NM法とは?種類・活用シーン・進め方を解説
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大学卒業後、クラシック音楽業界にて制作・マネジメント・プロデュースに従事し、アートと教育の融合をテーマに、「体験を学びとして届ける」手法を追求してきた。
その後、体験型コンテンツ会社を経て、株式会社IKUSAにクリエイティブプロデューサーとして入社。
現在は研修事業部の責任者として、体験型・ゲーム型の社員研修事業を統括している。
ユーザー視点に立ったサービス開発を得意とし、「楽しさが行動変容を生む」という信念のもと新しい研修体験を創出している。
商品の開発やデザインなどのアイデアがうまく思いつかず、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。そこでおすすめの手法がNM法です。
NM法は、テーマとなるキーワードと似ているものを探し、キーワードと似ているものを結びつけてアイデアをまとめる発想法です。
本記事では、NM法の概要や種類、活用シーンから実際の手順まですべて紹介します。良いアイデアが出ず悩んでいる方は、ぜひ活用してみましょう。
NM法とは
NM法は、創造工学研究所所長の中山正和氏が考案した手法です。類比発想とも呼ばれ、中山正和氏の頭文字を取って名付けられました。
ひらめきが生まれる瞬間の出来事を分解して、理論化するアイデア発想法です。商品開発やデザイン、ストーリーなどのアイデアを発想するのに役立ちます。パブロフの条件反射理論に基づいた記憶モデルに、シネクティクス法をあてはめて考案されました。
①パブロフの条件反射理論とは
パブロフの条件反射理論とは、有名な実験「パブロフの犬」に基づいた理論です。
本来、犬は「エサを見ることで唾液の分泌が増加する」という風に、食べ物が刺激となって唾液が増加します。しかし、犬にある音を聞かせてからエサを与えることを繰り返すと、音を聞いただけで唾液の分泌が増加しました。
つまり、パブロフの条件反射理論は、刺激Aとセットで刺激Bを提示され続けると、刺激Bだけになっても刺激Aに対する反応が引き起こされるというものです。繰り返すうちに、体が勝手に反応してしまう条件反射のことです。人間でいうと、「梅干しを見たら唾液が増加する」といったメカニズムのことを指します。
②シネクティクス法とは
シネティクス法は、アメリカのウィリアム・J・ゴードン氏により考案された、発想法のことです。「シネクティクス」はギリシャ語で、「異なった要素を結びつけ、統合する」という意味です。この発想法は、NM法や日本の等価交換法と同様に、類比の代表的な手法の1つであり、欧米では広く活用されています。
シネクティクス法では、はじめにテーマを与えて、テーマに類似したものを発想していきます。この方法を実践するには、経験豊かで訓練を受けたリーダーと課題(取り上げる問題)の専門家、異分野の人材(心理学、社会学、生物学、化学など)で構成された7人以下のメンバーが理想です。
手順は、「①問題提示、②専門家による分析と解説、③解決試案の発想、④解決目標の設定、⑤類比要求の質問、⑥類比発想、⑦類比の選択、⑧類比の検討、⑨強制連合、⑩解決策作成」で構成されています。
このシネクティクス法をヒントに、さらに利用しやすくなったものがNM法です。
NM法の種類
NM法には5つの種類があります。最も使われているのがNM-H型です。それぞれ目的に合わせて使い分けましょう。
NM-H型 | 画期的な発明をするために着想と発想を行う方法 ※技術のアイデアを生み出すのに適しており、シネクティクス法から発展されたもの |
NM-T型 | あらゆる情報からテーマに関するヒント(類似性のある情報)を得る方法 |
NM-S型 | 過去・現在・未来という時系列のなかで、アイデアを実用化する方法 |
NM-A型 | 複数の書き出したアイデアをグルーピングし、新たなアイデアを得る方法 |
NM-D型 | 仮説を立て、データで証明するようにアイデア出しを行う方法 |
NM法の活用シーン
NM法が活用される主なシーンは、新たな商品のアイデアを発想するときや起業アイデアを考えるとき、デザインやストーリーなどのコンテンツのアイデアを発想するときなどです。
マーケティングや営業、経営、事務などクリエイティブなシーンだけでなく、幅広いシーンで活用できます。新たなアイデアを生み出したいというときに、NM法を活用してみましょう。
NM法の進め方

NM法の進め方について紹介します。NM法を使うことで、より良いアイデアが浮かぶかもしれません。
① テーマを決める
まず本題となるテーマを決めましょう。商品開発であれば、まずどのような商品のアイデアをまとめたいのかを決めることが重要です。本題となるテーマがあやふやだと、良いアイデアは浮かびません。
② テーマのキーワードを決める
次に、欲しいアイデアのテーマに沿ってキーワードを考えます。キーワードを考えるときは、「テーマの本質を単純に考えること」「動詞や形容詞で表現すること」がポイントです。
たとえば、新しい香水のアイデアを考えていると仮定しましょう。香水で想定されるキーワードは以下のとおりです。
- つける
- 振る
- 香る
- 嗅ぐ
- 持ち運ぶ
③ キーワードと似ているものを探す
次に、世のなかにすでにあるキーワードと似ているものを探し出します。「〇〇といえば?」という風に連想すると、類似するものが思いつきやすくなるのでおすすめです。
