グループワークのタイプ別テーマ例30選!選び方のポイントや注意点を解説
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採用面接や社内研修などでよく取り入れられているグループワーク。提供されたテーマ(お題)に沿って、グループになった複数人が共同作業を行います。グループワークを実施するにあたっては、テーマの設定が必要です。
しかし、具体的にどのようなテーマを選べばいいのかわからない担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、グループワークのテーマ例をタイプ別に30種類紹介します。テーマを選ぶ際にチェックしておきたいポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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グループワークとは
グループワークとは、4〜6人程度のグループを作り、メンバー同士で話し合いや作業を通して、1つの答えを導き出したり、何らかの成果物を生み出したりするワークのことです。企業の採用選考やインターンシップ選考、新人研修など、さまざまなシーンで活用されています。
グループワークと混合されやすいのが「グループディスカッション」です。どちらもグループ内に分かれて議論を行う点では同じですが、グループディスカッションでは議論そのものに焦点が当てられているのに対し、グループワークは議論や作業の結果を成果物として残すことに重きが置かれています。
企業にとって「周囲と協働し、成果を上げられる人材」の育成は重要なテーマです。グループワークでは、アウトプットまでの過程を通して、それぞれのメンバーの協調性やリーダーシップ、論理的思考など、集団のなかで求められる役割やスキルを評価・育成ができます。
グループワークの種類(タイプ)
グループワークのタイプを分けると「プレゼン型」「作業型」「アクティビティ型」の3種類があります。それぞれの特徴を紹介しましょう。
1.プレゼン型
グループワークの種類として、最もオーソドックスな形式です。与えられたテーマについてグループで話し合い、最終的にたどり着いた結論を発表します。円滑な議論を行い、グループメンバー全員が納得できる結果を出すために、司会進行や書記、タイムキーパーなどの役割分担が重要です。
チームで1つの結論を導き出す点ではグループディスカッションとよく似ていますが、プレゼン型のグループワークの場合、グループ内の議論にとどまらず、すべての参加者に向けてプレゼンするのが大きな違いです。グループメンバー以外の第三者が聞き手となるので、話し合った内容を客観的な根拠をもってわかりやすく伝える能力が求められます。
評価・育成できるポイント
- 自分や周囲の状況を客観視し、正確に把握する状況把握力
- 道筋を立てて考える論理的思考力(ロジカルシンキング)
- 固定観念や既成概念にとらわれず、自由な発想でアイデアを生み出す力
2.作業型
プレゼン型のように議論を行うだけでなく、グループのメンバーと協力して具体的に何かを作る「作業」も行うグループワークです。テーマ例としては、新製品のチラシを作成する、子ども向けのホームページを制作するなどが挙げられます。共同作業を通して、協力し合うことの大切さを学べます。
グループワークでは、時間制限が設けられているため、いつまでも作業できるわけではありません。時間配分を意識しながら、グループメンバーと連携をとり、効率的にワークを進めていく必要があります。
評価・育成できるポイント
- 限られた条件のなかで、適切に仕事をこなす計画力や段取り力
- 思い描いたイメージを具体的な形に落とし込む言語化能力や創造力
- グループ内での自主性や協調性、コミュニケーション能力
3.アクティビティ型
アクティビティ型は、その名のとおり、アクティビティ形式で行われるグループワークです。プレゼン型や作業型と比べると「遊び」や「楽しさ」の要素が強いので、メンバー同士が打ち解けやすく、内向的な人も取り組みやすいでしょう。社内コミュニケーションの円滑化にも一役買ってくれます。
アクティビティをクリアするには、チームワークが欠かせません。自分本位に行動するのではなく、グループの利益のために主体的に動くことが重要です。楽しみながらメンバー同士の交流を深め、業務に必要な協調性や団結力を高めることができます。
評価・育成できるポイント
- チームで1つの目標に向かって試行錯誤し、問題を解決する能力
- アクティビティを円滑に進めるために必要なコミュニケーション能力
- 自分が置かれている状況を正しく捉えて行動する能力
プレゼン型グループワークのテーマ例20選
プレゼン型グループワークのテーマは、大きく「課題解決型」「自由討論型」「選択型」「ビジネス型」の4種類に分けられます。それぞれのテーマ例をみていきましょう。
課題解決型
課題解決型は、設定された課題をテーマにグループで話し合い、1つの答えを導き出すものです。課題を掘り下げて根本的な原因を見つけ出し、より実現性・有効性の高い解決策を立案する必要があります。
とはいえ、明確な答えが存在しないテーマが出題されるので、1人の知識や思考力だけではなかなか解決の糸口を見出せません。さまざまな意見に耳を傾けながら、課題の解決を図ることが重要です。あらかじめ役割分担や議論の方向性を決めておくと、スムーズに進行しやすくなります。
【テーマ例】
・自社が10年後も継続的に発展するために今すべきことは?
・社員満足度を上げる方法を考えよう
・若者からの自社製品の認知度を上げるには?
