ボードゲーム「アグリコラ」のルール、研修に活用するときのポイントを紹介

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世界中のボードゲーム好きからも高く評価されている、「アグリコラ」という人気のボードゲームがあります。農場を経営するというゲームなのですが、戦略を立てることや洞察力、観察力といったスキルが鍛えられるため、企業の研修にも活用できると考えられます。

本記事では、「アグリコラ」とはどのようなボードゲームなのか、ルールと、学べるスキル、研修に活用するメリットと、取り入れる際のポイントを紹介します

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ボードゲーム「アグリコラ」とは

「アグリコラ」は、2007年にドイツで発売されたボードゲームです。日本語版は、ホビージャパンから発売されています。

ラテン語の「アグリコラ」には、「農民」という意味があります。ボードゲーム「アグリコラ」は、プレイヤーは17世紀のヨーロッパに住む農民となり、自分の農場を豊かにしていくというゲームです。具体的なアクションとしては、資材を集めて家を建てる、家族を増やす、畑を耕す、牧場を作り家畜を飼うなどがあります。

2016年に発売された改訂新版「アグリコラ:リバイズドエディション」の場合、カードは全部で120枚ありますが、1回のゲームで使用するのは「14枚×プレイヤーの数」だけです。これがランダムに配られるので、毎回違うゲーム展開を楽しむことができます。

ボードゲーム「アグリコラ」の特徴

プレイ時間が長い、またはルールが難しいゲームは、「重量級ゲーム」と呼ばれています。明確な定義はありませんが、プレイ時間が1時間以上になるゲームは、重量級に分類されることが多いでしょう。「アグリコラ」は、超がつくほどの重量級ゲームです。プレイ時間の目安は約90分と長く、ルールも複雑で、初心者にはハードルが高いボードゲームですので、プレイ経験があり、ルールの説明が上手な人と一緒に遊ぶのがおすすめです。

また、「アグリコラ」は運の要素がほとんどなく、戦略性が高いというのも特徴です。やればやるほど、夢中になってしまうでしょう。

そして、最終的に勝敗は決まりますが、他のプレイヤーを攻撃したり、邪魔をしたりといったことがないため、平和的なゲームであるといえます。ゲームには負けてしまったとしても、自分なりにベストな農場経営ができれば、満足感が得られるでしょう。

ボードゲーム「アグリコラ」のルール

「アグリコラ:リバイズドエディション」は、14人でプレイします。プレイ時間の目安は約90分です。

ルールは、「ファミリールール」と「通常ルール」の2種類があります。お伝えしたように、「アグリコラ」は超重量級ゲームで、ルールがかなり複雑です。「ファミリールール」は「通常ルール」を簡略化したものとなっているので、初心者がいる場合には「ファミリールール」で遊ぶことをおすすめします。

「アグリコラ」は、とても簡単に説明すると、「与えられた個人用ボードが自分の農場となるので、そこを発展させていくことで勝利点を獲得する」というゲームです。14ラウンドが終了した時点で、勝利点が一番高い人が勝ちとなります。勝利点は、さまざまな要素に対して設定されています。たとえば、家畜を多く飼っている、畑を耕した、農作物を多く作ったなどです。

ボードゲーム「アグリコラ」は研修にもおすすめ

最近は、ゲームを取り入れた研修を実施する企業もあります。「アグリコラ」はビジネスゲームではありませんが、研修にも活用できると考えられます。ここでは、「アグリコラ」で学べるスキルと、「アグリコラ」を研修に活用するメリット、取り入れる際のポイントを紹介します。

ボードゲーム「アグリコラ」で学べるスキル

ボードゲーム「アグリコラ」を研修に活用することで、以下のスキルを強化できると考えられます。

  • 戦略思考……戦略性が高いボードゲームは他にもいろいろありますが、「サイコロが出した目」や「ランダムに引くカード」など、勝敗が運に左右されるものが多いです。「アグリコラ」は、そのような運の要素がほとんどなく、戦略を立てる力が求められるゲームなので、ゲームを通して戦略的思考力が鍛えられるでしょう。
  • 洞察力・観察力……自分の農場を発展させるためには、先を読み、何を選択するのが最善策なのかを考え、自分の手番で実行することが求められます。そのため、洞察力や観察力といったスキルも磨かれるでしょう。
  • 決断力・判断力……ときには他のプレイヤーと戦略が被り、狙った通りにゲームが進まなくなることもあります。その際は軌道修正するのか、自分の戦略を貫くのかといった決断も必要になるため、決める力(決断力、判断力)も鍛えられるでしょう。

