プレッシャー世代とは?特徴やその他の「〇〇世代」を紹介

  • 組織・人材開発

生まれた年によって、「〇〇世代」とカテゴリー分けをされることがあります。分け方・名称はさまざまありますが、「プレッシャー世代」と呼ばれる世代があるのをご存じでしょうか。このプレッシャー世代は、優秀な人が多いといわれています。

本記事では、プレッシャー世代とはどの世代を指すのか、プレッシャー世代の特徴を紹介していきます。さらに、その他の「〇〇世代」として、就職氷河期世代、ゆとり世代、Z世代についても簡単に紹介します

 

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プレッシャー世代とは

プレッシャー世代とは、1982年〜1987年に生まれた世代を指す言葉です2007年に人気ブロガーが自身のブログで命名したもので、正確には1986年度(19873月以前)生まれまでとされています。この世代は、多感な時期に大きな震災や衝撃的な事件などのニュースを数多く見てきています。さまざまなプレッシャーを与えられ、それらに耐えてきたプレッシャーに強い世代として、「プレッシャー世代」と命名されたようです。

その後、命名者である人気ブロガーのもとに、「プレッシャーは感じていない」などの意見が多数届いたため、この世代の名称を再考する記事も発信されています。しかし、もともとの記事が多くのニュースサイトに取り上げられたために、名称だけがどんどん広がっていってしまったようです。

さまざまな意見はありますが、この世代が多くの出来事を目にしてきたことは事実です。自覚の有無にかかわらず、これまで多くのプレッシャーに耐え、乗り越えてきた世代とも考えられます。また、スポーツ界や芸能界で活躍しているプレッシャー世代の有名人も多いため、「優秀な世代」として紹介されることもあるようです。

これまでにプレッシャー世代が見てきた出来事

プレッシャー世代は多感な時期に多くのことを目にしてきたとお伝えしましたが、具体的には、たとえば以下のような出来事が挙げられます。

出来事

プレッシャー世代の当時の年齢

1990年代前半

バブル経済崩壊

幼少期

1991

ドイツ統一実現 / 湾岸戦争勃発 / ソ連邦崩壊

4歳~9

1995

阪神・淡路大震災 / 地下鉄サリン事件

8歳~13

2001

アメリカ同時多発テロ

14歳~19

2008

リーマンショック

21歳~26

2011

東日本大震災

24歳~29

上記以外にも、多くの震災や災害、事件がありました。このような大きな出来事が、プレッシャー世代の価値観の形成にも大きな影響を与えたのではないかと考えられます。

すべての人がプレッシャーに強いわけではない

先ほどお伝えしたように、「プレッシャー世代」は、「多くのプレッシャーに耐えてきたため、プレッシャーに強い世代である」としてつけられた名称です。この「プレッシャーに強い」ことをはじめ、プレッシャー世代にはいくつかの特徴があるといわれています。その特徴については、のちほど詳しく紹介していますが、当然プレッシャー世代のすべての人に当てはまるわけではありません。

企業にも、ダイバーシティ&インクルージョンが求められる時代となっています。当たり前のことですが、価値観や特性などは一人ひとり違いますので、プレッシャー世代に限らず、「〇〇世代はこういう人だろう」と決めつけるのはよくありません。あくまで「そのような傾向がある」「そういわれることもある」というだけですので、決めつけたり、思い込んだりしないように注意しましょう。

ただ、人格や価値観というものは、時代背景や周りの環境に影響を受けながら形成されていきますので、職場における世代間のギャップを解消するためには、世代ごとの傾向を知っておくことも大切です。お互いに理解しよう、歩み寄ろうとすることで、世代間のギャップを少しずつ埋めていくことができるでしょう。

【参考】日本の世代区分

世代の分け方や名称は、いろいろなパターンがあります。経済産業省の資料『今後の生活製品の可能性~若者・世代マーケティングの立場から』では、プレッシャー世代にあたる世代は「草食系世代」として紹介されています。同資料で紹介されている日本の世代区分は、以下の通りです。

名称

生まれた年

団塊世代

1946年~1951

シラケ世代

1952年~1958

新人類世代

1959年~1964

真性バブル世代

1965年~1970

団塊ジュニア世代

1971年~1976

ロスジェネ世代

1977年~1981

草食系世代

1982年~1987

ゆとり世代

1988年~1994

Z世代

1995年~2009

出典:今後の生活製品の可能性~若者・世代マーケティングの立場から|経済産業省(PDF)

プレッシャー世代は、「就職氷河期世代とゆとり世代の間の世代」と説明されることもあります。就職氷河期世代に明確な定義はありませんが、就職氷河期(1993年~2005年くらいまで)に学校を卒業して就職活動を行った世代を指します。生まれた年で分けるなら1970年~1982年頃に生まれた世代とされることが多いでしょう。上の表でいうなら、団塊ジュニア世代とロスジェネ世代にあたります。ちなみに「ロスジェネ」とは「ロストジェネレーション(失われた世代)」を略した言葉です。

