世代によってコミュニケーションの手段の使い分け方も異なる場合があります。もしかしたら、あなたがメールやチャットで報告していることのなかに、上司としては「これは直接伝えてほしい」という内容が含まれているかもしれません。実際にメールやチャットのほうが効率的である場合でも、上司のコミュニケーションスタイルを理解できていれば、上手に改善の提案をできます。

こうした小さな違いを理解することが、上司との関係の改善につながることもあります。

10.こまめに報告・連絡・相談をする

報告・連絡・相談はビジネスの基本です。上司と良い関係を築きたいなら、これをこまめに、かつ早めに行うことを心がけましょう。報告・連絡・相談がきちんと行われていれば、上司は仕事の進捗や部下の状態を把握しやすくなり、仕事がスムーズに進むようになります。

ただ、あまりに頻繁に行うと、それだけ上司の時間を奪うことになり、上司がストレスを感じてしまう恐れもあります。報告・連絡・相談は頻度やタイミング、手段、伝え方も重要です。上司との関係がうまくいかないと感じているなら、一度自分の報告・連絡・相談を振り返ったり、改めて基本を学び直したりしてみてはいかがでしょうか。

11.「できない」をきちんと伝える

体力的にも精神的にも余裕がないと、コミュニケーションそのものが嫌になったり、攻撃的になってしまったりすることがあります。心身の健康のためにも、できないことは「できない」と、上司にきちんと伝えることも大切です。

「業務量が多すぎる」「スケジュールがタイトすぎる」「自分の能力と業務のレベルがあっていない」などと感じるときは、上司に素直に伝えて、調整をお願いしましょう。ぎりぎりになって「やっぱり無理です」と伝えられるより、早めにできないことを伝えてもらったほうが、上司としても余裕を持って対応できます。

12.小さな信用を積み重ねる

「信用」とは“それまでの行為や成果などから、信じられると判断すること”、「信頼」とは“信じて頼りにすること、期待すること”であるといえるでしょう。

信頼関係は、いきなり築けるものではありません。上司から信頼してもらうためには、普段から小さな信用を積み重ねていくことが大切なのです。「遅刻をしない」「期限を守る」「挨拶をする」「身だしなみをきちんとする」など、ビジネスパーソンとしての基本を押さえた行動をとることを、まずは意識してみましょう。

13.誰かに相談する

もし上司との関係がうまくいかなくて悩んでいるなら、一人で抱え込まずに、第三者に相談してみましょう。相談することで、客観的な視点からアドバイスがもらえたり、気づきが得られたりすることがあります。

ただ、相談した相手がその内容を本人(上司)に伝えてしまい、関係が悪化してしまう可能性もあります。社内でも、信頼できる人を見極めて相談することが大切です。

会社によっては、人事部門が相談を受け付けていたり、社内に相談窓口が設けられていたりすることもありますので、そういった仕組みが社内にないか、確認してみてはいかがでしょうか。

人事向け|上司と部下の関係を改善する方法

社員同士が良好な関係を築けるよう、会社もサポートをしましょう。最後に、上司と部下の関係改善のために会社ができることを、7つ紹介します。

14.心理的安全性を高める

心理的安全性とは、組織やチームのなかで、メンバーの誰もが安心して自分の意見を言える・思った通りに行動できる状態のことをいいます。組織やチームの心理的安全性が高まると、コミュニケーションや意見交換が活発になり、メンバー同士が良好な関係を築きやすくなります。さらに職場の雰囲気も明るくなり、その結果として定着率や生産性の向上にもつながるでしょう。

会社として、挑戦しやすい雰囲気や認め合う文化の醸成に取り組むことで、組織全体の心理的安全性を高められる可能性があります。そのための具体的な施策としては、1on1、OJT、ビアボーナス、チームビルディングなどが考えられます。また、社員の意識を変えるために、経営層から社員に向けてコミュニケーションの重要性を発信することも重要です。

15.管理職・リーダー向けの研修を実施する

上司と部下の関係を改善するには、特に上司にあたる管理職やリーダーからの働きかけが重要なポイントとなります。管理職やリーダーを対象に、部下とのコミュニケーションのとり方や適切なフィードバックなどを学ぶ研修を実施してはいかがでしょうか。

