グループワークに謎解きを導入する効果・実施方法・企画例を解説

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この記事の監修者
友水 一喜
株式会社IKUSA
あそぶ社員研修事業部 責任者

謎解き脱出ゲームとは、暗号や問題をひらめきで解く「謎解き」と、閉じ込められた空間から抜け出すために知恵を絞る「脱出ゲーム」を合わせたゲームです。適度に頭を使ううえ、チームワークが求められるゲームなので、いまどきのチームビルディングとして注目を集めています。

本記事では、謎解き脱出ゲームの概要、グループワークに謎解きを導入することで得られる効果、実施する際のポイント、企画例を紹介します

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謎解き脱出ゲームとは

謎解き脱出ゲームとは、暗号や問題をひらめきで解く「謎解き」と、閉じ込められた空間から抜け出すために知恵を絞る「脱出ゲーム」を合わせたゲームです。脱出ゲームの知恵を絞る部分に謎解きが入ることがあるため、脱出ゲームも謎解きの一種といえるかもしれません。

細かなルールは実施される謎解き脱出ゲームの種類によりますが、屋内で行われる場合はチームの人数が決まっていたり、制限時間が設けられたりするのが一般的です。

謎解き脱出ゲームではチームで協力することが求められ、コミュニケーションが促進されるためチームビルディング研修に適しています。また、ゲーミフィケーションの効果により主体性が高まるため、研修により学びを深めることにもつながります。

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なお、ゲーミフィケーションについては以下の記事で詳しく紹介しています。

関連記事:ゲーミフィケーションとは?6つの要素・研修に導入するメリット・事例を解説

謎解き脱出ゲームのプレイ形式

謎解き脱出ゲームのプレイ形式は、大きく「リアル」「オンライン」の2つに分かれます。それぞれのプレイ形式を計5つ紹介します。

【リアル】テーブル型

テーブル型は、卓上で行う謎解き脱出ゲームです。チームの全員が1つのテーブルを囲んで着席できれば実施することができるため、研修の一部として行うのに最も適した形式といえます。

なお、テーブル型の謎解き脱出ゲームは、コミュニケーション研修に取り入れられています。謎解き脱出ゲームを通じて主体性を高め、振り返りを行ってから講義やワークを行うことで、社会人に必須となるコミュニケーションの基礎を学び、翌日からの業務で活用することができます。

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【リアル】ルーム型

ルーム型は、小さめの部屋に閉じ込められる設定の謎解き脱出ゲームです。空間が狭いため、謎解きや脱出のヒントとなるものを隠す場所が肝となります。210人程度で行うのに適したプレイ形式です。どちらかといえば、個人や数人のグループで謎解きに挑む遊び方になるでしょう。

【リアル】ホール型

ホール型は、ルーム型のときより大きな会場を使い、そこで複数のチームに分かれて行うタイプの謎解き脱出ゲームです。複数のチームで行うため、謎解きや脱出だけでなくタイムアタックの要素も加わります。グループワークに結びつきやすいプレイ形式です。

【オンライン】Web

Web型は、専用のキットを購入しなくても、パソコンなどのデバイスから専用のWebにアクセスすることで遊べる謎解き脱出ゲームです24時間いつでも遊べるので、企業のグループワークとしても時間の都合をつけやすいプレイ形式といえます。

【オンライン】キット型

キット型は、専用のキットを購入し、自宅で行うタイプの謎解き脱出ゲームです1人で行うものだけでなく、複数人のグループで行うタイプのキットもあるため、企業のグループワークにも活用できるでしょう。

謎解き脱出ゲームをグループワークに導入する効果

謎解き脱出ゲームを企業のグループワークに導入することには、さまざまな効果が期待できます。ここでは、そのうち4つをピックアップして紹介します。

受講者の主体的が高まる

謎解き脱出ゲームの多くには、「どこに閉じ込められているのか」をテーマにしたストーリーが設定されています。ストーリーに沿っていけば自然にチームビルディングができるように構成されているため、こういったゲームに不慣れな人でも参加しやすくなっています。

一般的なチームビルディング研修では、座学で講義を受けたり、グループでディスカッションをしたりすることがありますが、集中力が続かなかったり、自分から話すのが苦手だったりする人には効果は出にくいでしょう。その点、ストーリー性のある謎解き脱出ゲームであれば、モチベーションを維持しつつ、自然な形でグループワークに取り組むことができます。

チームワークが高められる

謎解き脱出ゲームは、「謎を解いて脱出する」という共通の目的が設定されています。チームメンバー全員が同じ目的に向かって行動することで、知らず知らずのうちに連帯感がうまれてきます。また、謎を解くためのヒントを分担して集めたり、集めたヒントからそれぞれが謎解きのためのアイデアを出したり、誰かがリーダーとなって意見をまとめたりと、チーム内でのコミュニケーションも活性化します。

スムーズな役割分担や自分の意見をチームメンバーに伝えるプレゼン力、リーダーシップなどは、仕事でチームを組む際にも重要なスキルとなるでしょう。

新たな発見やものの見方に触れられる

謎解き脱出ゲームでは知識ではなくひらめきでもって暗号や問題を解くケースが多いため、参加者は多角的に物事を見て考える経験を自然と積むことができます。また、集めたヒントをもとにチーム内で意見交換をする際、自分とはまったく違ったものの見方をする人の意見に触れることもあるでしょう。