ただ、「アグリコラ」はルールが複雑なゲームですので、初めてプレイする場合はルール通りに進めるのが精一杯で、スキルの強化までは至らないかもしれません。

ボードゲーム「アグリコラ」を研修に活用するメリット

ボードゲーム「アグリコラ」を研修に活用するメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

知識・スキルが身につきやすくなる

研修にボードゲーム「アグリコラ」を活用することで、先ほど紹介したようなスキルを、社員に楽しみながら身につけてもらうことができます。

新しいことを習得するためには、まず知識を頭に入れることが大切です。これには講義が有効ですが、講義を聞いて頭に知識を入れるだけでは、それをどのように使うのかまでは理解できません。理解はできたとしても、いきなり現場で使いこなすのは難しい場合が多いでしょう。これでは、「習得した」とはいえません。研修は、講義にプラスして参加者自身が何かを「体験」するプログラムがあったほうが、実践につながりやすくなります。さらにその「体験」が「楽しい」ものだと、研修の効果はより高まると考えられます。

戦略を立てる、周りの状況を見ながら先を読む、状況に応じて判断・決断するといったことを「体験」するためのツールとして、「アグリコラ」を取り入れてみてはいかがでしょうか。

主体性やモチベーションが高まる

ゲームには、主体性やモチベーションを高める効果もあると考えられます。研修で、あえて仕事とは関係ない「楽しい」ゲームを実施することで、参加者が前のめりになってくれることが期待できるでしょう。

せっかく内容の濃い研修を実施しても、参加者が消極的では高い効果は得られません。冒頭でまずゲームを実施して参加者の主体性・モチベーションを高めることで、その後の講義・ワークも、積極的に、集中して取り組んでくれるようになる可能性があります。その結果として、研修の効果も高めることができるでしょう。

コミュニケーションが生まれる

研修で、グループに分かれてゲームをしてもらうことで、グループ内に自然にコミュニケーションが生まれます。それまであまり接点のなかった参加者同士が、打ち解けるきっかけになるかもしれません。参加者同士の交流やコミュニケーションを促進することを目的に、研修にゲームが取り入れられることもあります。

ただ、「アグリコラ」は、自分の手番が来るまでは状況を観察したり、戦略を立てたりすることに時間に充てることが多くなるので、ソロプレイ感が強いボードゲームでもあります。そのため、「活発な」コミュニケーションは生まれないかもしれません。コミュニケーションを生み出したい場合は、経験者と未経験者を同じグループにして、経験者が未経験者にルールを教えながら進めてもらうようにするのも、一つの方法です。

ボードゲーム「アグリコラ」を研修に取り入れる際のポイント

ボードゲーム「アグリコラ」を研修に取り入れる場合は、必ずゲーム後に振り返りの時間を設けるようにしましょう。ゲームを振り返ってみると、「もっとこうすればよかった」など、新しい戦略や戦術が思いつくはずです。スキルを磨いてもらうためにも、「自分なりに戦略を立て、実行できたか」「周りの状況が見えていたか」なども、振り返ってもらいましょう。逆に、振り返りの時間を設けないと、「業務時間中にゲームができて楽しかった」だけで終わってしまう可能性があります。

また、「アグリコラ」は標準のルールで行うとかなり長い時間がかかるゲームなので、独自の短縮ルールで行うことも検討しましょう。たとえば、14ターンではなく半分の7ターンにするなどの方法が考えられます。

戦略的思考を学べる研修

戦略思考が強化できると考えられるボードゲームは、「アグリコラ」以外にもあります。たとえば株式会社IKUSAでは、「ワールドリーダーズ」というボードゲームを活用した戦略思考研修を提供しています。

「ワールドリーダーズ」は、経営を疑似体験できるビジネスゲームです。戦略的思考の他にも、クリティカルシンキングや経営視点、SDGsも学ぶことができます。また、チーム対抗のゲームなので、チームビルディングができるというのも特徴です。

戦略思考研修では、まずこの「ワールドリーダーズ」を実施して戦略立案や交渉などを体験し、その後ゲームを振り返ったあとで、戦略思考に関する講義・ワークを行います。内容のカスタマイズも可能ですので、お気軽にご相談ください。

戦略思考研修

まとめ

ドイツで生まれたボードゲーム、「アグリコラ」を紹介しました。戦略性が非常に高く、やればやるほど夢中になるため、世界中にたくさんのファンがいるボードゲームです。楽しいだけでなく、ゲームを通して戦略思考や洞察力、観察力、判断力、決断力といったスキルも学べるため、研修にも活用できると考えられます。ただ、「アグリコラ」は超がつくほどの重量級ゲームですので、研修に取り入れる場合は工夫が必要になるでしょう。

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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2.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。

学びのポイント

  • 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
  • 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

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3.戦略思考研修

戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。

学びのポイント

  • 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
  • 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる

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4.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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5.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる

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6.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。

学びのポイント

  • 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
  • フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
  • 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

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7.リーダーシップ研修

リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。

学びのポイント

  • メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
  • 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる

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8.ビジネスマナー研修

ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。

学びのポイント

  • 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
  • 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる

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9.防災研修

防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
  • 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ

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10.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

  • 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
  • ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

あそぶ社員研修は、企業の研修担当者向けのお役立ち情報を発信するメディアです。研修に関するノウハウ、組織・人材開発の手法、ビジネススキルなどをわかりやすく紹介します。

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