あそぶ社員研修 > お役立ち情報 > ビジネススキル > 調整力とは?具体例や高め方を紹介 調整力とは?具体例や高め方を紹介 2025.01.14 ビジネススキル ビジネスパーソンにとって重要なスキルの1つに、「調整力」があります。業界や職種にかかわらず、採用においても評価されやすいスキルであるため、就職活動の際に自己PRしたという人も多いのではないでしょうか。本記事では、ビジネスにおける調整力とはどのようなスキルなのか、調整力が高い人の特徴、調整力がもたらすメリット、調整力を高める方法について解説します。 受講者が没入して取り組むアクティビティと専門講師の講義・振り返りをブリッジすることで、翌日から業務で実践できる知識・スキルを習得⇒受講者のスキルアップとチームビルディングをはかる「あそぶ社員研修 総合資料」を無料で受け取る 目次調整力とは調整力が高い人の特徴調整力がもたらすメリット調整力を高める方法まとめ調整力とはビジネスにおける調整力とは、利害が異なる立場の人の意見をまとめて、合意形成をサポートするために調整する力を指します。企業に所属していると、仕事の多くがチームで取り組むものとなります。そのチームのメンバーには、他部署の人や、外部パートナーが含まれる場合もあります。「この仕事を成功させる」という目的は同じでも、所属が違えば考え方や優先事項が異なる場合も多く、全員が一丸となって進んでいけるような体制を作るのは、簡単ではありません。大きな仕事ほど、かかわる人数も多くなりますので、まとめるのがより難しくなります。調整力は、このようなときに協力体制を築き上げるために必要なスキルです。調整力には、相手のニーズを把握する力や、かかわる人全員が納得できるポイントを見つけて提案する力、そのために必要な情報を集める力など、さまざまな力が含まれます。調整力はやや抽象的な言葉でもあるため、このように細分化して言い換えると、自分の強みや、逆に足りていない部分が見えてくるのではないでしょうか。また、調整力と聞くと「根回し」をイメージする人もいらっしゃるかもしれませんが、調整は根回しをすることだけではありません。状況によっては「自分がうまく立ち回る」ことも必要ですが、周りを上手に動かし、全体を調整できる人こそが、調整力がある人といえるでしょう。調整力の具体例調整力は、どのような場面で求められるのでしょうか。まずは、さまざまな意見をまとめなくてはならないときです。先ほどお伝えしたように、所属が違えば考え方や優先事項が異なる場合がありますし、同じ部署の人同士であっても、全員が同じやり方・考え方とは限りません。意見をまとめるには、メンバーの意向を聞いて調整する、対立が起きた際には双方が納得できる形で解決できるようサポートするといった調整力が求められます。また、プロジェクトには社内メンバー、外部パートナー、顧客などさまざまな人がかかわっており、それぞれに要望があります。それらをすべて受け入れるのは難しいことが多いので、各所のニーズを正確に把握したうえで、成果が最大になるよう調整しなければなりません。このときにも、調整力が求められます。さらに、限られた予算を振り分けるときも、それぞれが納得できる配分にしたり、その理由を示したりして、対立が生まれないよう調整する必要があります。そして、対人関係の調整だけでなく、スケジュール調整などで進捗を管理して納期を守ることも、プロジェクトを成功させるためには重要です。このように、ビジネスにおいてはさまざまな場面で調整力が求められます。折衝力や交渉力との違い調整力と意味が似ている言葉に、折衝力と交渉力があります。折衝力と交渉力は、それぞれ以下のようなスキルを指します。折衝力……利害が一致しない相手と、話し合いにより折り合いをつけるスキル。交渉力……話し合いによって、お互いが利益を得られるような「Win-Win」な答えを導き出すスキル。折衝は双方の利害が一致しないときに用いられるものですが、交渉は利害の一致・不一致にかかわらず、相手と話し合う際に用いられます。また、折衝はお互いが歩み寄って納得できるポイントに着地するようなイメージ、交渉は上記の通りお互いが利益を得られるような結果を目指すという違いがあります。そして調整は、「調子を整える」「ある基準に合わせる」ことを意味する言葉です。調整力は、よりよい結果を出すために全体を整える力といえるでしょう。なお、折衝力と交渉力については、以下で詳しく解説しています。交渉力とは?折衝力との違いや高める方法を解説調整力が高い人の特徴ここからは、調整力が高い人に見られることが多い特徴を、具体例とともに紹介していきます。