職場のウェルビーイングを高める方法20選

  • 組織・人材開発

ウェルビーイングとは「幸福、福利、安寧」を指す言葉で、ビジネスシーンでは「社員一人ひとりの幸福」という意味合いで用いられます。この考えが経営においても重要と捉えられ、注目を集めています。

本記事では、ウェルビーイングとは何か、職場のウェルビーイングを高める要素や、高める方法について紹介します

 

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ウェルビーイングとは

ウェルビーイング(wellbeing)とは、「WHO憲章」に出てきた言葉で、幸福、福利、安寧という意味を持つ英単語です

日本語では「(肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが) 満たされた状態」と訳されます

元々福祉や医療などの分野で使われる言葉ですが、ビジネスシーンでも用いられるようになりました。

ビジネスの場では、「社員一人ひとりの幸福」の意味合いで用いられ、それを実現させることで従業員の心身の健康促進や、エンゲージメント・業務パフォーマンスの向上が達成できるでしょう。

ウェルビーイングを高める要素

ウェルビーイングを5つの要素に分け、多面的に考え提唱した「PERMAモデル」があります。以下の要素がウェルビーイングに関わっていると示すモデルで、提唱者の米国心理学博士セリグマンは「持続的幸福感」という言葉で表現しています。

  • ポジティブ感情
  • 何かに没頭する
  • 人との関係
  • (生きていく)意味
  • 達成

これら5つの要素を前提に置くことで、職場のウェルビーイングを高める取り組みを着実に進められるでしょう。

職場のウェルビーイングを高める方法20

ウェルビーイングを高める20の方法を紹介します。

1.残業時間を減らす

残業が多い状況が長く続くと、社員のモチベーションが低下したり、健康被害が発生したりするリスクが考えられます。

上司や経営層は社員一人ひとりの残業をしっかり把握し、必要であればフォローすることで、職場のウェルビーイングを高められます。

たとえばITツールを導入することで業務効率化を図る、残業時間を社員に記録してもらい定期的にミーティングで確認するなどしてモニタリングを行いましょう。

2. メンター制度を導入する

メンター制度とは、経験がある社員が、部下や後輩に対して行う個別支援です。

主に新入社員や若手社員をサポートするために取り入れられ、組織にまだ馴染んでいない社員の悩みや不安をすくいあげることで、離職防止や心理的安全性を高める効果が期待できます。

信頼し合える人間関係を築くことは、職場におけるウェルビーイングにつながります。

また、サポートを受ける側だけでなく、メンターとなる社員にとってもコミュニケーション能力を磨くチャンスとなるでしょう。

3.セルフケアのサポートをする

社員のセルフケアをサポートする仕組みづくりを行うことで、安心して働けるという意識が社員に芽生え、ウェルビーイングが高まります。

たとえば個別の健康面談を実施し、それぞれに必要なセルフケアを提案する方法があります。

社員一人ひとりがコンディションを整えることで作業能率も上がり、結果として仕事に対してポジティブな感情を持てるようになるでしょう。

4.社員の健康づくりへの意識を高める

健康づくりへの意識を高める仕組みを取り入れることで、社員のコンディション向上につながります。若手から中堅にかけて、会社の核となる世代に健康づくりの意識を芽生えさせることは、安定した企業経営の観点からも欠かせません。会社をあげてウォーキングイベントを開催し、一番たくさん歩いた個人、もしくはチームを表彰するイベントの企画や、健康イベントに参加することでポイントを貯め、健康促進グッズと引き換えられる仕組みをつくるなどの方法があります。

社員は自己管理能力を高めるきっかけとなり、その結果ウェルビーイングを高められるでしょう。

5.育児休暇取得を啓発する

育児休暇取得により、仕事と家庭を両立できることで、メリハリや仕事へのやりがいが生まれるため、仕事におけるウェルビーイングが高まります。

2021年の育児・介護休業法の改正後より、男性の育休取得率も向上しています。両親共に育休を取得できることで、育児の負担を夫婦で分け合えるため、社員の健康を守ることにつながります。