自然現象や生き物など、自然界にあるものから探すと思いつきやすいかもしれません。また、テーマから離れた例をあえて出すことで、よりおもしろいアイデアが出る可能性があります。
たとえば、「つける」というキーワードを選んだとします。「”つける”ものといえば?」と連想してみると、以下のようなものが考えられるでしょう。
- アクセサリー
- 服
- シール
④ 似ているものの特徴や背景を考える
似ているものを考えたら、次は「どのような特徴があるか」「どのようにして起こっているのか」と特徴や背景を考えます。似ているもののメカニズムや背景をピックアップすることで、アイデアが広げやすくなるでしょう。
たとえばアクセサリーは、お守りとしてつけられていたことが歴史の始まりといわれています。身につけることで気分が明るくなる、そのようなアイテムだといえるでしょう。
⑤ キーワードと似ているものを結びつけて発想する
手順④で考えた特徴や背景が、キーワードにどのように役立つのかを考え、具体的なアイデアを出していきます。
たとえば、アクセサリーと香水を結びつけ、目に見える香水としてアクセサリーからほんのり香りがするようなアイテムを開発するなどです。
⑥ アイデアをまとめる
最後に、出したアイデアを現実的に考え、具体的にどのように活用するか考えましょう。たとえば、アクセサリーの一部をアロマストーンにし、日によって好きな香りの香水をアクセサリーにつけられる、といったアイデアが良いかもしれません。
また、アイデア同士を組み合わせることで、予想外のアイデアが生まれる可能性があります。「こんなキーワードは変かな」と最初から除外してしまわないで、さまざまなアイデアを発想してみましょう。
NM法以外のアイデア発想法
NM法以外にも、アイデアを発想する方法があります。以下では、NM法以外のアイデア発想法を紹介します。
① ブレインストーミング
ブレインストーミングは、1950年頃にアメリカで考案された手法です。複数人でアイデアを出し合い、それぞれのアイデア・発想を整理します。重要なのは質より量ということです。アイデアのおもしろさやユニークさにこだわらず、時間内で多くのアイデアを出すことがブレインストーミングの目的です。
また、ブレインストーミングは「アイデアを自由に共有する」という目的もあります。そのため、他の人の意見を否定することは、アイデア出しの妨げとなるため、特に注意しましょう。
ブレインストーミングは、アイデアを網羅的に抽出できることから、KJ法(多種多様なアイデアを効率的に整理できる手法)と非常に相性が良いとされる手法といわれています。
② KJ法
KJ法は、アイデア出しを行い、そこで得られた情報を効率的に整理するために用いられる手法です。1967年に文化人類学者の川喜田 二郎氏が自著で紹介したことをきっかけとして、KJ法が広まりました。ブレインストーミングと相性が良い手法とされます。
KJ法では、1枚1枚のカードか付せんにアイデアを書き出していき、そのアイデアカードを並べ替えたり、グループ化したりすることで、情報を整理します。ブレインストーミングをしたあとに、KJ法で整理することで、より情報を把握しやすくなるでしょう。
③ マンダラート
マンダラートは、3×3のマスの中心にテーマを書き、テーマの周りに関連することを列挙していく手法です。アイデアの実現に必要なプロセスを可視化できるため、「具体的に何をすれば良いのか」という自分で実践すべき施策を整理できます。
1つのテーマから派生・細分化した内容を書き込んでいくことで、解決策を洗い出しやすいのが特徴です。
④シックスハット法
シックスハット法は、参加者が6種類の視点のなかから担う役割を選び、議論することでアイデア出しを行う手法です。水平思考(問題解決のために既成の理論や概念にとらわれず、アイデアを生み出す方法)を提唱したエドワード・デ・ボノ氏により考案されました。
シックスハット法は、名前のとおり6種類の役割が設定されています。すべての視点をもとに議論を行うためには、最低でも6人の参加者が必要です。
【それぞれの視点(役割)】
- 客観的・中立的な視点
- 消極的・批判的な視点
- 積極的・希望的な視点
- 革新的・創造的な視点
- 感情的・直感的な視点
- 分析的・俯瞰的な視点
本来は6つのそれぞれの役割を示した帽子を被って行う思考法ですが、カードやネームプレートでも代用できます。自分が本来持っている視点とは異なる視点を役割として与えられるため、今まで気づかなかったアイデアが生まれる可能性があるでしょう。
⑤アイデアしりとり
アイデアしりとりは、単語の語尾から始まる言葉をつなげていくことで、アイデア出しを行う手法です。ゲーム感覚でリラックスしながらアイデアを出し合えます。複数人のグループで、「アイデア出しを行いたいテーマ」に関する言葉のみでしりとりをしましょう。
アイデアしりとりは、おもちゃクリエーター・アイデア発想ファシリテーターである高橋 晋平氏によって考案されたものです。しりとりでアイデア出しを行うことで勝敗が決まるため、他の人よりも「おもしろい言葉でつなげたい」という意識が働くでしょう。今までにないようなアイデアにつながるかもしれません。
⑥マインドマップ
マインドマップは絵や文字などを用いて、自由にアイデアを発想する方法です。色分けや図を使って視認性を高めながら、中心に書かれたテーマから分岐させる形でテーマに関連するアイデアを書き出します。
