レゴ®シリアスプレイ®とは?基本の流れや研修の効果を紹介

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レゴ®シリアスプレイ®とは、レゴ®ブロックを使った研修やワークショップのことです。チームビルディング、コミュニケーション活性化、問題解決力や想像力の強化など、さまざまな効果が期待できるため、導入する企業が増えています。

本記事では、レゴ®シリアスプレイ®とはどのようなものなのか、基本の流れや、実施するメリットを解説します。

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レゴ®シリアスプレイ®とは

レゴ®シリアスプレイ®LEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎)は、大人向けのワークショップで使用する体験型プロセスとして、2000年ごろにLEGO®社が開発したものです。このワークショップは、プラスチック製のブロックを組み立てて遊ぶ有名な玩具「レゴ®ブロック」を活用して、対話と内省を促し、問題解決力や想像力といったスキルを強化することを目的としています。

レゴ®シリアスプレイ®は、「コンストラクショニズム」という教育理論に基づき開発されています。「コンストラクショニズム」とは、MIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボのシーモア・パパート教授が提唱する理論で、一言で表すと「人は何かを作りながら学ぶ」という考え方です。

LEGO®社からは、6歳以上の小さい子どもでも遊べるシリアスプレイ®セットも販売されています。こちらも、楽しみながらさまざまなスキルを養えるように作られています。どのようなセットがあるのか気になる人は、レゴ®ショップ公式オンラインストアをご覧ください。

公式サイト:レゴ®シリアスプレイ®|レゴ®ショップ公式オンラインストアJP

レゴ®シリアスプレイ®の魅力

レゴ®シリアスプレイ®は、NASAGoogleをはじめ、世界中の企業で実施されています。なぜこんなにも人気があるのでしょうか。レゴ®シリアスプレイ®の魅力について、詳しく見てみましょう。

誰でも楽しめる

レゴ®は、昔から世界中で多くの人に愛されてきた玩具です。日本でも、レゴ®のテーマパークが造られるほど人気があります。レゴ®の部活動やサークルを設けている学校もあるようです。とても有名で、日本でも親しまれている玩具であるため、これまでの人生のなかで一度は遊んだことがあるという人も多いのではないでしょうか。

そのレゴ®を用いた研修であるレゴ®シリアスプレイ®は、年齢や性別、国籍などにかかわらず、上下関係も超えて楽しみながら取り組めるというのが大きな魅力です。場の雰囲気が明るくなり、参加者同士の交流も促進されるでしょう。

さまざまな目的で活用できる

レゴ®シリアスプレイ®で期待できる主な効果としては、

  • 問題解決力や想像力などの強化
  • チームビルディング
  • コミュニケーション活性化

などが挙げられますが、その他にもいろいろな目的で活用できます。たとえば、戦略の検討やビジョンの浸透や、アイデア出しにも有効です。このような汎用性の高さも、レゴ®シリアスプレイ®の魅力です。

レゴ®シリアスプレイ®は、多くの場合オーダーメイドで研修・ワークショップの設計を依頼することになります。実施を検討しているなら、まずは「何のためにレゴ®シリアスプレイ®を実施するのか」という目的を明確にし、そのうえで依頼することが大切です。

レゴ®シリアスプレイ®は誰でも実施できるわけではない

レゴ®シリアスプレイ®を社内研修で実施したいと考えている人もいらっしゃるでしょう。しかし、レゴ®シリアスプレイ®は、市販のシリアスプレイ®セットさえ購入すれば実施できるというものではありません。レゴ®シリアスプレイ®の研修やワークショップは、認定ファシリテータが運営しなければならないことになっています。また、使用する専用キットも決められています。

ここからは、認定ファシリテータとは何か、レゴ®シリアスプレイ®の研修やワークショップを実施する方法を、詳しく紹介します。

認定ファシリテータとは

レゴ®シリアスプレイ®の認定ファシリテータとは、レゴ®シリアスプレイ®を活用した研修やワークショップを設計し、実践することができる人のことです。

株式会社ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツが定期的に開催しているファシリテータ養成トレーニングを受講することで、認定ファシリテータになることができます。この養成トレーニングは、4日間にわたって行われます。認定ファシリテータになるには、全日程に漏れなく参加しなければなりません。

詳しくは、株式会社ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツのホームページをご覧ください。

ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツ

研修やワークショップを実施する方法

レゴ®シリアスプレイ®の研修やワークショップを実施したいなら、認定ファシリテータに依頼する必要があります。まずは、認定ファシリテータを探しましょう。そして、先ほどお伝えしたようにオーダーメイドとなるケースが多いので、実施する目的を明確にしたうえで設計を依頼することが大切です。

認定ファシリテータは年々増えていますが、実績やファシリテーションスキルは人によって差があります。なかには、認定ファシリテータにはなったけれど、現場経験はほとんどないという人もいます。強みもそれぞれ異なりますので、しっかりプロフィール等を確認して、自社に合うファシリテータを見つけることが重要です。

また、レゴ®シリアスプレイ®の研修を提供している研修会社もありますので、そちらに依頼するのも1つの方法です。チームビルディング、ジョブクラフティング、コミュニケーション、リーダーシップなど、さまざまなテーマの研修がありますので、目的に合わせて選びましょう。

