サバイバルゲームを研修で活用するメリットや注意点を解説

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サバイバルゲームとは、エアガンやレーザー銃を使用して戦闘を疑似体験するアクティビティです。チームで協力して役割を分担し、戦略的思考力や状況判断力などを発揮して勝利を目指します。

また、戦闘で勝つための意思決定に関わるフレームワークとしてアメリカ空軍のジョン・ボイド大佐が提唱した「OODA LOOP」について実践的に学ぶことができるため、サバイバルゲームはOODA LOOP研修やチームビルディング研修などで活用することに適しています。

本記事では、サバイバルゲームの概要、進め方、研修で活用するメリット・注意点や具体的な研修プログラムについて解説します

 

サバイバルゲームとは

サバイバルゲームは、入り組んだ迷路状のフィールドや、障害物で視界を遮れるフィールドなどで、エアガンやレーザー銃で疑似的な戦闘を体験できるアクティビティです

研修にサバイバルゲームを取り入れる際には、疑似的な戦闘ではなくチームでサバイバルミッションに取り組めるようにするなど、内容を工夫することが大切です。各々が思考したり、チームで連携したりして、疑似的に設定されたサバイバル環境下で受講者のスキル向上、チームの連携・関係性強化などを図りましょう。 

サバイバルゲームの進め方

サバイバルゲームの進め方の一例を挙げます。

  1. 着替え・準備
  2. サバイバルゲームの説明
  3. ブリーフィング
  4. サバイバルゲームの実践

「準備→説明→ブリーフィング→実践」の流れが基本となります。

以下で詳しく紹介します。

着替え・準備

サバイバルゲームをおこなう際には、動きやすい格好であることはもちろんのこと、腕や足が露出していないことや、目などを保護するゴーグルを身につけていることなども重要です。また、サバイバルゲームの世界観を演出するために、迷彩柄の衣装に統一することもおすすめです。

サバイバルゲームの会場に更衣室がない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

サバイバルゲームの説明

準備が完了したら、受講者にサバイバルゲームのルールや注意点などの説明をおこないます。研修として実施する場合は、目的に合わせて、受講者たちに対して「どのように行動することが求められるのか」、「どのように連携して協力することが望ましいのか」なども併せて説明するとよいでしょう。

ブリーフィング

ブリーフィングは、サバイバルゲームの実践時に適切に行動するための作戦会議というイメージです。サバイバルゲームは、勝利やミッションクリアを目標としておこなわれます。どのようにすれば勝てるのか、ミッションをクリアできるのかをチームで考えます。

また、ブリーフィングの時間は、チーム内での関係性を構築するためにも重要です。同じチームになった受講者同士でコミュニケーションを取り、相互理解を深めていくなかで、自然と関係性が構築されていきます。また、共通の目標に向かい、それを達成するまでのプロセスを共有することで、チームビルディングにもつながります。

サバイバルゲームの実践

ブリーフィングを終えたら、サバイバルゲームの実践となります。受講者の一人ひとりが与えられた役割に基づいて適切に判断・行動することが求められます。

サバイバルゲームの重要なポイントは、「1人の圧倒的な能力で勝つことは難しい」ということです。チームで役割を分担し、攻守の意識統一・意思疎通を図りながら、全員が勝つために最善の行動を取れるようにする必要があります。

サバイバルゲームを研修に取り入れる際には、チームの意識統一・意思疎通を図り、各自が共通の目標に向かって判断・行動できるように促しましょう。

サバイバルゲームを研修で活用する目的・メリット

以下では、サバイバルゲームを研修で活用する目的や得られるメリットについて紹介します。

研修による学び・理解を深められる

サバイバルゲームを活用することで、受講者が体験を通じて関連するスキルや知識を実践的に深く理解することにつながります。サバイバルゲームでは、PDCAOODA LOOPなどのフレームワーク、巻き込み力やリーダーシップ、判断力などのビジネススキルが求められ、それらに関連する研修テーマを設定することで、受講者の学びを深めることができます。

受講者の主体性が向上する

サバイバルゲームを活用することで、双方向のコミュニケーションが生じ、受講者の主体性が向上します。講義のみの研修では受講者は受け身となるため、主体性が低下しやすくなります。一方で、サバイバルゲームでは主体的な発言・行動が求められ、主体性が自然に高まります。