6.介護と両立できる環境整備をする

社員に家族の介護と仕事を両立しなければならない者がいた場合、どのような配慮がなされれば働きやすいかを検討する必要があります。

介護休職を希望する者もいれば、在宅勤務や時短勤務などで職場とつながっていたいと考える社員もいるため、個別で面談を行い、希望を聞き出せるとよいでしょう。

会社に気にかけてもらえているという安心感が社員にポジティブな感情を生み、ウェルビーイングを高められます。

7.託児所を整備する

育児と仕事の両立を促進するため、企業内託児所を整備できるとよいでしょう。

保育園に子どもが馴染めず登園が困難といったケースの場合、企業内託児所があることで子どもに近い場所に身を置け、親が働きやすくなります。

また、保育園に空きがないことで、業務に復帰できない社員にとっては、企業内託児所があることで復帰の希望が叶い、ウェルビーイングが高まるでしょう。

8.フレックスタイム制度を導入する

フレックスタイム制とは、一定の期間であらかじめ定められた総労働時間の中で、社員が日々の始業・終業時刻、労働時間を決められる制度です。フレックスタイム制度を導入することで、育児中で保育園の送り迎えがあったり、家族の介護で通勤時間を調整したい事情があったりしても、時間に縛られる必要がなくなります。

社員は日々の都合に合わせて働く時間を決定できるため、働き方の自由度が上がり、ウェルビーイングが高められるでしょう。

9.テレワークを導入する

テレワークとは、情報通信技術を利用し、自宅や移動中、サテライトオフィスなど、場所や時間に捉われない柔軟な働き方を指します。

たとえば、在宅勤務の場合、通勤時間の削減することで身体の疲労軽減や時間の有効活用につながります。働き方の選択肢が広がることで、社員一人ひとりが抱えるストレスを減らし、職場のウェルビーイングを高めることにつながるでしょう。

10. ウェルビーイング研修を実施する

ウェルビーイングとは何か理解できることで、社員一人ひとりが理想とする働き方を描けるようになります。

そのために社員のウェルビーイングへの意識を高めるため、ウェルビーイングそのものを学んだり、ウェルビーイングに関連があるテーマを取り上げたりするウェルビーイング研修を行いましょう。

ウェルビーイング研修の内容は、メンタルヘルス研修やコミュニケーション研修、セクハラ研修など多岐に渡ります。ウェルビーイングは明確な定義がないため、企業で大切にしたいこと、必要と考えることを選択し実施しましょう。

11.チームビルディング研修を行なう

チームビルディングとは、個人の能力や個性を最大限に発揮できる環境をつくり、チームの目標達成を目指す取り組みです。

チームビルディング研修」では、チーム単位でグループワークに取り組むことで信頼関係を築いていきます。良好な人間関係の構築ができることで、ウェルビーイングを高められるでしょう。

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12.リフレッシュ休暇を設ける

福利厚生の一環としてリフレッシュ休暇の導入が効果的です。リフレッシュ休暇とは、有給と別に、年齢や勤続年数に応じて取得できる休暇を指します。

比較的長期間休めることが多く、社員のメンタルヘルス向上の機会となるでしょう。適度なリフレッシュは仕事への意欲を高め、ウェルビーイングの向上が期待できます。

13.従業員サーベイを実施する

サーベイとは「調査」「測定」「測量」の意味を持つ言葉です。従業員サーベイとは満足度調査の一つで、社員がおかれた状況や仕事に対して抱いている心情を、質問への回答という目に見える形に置き換え、組織の改善点を探るために実施します。

質問例として「仕事とプライベートのバランスを取りやすいですか?」「あなたの意見やアイデアは尊重されていますか?」「会社について、どのくらい親しい友人や知人に紹介したいですか?」などが挙げられます。これらの質問をアンケートし、回答を収集します。

現状理解は、課題解決への大切な一歩です。ウェルビーイングをより高めるためには何を解決すべきかを明らかにするために、実施するのがおすすめです。

14.オープンスペースを設置する

ウェルビーイングを高めるには、労働環境の整備が大切です。そこで、仕事を離れて休憩できるようなオープンスペースを、職場に設置するのがおすすめです。

オープンスペースがあることで、休憩と業務をうまく切り替えられ、社員が働きやすい環境を整えられます。オープンスペースには、コーヒーメーカーやソファなどを設置して、くつろぎやすい雰囲気を作ることが大切です。また、部署を超えて社員が集まるため、社員同士の交流が広がり、ウェルビーイングが高まるでしょう。

15.称賛文化を取り入れる

社員同士が互いの活躍を認め合い、称賛したり、感謝を伝え合えたりする社内文化があると、ポジティブな雰囲気が生まれウェルビーイングが高まります。

上司は、部下への評価や、担当業務が会社に与える影響をこまめに伝えるよう意識しましょう。また横のつながりにおいても、感謝や称賛に基づいたコミュニケーションをとれる環境づくりが大切です。

