課題解決力とは?身につけるメリットやトレーニング方法を紹介

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この記事の監修者
株式会社IKUSA あそぶ社員研修事業部 責任者
友水 一喜
慶應義塾大学文学部人文社会学科美学美術史学専攻卒業。
大学卒業後、クラシック音楽業界にて制作・マネジメント・プロデュースに従事し、アートと教育の融合をテーマに、「体験を学びとして届ける」手法を追求してきた。
その後、体験型コンテンツ会社を経て、株式会社IKUSAにクリエイティブプロデューサーとして入社。
現在は研修事業部の責任者として、体験型・ゲーム型の社員研修事業を統括している。
ユーザー視点に立ったサービス開発を得意とし、「楽しさが行動変容を生む」という信念のもと新しい研修体験を創出している。

トラブルが起きる前に課題を抽出して手を打ちたいが、実際は課題に気づくことができない。そんな悩みを抱えている方もいるでしょう。それは、課題解決力が養われていないせいかもしれません。課題解決力を身につけることによって、現在はまだ表には出ていない課題に気づき、事前に解決を図ることができます。 

本記事では、課題解決力の概要やメリット、課題解決力のある人の特徴、課題解決のステップやトレーニング方法について紹介します。

課題解決力とは

課題解決力とは、将来的に障害となる課題を特定したうえで、解決する能力のことを指します。

課題解決力を駆使するには、物事の本質を把握できる力や、論理的思考で解決策を描く力が必要です。自分一人で解決が難しい場合は、周囲を巻き込み、まとめあげて、課題を解決するマネジメントスキルを持つことも欠かせない要素となります。

課題解決力と問題解決力の違い

課題解決力と問題解決力、この二つの言葉にどのような違いがあるのでしょうか。どちらにせよ、解決する能力であることに違いはありません。

注目すべきは、何を解決するかです。まず問題とは、現状既に発生している、認識されているトラブルのことを指します。一方で、課題とは、現状ではトラブルにはなっていないものの、将来的に、トラブルになったり、目的達成の障害になったりする事柄を指します。

問題解決は、今起きている、明確な問題をできる限り迅速に対応する能力です。不測の事態に迅速に対処することは大切なので、重要な能力といえるでしょう。

しかし、比較すると、課題解決力のほうが、ハードルが高いといえます。何故なら、課題はまだ実際には起きていないトラブルや障害を洗い出し、未然に防ぐことだからです。対処法ではなく、時には業務上のシステムを改善して根本的な解決が求められるため、問題解決力よりも、身につけるのが難しいスキルといえるでしょう。

課題解決力を身につけるメリット

身につける難易度の高い課題解決力ですが、高めたいと考える方は少なくないです。それが、課題解決力を身につけることには、以下のようなメリットがあるからです。

  • 社会人として成長につながる
  • 業務の質が向上する
  • 思考力が向上する
  • 本質的な解決策が実行できる
  • 未経験なことでも対処できるようになる

一つずつ解説します。

社会人として成長につながる

将来の障壁となる課題をあらかじめ解決することで、成果を出しやすくなるだけではなく、新しいチャレンジの時間が生まれるため、その分、自己成長に時間を費やせるようになります。他の人が問題に対処している時に、スムーズに業務をこなし、新たなステップに移行することも可能となるでしょう。

また、課題解決力が高い方は、組織からその分、評価されます。顧客の課題にも対処できるので、顧客からの信頼も高まり、その人の仕事の価値は高いものになるでしょう。

業務の質が向上する

課題解決力によって課題を解決することで、業務がスムーズにこなせるだけではなく、業務の質も向上します。将来の課題にも柔軟性を持って対処しているので、信頼性が高まるでしょう。

思考力が向上する

課題解決力が高い人は、思考力が高いといえます。それは、複雑な状況を踏まえながら、将来の問題を予想して、事前に対処するには、高い思考力が必要だからです。特に物事の本質を見抜くために、抽象化する能力や、複雑なことも筋道を立てて考える論理的思考は、課題解決力を磨くことで身につきやすいでしょう。

本質的な解決策が実行できる

根本的な課題を解決する際は、業務上のシステムを大きく変更することも余儀なくされます。その際の労力は大きいですが、長い目で見ると、大きな成果につながります。問題が起きてしまった後では、時間やリソースが十分ではなく、対処法にとどまることもあるでしょう。

未経験のことでも対処できるようになる

課題解決力は、自分の専門分野のみに使える能力ではありません。業務の現状を冷静に分析したうえで、課題を抽出して、打ち手を考えます。それは、未経験の内容であっても、応用できる能力です。違う業種であっても、今までの経験との共通点を探すと、時には同じ課題があることに気づくこともあるでしょう。