リーダーシップがあるリーダーシップとは、メンバーをまとめて、目標達成まで導いていく力のことです。1つの組織には、さまざまな考え方や価値観を持つメンバーが集まっています。一人ひとりを尊重しつつ、全員で目標に向かっていけるような体制を作るためには、リーダーシップが欠かせません。具体例たとえば、あなたがプロジェクトチームのリーダーを任されたとします。そのプロジェクトチームは、年齢や所属もさまざまなメンバーで構成されており、一人ひとり考え方も異なるため、いまひとつ結束できていないような状況です。このようなときに、調整力のあるリーダーなら、リーダーシップを発揮して、チームの結束力の強化を図るでしょう。具体的には、メンバーを集めて交流の場を設けたり、進捗状況やそれぞれが感じている課題などを共有したりといったアプローチが考えられます。誠実で責任感がある調整をスムーズに行うためには、関係者から信頼を得ることが重要です。調整力が高い人は、関係者一人ひとりと誠実に向き合い、真摯に耳を傾けて意見を聞こうとします。そして、自分の仕事にも責任を持っています。このような誠実な姿勢でいると、関係者から信頼されやすく、良好な人間関係を構築できるため、調整も行いやすくなります。具体例たとえば、社外の協力会社に仕事を依頼するとき、「依頼する側のほうが立場は上」「お金を払うのだから、文句を言わずにやってほしい」というような態度で接すると、相手はどう感じるでしょうか。このような不誠実な向き合い方では、信頼を得られないだけでなく、いずれ仕事を断られてしまう可能性もあります。調整力のある人は、仕事を依頼する側・受ける側を上下の関係で考えず、一緒に同じ目標に向かってくれるチームのメンバーとして、対等な立場で接します。協力会社と良好な関係を築ければ、調整が行いやすくなることはもちろん、チームワークが生まれ、よい結果にもつながりやすくなるでしょう。他部署の状況を把握している調整力が高い人は、自分が所属する部署以外の目標や仕事内容もしっかり把握する傾向があります。そして、部署間で意見の対立が起きたときは、双方の意見を聞いて、状況を理解しようとします。そのため、対立の原因を素早く把握し、全員が納得できる形での解決をサポートできます。具体例営業と開発・製造は、対立が起きやすいといわれています。営業の仕事は自社の製品やサービスを売ること、開発の仕事は一定の品質が確保された製品やサービスを期日までに完成させることです。営業が売上金額や成約数を重視するあまり、大幅に値下げをしたり、かなりタイトな納期で受注してしまったりすることがありますが、無茶な受注をすれば、その分開発に無理がかかることになります。すると、営業としては「せっかく案件をとってきたのに、開発はいつも不満ばかり言っている」、開発としては「営業はもっと受注後のことを考えてほしい」と不満を抱くようになります。このように、お互いの立場や仕事内容を理解できていないために対立が生まれてしまうというのが、よくあるケースです。このようなときでも、双方の状況をよく把握できている人がいれば、素早く対立を解消できるでしょう。具体的には、値下げに関するルールを定める、営業・開発共通の目標を設定するなどの対策が考えられます。コミュニケーション能力が高いコミュニケーション能力が高いというのも、調整力がある人の特徴の1つです。調整力が高い人は、相手の立場で話を聞くため、相手の要求や、「ここまでなら譲れる」というラインを正確に見極めて、適切な提案をすることができます。そして提案をする際は、情報をロジカルにわかりやすく説明しつつ、必要に応じて感情にも訴えかけます。折衝や交渉も上手な人が多いといえます。また、調整力が高い人は、さまざまな人と積極的にコミュニケーションをとろうとします。人脈を広げておけば、今まで連携がなかった部署と連携する必要ができたときも、スムーズに仕事を進められるでしょう。具体例たとえば、「経費精算書の記載漏れ・ミスが多く、確認作業のために経理に大きな負担がかかっている」という課題があり、これを解決するために経費精算システムを導入することになったとします。従来のやり方を変えるとなると、目的や効果をきちんと説明しても、反発が起きることもあります。しかし、普段から積極的にいろいろな部署のメンバーとコミュニケーションをとり、信頼関係が築けていれば、スムーズに合意を得られるでしょう。調整力がもたらすメリットでは、従業員が調整力を身につけ、必要な場面で発揮できるようになると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。