心理的安全性が向上する

安心して自分の意見が言える状態を表す指標を「心理的安全性」といいます。お互いに安心して意見がいえる関係性が構築されていれば、「心理的安全性が高い」といえます。サバイバルゲームでは互いに意見を出し合い、勝利に向かったり生き残ったりするための戦略を立てる必要があるため、心理的安全性が自然に向上することが期待できます。

サバイバルゲームを研修で活用する際のポイント・注意点

以下では、サバイバルゲームを研修で活用する際に押さえたいポイントや注意点を紹介します。

学びの要素と関連性がある研修を実施する

サバイバルゲームを実施して得られる学びとしては、OODA LOOPなどのフレームワークや、巻き込み力などのビジネススキルが挙げられます。サバイバルゲームと関連性が高いフレームワークやビジネススキルを研修テーマとして設定することで、研修を通じて実践的に学ぶことができます。

研修テーマに合わせて講義をおこなう

研修にサバイバルゲームを取り入れる際には、サバイバルゲームに関連するフレームワークやビジネススキルなどに関する講義を合わせて実施し、知識を得ることによる学びと実践を関連させて両立することが重要です。実戦経験によって講義による学びが深まり、受講者が知識やスキルを習得しやすくなります。

ブリーフィングの時間を十分に取る

サバイバルゲームを体験することによる学びを定着させるには、受講者が思考を整理できる機会を十分に与えることが重要です。ブリーフィングの時間を活用し、チーム内で意見を出し合いながらコミュニケーションを取ることで、思考が整理されていきます。

振り返りをおこなって学びを深める

サバイバルゲームを研修で活用する際には、実践や講義の後に振り返りをおこない、体験と概念を関連付けて説明することで、受講者が正しく理解することを促せます。サバイバルゲームを体験して感覚的に理解した状態に留まらず、講師がわかりやすく解説し、正しく理解できる研修内容にすることが重要です。

また、振り返りをおこなって受講者の学びを深めるには、一人ひとりが理解していることを確認しながら進めることが大切なポイントとなります。受講者の誰もが置いてけぼりにならないようにしましょう。

サバイバルゲームを活用した研修プログラム「OODA LOOP研修」

OODA LOOPとは、観る、分かる、決める、動くの4つの思考プロセスの頭文字を取ったフレームワークです。アメリカのジョン・ボイド大佐が戦場で成果を上げるために構築した理論であり、「最速で意思決定をするための思考法」とされています。

サバイバルゲームでは、状況に応じて各々が判断・行動することが求められます。経験し、どのような状況であればどうなるのかが分かるようになると、瞬時に意思決定をして行動できるようになります。そのような経験に基づいて決断できるようになることを、OODA LOOPでは「世界観を更新する」といいます。

IKUSAOODA LOOP研修では、サバイバルゲームを研修に最適化するようにアレンジした「サバ研」というアクティビティを活用します。サバ研は海外の特殊部隊がおこなうトレーニング方法に基づいて設計されており、チームの各々に与えられた役割(隊長・通信兵・衛生兵など)を最大限に発揮してミッションクリアを目指します。

サバイバルゲームの戦場は刻々と変化します。そのなかで、同じチームの受講者と協力して意思決定を繰り返すことで、OODA LOOPの本質を理解し、業務上で実践することができるようになります。

また、IKUSAでは、巻き込み力やチームを導く力などをテーマとした研修の実施も可能です。目的や課題に応じてカスタマイズさせていただきます。

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まとめ

サバイバルゲームを研修で活用し、受講者がOODA LOOPの思考法を実践することで、意思決定に必要な考え方や思考のプロセスを理解することができます。サバイバルゲームを取り入れた研修の実施を検討している方は、ぜひIKUSAにご相談ください。

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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2.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。

学びのポイント

  • 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
  • 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

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3.戦略思考研修

戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。

学びのポイント

  • 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
  • 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる

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4.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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5.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる

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6.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。

学びのポイント

  • 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
  • フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
  • 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

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7.リーダーシップ研修

リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。

学びのポイント

  • メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
  • 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる

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8.ビジネスマナー研修

ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。

学びのポイント

  • 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
  • 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる

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9.防災研修

防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
  • 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ

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10.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

  • 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
  • ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

あそぶ社員研修は、企業の研修担当者向けのお役立ち情報を発信するメディアです。研修に関するノウハウ、組織・人材開発の手法、ビジネススキルなどをわかりやすく紹介します。

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