モチベーショングラフとは?書き方と研修で活用する際のポイントを解説

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自己分析の方法の一つに、「モチベーショングラフ」があります。これを作成することで、自分のモチベーションの傾向や、大切にする価値観、強み・弱みなどが見えてきます。自己理解と相互理解促進のために、企業の研修にワークとして取り入れられることもあります。

本記事では、モチベーショングラフとは何か、活用方法、書き方、モチベーショングラフを研修に取り入れる際のポイントを解説します

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モチベーショングラフとは

モチベーショングラフとは、これまでの人生における自分のモチベーションの変化を表したグラフのことです。「モチベーション曲線」や「人生グラフ」と呼ばれることもあります。

モチベーショングラフは、縦軸を「モチベーションの高さ」、横軸を「時間」とするのが一般的です。書き方はのちほど詳しく解説していますが、過去に起こったモチベーションに影響を与えた出来事を枠のなかに書き込み、それらを線でつないで曲線のグラフとします。

モチベーショングラフを作成するメリット

モチベーションは、本来目に見えないものです。モチベーショングラフによりこれを可視化することで、自分に対する理解を深められるというメリットがあります。

作成したモチベーショングラフをしっかり分析し、深堀りすることで、自分のモチベーションの傾向を知ることができます。具体的には、自分がどのようなときにモチベーションが上がる・下がるのか、モチベーションに影響を与える要素、さらに自分の性格や、強み・弱みも分析することが可能です。

また、モチベーショングラフの作成を通じて、自分にとって重要な出来事を振り返ることができます。これまで気づけていなかった、自分が大切にしている価値観やこだわりなどが見えてくることもあるでしょう。

モチベーショングラフの活用方法

では、モチベーショングラフはどのようなときに作成するものなのでしょうか。ここでは、モチベーショングラフの3つの活用方法を紹介します。

採用面接

就職活動の際にモチベーショングラフを作成したという人は多いのではないでしょうか。モチベーショングラフを作成し、自分の企業選びの基準や条件が明確になれば、「本当に自分にマッチする就職先」を見つけやすくなります。グラフの作成を通じて、面接でアピールできるような自分の強みが見つかることもあるでしょう。

ただ、モチベーショングラフはあくまでも自己理解を深めるためのツールです。「よりよい自己PR・志望動機作成のために」ではなく、純粋に自分に対する理解を深める意識で取り組むことが重要です。

※モチベーショングラフは、基本的には誰かに見せるものではありませんが、最近は選考にモチベーショングラフを取り入れている企業もあります。自社にマッチする人材を見極めることが主な目的です。

研修

モチベーショングラフは、自己紹介のワークとして研修で活用されることもあります。新入社員研修や、結成して間もないチームの研修に取り入れると、参加者がお互いの理解を深めるのに役立つでしょう。モチベーショングラフを研修に取り入れる際のポイントは、記事の後半で詳しく解説します。

自己分析

「モチベーショングラフは就職活動をする学生が活用するツール」というイメージがあるかもしれませんが、いくつになっても、どのような立場になっても、自己理解を深めることは重要です。モチベーショングラフは、改めて自己分析をしたいときにも役立ちます。

昔は会社が用意してくれたキャリアをその通りに進んでいくことが一般的でしたが、今は働く人一人ひとりにキャリア自律が求められる時代となっています。自分のキャリアを考える際にも、モチベーショングラフを活用してみてはいかがでしょうか。

モチベーショングラフの書き方

モチベーショングラフに決まった書き方はありませんが、一例として、以下の手順で作成する方法を紹介します。

  1. ベースとなるグラフの枠を作る
  2. モチベーションの変化と出来事を書き込む
  3. 出来事が起こったときの感情や思考を書き出す
  4. モチベーションの傾向を探る

1.ベースとなるグラフの枠を作る

まずは、モチベーションの曲線と出来事を書き込むグラフの枠を作ります。

【例】

左側の縦軸は、「モチベーションの高さ」です。縦にまっすぐ線を引き、数値を書き込みましょう。上の例では数値を100から-100までとしていますが、特に決まりはありません。

そして、横軸は「時間」です。左から右に行くにつれて現在に近づくように設定します。上の例では、未就学・小学生・中学生……というように「時期」で区切っていますが、年齢で区切る方法もあります(1年ごと、5年ごとなど)。また、上の例は「未就学」から始まるグラフとなっていますが、「大学生」からでも、「入社一年目」からでも構いません。グラフを作成する目的に合わせて設定しましょう。

2.モチベーションの変化と出来事を書き込む

次に、過去を振り返って、自分のモチベーションの変化をグラフにしていきます。手順とグラフの例は、以下の通りです。

  1. 過去の出来事を思い出し、そのときのモチベーションの高さに合わせて点を打っていく。
  2. 点の箇所で何があったのか、出来事を補足として書き込む。
  3. 点と点を線でつなぐ。

【例】

「モチベーションの高さ」と考えると難しく感じてしまう場合は、「心がどのくらい充実していたか」と考えてみましょう。モチベーションが高い・低い状態の一例を、以下に挙げてみます。