限られた時間で「スピーディにアイデアを出したいとき」におすすめです。
まとめ
NM法は、テーマとなるキーワードと似ているものからアイデアを生み出す発想法です。商品開発やデザインなどのクリエイティブなシーンだけでなく、マーケティング、営業などさまざまな分野で役立つでしょう。
今までとは異なる「おもしろいアイデアが欲しい」という場合は、NM法を上手に活用することで実現できるかもしれません。ぜひ当記事を参考に進めてみてください。
以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。
1.合意形成研修
合意形成研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。
学びのポイント
- 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
- 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
- より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す
2.PDCA研修
PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。
学びのポイント
- 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
- 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく
3.戦略思考研修
戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。
学びのポイント
- 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
- 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる
4.コミュニケーション研修
コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。
学びのポイント
- 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
- 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる
5.ロジカルシンキング研修
ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。
学びのポイント
- 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
- 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる
6.クリティカルシンキング研修
クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。
学びのポイント
- 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
- フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
- 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する
7.リーダーシップ研修
リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。
学びのポイント
- メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
- 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる
8.ビジネスマナー研修
ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。
学びのポイント
- 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
- 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる
9.防災研修
防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。
学びのポイント
- 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
- 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ
10.OODA LOOP研修
OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。
学びのポイント
- 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
- ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う
この記事の著者
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