「あそぶ社員研修」でも、管理職やリーダー向けの研修を多数用意しています。上司と部下の関係やコミュニケーション改善におすすめプログラムとしては、たとえば以下のようなものがあります。

6.若手社員向けの研修を実施する

上司と部下の関係やコミュニケーションに課題があるなら、部下にあたる若手社員に対しても研修を実施し、コミュニケーションスキルを高めてもらうとよいでしょう。

「あそぶ社員研修」では、新入社員・若手社員向けの「コミュニケーション研修」を提供しています。本研修は、アクティビティと講義・ワークを組み合わせたプログラムとなっています。まずチームで「謎解き脱出ゲーム」に取り組み、コミュニケーションや協力することの大切さを体験して学んでいただきます。その後で、講義・ワークにより学びを深め、翌日から実践できるようになることを目指します。

研修内容や時間はカスタマイズも可能です。お気軽にお問合せください。

17.コミュニケーションを見直す機会を提供する

社内のコミュニケーションの課題を解決するためには、社員に自分のコミュニケーションを振り返り、見直してもらうことも重要です。会社から、その機会を定期的に(月に1度程度)提供できるとよいでしょう。

自分一人で振り返るのではなく、誰かと一緒に話し合いながら振り返るワークショップのような形がおすすめです。他者から意見をもらうことで、自分では見えていなかった改善点や課題、特性、良いところなどに気づけることがあります。部署やチーム単位で実施しても構いませんが、若手社員同士、管理職同士など同じ立場の社員ばかりを集めたほうが、素直な意見を言いやすくなるでしょう。

18.コミュニケーションツールを活用する

上司と部下の関係やコミュニケーションに課題があるなら、便利なコミュニケーションツールを活用してみてはいかがでしょうか。特に、多様な働き方を導入したことでコミュニケーションの量が減っているようなら、ツールの活用がおすすめです。

たとえば、ビジネスチャットや社内SNSです。これらはメールのように件名や挨拶文を入力する必要がなく、気軽にテンポよくやりとりができるという特徴があります。タスク管理や情報共有に便利な機能が備わっているツールを導入すれば、業務も効率化するでしょう。

また、Web会議ツールを活用すれば、離れた場所で仕事をしている相手とも、顔を見ながら話ができます。これを活用し、オンラインのイベントやランチ会などを開催するのもおすすめです。

19.社内イベントを実施する

上司と部下に距離を縮めてもらうために、社内イベントを実施するのもよいでしょう。仕事から離れて交流する機会を設けることで、気軽なコミュニケーションが生まれやすくなります。

一緒に食事をすると相手に良い印象を与えやすくなるといわれているため、飲食を伴うイベントがおすすめです。また、上司と部下で協力してクリアを目指すゲームやアクティビティなどを取り入れると、絆を深めることができるでしょう。

【社内イベントの例】

  • 食事会(飲み会、ランチ会、バーベキューなど)
  • スポーツ大会
  • 季節の行事 など

20.雑談スペースを設ける

オフィスのなかに社員が集まって気軽に雑談ができるようなスペースを設けると、上司と部下の間にも仕事以外の会話が生まれやすくなり、関係が改善されることが期待できます。

最近は、コーヒーマシンやお菓子、ソファなどを設置したリフレッシュスペースや、多目的に利用できるフリースペースを設置するケースもあります。居心地のいい空間を作ることで社員が集まりやすくなり、カジュアルな交流を促せます。

まとめ

上司と部下の関係を改善は、個人の努力だけでは難しい場合もあります。社員同士が良好な関係を築けるよう、会社としてもサポートをすることが大切です。本記事で紹介した方法も参考にしていただきながら、人間関係やコミュニケーション、職場環境の改善に取り組んでみてください。

この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

あそぶ社員研修は、企業の研修担当者向けのお役立ち情報を発信するメディアです。研修に関するノウハウ、組織・人材開発の手法、ビジネススキルなどをわかりやすく紹介します。

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