  • モチベーションが高い:やりがいを感じた、やるべきことに精力的に取り組めていた、前向きな気持ちだった など
  • モチベーションが低い:気持ちが落ち込んでいた、やる気が持てなかった など

モチベーションの高さはあまり深く考えすぎず、直感で書いたほうがよいかもしれません。モチベーションの高さよりも、どのような出来事によりモチベーションが変化したのかのほうが大切です。

3.出来事が起こったときの感情や思考を書き出す

モチベーショングラフとしては前項のステップで完成ですが、せっかくモチベーショングラフを作成したなら、それを活用して自己理解をより深めていくことが大切です。モチベーションに影響を与える出来事が起こったときの感情や思考を、別の紙などに書き出してみましょう。

たとえば、前項で例として示したグラフに、「高校三年生のときに期末試験で学年10位以内に入る」という出来事がありました。これによりなぜモチベーションが高まったのか、当時の感情・思考を思い出し、言語化してみます。

【例】努力が報われて嬉しかった。次は5位以内を目指したいと思った。

上記のように「努力が報われたこと」がモチベーションにつながる人もいれば、「周りに褒めてもらえたこと」がモチベーションになる人もいるでしょう。感情や思考を言語化することで、その出来事によりなぜモチベーションが変化したのかという理由が見えてきます。

あわせて、これまでの多くの経験のなかから「なぜこの出来事を選んだのか」も、改めて考えてみましょう。これにより、普段は意識していなかったけれど、実は自分がとても大切にしているものが見えてくることもあります。

4.モチベーションの傾向を探る

完成したモチベーショングラフと、出来事が起こったときの感情・思考を書き出したものを見て、自分がどのようなときにモチベーションが高いのか・低いのかという共通点を探してみましょう。そこから、自分の強み・弱みを導き出すことができます。

たとえば、「努力が報われたときや、目標をクリアできたときはモチベーションが高い」という共通点が見つかったとします。そこから、「求める結果や目標に向けて努力し続けることができる」ことが、自分の強みだと考えることもできるでしょう。

また、「人間関係で悩みがあるときはモチベーションが低く、よくない結果になることが多い」という傾向があるなら、「メンタル面やパフォーマンスが人間関係に左右されすぎる」ことが、自分の弱みなのかもしれません。

モチベーショングラフを研修に取り入れる際のポイント

最後に、研修にモチベーショングラフを取り入れることを検討されている研修担当者様に向けて、効果を高めるためのポイントを紹介します。

発表と意見交換の時間を設ける

研修にモチベーショングラフを取り入れるなら、モチベーショングラフの作成だけで終わらせずに、発表と意見交換の時間を設けるようにしましょう。具体的には、まず45人のグループに分かれて各自モチベーショングラフを作ってもらいます。そのあとで、作成したモチベーショングラフをもとに一人ずつ自分の人生を話してもらい、最後にグループで自由に話し合う時間を設けます。お互いをよく知らない参加者ばかりの場合、発表と意見交換の時間を設けることで、メンバーのことをより深く理解できるようになるでしょう。

また、「自分が思う自分」と「周りから見た自分」は違うものです。モチベーショングラフを第三者に見てもらうことで、自分では気づけていなかったことが見つかることもあるでしょう。

他の自己分析の手法と組み合わせる

自己分析のためにモチベーショングラフを作成する場合は、モチベーショングラフだけでは正確な分析が難しいので、他の手法と組み合わせるとよいでしょう。

いきなり「過去を振り返ってモチベーションをグラフにしてください」といわれても、自分にとって重要な出来事を忘れてしまっていることもあります。まずは「自分史」を作って過去の出来事を書き出し、そのあとでモチベーショングラフを作るという流れがおすすめです。

また、他にも「WillCanMust」「ジョハリの窓」など、さまざまな自己分析の方法があります。これらは、以下でも解説していますので、参考にしてください。

自己理解を深める方法とは?言葉の意味と重要性も解説

まとめ

社会人になってからも、自己理解を深めていくことは大切です。「就職活動のとき以来、モチベーショングラフを作成していない」という人も、久しぶりに作成してみてはいかがでしょうか。また、自己理解を深めるためには、完成したモチベーショングラフをしっかり分析することが重要です。作成して終わりにするのではなく、自分のモチベーションの傾向や強み・弱みを深堀りしてみてください。

 

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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2.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。

学びのポイント

  • 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
  • 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

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3.戦略思考研修

戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。

学びのポイント

  • 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
  • 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる

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4.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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5.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる

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6.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。

学びのポイント

  • 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
  • フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
  • 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

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7.リーダーシップ研修

リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。

学びのポイント

  • メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
  • 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる

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8.ビジネスマナー研修

ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。

学びのポイント

  • 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
  • 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる

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9.防災研修

防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
  • 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ

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10.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

  • 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
  • ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

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この記事の著者

あらたこまち

雪国生まれ、関西在住のライター・ラジオパーソナリティ・イベントMC。不動産・建設会社の事務職を長年務めたのち、フリーに転身。ラジオパーソナリティーとしては情報番組や洋楽番組を担当。猫と音楽(特にSOUL/FUNK)をこよなく愛し、人生の生きがいとしている。好きな食べ物はトウモロコシ。

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