社員が日頃の感謝の気持ちを紙のカードやデジタルメッセージの形式で送り合うサンクスカード制度を導入するのもおすすめです。仲間からの感謝や称賛が可視化されることで、働くうえでの心理的安全性が確立されるため、ウェルビーイングが高まるでしょう。

16.1on1を取り入れる

1on1とは、上司と部下がマンツーマンで定期的に開催する面談を指します。部下の成長支援に主眼が置かれるミーティングであり、評価を下すのではなく部下の抱える悩みを把握し、解決の手助けをすることが目的です。社員は上司に自分の考えが理解されていると実感でき、安心感が生まれます。

また、自分の仕事がどのように評価されているかがわからないまま働いていると、社員はモチベーションを保ちにくくなります。そのため、上司からの定期的なフィードバックを行うことで、上司と部下の意思疎通が図れ、良好な人間関係構築につながるでしょう。

1on1で成果を称賛し、改善方法は共に考え実践することで、社員のパフォーマンスが向上し、ウェルビーイングが高まります。

17.社内イベントを開催する

社内イベントは、業務とは違う形で社員同士の交流を促進する機会になります。アクティビティを介することで打ち解けた雰囲気が生まれ、社員の相互理解を促進でき、ウェルビーイングを高められます。

ウェルビーイングを高めるためにおすすめの社内イベントを紹介します。

社内運動会

社内運動会では、スポーツを通じて社員同士の交流が生まれます。チーム対抗戦で一体感が生まれ、通常業務以上につながりを強化できるでしょう。

また、体を動かすことで気持ちのリフレッシュ効果が期待でき、結果として社員がポジティブな気持ちで仕事に臨む機会になります。

久々に体を動かしてスポーツの楽しさを認識したり、運動不足を実感したりすることで、社員は健康づくりにも目を向けることができるでしょう。

ファミリーデー

職場に社員の家族を招いたり、アクティビティを行ったりするファミリーデーも、ウェルビーイングを高める社内イベントに最適です。社員の家族に仕事や職場への理解を深めてもらうとともに、社員同士が交流を深める機会となります。

同僚同士が家族を含めた相手を理解することで、一人ひとりに配慮する働きやすい職場をつくる雰囲気を醸成でき、ウェルビーイングを高められるでしょう。

瞑想イベント

社員の心身を整えるイベントとして「瞑想」をともに行うイベント開催も一案です。瞑想とは、目を閉じて落ち着いて物事を考えることを指し、ストレスマネジメントやセルフマネジメントを目的に取り入れられます。イベント内容としては、瞑想法を学ぶ講演やその実践が挙げられます。

過去の思考や感情に捉われず、気持ちをコントロールできるようになることで、仕事へのコンディションを整えられるようになり、ウェルビーイングも高まるでしょう。

18.キャリアパスを明確にする

キャリアパスとは、社内で目標達成するための道筋を指します。「1年後にはこの仕事をしたい」「3年後には指導役のポジションに就きたい」などの目標が挙げられます。

自社で歩めるキャリアパスを明確化することで、社員が目標を持ちやすくなり、ウェルビーイングが高まります。

企業にとっては意欲的に成長できる人材の育成につながり、企業力を高められるでしょう。

19.スキル開発の機会を増やす

社員が選択して取り組めるスキル開発プログラムを充実させることで、思い描く自己の実現をサポート可能です。充実した福利厚生は、職場への満足度を向上させます。

具体的には、会社でeラーニングを契約したり、書籍購入を補助したりする方法が挙げられます。社員は金銭面での負担が減り、成長意欲を保ちやすくなることもメリットです。

成長をサポートしてもらえるという安心感から、職場のウェルビーイングを高められるでしょう。

20. ロールモデルの提示をする

会社で評価されるロールモデルを提示することで、社員一人ひとりが目指すべき目標を認識できます。ロールモデルの提示の方法としては、社内表彰式の開催のほか、社内報の作成が挙げられます。

ゴールである目標が理解できると努力しやすくなり、目標を達成する成功体験がウェルビーイングの向上につながるでしょう。

まとめ

ウェルビーイングは元々福祉や医療分野の言葉でしたが、現在はその概念が広く注目を集めています。ビジネスの場では「社員一人ひとりの幸福の実現」という意味で用いられ、従業員の心身の健康促進や、エンゲージメント・業務パフォーマンスを向上させるために重要です。

職場のウェルビーイングを高める方法を多角的に捉え、働きやすい労働環境を実現させましょう。

 

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

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