プレッシャー世代の特徴

ではここからは、プレッシャー世代にはどのような特徴があるのか、詳しく紹介していきます。ただ、先ほどお伝えしたように、プレッシャー世代のすべての人にこれらの特徴が見られるというわけではありません。決めつけてしまわないように注意しましょう。

プレッシャーに強い

プレッシャー世代は、幼いころから大きな震災や事件など、強い衝撃を受ける出来事をいくつも見てきています。そのような時代のなかで、さまざまなプレッシャーをかけられてきたため、プレッシャー世代はプレッシャーに強いといわれています。また、「個人の力ではどうすることもできないこともある」ことを知っているため、予期せぬ事態が発生しても、それを耐え抜いて乗り越える力があるともいわれます。

ただ、この根拠はあまりないのではないかとも考えられています。確かに、プレッシャーに強くなるには、ある程度プレッシャーにさらされることも必要かもしれません。しかし、プレッシャーの感じ方は人それぞれです。同じ環境に置かれても、プレッシャーを感じる人もいれば、感じない人もいます。また、プレッシャー世代の命名者も、「プレッシャーをかけられてきたため、プレッシャーに強い」という考え方は変だったと、後に名称を再考しています。

現実的で無理をしない

団塊世代やバブル世代は、経済が右肩上がりの時代を過ごしてきているため、冒険好きな人が多いといわれています。これに対してプレッシャー世代以降は、考え方が現実的で、無理をしないといわれます。さまざまな出来事を通して、現実は思い通りにならないことを知っているためです。

さらに、就職活動に苦戦する就職氷河期世代の姿を見てきたため、大きな夢を追いかけるよりも、一歩ずつ着実に進めていきたいと考える傾向があるともいわれています。仕事においても、目標やスケジュールは現実的に可能なものとする、自分のペースで一つずつ進めながら確実に成果を上げようとする、リスクを考えて判断を下すなどの特徴があるといわれることもあります。

経済産業省の資料『今後の生活製品の可能性~若者・世代マーケティングの立場から』でも、プレッシャー世代(同資料では「草食系世代」)は、「失敗したくない」という価値観を持っていると紹介されています。

出典:今後の生活製品の可能性~若者・世代マーケティングの立場から|経済産業省(PDF)

横のつながりを大切にする

プレッシャー世代は、仲間と助け合ってみんなで成長したいという気持ちが強いといわれることもあります。横のつながりを大切にする、つまり「協調性がある」と言い換えることができるでしょう。チームワークを大切にできることも、プレッシャー世代が「優秀」といわれる理由の一つではないでしょうか。

そして、助け合いたいと思う一方で、経済産業省の資料『今後の生活製品の可能性~若者・世代マーケティングの立場から』では、この世代は「周りに迷惑をかけたくない」という社会観を持つとも紹介されています。

出典:今後の生活製品の可能性~若者・世代マーケティングの立場から|経済産業省(PDF)

「競争欲」や「出世欲」が強くない

少子化の影響で、プレッシャー世代は団塊ジュニア世代のように人数が多くありません。兄弟・姉妹も、それまでの世代に比べると少なくなっています。また、ゆとり世代の直前であり、「順位をつけるのはやめましょう」といわれ始めた世代でもあります。そのため、「競争欲」や「出世欲」があまり強くないという特徴もあります。

恋愛に関しても、思いを寄せる相手に自分から積極的にアピールするのが苦手であったり、誰かといるよりも一人の時間を充実させたいと考えたりする人が多いともいわれます。

しかし、何に関しても消極的というわけではありません。この世代は、見た目には気を使う傾向があり、おしゃれに対する関心が高い傾向があるともいわれます。プレッシャー世代が自分で消費をするような年齢になった辺りから、メンズコスメ市場の規模も拡大しています。

節約志向

プレッシャー世代は、「物欲」もあまりなく、節約志向の人が多いといわれています。プレッシャー世代はバブルが崩壊した後に社会人となっているので、バブル時代の大人のように、お金を派手に使うことはしない人が多いようです。

消費行動についても、プレッシャー世代はそれまでの世代のように、「モノ」(商品)ではなく、「コト」(旅行、イベント、アトラクションなどの体験)に消費する傾向があるといわれています。消費行動が「モノ」から「コト」重視に変わったのは、「モノ」がいつでも簡単に手に入るようになったことや、ITの普及により顧客体験が重要視されるようになったことなどが影響していると考えられています。

プレッシャー世代以外の「〇〇世代」

最後に、プレッシャー世代の一つ前にあたる就職氷河期世代と、一つ後のゆとり世代、さらに最近話題になることが多いZ世代について、簡単に解説します。

就職氷河期世代

先ほども少し紹介しましたが、就職氷河期世代とは、生まれた年で分けるなら1970年~1982年頃に生まれた世代とされることが多いです。ただ、明確な定義はなく、厚生労働省は、“バブル崩壊後の19902000年代、雇用環境が厳しい時期に就職活動を行い、現在もさまざまな課題に直面している方々”を就職氷河期世代として、さまざまな支援を行っています。