そうした体験をくり返すことで、次第に視野も広がっていきます。多角的な視点や広い視野を持てれば、新たなビジネスアイデアを思いついたり、トラブルを逆転の発想で自社の利益に変えたりといったこともできるようになるでしょう。それはやがて、企業全体の生産性や業績のアップにつながります。

印象的な体験となって人間関係構築に役立つ

チームメンバーで力を合わせて謎を解き、脱出に成功したという体験は、日頃の生活のなかでなかなか得られるものではありません。その貴重な成功体験はビジネスシーンでも生かすことができます。たとえば、達成困難なプロジェクトをチームで任されたときでも、この成功体験があれば、諦めずに挑み続けることができるでしょう。

なお、仮に脱出に失敗したとしても、チームメンバーと力を合わせていろいろな挑戦をしたという事実は消えません。謎を解くためにさまざまな人とコミュニケーションを取り、さまざまなものの見方に触れたことは印象的な体験となり、今後の社内で良好な人間関係を構築するために活かせるはずです。

謎解き脱出ゲームを導入する際のポイント

グループワークとして導入することでさまざまな効果が期待できる謎解き脱出ゲームですが、実際に取り入れる際にはいくつか押さえておくべきポイントがあります。

ゲームの内容を確認する

ひと口に謎解き脱出ゲームといっても、そのテーマやルール、進行の流れはそれぞれ異なります。なかには個人で楽しむタイプのものもあります。そのため、企業のグループワークとして導入するのであれば、チームワークを高めたり、コミュニケーションを活性化させたりするのに適した内容であるかは必ずチェックしておきましょう。

メンバー全員が参加できているか確認する

実際に謎解き脱出ゲームが始まってからも、主催者側が目を配るべきことがあります。先述のとおり、基本的には謎解き脱出ゲームは参加者が主体的に行動できるように構成されていますが、なかには組んだチームになじめず、積極的なコミュニケーションを取れないでいる人がいるかもしれません。

それではチームメンバー全員で印象的な体験を共有することができなくなるため、ゲームに参加できていない参加者がいた場合は、そのチームに声をかけてメンバーの役割を明確に振り分けるなどの対応をしたほうがよいでしょう。

ゲームを行う目的を参加者に周知させる

多くの謎解き脱出ゲームにはストーリーがあり、参加者は練り込まれたストーリーを楽しみながら自然な流れでチームビルディングを成していきます。しかし、ゲームを取り入れたグループワークにありがちなのが、「ゲームが楽しかった」というだけで終わってしまうことです。

肝心の「チームビルディング」という目的が放り出されてしまっては意味がないため、謎解き脱出ゲームを始める前に、何のためにこのゲームを行うのかを参加者に伝える時間を設けるようにしましょう。

グループワーク向け謎解き脱出ゲーム3選

グループワークに謎解き脱出ゲームを取り入れることにはメリットがるとわかっていても、一体どれを採用すればよいのかと悩んでいる方もいるでしょう。ここでは、企業のグループワークに適した謎解き脱出ゲームを3つ紹介します。

ある会議室からの脱出

「ある会議室からの脱出」は、参加者自身が物語の主人公となり、制限時間内に謎を解いてストーリーのクリアを目指すゲームです。会議室のように狭いスペースでもできるうえ、ニーズによって謎解きの難易度を調整できるので、自社の環境に合ったゲームを楽しめます。

この「ある会議室からの脱出」はどちらかといえば初心者向けなので、これまで謎解きをしたことがない方でも挑みやすいでしょう。

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混乱する捜査会議からの脱出

「混乱する捜査会議からの脱出」とは、チームで協力してさまざまな証拠品や証言を集め、それらを分析して事件の真相を導き出す体験型推理ゲームです。謎解きはひらめきというよりは論理的思考が試される内容ですが、それでも深い知識などは必要ないため、謎解き初心者でも取り組みやすいでしょう。

プランなどはありませんが、10200人程度に対応できるため、特に参加者の人数が多い企業に適した謎解き脱出ゲームといえます。

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まとめ

謎解き脱出ゲームは、ひらめきで暗号や問題を解き、そこで得たヒントをもとに閉じ込められた空間からの脱出を図るゲームです。謎を解くには、チームメンバーで役割を分担したり、意見を出し合ったりする必要があることから、いまどきのチームビルディングとしてグループワークに取り入れている企業もあります。

細かなルールや流れは実施する謎解き脱出ゲームによって異なりますが、チームメンバーと力を合わせて謎を解いて脱出したという成功体験は、チームワークや良好な人間関係の形成に役立ちます。

 

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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2.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。

学びのポイント

  • 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
  • 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

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3.戦略思考研修

戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。

学びのポイント

  • 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
  • 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる

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4.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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5.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる

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6.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。

学びのポイント

  • 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
  • フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
  • 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

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7.リーダーシップ研修

リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。

学びのポイント

  • メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
  • 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる

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8.ビジネスマナー研修

ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。

学びのポイント

  • 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
  • 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる

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9.防災研修

防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
  • 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ

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10.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

  • 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
  • ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

あそぶ社員研修は、企業の研修担当者向けのお役立ち情報を発信するメディアです。研修に関するノウハウ、組織・人材開発の手法、ビジネススキルなどをわかりやすく紹介します。

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