・高齢化問題を解決する方法を考えよう
・残業時間を減らすための具体策を考えよう
自由討論型
自由討論型は、名前のとおり、出題されるテーマに正解がなく、チームで自由に討論して結論を出す形式のグループワークです。個人の価値観や志向が問われる抽象的なテーマが多く扱われるため、固定観念にとらわれない自由闊達な意見やアイデアを言い合えます。その反面、意見が分散しやすく、まとまりにくいのが難点です。
議論を効率的に進めるために、グループ全体で事前に議論の目的と前提をしっかり定義する必要があります。たとえば「理想の上司」という抽象的な言葉は、そこで働く社員に限って考えるのか、社会全体で考えるかによって、意味合いが異なります。「誰にとっての理想の上司なのか」を具体的に定義しておくと、意見がまとまりやすくなるでしょう。
【テーマ例】
・AIは世界をどう変えていくのか
・人生における幸せの定義とは?
・10年後の日本はどうなっている?
・理想の上司とは?
・キャッシュレス化が進むとどうなる?
選択型
選択型は、いくつかの選択肢のなかから話し合いで1つを選ぶ、もしくは優先順位をつけるグループワークです。課題解決型と同じく、明確な答えが存在しないテーマが出題され、選択肢が2つしかない場合もあれば、複数個のなかから選ぶケースもあります。
正解があるものではないので、複数ある選択肢のなかからなぜそれを選んだのか、自分の価値観や考えを客観的に説明していくことが重要です。また、相手の考えに耳を傾ける傾聴力や、他者の意見を受容する柔軟性が求められます。
【テーマ例】
・都会と田舎のどちらに住んだほうが幸せか
・電子書籍と紙の本のどちらが良いか
・フレックスタイム制度を導入すべきか否か
・人間以外で生まれ変わるなら何になるか
・CMとYouTube広告、どちらの費用対効果が高いか
ビジネス型
ビジネス型は、実際のビジネスの現場でも発生しうる課題への解決策を話し合い、答えを導くものです。自社で起こりうる課題を想定し、適切な対策を練っていきます。課題解決型と似ていますが、単にアイデアを出すだけではなく、ビジネスモデルや想定される売上など、現実に実現できる可能性を問われる点が異なります。
このタイプのグループワークを成功に導くためには、テーマについてより具体的に深掘りすることが大切です。そのため、企業や業界について事前に研究しておく必要があります。実務に近い体験を通して、情報収集力や分析力といったビジネススキルを身につけられるでしょう。
【テーマ例】
・自社商品の売上を1年で2倍にする方法を考えてください
・ただの石を3万円で売るにはどうすればいいでしょうか?
・地方進出のための戦略を立案してください
・新商品のPR方法を考えてください
・近隣に新規出店した競合店舗への対抗策を考えてください
作業型グループワークのテーマ例5選
作業型のグループワークは「プラン形成型」「実物作成型」に大別されます。プラン形成型は、パソコンなどを利用しイメージキャラクターやチラシ、PR動画などの制作プランを考えるものです。一方、実物作成型は、紙とハサミでタワーを作って高く積み上げたり、レゴ®️ブロックを用いて作品を創作したりして、完成までのスピードや成果物のクオリティを競います。
このタイプのグループワークは作業時間に限りがあるので、時間配分や役割分担が重要です。メンバー同士で協力しながら具体的な計画を立て、効率よく作業を進めていく必要があります。プレゼン型に比べて、計画性やチームワークの良さを重視するワークといえるでしょう。
【テーマ例】
・新商品〇〇のチラシを制作してください
・弊社のイメージキャラクターを作ってください
・配られたカードに書かれた情報をもとに、一枚の地図を完成させよう
・地域の魅力を紹介するPR動画を作成してください
・応募数の増加につながる採用サイトトップページの構成案を作成してください
アクティビティ型グループワークのテーマ例5選
アクティビティ型のグループワークは、プレゼン型や作業型と共通する部分はあるものの、より気軽に取り組めるのが特徴です。単に楽しいというだけでなく、チームビルディングやリーダーシップスキルなど、社内の組織力向上に役立つさまざまなスキルを身につけることができます。メンバー同士で協力し合う要素も強いので、社内コミュニケーションを活性化する効果も期待できるでしょう。
【テーマ例】
・謎解き脱出ゲーム
・コンセンサスゲーム
・ペーパータワー
・SDGsビジネスゲーム ワールドリーダーズ
・おうち防災運動会
謎解き脱出ゲーム
謎解き脱出ゲームは、昨今大人気の脱出ゲームを大人向けに開発したアクティビティです。参加者は物語の主人公となって、決められた時間や空間の中で謎を解き明かし、クリアを目指します。事件を解決する過程で、仲間との協力や役割分担、リーダーシップが必要となるので、チームビルディングやコミュニケーションの活性化に役立ちます。参加メンバーの属性によって、内容や難易度を調整することも可能です。
- 参加人数:30〜300名
- プレイ時間:2.5時間~3.5時間
コンセンサスゲーム