レゴ®シリアスプレイ®の基本の流れ

では、レゴ®シリアスプレイ®ではどのようなことを行うのでしょうか。基本の流れとしては、以下の通りです。

  1. 「お題」を提示する
  2. 作品を作る
  3. 作品のストーリーを共有する

この基本の流れにプラスして、参加者全員で1つの作品を作ったり、テーマに関連する講義を行ったりする研修やワークショップもあります。

ここからは、基本の流れの3ステップを詳しく見ていきます。

1.「お題」を提示する

はじめに認定ファシリテータが、参加者に対して「お題」を提示します。

レゴ®シリアスプレイ®は、この「お題」が非常に重要です。「お題」は当然、テーマ(目的)に沿ったものでなくてはなりません。また、参加者の想像力を鍛えるためには、ある程度抽象的である必要があり、前後に講義やワークを実施するなら、それらとの関連性も重要なポイントとなります。

そのため、認定ファシリテータは依頼を受けた企業に、事前にしっかりとヒアリングを行います。「お題」の設定は、認定ファシリテータの力量が問われる部分の1つです。

2.作品を作る

参加者は、認定ファシリテータから出された「お題」を、レゴ®ブロックで作っていきます。

作品を作る時間は研修やワークショップによって異なりますが、レゴ®シリアスプレイ®は考えるより手を動かすことが大切なので、長すぎないほうがよいでしょう。テーマにもよりますが、制限時間は20分くらいまでで設定されることが多いです。

3.作品のストーリーを共有する

作品が出来上がったら、グループのメンバーに作品のストーリー(どのような意味を込めたのか、「お題」に対する自分の考え・想いなど)を語ってもらいます。一人ずつ順番に語ってもらって終わりにするのではなく、他のメンバーからの質問に答える時間も設けるとよいでしょう。このように、出来上がった作品を通して対話する時間を設けることで、他のメンバーに対する理解も、自分に対する理解も深めることができます。

一般的なレゴ®シリアスプレイの研修やワークショップでは、ここまでに紹介した13の流れを繰り返し行います。テーマにもよりますが、半日~1日かけて行われることが多いでしょう。

レゴ®シリアスプレイ®を実施するメリット

最後に、レゴ®シリアスプレイ®の研修やワークショップを実施することで、具体的にどのような効果が得られるのかを解説します。

参加者の姿勢が前のめりになる

お伝えしたように、「誰でも楽しめる」というのがレゴ®シリアスプレイ®の大きな魅力です。「楽しい」要素があることで、研修に対する姿勢も自然に前のめりになります。

レゴ®シリアスプレイ®を実施することで、参加者の主体性やモチベーションが高まり、学習の効果もより高めることができるでしょう。

気づきが得られる

頭であまり考えすぎずに手を動かして作った作品には、潜在意識が表れるものです。作品が出来上がったあとで、改めてその意味を考えることで、これまで気づけていなかった自分に気づけることもあります。また、作品のストーリーの共有を通して、メンバーの新たな一面や新たな考え方、視点に気づけることもあるでしょう。

このようなさまざまな気づきが得られるというのも、レゴ®シリアスプレイ®のメリットです。

チームビルディングにつながる

出来上がった作品のストーリーの共有を通して、メンバーに対する理解が深まります。チームを強くするには、チームのビジョンや目標をメンバー全員が同じように認識できていることが重要ですが、これは意外と難しいものです。レゴ®ブロックでイメージを形にして、その作品を通してイメージを共有することで、メンバー間のイメージの差に気づくことができるでしょう。

レゴ®シリアスプレイ®には、このようなチームビルディングの効果もあります。

まとめ

レゴ®シリアスプレイ®は、世界中で長く愛されているレゴ®ブロックを使ったワークショップなので、年齢や性別、国籍も問わず誰でも楽しく学ぶことができます。さまざまな目的に活用できる汎用性の高さも魅力です。社内研修の1つの選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

ただ、レゴ®シリアスプレイ®の研修やワークショップは、認定ファシリテータでなければ運営できません。本記事で紹介した流れの通りにやったとしても、認定ファシリテータでなければ高い効果は得られないでしょう。目的を明確にしたうえで、認定ファシリテータを探して依頼するか、レゴ®シリアスプレイ®を扱っている研修会社に相談してみてください。

 

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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2.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。

学びのポイント

  • 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
  • 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

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3.戦略思考研修

戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。

学びのポイント

  • 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
  • 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる

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4.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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5.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる

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6.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。

学びのポイント

  • 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
  • フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
  • 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

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7.リーダーシップ研修

リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。

学びのポイント

  • メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
  • 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる

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8.ビジネスマナー研修

ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。

学びのポイント

  • 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
  • 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる

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9.防災研修

防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
  • 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ

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10.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

  • 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
  • ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

あそぶ社員研修は、企業の研修担当者向けのお役立ち情報を発信するメディアです。研修に関するノウハウ、組織・人材開発の手法、ビジネススキルなどをわかりやすく紹介します。

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