出典:就職氷河期世代の方々への支援のご案内|厚生労働省

「就職氷河期世代」という言葉は、リクルート社が発行する『就職ジャーナル』という雑誌から生まれたもので、1994年には流行語大賞に選ばれています。

バブル崩壊後は、企業が人件費削減のために新卒の採用枠を縮小したことで、正社員になれず非正規で働く若い人が増加し、社会問題となりました。特に1990年代後半〜2000年頃は、「超氷河期」と呼ばれるほど雇用環境が厳しくなっていました。

就職氷河期世代は、このように厳しい状況のなかで就職活動を行った経験があるため、危機意識が高く、真面目な人が多いといわれることがあります。

ゆとり世代

ゆとり世代とは、1988年~1994年に生まれた世代を指します。この世代は、名称からもわかる通り、ゆとり教育を受けてきた世代です。ゆとり教育には、学習内容や授業時間の削減などによって「ゆとり」を持たせることで、子どもの考える力や人間性などを育てる目的がありました。しかし、実際にゆとり教育が始まると、学力低下をはじめとするさまざまな問題が指摘されるようになっていきました。

ゆとり世代は、プレッシャー世代と同じく、バブル崩壊後の経営不振の時代しか知らないため、コスパ(コストパーフォーマンス:費用対効果)重視で、節約志向の人が多いといわれています。また、経済産業省の資料『今後の生活製品の可能性~若者・世代マーケティングの立場から』によると、「無駄なことはしたくない」「社会の役に立ちたい」という価値観・社会観を持つ傾向があることや、ゆとり世代以降はデジタルネイティブであるといった特徴も紹介されています。

出典:今後の生活製品の可能性~若者・世代マーケティングの立場から|経済産業省(PDF)

Z世代

Z世代とは、1995年~2009年に生まれた世代を指す言葉です。ただ、明確な定義はなく、「1990年代後半~2000年代前半生まれの世代」「2000年代生まれの人」とされることもあります。

XYZというようにアルファベットで分けるのは、主にアメリカで使われてきた世代区分ですが、日本にも定着しています。X世代は「1965年~1980年に生まれた世代」、Y世代は「1980年~1994年に生まれた世代」とされることが多いでしょう。日本でいうプレッシャー世代とゆとり世代は、アメリカの世代区分ではY世代に含まれます。

Z世代は、生まれたときからスマートフォンやSNSなどが身近にあるなかで育ってきているため、ゆとり世代以上のデジタルネイティブであり、それまでの世代とは異なる価値観を持っているといわれています。また、以下のような特徴があるといわれることも多いです。

  • コスパだけでなくタイパ(タイムパフォーマンス:時間対効果)も重視する。
  • 「イミ(意味)」に消費する傾向がある(商品やサービスを購入する際に、「社会的・文化的に価値があるか」を重視する)。
  • 社会課題への関心が高い。
  • 失敗やリスクを想定して、対応できるように備えておく傾向がある。

Z世代の特徴については、以下の記事でも詳しく紹介しています。

Z世代の特徴とは?Y世代(ミレニアル世代)との違いも解説

ちなみに、Z世代の次の世代は、α世代(読み方:アルファ・せだい)と呼ばれています。2010年以降生まれの人たちを指す言葉です。α世代も、近年注目度が高まってきています。企業の未来のために、すでにα世代へのマーケティング活動に力を入れ始めている企業も多いようです。

まとめ

1982年〜1987年に生まれた人たちは、大きな震災や衝撃的な事件など、価値観の形成に大きな影響を与えるような出来事を多数見てきています。そのため、さまざまなプレッシャーに耐えてきたのだろうという想像から、人気ブロガーにより「プレッシャー世代」と命名され、その名称が広がっていきました。

本記事でも紹介したように、プレッシャー世代は、「プレッシャーに強い」「現実的で着実に成果を上げることができる」「協調性がある」などの特徴があるといわれることがあります。このような特徴があるために、「プレッシャー世代は優秀」といわれることが多いのではないでしょうか。しかし、今回紹介したような特徴も、すべてのプレッシャー世代に当てはまるわけではありません。根拠に乏しいものもありますし、プレッシャー世代の命名者も、さまざまな意見を受けて、後にプレッシャー世代という名称や考え方を修正しています。

職場の世代間のギャップを埋めるためには、世代ごとの特徴や傾向を知っておくことも大切ですが、「そういわれることもある」程度で覚えておいていただけるとよいのではないでしょうか。

 

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この記事の著者

あらたこまち

雪国生まれ、関西在住のライター・ラジオパーソナリティ・イベントMC。不動産・建設会社の事務職を長年務めたのち、フリーに転身。ラジオパーソナリティーとしては情報番組や洋楽番組を担当。猫と音楽(特にSOUL/FUNK)をこよなく愛し、人生の生きがいとしている。好きな食べ物はトウモロコシ。

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