知識が薄いからこそ、先入観を持たずに思考できるので、より的確に課題を洗い出すことができる場合もあるでしょう。

課題解決力がある人の特徴

課題解決力があることで、ビジネスシーンでは、さまざまな利点があります。元々本質的な問題を見抜く能力に長けた方もいるでしょう。しかし、課題解決力は意識することで、後天的にも身につけることが可能です。課題解決力がある人には以下のような特徴があります。

  • 論理的思考が身についている
  • 主体的に仕事ができる
  • トラブルを未然に防げる
  • リーダーシップがある

一つずつ説明します。

論理的思考が身についている

課題解決能力がある人は、課題を抽出したり、課題解決のスケジュールを立案したりする際などに、論理的思考を用います。そのため、論理的思考を身につけているケースが少なくありません。

物事を体系的に整理して、筋道を立てて考察能力である論理的思考力があれば、本質的で合理的な解決策を導くこともできます。論理的思考ができる人は、トラブルが起きた時に、どうしてそのようなことが起こったのか、誰もが理解できるように明確に説明ができるため、周囲を説得しやすく、組織全体に有益な解決策を講じることが可能です。

主体的に仕事ができる

課題は現状ではまだ表面化していない問題を指すので、指示された仕事を黙々とこなすだけの状態では身につきません。自ら主体的に動き、課題を抽出して、その解決のために行動する必要があります。

たとえば、あるヒット商品に対して、今はとても人気があり、十分売上が上がっているとします。しかし、将来的には、その商品がこのままでは売れなくなってしまう要素があるとすると、あらかじめ課題を明らかにして周囲と協力しながら対策を講じる必要があるでしょう。「自分はただこの商品を作って売ればいいから」という考えでは、課題解決には至りません。一歩先んじて、チームや会社の利益になる仕事ができるのが、課題解決力がある人といえます。

トラブルを未然に防げる

課題解決力は、トラブルを未然に防ぐ能力ともいえます。優れた課題解決力を持つ人は、常に現状が永遠に続くとは考えておらず、変化に敏感でアンテナを張っています。毎日の仕事を着実にこなすことも大切ですが、それだけではなく、この先のリスクを想定して動けることで、これまで積み上げてきた利益や信頼をしっかり守ることができるでしょう。

リーダーシップがある

課題の解決には、上司からの指示を待っているだけでは、不十分といえます。また、上司のサポートを受けられるだけではなく、チームメンバーとしっかりと連携を取りながら、時にはチームを率いる、コミュニケーション能力やリーダーシップが必要になるでしょう。

特に自分の所属するチームだけではなく、他のチームとも連携するときは意見を交換し、調整する必要もでてきます。大きな課題解決は、一人では完結しないものです。課題解決とリーダーシップやコミュニケーション能力は密接に関わっているといえます。

課題解決のステップ

さまざまな内容の課題がありますが、共通する基本的な解決のステップがあります。その手順を意識することで、課題を解決しやすくなるでしょう。ステップは以下の6段階です。

  1. 現状を把握する
  2. 課題を明らかにする
  3. 課題の原因を把握する
  4. 解決策を立案する
  5. 解決案を実施する
  6. 結果を振り返る

ステップごとに一つずつ説明します。

1.現状を把握する

どのような課題があるかはっきりさせるためには、まずは現状を分析し、正しく把握する必要があります。客観的に現状がどうなっているかを洗い出しましょう。自分の業務だけではなく、チーム全体の進捗状況や業界のトレンドなども踏まえる必要があります。

2.課題を明らかにする

現状が把握できたら、業務における課題点、うまくいっていない点や、今後の留意点を考えます。目標を達成していない場合は、はっきりと分かりますが、一見問題がないように見えていても、違和感や不具合が隠れていることもあります。

どのような課題があるのか、言語化したり、数字を示したりして、自分だけではなく、誰でも理解できるようにするのがポイントです。

3.課題の原因を把握する

課題を解決するには、課題の原因が何なのか、どこにあるのかを突き止めることが大切です。原因を考える時、多角的な視点でさまざまな可能性をあげていくのがよいでしょう。偏った視点の場合、誤った原因にいきついてしまうこともあり、そうなると、課題解決が遠のいてしまいます。

4.解決策を立案する

現状と、課題の原因を踏まえて、有効な解決策を検討します。解決策の立案は、過去の事例や他の企業が行って有効だった方法を用いる、上司や先輩、専門家に意見を求めるといった方法があります。自分だけで考えると、視点が偏ってしまうこともあるので、このように先行事例や他の人の意見を参考にするのがおすすめです。また、どの解決策を講じるのか迷った時は、どれが最も有効な方法かを検討する必要もあるでしょう。

