ゲーミフィケーション(ゲーム学習)とは?6つの要素、企業研修に導入するメリットや事例を紹介

2024.01.30
  • 学習法
    • ゲーミフィケーション

「社員の学習に対するモチベーションを高めたい」「もっと効果的な研修を実施したい」などというお悩みを抱えているなら、「ゲーミフィケーション」という手法を取り入れてみてはいかがでしょうか。

学校教育やマーケティングにも活用されているものですが、ゲーム学習としてのゲーミフィケーションについて、わかりやすく解説していきます。

本記事では、ゲーミフィケーションを構成する6つの要素、ゲーマータイプの分析に役立つバートルテスト、企業研修にゲーミフィケーションを取り入れるメリット、研修の事例を紹介します

 

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ゲーミフィケーション(ゲーム学習)とは

ゲーミフィケーションとは、ゲームの考え方やデザインなどをビジネスや社会活動に利用して、ポジティブな変化を生み出そうとすることです

ゲーミフィケーションという言葉は、2011年にゲームデザイナーのジェーン・マクゴニガル博士が発表した著書『Reality Is Broken: Why Games Make Us Better and How They Can Change the World』において登場したものです。この日本語版である『幸せな未来は「ゲーム」が創る』(早川書房、2011年)と、井上明人氏の著書『ゲーミフィケーション』(NHK出版、2012年)により、日本でもゲーミフィケーションという概念が知られるようになりました。

ゲーミフィケーションは、学校教育や人材育成においてはモチベーションや学習効果を向上させる手法として、マーケティングにおいては認知度や売上アップの手法として活用されています。

本記事では、企業の人事担当者様に向けて、ゲーム学習としてのゲーミフィケーションを詳しく解説していきます。

ゲーミフィケーションの6つの要素

ゲーミフィケーションデザイナーの岸本好弘氏は、長年に渡るゲームデザイナーとしての経験から、ゲーミフィケーションの6つの要素を導き出しています。

  1. 能動的参加
  2. 称賛演出
  3. 成長の可視化
  4. 達成可能な目標
  5. 即時フィードバック
  6. 自己実現

参考:遊びと学び研究所 岸本 好弘 -もっと楽しく学べる未来を創る

人材育成にゲーミフィケーションを取り入れるなら、この6つの要素を意識することで、育成対象者の学習に対するモチベーションを高めることができるでしょう。学びに積極的になってもらうことで、学習効果の向上も期待できます。では、各要素を1つずつ詳しく見ていきます。

1.能動的参加

「能動的参加」とは、対象者が自分から学びに参加することを意味します。ゲームは、自分が「やりたい」と思ったときに始められ、止めたくなったらいつでも止められます。また、初級・中級・上級というように、難易度もプレイヤー自身が選べるものが多いです。

研修を設計するときも、「ゲームのように楽しく取り組んでもらうにはどうすれば良いか」を考え、プログラムを工夫してみてください。

2.称賛演出

「称賛演出」とは、対象者が良い結果を出したときに、それを称えることです。たとえばゲームであれば、ステージをクリアしたときに、キャラクターが喜ぶ、花火が上がるなどの映像が流れることがあります。このような演出により、プレイヤーは「自分が出した結果が認められた」と感じ、次に向けて活動を継続していこうという気持ちが湧いてくるのです。

普段の仕事のなかでも、社員が成果を出したら、わかりやすく「褒める」ことを意識してみましょう。

3.成長の可視化

「成長の可視化」とは、対象者の成長を「見える化」することです。ゲームであれば、課題をクリアするごとにレベルが上がったり、さらに一定のレベルに達したらキャラクターが進化したりすることがあります。このような目に見える変化があることで、プレイヤーは小さな達成感を得ることができ、自分に自信も持てます。

仕事でいうならば、売上や契約件数といった成果を数値化して共有しておくことで、社員は自分の成長度合いを確認できます。

4.達成可能な目標

「達成可能な目標」とは、対象者が努力すれば達成できる程度の目標を与えることを意味します。たとえば、ロールプレイングゲームの場合、最初から強すぎる敵が出てくることはほとんどありません。主人公が「ちょっと頑張れば倒せる」くらいの敵が段階的に出てくることが多いです。

人材育成においても、いきなり高すぎる目標を与えると、社員は挑戦することを諦めてしまうかもしれません。最終目標までにいくつか中間目標を設けて、社員が努力次第で達成できるレベルの目標を段階的に与えることで、「挑戦してみよう」「自分ならできそうだ」というポジティブな気持ちを引き出すことができるでしょう。

5.即時フィードバック

「即時フィードバック」とは、対象者のアクションに対してすぐに反応や結果を返すことを意味します。ゲームであれば、Aボタンを押せばキャラクターがジャンプする、Bボタンを押せばビームが出るなどのように、操作に対する反応がすぐに返ってきます。これにより、プレイヤーは快感と安心感が得られるのです。

