グループワークの役割とは?種類・特徴・上手な分担方法を解説

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グループワークは、採用試験や社内研修によく取り入れられている手法です。

実際の業務に必要な能力を評価・育成できるので、導入を検討している人事担当者の方も多いのではないでしょうか。グループワークを成功させる重要なカギとなるのが、グループ内での役割分担です。

役割を決めておくことで、議論をスムーズに進行することができます。具体的にどのような役割があり、それぞれどんな特徴があるのかをしっかり把握しておきましょう。

本記事では、グループワークでの役割について詳しく解説します

 

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グループワークは役割分担が重要

グループワークとは、対象者を数人程度のグループに分けて、話し合いをまとめて、時間制限内に何らかの成果物を出してもらうプログラムです。個人の思考パターンの発見やスキルの向上のみならず、集団としての課題発見、その解決力の強化につながることがあります。

グループワークのメリットは、限られた時間のなか、集団の中で個人がどんなふうに振る舞い、どんな結論を出すのかを観察できる点です。普通の面接ではわからない、素に近い面が見られることから、採用選考やインターシップ、社内研修の際にグループワークを実施する企業が増えてきました。

しかし、メンバーが制限時間内にワークを終わらせて成果に至るには、やはり時間管理が重要です。時間を最大限有効活用してもらい、効果的な評価・育成につなげるためにも、メンバーが役割分担をしてなるべく無駄なく話を進めてもらう必要があります。

役割が明確になることで、メンバーは自分の立場を理解し、担当者はそれぞれが役割を全うできるかを見ることができます。役割分担が明確でないと、何となくさまざまな意見が出るだけで、結論までたどり着かないかもしれません。また、ワークにうまく参加できず、何もしないまま終わってしまう人が出てくる可能性もあります。話し合いをスムーズに進め、ワークを成功させるためにも、役割分担はしっかり決めましょう。

 

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グループワークの進め方

役割分担を考える前に、まずはグループワークの進め方を把握しておきましょう。グループワークでは、ディスカッションそのものだけではなく、グループ内での議論を経て完成した成果物への評価も重要です。制限時間の目安は30~45分程度で、短い時間内にグループ全員で一つの結論を導き出し、発表までこなしてもらわなければなりません。いかに段取りよく進められるかが、成功のカギになります。一人ひとりが自分の持ち味を発揮できるよう、タイムスケジュールをしっかり組んで、ワークの時間が削られないようにしましょう。

以下のような流れで進めていくのが一般的です。

テーマとルールの説明

グループワークとはいったいどんなものなのか、何のために行われるのかがわからないと、参加者は戸惑ってしまいます。グループワークを実施する際は、しっかり説明することが大切です。企業の狙いや目的を明確にし、それに合ったテーマを提示することで、参加者のワークに対する姿勢も前向きになります。

ルールの説明では、グループワークを実施する時間、ディスカッション後の発表形式、注意事項などをわかりやすく伝えましょう

自己紹介

参加者に簡単な自己紹介をしてもらいます。自己紹介してもらうことで、その人の個性や人物像をざっくりと掴めるでしょう。初対面の人同士や会議の場におけるぎこちない空気を緩和し、その後のコミュニケーションをスムーズにする効果が期待できます

役割分担

グループワークは、ファシリテーター、タイムキーパー、書記などの役割分担が重要です。担当者が決めるのではなく、自分たちで話し合って決めてもらいます。役割決めで時間をかけすぎないように注意しましょう。

ワークスタート

役割分担が決まったら、いよいよワークのスタートです。グループ全員で議論し、意見やアイデアを出し合ってもらいます。グループワークにおける参加者の言動を観察することで、面接などではわからないその人の個性や人柄を可視化し、主体性やコミュニケーション力、協調性などを評価することが可能です

まとめ

ディスカッションが終わったら、グループとして出した一つの答えを成果物としてまとめてもらいます。集団で成果を上げることの、楽しさ・難しさを体感してもらえるでしょう。成果物のクオリティーだけでなく、そこに至るまでのプロセスも評価のポイントです

発表

最後は全員の前で、グループごとにまとめた成果物やプレゼンを発表します。発表終了後、各グループへのフィードバックを行い、順位を決めます。フィードバックでは、良かった点、改善すべき点を客観的な視点で伝えること大切です

グループワークの進め方については、以下の記事で詳しく紹介しています。

グループワークの進め方や効果的に進めるポイントを解説

グループワークで決めるべき役割は?

