MBTIとは?メリットと診断結果を活用するときの注意点を解説

  • 組織・人材開発

日本でも、「MBTI」と呼ばれる個人の性格を診断するツールが、Z世代を中心にブームとなっています。最近では、これを採用や人材配置に活用している企業もあるようです。

本記事では、MBTIとはどのようなものなのか、MBTIを活用するメリットと注意点を解説します

 

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MBTIとは性格診断ではない

MBTI(読み方:エムビーティーアイ)は、「Myers-Briggs Type Indicator」の頭文字を取ったものです

性格診断として紹介されることが多いですが、一般社団法人日本MBTI協会のホームページには、MBTIはそのようなものではないと書かれています。MBTIは、ユングのタイプ論をもとにした性格検査で、MBTI有資格者の支援を受けながら、自分自身に対する理解を深めるためのものです。単なる検査や診断ではなく、メソッドに近いとされています。また、最近はいくつかの質問に回答すれば、すぐに結果が出る手軽な診断ツールも多いですが、MBTIはそのような簡単なものではなく、数時間かけて自己分析を行います。

MBTIの初版が完成したのは、1962年のことです。キャサリン・クック・ブリッグスと、その娘であるイザベル・ブリッグス・マイヤーズの2人よって開発されました。現在では世界50ヵ国以上のさまざまな分野において活用されている、国際規格に基づいて、性格を深く理解するためのメソッドといえるでしょう。

参考:MBTIとは | [公式]日本MBTI協会

MBTI4つの指標

MBTIでは、以下の4つの指標をもとに、個人の性格を16タイプに分類します。

  • ものの見方(感覚・直観)
  • 判断のしかた(思考・感情)
  • 興味関心の方向(外向・内向)
  • 外界への接し方(判断的態度・知覚的態度)

検査結果は、アルファベット4文字で示されます(例:ISTJ)。

ただ、前項でお伝えしたように、MBTIは単なる性格診断ではありません。一般社団法人日本MBTI協会のホームページでは、MBTIの検査結果は、自分がしっくりくるタイプ(ベストフィットタイプ)を見つけるきっかけとして使用すると説明されています。自分や他人を「こういう性格の人なのか」と知って終わりにするのではなく、強みや特徴を理解し、自分自身の成長や周りの人との関係づくりに役立てることが大切です。

参考:MBTIの特徴 | [公式]日本MBTI協会

MBTIが活用できる場面

MBTIは、企業の研修でも活用されています。リーダーシップ開発やチームビルディング、コミュニケーション向上、経営層向けの研修などに導入されるケースが多いようです。また、キャリアカウンセリングにおいて、転職を希望する人に動機を分析してもらうために使われるケースもあります。

参考:MBTIは日本ではどんな場面で活用されていますか? | 教えて!MBTI® MBTIを正しく認識していただくためのQ&A | [公式]日本MBTI協会

その他にも、自分や他者への理解を深める研修、医療分野におけるコミュニケーションのトレーニング、カウンセラーや教育者のトレーニングなど、さまざまな分野や場面において活用されています。

参考:MBTIの利用場面 | [公式]日本MBTI協会

MBTIと「16Personalities」は別物

お伝えしたように、公式のMBTIは、単なる性格診断ではなく、時間をかけて自分自身を理解するためのものです。しかし日本では、多くの人が「公式のMBTIとはどのようなものか」を知らないのが現状ではないでしょうか。

インターネットで「MBTI」と検索をすると、「16Personalities」という無料の性格診断テストが一番上にヒットします。日本では、若い世代を中心に「16PersonalitiesMBTI」であるという誤った認識が広まってしまっているのです。「16Personalities」は、60の質問に回答すると、性格のタイプがわかるという性格診断テストです。韓国でブームとなったことがきっかけで、日本でも注目されるようになりました。

16Personalities」も、公式のMBTIと同じく、回答した人の性格が16タイプに分類されます。また、「16Personalities」の性格のタイプも、公式のMBTIと同じようにアルファベット4文字で示されるため、混同されてしまっているようです。

しかし、この2つは別物です。異なる点は多々ありますが、公式のMBTIは、お伝えしたようにユングのタイプ論をもとにして性格を理解するためのものです。一方「16Personalities」は、Big Fiveという特性論をベースとしています。どのような検査や診断ツールを活用する場合でも、「それがどのようなものなのか」を、しっかり理解したうえで活用するようにしましょう。

参考:MBTIと検索するとよく出てくる16Personalities testというのは、MBTIではないのですか? | 教えて!MBTI® MBTIを正しく認識していただくためのQ&A | [公式]日本MBTI協会

MBTIのメリット

MBTIは、企業の研修にも活用されていることをお伝えしましたが、MBTIを受けると、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

自分と他者に対する理解が深まる

社会に出たあとも、自分自身に対する理解を深めていくことはとても重要です。自己理解を深めることで、自分の能力を最大限に発揮できるようになります。また、自分の強みや大切にしたいことが明確になれば、これからのキャリアプランも立てやすくなるでしょう。

しかし、一人で自己分析をすると、どうしても主観的になってしまうことがあります。MBTIは、MBTI有資格者の支援を受けながら自己理解を深めていくため、客観的に自分自身を分析できるでしょう。

また、MBTIは、チームビルディング研修などでメンバー同士が理解を深めるために用いられることもあります。MBTIを活用してお互いのタイプの違いを知ることで、相手に合わせたコミュニケーションの取り方を選択できるようになります。コミュニケーションが円滑になり、メンバー同士で信頼関係を築きやすくなるでしょう。