コンセンサスゲームとは、ある課題についてチーム全員で議論を行い、コンセンサス(合意)を形成するゲームです。ゲームを通して、自分と他人の考え方や価値観の違いを知ることができます。1つのゴールに向かって協力することで、チームビルディングを実感できるでしょう。また、結論を導くための論理的な思考が身につき、情報整理力が向上する効果も見込めます。
- 参加人数:10〜200名(1チーム4〜6名)
- プレイ時間:1.5時間~2時間
「合意形成・アサーティブコミュニケーション研修」は、コンセンサスゲームと講義を組み合わせ、お互いを尊重するコミュニケーションスキルや合意形成(グループの意見を一致させる)の方法を学び、翌日から業務で活用できる研修プログラムです。
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ペーパータワー
A4用紙を30枚使用してタワーを作成し、その高さをチームで競うゲームです。作戦タイムと組立制限時間はそれぞれ5分。限られた時間内にできるだけ高いタワーを作るためには、チームメンバーと協力することが欠かせません。チームワークやコミュニケーション能力を養うことができます。
- 参加人数:1チーム4〜5名
- プレイ時間:20分前後
SDGsビジネスゲーム ワールドリーダーズ
ワールドリーダーズは、企業経営を通してSDGsを学べるビジネスゲームです。1チーム1企業として戦略を立て、労働力や資本を使って利益を競います。最終的に多くの資金を稼いだチームの勝利です。ただし、単に利益を追求するだけでは次第に企業としての価値を向上させることが難しくなるので、環境や社会などさまざまな要素に配慮しなければなりません。企業経営の擬似体験を通して、SDGsにおける企業の役割、戦略思考や情報共有、駆け引き、チームビルディングなどを学べます。
- 参加人数:10〜200名(1チーム3〜6名)
- プレイ時間:2.5時間~3時間
おうち防災運動会
おうち防災運動会は、オンラインで防災を学べる新感覚アクティビティです。運動会ならではの競争を楽しみながら、今考えなければならない防災について学べます。「おうち探検!非常食探索トライアル」「防災間違い探しオンライン」など楽しい種目が盛りだくさん。オンラインならではのチームビルディング要素もいっぱいです。社員の防災意識の向上を図れるだけでなく、リモートワークで不足しがちなコミュニケーションの活性化にも一役買ってくれるでしょう。
- 参加人数:10〜200名(1チーム4〜6名)
- 時間:1時間〜1.5時間(入場時間除く)
なお、グループワークの面白いテーマについては以下の記事でも詳しく紹介しています。
グループワークの面白いテーマ20選!タイプ別に紹介
グループワークのテーマを選ぶポイント
グループワークのテーマは、どのような基準で選べばいいのでしょうか。以下のポイントに留意しましょう。
目的に沿ったテーマを選ぶ
グループワークを効果的に行うために、目的に沿ったテーマ設定を心がけましょう。たとえば「コミュニケーションの円滑化を図りたい」のであれば、論理的思考力を身につけられるプレゼン型よりも、楽しみながら取り組めるアクティビティ型のグループワークのほうが適しています。
テーマの軸がぶれないよう、最初の段階でグループワークを行う目的を明確にすることが大切です。目的がしっかりと定まっていれば、自ずとそれにふさわしいテーマを選べるでしょう。そうすれば、より効果的なグループワークを実践できます。
参加者の年齢層や特徴に応じたテーマを選ぶ
グループワークのテーマを考える際、参加メンバーの年齢層や性格、趣向、得意分野などを考慮する必要があります。参加者が興味を持てないことをテーマにしても、活発な議論にはならないことが予想されるからです。たとえば、所属部署とは関わりのない業務内容や、あまり関連のない業界の将来をテーマにした場合、そこに意義を見出せない・興味を持てない人が出てくるかもしれません。
参加メンバーのバックグラウンドを踏まえて、どのような分野なら興味・関心を引き、意義のある議論ができるのかという視点を持ってテーマを検討しましょう。
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- 誰もが没入できる「あそび」を取り入れた体験型アクティビティで受講者の主体性を引き出す
- 複数回のフィードバックによって学びを定着させる
まとめ
グループワークは、メンバー全員が意見を出し合うことが重要なワークです。同じグループのメンバーと協力しながら作業を進める過程で、コミュニケーション能力や問題解決力など、多くのスキルを身につけられます。
グループワークの効果を高めるには、目的に応じた適切なテーマの設定が重要です。今回紹介したポイントを参考にテーマを決めて、グループワークの時間を有意義なものにしましょう。
「あそぶ社員研修」は、受講者全員が没入して取り組むアクティビティ・振り返り・講義をブリッジすることで学びを最大化させ、翌日から業務で活かせる知識・スキルが身につく講義・アクティビティ一体型の研修プログラムです。
アクティビティが受講者の主体性を高めてコミュニケーションを促進させ、スキルアップやチームビルディングをはかれます。
この記事の著者
福岡在住。大学を卒業後、大手食品メーカー勤務を経て、異業種のライターへ転身。求められている情報をわかりやすく伝えることがモットー