普段の仕事のなかでも、社員の行動や選択に対して、できるだけ早く反応を返すことを意識してみましょう。

6.自己実現

「自己実現」とは、対象者が自分なりに工夫して目標をクリアできるようにすることです。ゲームによっては、攻略法が複数ある場合があります。王道の攻略法ではなく、裏技や、他の人とは違うやり方で目標を達成することで、快感や満足感が得られるのです。

仕事においても、自分が工夫したことが良い結果につながったり、周りに評価されたりすると、社員は満足感を得られ、自尊心も高まります。普段からできるだけ、社員が自分の個性や能力を生かせるような雰囲気づくりを心がけてみましょう。

バートルテストによる4つのゲーマータイプ

同じゲームでも、「どのように楽しみたいか」「何に喜びを感じるか」は、人によって違います。「バートルテスト」は、ゲーム研究者のリチャード・バートル氏が考案した、ゲーマータイプを分析する手法です。「バートルテスト」では、プレイヤーのタイプを以下の4つに分類しています。

  1. アチーバー
  2. エクスプローラー
  3. ソーシャライザー
  4. キラー

人材育成にゲーミフィケーションを取り入れるなら、まずは育成対象の社員がどのタイプに属するかを分析してみましょう。

1.アチーバー

アチーバーは、レベルが上がる、アイテムをすべて獲得するなど、目標を達成することに喜びを感じるタイプです。単独行動を好み、ゲームそのものを楽しむという特徴があります。

このタイプは、難易度が高い問題や、強い敵にも積極的に挑戦しようとします。アチーバーの社員に対しては、成果に対して報酬や特典を与えるといったアプローチが効果的です。

2.エクスプローラー

エクスプローラーは、目標達成よりも、隠しステージやレアアイテムを見つけることに喜びを感じるタイプです。さらにそれらを、他のプレイヤーと共有したいと思っています。アチーバーと同じくゲームそのものを楽しむタイプですが、エクスプローラーはアチーバーと違って集団行動を好みます。

このタイプは、新しい発見を求める傾向があります。エクスプローラーの社員に対しては、新しい業務や役割に挑戦させるといったアプローチが効果的です

3.ソーシャライザー

ソーシャライザーは、他のプレイヤーとコミュニケーションをとることに喜びを感じるタイプです。集団行動を好み、ゲームの内容よりも、他のプレイヤーとの交流を楽しみます

このタイプは、人から頼られるのが好きで、仕事においても人間関係やチームワークを重視します。ソーシャライザーの社員に対しては、研修でグループワークを実施するなど、他者との交流を促すようなアプローチが効果的です。

4.キラー

キラーは、他のプレイヤーと競争するのが好きで、自分が一番になることに喜びを感じるタイプです。ゲームの内容よりも、他のプレイヤーに対する関心が高く、単独行動を好むという特徴があります。

キラーの社員に対しては、営業成績をランキング形式で発表するなど、自分の位置を確認できるような仕組みを取り入れるのが効果的です。

企業研修にゲーミフィケーションを取り入れるメリット

最近は、講義をただ聞くだけでなく、アクティビティやスポーツなど、ゲームの要素をプラスした研修を実施する企業も増えています。ここからは、企業研修にゲーミフィケーションを取り入れることで、どのようなメリットがあるのかを紹介します。

受講者のモチベーションと集中力が向上する

研修にゲームの要素を取り入れることで、受講者のモチベーションと集中力の向上が期待できます

たとえば、いきなり本題に入るのではなく、まずアイスブレイクとして簡単なゲームを実施すると、緊張がほぐれ、受講者は学びに入っていきやすくなります。また、長時間人の話を集中して聞き続けるというのは、なかなか難しいものです。座りっぱなしだと、身体も痛くなってきます。自分が発言したり、身体を動かしたりするプログラムがあることで、受講者は研修の間、集中力を維持しやすくなるでしょう。

また、ゲームのようにわかりやすいゴールを設定して、アクションに対する反応もすぐに返してあげることで、受講者は学習に没頭できます。ゲームにストーリーがあると、より深く没頭できるようになり、モチベーションも高まるといわれているので、研修にビジネスゲームなどを取り入れるなら、ストーリー性のあるものがおすすめです。

短時間で「体験」を積み重ねられる

現実の世界では、選択を誤れば損失につながることもあります。そのため、「恐くて挑戦できない」ということもあるかもしれませんが、ゲームであれば、失敗を恐れずに色々な方法を試すことができます。また、ゲームは1つのアクションに対する結果をすぐに確認できます。短時間で成功体験と失敗体験をどんどん積み重ねることができるので、多くの学びが得られるのです

また、ゲームによっては、クリアするために複数の要素を同時に考えなければならないものもあります。各要素の関係性や全体の構造を理解する、全体を把握したうえで判断するといった力を養うこともできるでしょう。

ラーニングピラミッドとは

ラーニングピラミッドとは、学習方法ごとの学習定着率を、ピラミッド型の図で表したものです。これによると、学習定着率は、「講義」が5%、「読書」が10%、「視聴覚」が20%、「デモンストレーション」が30%、「グループ討議」が50%、「自ら体験する」が75%、「他の人に教える」が90%となっています。