5.解決案を実施する

解決案の内容が決まったら、具体的に期限や実行の流れを決めて、いよいよ解決案を実施します。この時、自分以外の関係者の協力が必要な時は、解決案の意図や実際に実行すべきことを共有します。定期的にミーティングや報告をし合い、進捗を確認しながら、実行します。方向性がずれた場合は、その都度調整しましょう。

6.結果を振り返る

大切なことは、解決案は実行するだけではなく、最終的にどうなったのか、結果を振り返ることです。良かった点や成功した点だけではなく、スムーズにいかなかった点、失敗した点も抽出しておくことも大切です。何故、うまくいったのか、うまくいかなかったのか、原因を考えることも振り返りです。

しっかりと振り返りを行うことで、次回の取り組みの際に役立つ学びとなります。

課題解決力の鍛え方

課題解決力は、意識的に鍛えていくことが大切です。現状では、課題解決力に自信がない場合でも、日々の取り組みによって磨かれていき、自然と成果につながるようになるでしょう。課題解決力の鍛え方は、以下の通りです。

  • 日々の業務に取り組む際に意識してもらう
  • コーチングにより課題解決を促す
  • 計画性を養わせる
  • クリティカルシンキングを養わせる
  • 課題解決に役立つフレームワークを活用させる
  • 学習環境を提供する

日々の業務に取り組む際に意識してもらう

毎日当たり前のように取り組んでいるルーティンワークの中で、課題解決を意識してもらうようにしましょう。決められた内容で、決められた同じ作業を繰り返している場合でも、もっと効率の良いやり方はないか、時間を短縮できる方法はないか、考えてみると、課題を感じることもあるようです。

それぞれが課題だと感じたことを、チームや部署で共有して、ミーティングの際に解決策をそれぞれ提案してもらうことは課題解決力を身につけてもらうのにおすすめの方法です。

コーチングにより課題解決を促す

課題解決力を身につけるためには、主体性が欠かせません。しかし、これまで指示通りに真面目に業務をこなしていた人は、すぐには主体的には動けないでしょう。そこで、いきなり「自分で考えて」というのではなく、一方的に教えるのではなく、対話によって気づきや可能性を引き出すコーチングがおすすめです。

「なぜ、そのように考えたのか」「なぜ、そのようになったのか」と問いかけながら深堀りしていくことで、今までにはない解決策もでてくるでしょう。また、コーチングでコミュニケーションをとることで、チームとしてサポートし合える関係を育むことも重要といえるでしょう。

計画性を養わせる

慣れた業務をこなすだけでは、特に計画性は必要がないかもしれませんが、課題を解決する際には解決策を実行するため、計画性も大切になります。不測の事態が起きた場合でも、対応できるように、業務プロセスを見直す必要もでてくるでしょう。

クリティカルシンキングを養わせる

クリティカルシンキングとは、批判的思考とも呼ばれており、自分の考えを意識的に批判的にみる思考法のことを指します。課題解決には、まず課題に気づく必要があります。しかし、今までの業務で成功体験を積み上げていれば、積み上げているほど、「これで問題ない」という先入観にとらわれてしまい、課題に気づけないでしょう。

クリティカルシンキングの習得は容易ではありませんが、専門的な講座や研修を行っていることもあるので、そうした外部の機関を活用するのもよいでしょう。

課題解決に役立つフレームワークを活用させる

課題解決力を養うのに有効なのは、フレームワークの活用です。課題を分析したり、深掘りしたり、結論を出すために役立ちます。特にロジックツリーは、課題を分解して整理するのに適しています。複雑な課題であっても、ロジックツリーを活用することで、段階的に整理できます。そのため、状況が明確になって理解しやすくなるでしょう。

他には、複数の事項から共通点を導き出して結論を出す帰納法は、情報が多くても、整理しやすいため、課題の本質が見えてきます。また、課題の原因や対応策を整理するのには、演繹法が有効です。

学習環境を提供する

課題解決力を身につけるには、社員自ら学習する意欲と、それを支える学習環境が必要です。社内での勉強会や研修だけではなく、外部の研修会社による講習会や学習会などもおすすめです。会社自体が、社員の学びを支える姿勢を示すことで、社員の学習へのモチベーションもアップするでしょう。

その他に、課題解決力に関わる書籍を提供したり、対面だけではなくオンライン講座も取り入れたり、さまざまな施策が考えられます。

まとめ

課題解決力について解説しました。課題解決力は、どの業務であっても有効な能力です。決められた仕事をこなすような仕事であっても、改善の余地はあります。また、慣れた作業だからこそ、思いこみや先入観があり、時には重要なことを見落としていることもあるからです。

課題解決力を身につけることで、トラブルを避けられたり、効率よく仕事ができたり、さまざまなプラスがあります。また、自己成長にもつながるので、個人的に身につけたい方も、本を読んだり、日常の業務に取り入れたりするのがおすすめです。

この記事の著者

IKUSA編集部

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