グループワークでは、主に以下の役割があります。

  • ファシリテーター(司会)
  • 書記
  • タイムキーパー
  • 発表者

基本的には、上記の4つの役割さえ決めてしまえば、進行上の問題はありません。グループワークは複数人で行われるので、4人以上の場合、役割のない人も出てきます。しかし「役割なし」だからこそ、アイデア出しや司会のサポート役に徹することができます。最も目立つのは司会役ですが、どの役割も同じように大切な要素であることは変わりありません。メンバーそれぞれが自分の役割をしっかりと理解し、適切な行動を示しているかどうかが重視したいポイントです。

ファシリテーター(司会)の役割と求められる能力

ファシリテーターは、論議を効率的に進めたり、意見を整理したりする係です。いわゆる「仕切り役」と思われがちですが、あくまでも進行役であってリーダーではありません。ディスカッションを活性化させるためにメンバーが発言しやすい環境を整えて、生産性のある議論を導き出す役割を担います。周囲に細やかな気遣いができる人、リーダーシップのある人に向いています。

求められる能力

全体を俯瞰する力

俯瞰力とは、鳥が上空から地上を見下ろすように、より広い視野を持って物事や状況を眺め、全体像を読み取る力です。ファシリテーターはさまざまな役割の人に気を配りながらも、常に全体を俯瞰し、最終的にゴールに導く役割があります。「◯◯という観点もいいですが、◯◯という観点からの意見はどうですか?」など議論の不足を指摘するのもファシリテーターの役目です。

傾聴力

メンバーの意見をまんべんなく聞き入れる「傾聴力」は、ファシリテーターにとって重要なスキルの一つです。頷きや相槌を交え、共感しながら相手の話を聞くことで、話しやすい雰囲気を作ることができます。

臨機応変な対応力

ファシリテーターは、さまざまな状況に応じて、臨機応変に立ち回ることが求められます。メンバーの反応に合わせて、別の角度から問いかけるなど、ケースバイケースで柔軟に対応する力が必要です

要約力

議論を効率的に進めるうえで重要なのが、さまざまな意見やアイデアを整理してまとめる「要約力」です。「ここまでの結論は◯◯ということでいいですか?」など、出された意見をまとめる力を評価することができます。

タイムキーパーの役割と求められる能力

タイムキーパーは、時間を管理する役割です。時間配分を考え、決められたスケジュールどおりに議論が進むよう、メンバーに働きかけます。ディスカッションが白熱すると、つい時間を忘れてしまいがちです。そうした事態を避けるために、タイムキーパーが周りのメンバーに時間を意識させなければなりません。「議論中で申し訳ないのですが、残り○分なのでそろそろ結論を出しましょう」というように、メンバーの会話を遮って発言することも時には必要です。この役割は、積極的な発言は苦手でも、先読みした行動が得意な人に向いています。時間管理をしながら、自分の意見も主張できているかが評価ポイントといえるでしょう。

求められる能力

時間管理スキル

決められた時間内に結論を出せるよう、時間配分に気をつけながら議論を進行させるのが、タイムキーパー必須のスキルです。残り時間から次の動きを考え、指示する力が求められます。

臨機応変な調整力

グループワークでは、なかなか議論がまとまらず、発表する時間が足りなくなることもよくあります。不測の事態に備えて、バッファ時間(余白)を設け、「意見出しが◯分オーバーしたので、次の課題特定の時間を◯分までに変更します」など、時間変更に柔軟に対応する必要があります

書記の役割と求められる能力

メンバーの意見や議論の要点をまとめて、メンバーへ共有する係です。議論の終了後、書記の書いた議事録をもとに発表や振り返りを行うので、グループへの貢献度の高い役割といえるでしょう。全員が見やすい議事録を作成するために、傾向が同じ意見をまとめる、対立点を書き出す、議論がずれないよう論点を目立つように書いておくといった工夫が重要です。全体を俯瞰できる人や発言が苦手な人、文章を要約したりまとめたりすることが得意な人が書記に向いています。ただし、タイムキーパーと同様に、書記をしながらもしっかり発言をしているかどうかが評価のポイントになります。

求められる能力

文章構成力

文章構成力は、読み手にとってわかりやすい文章を書く能力です。プレゼンや振り返りの際に活用できるよう、正しく丁寧で、誰がどのタイミングで見ても理解できる表現が求められます。

ヒアリング力

グループワークにおいて、聞く力=ヒアリング力は重要です。書記には、より高度なヒアリング力が欠かせません。要点の取りこぼしがないよう丁寧に耳を傾け、メンバーの意見に矛盾がないか意識しながらヒアリングを行う必要があります。

タイピング力

最近では、パソコンでメモをとる人が増えてきました。パソコンでメモする場合、タイピング力は必須のスキルです。一言一句聞き逃さずに記すのは不可能なので、要点をうまくピックアップして書き留めるスピードとテクニックが求められます。