つまり、講義を聞いたり、本や資料を読んだりするだけよりも、意見交換をしたり、何かをやってみたり、自分が学んだことを他の人に教えたりといった、何かしらの「体験」があることで、学びが定着しやすくなるといわれているのです(※ただ、根拠の乏しさは指摘されていますので、あくまで参考としてとらえるのが適切です)。

社内コミュニケーションが活性化する

研修にゲームの要素を取り入れることで、受講者の間に自然にコミュニケーションが生まれます一緒に働いているメンバーの、いつもとは違う一面が見えることもあるかもしれません。相互理解が深まり、普段の仕事においても、よりスムーズにコミュニケーションがとれるようになるといった効果が期待できます。

また、複数人で取り組むビジネスゲームなどを実施すれば、チームビルディングにもつながるでしょう。

安全な環境で学べる

安全性の面から、現実の世界では実施するのが難しいこともあります。たとえば、飛行機や車、重機の操縦などです。このようなスキルを身につけてもらいたいときも、シミュレーションゲームを取り入れることで、安全な環境のなかで体験しながら学んでもらうことができます

また、現実の世界だと、失敗すれば怪我や損失につながるリスクがあるため、不安から集中できないということもあるでしょう。安全な環境のなかだからこそ、受講者は学習に集中できます。また、ゲームであれば繰り返し学習できるので、効率的にスキルを身につけてもらうことができるでしょう。

ゲーミフィケーションを取り入れた研修の事例

株式会社IKUSAは、ゲーム学習とアクティブラーニングを組み合わせた「あそぶ社員研修」を提供しています。あそび(ゲーム)の要素を取り入れたアクティビティと、関連する座学・グループワークが一体になった独自の研修です。たとえば、次のような研修があります。

PDCA研修

ビジネスの基本的なフレームワーク「PDCAサイクル」を学ぶ研修ですPDCA研修には、「ロケットPDCA」というアクティビティを取り入れています。チームで協力して、ロケットの部品の購入、部品のテスト、打ち上げテストなどを行い、制限時間内に打ち上げ成功につながるパターンを見つけるというものです。

まずは、アクティビティで「PDCAサイクル回す」という体験をしていただき、その後、講義・グループワークで行動計画の作り方やPDCAサイクルの活用法を学びます。そして最後に、チームで研修全体を振り返るという流れで進められます。

【研修の概要】

  • 研修時間:7時間 ※調整可能
  • 対象:新入社員、若手社員
  • 人数:1250
  • 形態:リアル研修(オンライン不可)

実施いただいた企業からは、「PDCAの流れを体系的に学ぶ機会を得られた」「普段の業務で役立つポイントを身につけることができた」などのお声をいただいています。

OODA LOOP研修

迅速な意思決定を行うためのフレームワーク「OODA LOOP」を学ぶ研修ですOODA LOOP研修では、スポンジの刀で相手の腕についたボールを落とし合う「チャンバラ合戦」と、サバイバルゲームを取り入れたIKUSA独自の研修「サバ研」の2つから、好きなアクティビティ研修をお選びいただけます。

OODA LOOP研修は、まずはアクティビティのレクチャーから始まります。その後、OODA LOOPに関する講義・グループワークを行い、OODA LOOPの知識を身につけていただいたうえでアクティビティ研修を実施し、最後に振り返り・まとめという流れで進められます。

【研修の概要】

  • 研修時間:68時間 ※調整可能
  • 対象:内定者、新入社員、若手社員、中堅社員
  • 人数:1250
  • 形態:リアル研修(オンライン不可)

実施いただいた企業からは、「迅速な意思決定と行動の必要性を、身をもって感じられた」「スタッフによりしっかり安全管理がされていたので、安心して参加できた」などのお声をいただいています。

まとめ

人材育成にゲームの要素を取り入れることで、社員の成長意欲を高めることができ、研修においては学習効果の向上も期待できます。また、短時間で多くの体験を積み重ねることができるため学習が定着しやすくなることや、社内コミュニケーション活性化、チームビルディングにつながるといったメリットもあります。

社会のめまぐるしい変化に対応するため、人材育成の重要性が高まっています。優秀な人材を育成するために、ぜひゲーミフィケーションを活用してみてください。

 

アイスブレイクとアクティビティでコミュニケーションを促進させる「あそぶ社員研修」は、受講者全員の主体性を高め、置いていかれる社員を作らない研修プログラムです。講義による学びの定着を促し、翌日からの業務に役立てることができます。

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この記事の著者

あらたこまち

雪国生まれ、関西在住のライター・ラジオパーソナリティ・イベントMC。
不動産・建設会社の事務職を長年務めたのち、フリーに転身。ラジオパーソナリティーとしては情報番組や洋楽番組を担当。
猫と音楽(特にSOUL/FUNK)をこよなく愛し、人生の生きがいとしている。好きな食べ物はトウモロコシ。

あらたこまち

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