チーム力の向上につながる

MBTIを活用することで、自分やチームのメンバーの強み・弱みを把握できます。チーム内で、それぞれの強みを生かし、弱みを補い合える役割分担が行えるようになります。また、一人ひとりがチーム内での自分の役割を認識しやすくなるという効果も期待できます。

さらに、先ほどお伝えしたように、お互いのタイプの違いを知ることで、コミュニケーションも改善されます。チーム内で誤解や対立なども生まれにくくなるでしょう。

MBTIの結果を上手に活用することで、メンバー間のコミュニケーションや協力が促進され、チームとして高いパフォーマンスを発揮できるようになります。つまりMBTIは、チーム力の向上にも有効というわけです。

MBTIを活用するときの注意点

最後に、企業の研修などでMBTIを活用するときの注意点について解説します。

公式のMBTIを受ける

お伝えしたように、日本では「16PersonalitiesMBTI」であるという誤った認識をしている人が非常に多いです。「16Personalities」を否定するわけではありません。ただ、これは公式のMBTIとは別物の性格診断テストです。個人やチームの成長につなげたいのなら、公式のMBTIを受けることをおすすめします。

16Personalities」のような「MBTIと似ている性格診断テスト」は、インターネット上で、無料で受けることができるものが多いです。また、いくつかの質問に回答するだけで結果もすぐに出ます。MBTIを活用して自分の性格を理解するためには体験セッションに参加する必要があります。時間も費用もかかることになりますので、まずは目的を明確にしたうえで、効果的に取り入れるようにしましょう。MBTIの体験セッションについて詳しくは、以下のページをご覧ください。

体験セッション – 日本MBTI協会認定オンラインMBTI|JPP株式会社

タイプを公表する場合は本人の了承を得る

MBTIは、他人の性格のタイプを、本人の許可を得ずに公表することはよしとしていません。プライバシー侵害の問題となるためです。

チームビルディングを目的とした研修などでMBTIを活用する場合は、お互いにタイプを開示することになりますが、この場合も、必ず研修参加者の了承を得る必要があります。

チーム内での役割分担やコミュニケーション改善に役立ててほしいからと、リーダーなどにメンバーのタイプを勝手に知らせるのもよくありません。どのような目的で活用する場合でも、本人の許可なくタイプを公表しないようにしましょう。

タイプを鵜呑みにしない・決めつけない

検査結果として示された性格のタイプを、鵜呑みにしないことも大切です。あくまでも自分自身に対する理解を深め、ベストフィットタイプを見つけるためのきっかけとして使用するようにしましょう。

また、チーム内でタイプを開示する場合も、「〇〇さんはMBTIの結果が××××だったから、こういう人なんだ」と、他人の性格を決めつけないように注意しましょう。決めつけると、人間関係に亀裂が入ってしまう可能性もあります。

MBTIハラスメントに注意

MBTIハラスメント」とは、MBTI(またはMBTIと似ている性格診断テスト)の検査結果を見て、人の性格や能力を決めつけるような発言をしたり、評価をしたりすることで、相手を不快にさせることを意味する言葉です。たとえば、以下のような発言は、MBTIハラスメントに該当する可能性があります。

  • 同僚から「あなたはMBTIが××××タイプだから、私とは合わないですね」と言われた。
  • 部署の移動を希望したところ、「MBTIが××××タイプの人は、この部署の仕事は向いていないと思います」と言われた。

最近では、「16Personalities」のような手軽な「MBTIと似ている性格診断テスト」の結果を、採用候補者や従業員に提出させて、採用や人材配置に活用している企業もあるようです。マッチ度を測る目安程度に活用するのには問題ないかもしれませんが、社員から不信感を持たれる要因となる可能性があります。また、先ほどお伝えしたように、公式のMBTIは本人の許可なくタイプを公表することをよしとしていませんので、注意しましょう。

まとめ

日本では、「MBTI16Personalities」という誤った認識が広まっています。MBTIはユングのタイプ論を、「16Personalities」はBig Fiveという特性論をベースとした、異なる診断ツールです。研修などにMBTIを活用することを考えているなら、まずは「MBTIとはどのような検査なのか」を、正しく理解しましょう。

MBTIを含め、個人の性格を分類して思考や行動の傾向の理解材料とするためのツールはさまざまですが、検査結果は鵜呑みにしない・決めつけないことが大切です。特に他人の性格を決めつけると、不快な思いをさせたり、企業に対して不信感を持たれてしまったりすることもあるので、注意しましょう。

 

 

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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2.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。

学びのポイント

  • 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
  • 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

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3.戦略思考研修

戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。

学びのポイント

  • 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
  • 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる

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4.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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5.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる

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6.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。

学びのポイント

  • 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
  • フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
  • 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

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7.リーダーシップ研修

リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。

学びのポイント

  • メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
  • 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる

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8.ビジネスマナー研修

ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。

学びのポイント

  • 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
  • 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる

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9.防災研修

防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
  • 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ

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10.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

  • 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
  • ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

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この記事の著者

あらたこまち

雪国生まれ、関西在住のライター・ラジオパーソナリティ・イベントMC。不動産・建設会社の事務職を長年務めたのち、フリーに転身。ラジオパーソナリティーとしては情報番組や洋楽番組を担当。猫と音楽(特にSOUL/FUNK)をこよなく愛し、人生の生きがいとしている。好きな食べ物はトウモロコシ。

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