発表者の役割と求められる能力

与えられたテーマについてグループで話し合い、導き出された結論やそこに至った経緯などを、各グループの代表として、わかりやすく発表(プレゼン)するのが発表者の役割です。メンバーの人数によっては、ファシリテーターや書記が兼任するケースもあります。グループの中で立ち上がって行うこともあれば、大勢の前で壇上に立つこともあるなど、発表スタイルはさまざまですが、いずれにせよ聞き手から注目を集めやすいポジションといえるでしょう。大勢の前でも物おじしない人、表現力が豊かな人に向いています。

求められる能力

プレゼン力

プレゼン力は、聞き手のニーズを汲み取りながら、相手が欲している情報を的確に伝えられる能力です。説得力・訴求力のある発表にはプレゼン力が欠かせません。ビジネスシーンにおいても必要とされるスキルです。話し方だけでなく、立ち振る舞いや表情、身振り手振りといった要素もプレゼン力に含まれます。

文章構成力

文章構成力は、相手が欲している情報を整理し、説得力のあるストーリーを組み立てるスキルです。プレゼンをする際、聞き手にわかりやすくするには、基本的な流れや順番、情報量を検討する必要があります。

トークスキル

トークスキルは、自分の伝えたいことをわかりやすく伝える能力です。話す相手や内容によって、声の大きさやスピード、トーンなどをコントロールすることで、説得力も高まります。

「役割なし」の役割

もし役割がない場合は、以下のような役割を割り当てて、ディスカッションに参加してもらいましょう。ファシリテーターやタイムキーパーなど、役割のある他のメンバーをサポートしながら、グループの足りなう部分を補う役割を担います。

監視役

監視役は、ディスカッションの方向性がずれないように、監視するポジションです。それほど発言数が多くありませんが、存在感のある役割といえるでしょう。具体的な役割として、ワークの進め方やタイムスケジュールを決める前に議論がスタートしてしまったら、いったんストップさせることや、ディスカッションがおかしな方向に傾きそうになったときに、議論に口を出して修正することなどが挙げられます。常に冷静な態度で議論に臨める人に向いています。

アイデアマン

限られた時間の中で、積極的にアイデアや意見を出して、議論を活性化させるのがアイデアマンの役割です。「人前で変な意見、間違った意見を言うのは恥ずかしい」と考える必要はありません。とにかくたくさん発言していくことが大切です。意見の整理はファシリテーターや書記がやってくれるので、さまざまな角度からどんどんアイデアを出しましょう。

上手に役割分担する方法と企業側がおこなうサポート

メンバーの役割を明確に決めることが、グループワークを成功させるカギとなります。とはいえ、制限時間があるので、役割決めに多くの時間を割くことはできません。

グループワークの参加者が次のステップで行えるように企業側がサポートすることで、役割分担がスムーズになります。

【グループワークの役割分担の方法】

  1. 最初にファシリテーターを決定する
  2. ファシリテーターが役割を振る or 役割に立候補する

グループワークの参加者は、まずファシリテーターを決定します。ファシリテーターが決まったら、次に「書記」「タイムキーパー」を決めていきます。基本的にやりたい人に手を挙げてもらうのがいいのですが、参加者によってはなかなか立候補してくれないこともあります。

参加者のなかに立候補者がいない場合は、ファシリテーターが指名して役割を決める形にしましょう。役割が早く決まれば、その分ディスカッションに時間を割いてもらうことができます。議論をスムーズに進めるために、短時間で決めていけるように企業側がサポートすることが重要です

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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2.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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3.交渉術・ネゴシエーション研修

交渉術・ネゴシエーション研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、利益を増やすことを目指し、自チームでの戦略構築や他チームとの交渉を行います。

学びのポイント

  • 配られた事業・資金・労働力などの資源だけで目的が達成できない場合に、他チームと交渉してそれらを手に入れるための交渉力を習得する
  • 他チームの情報を得てから相手にとって価値のあるものを提供し、自チームにとってさらに価値のあるものを引き出すことが求められる

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4.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる。

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まとめ

グループワークを行うにあたって、限られた時間内で全員が同じ役割を持っていると、議論がスムーズに進まず育成・評価をしづらくなってしまいます。効果的なグループワークを行うには、まずは役割を決める必要があります。

どのメンバーにどの役割が合うかは、個々人の性格や特性によって異なります。メンバーがそれぞれの適正に合った役割を担えるように、自己紹介や役割分担の時間をしっかりとることが重要です。

グループワークの結果をより良いものにするには、適切な役割分担が求められます。今回の記事を参考に役割分担を促し、グループワークを成功させましょう。

 

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アクティビティが受講者の主体性を高めてコミュニケーションを促進させ、スキルアップやチームビルディングをはかれます。

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この記事の著者

masaki

福岡在住。大学を卒業後、大手食品メーカー勤務を経て、異業種のライターへ転身。求められている情報をわかりやすく伝えることがモットー

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