仕事がスムーズに進むようになるチームで取り組む仕事は、かかわる人全員が同じ方向を向いていないと、なかなか成果につながりません。チームのなかに調整力がある人がいると、仕事がスムーズに進むようになります。具体的には、調整力が高い人がいると、隠れた課題や、これから問題になりそうなことも素早く見つけて、先回りして対処してくれることが期待されます。そのため、大きなトラブルも起きにくくなるでしょう。また、不要なやり取りや手戻りが減ることも期待できます。たとえば企画書を確認して、「この表現ではクライアントに伝わらないかもしれない」と気づいてくれる人がいれば、クライアントに提出する前に修正を加えることができます。各所のニーズに合わせて、細かい調整が行えるようになるでしょう。関係者の対立を解消できるプロジェクトの規模が大きくなるほど、かかわる人も多くなりますので、利害や意見の対立も起きやすくなります。調整力がある人がいれば、これを円満に解消してくれるでしょう。全員で協力できる体制が出来上がり、プロジェクトの成功につながりやすくなります。対立を解消するやり方はさまざまありますが、一方が不利益を被るような形になると、その後の関係性にも影響が出てしまう可能性があります。調整力がある人がいれば、良好な関係を維持したまま対立を解消できるようになるでしょう。調整力を高める方法最後に、調整力を高める方法を紹介します。コミュニケーション能力を磨く調整を行うには、関係者とコミュニケーションをとる必要がありますので、コミュニケーション能力が欠かせません。コミュニケーション能力には、さまざまな要素が含まれています。まずは、調整について自分にはどのような課題があるのか、どのような力を身につけたいのかを考えてみて、それを磨いていくとよいでしょう。具体的な方法としては、研修がおすすめです。たとえば、「相手のニーズを把握する力を磨きたい」のなら「傾聴力研修」、「対立を円満に解消する力を磨きたい」のなら「合意形成研修」などを受けてみてはいかがでしょうか。また、先ほどお伝えしたように、折衝力や交渉力は調整力とは別物ですが、これらも調整の際に役立つスキルなので、折衝術や交渉術を学べる「ネゴシエーション研修」もおすすめです。積極的に調整役にチャレンジする何事も、まずは経験してみることが大切です。チャンスがあれば、実際に調整役をやってみましょう。具体的には、自分の周りで意見の対立があれば解消を図ってみる、社内イベントの幹事をやってみるなどの方法が考えられます。小さなところからで構わないので、積極的にチャレンジしてみてください。調整役としてさまざまな人とコミュニケーションをとっていくなかで、信頼関係が構築されることも期待できます。さまざまな人と積極的にかかわる他部署の人、他業種の人などとも積極的にかかわり、人脈を広げておきましょう。そうすることで、調整に必要な情報を幅広く集められるようになりますし、仕事のチャンスも広がります。今は連携が必要ない部署でも、今後連携しなければならないときが来る可能性もありますので、「自分の仕事に関係ない」と感じる部署の人とも、積極的にかかわってみるとよいでしょう。また、調整の際はキーマン(決定権を持つ人、影響力が大きい人)を巻き込むというのもポイントです。キーマンから支持を得ると、提案がスムーズに通るようになります。各部署のキーマンを把握するためにも、普段からさまざまな人とかかわることを意識しましょう。仕事に関する知識を増やす周りからの信頼を得るためには、自分の仕事に対して誠実であることも大切です。自分の仕事に関する知識を増やし、責任感を持って取り組んでいきましょう。そうすることで、言葉に説得力も生まれます。また、調整をスムーズに行うためには、他部署についての知識を持っておくことも重要です。前項でお伝えしたように、普段からさまざまな人と積極的にコミュニケーションをとって、他部署の目標や仕事内容、状況などについても理解を深めていきましょう。柔軟性を高める調整をするなかで、予想外の反応が返ってきたり、予期せぬトラブルが発生したりすることもあります。調整役は、そのようなときにも慌てずに、柔軟に対応しなければなりません。たとえば、計画通りに進めるのが難しくなってきたなら、プランBを提案する、もしくは別の視点から解決策を考えるといった対応が必要になります。このように、調整には柔軟性が求められます。柔軟性を高めるためには、視野を広くする、新しいことにチャレンジしてみる、人の意見を知るために本を読むなどを、普段から意識してみるとよいでしょう。ストレスを上手に解消するいろいろな人の間に入って調整をしていると、ストレスがたまりすぎてしまうこともあります。自分の体と心の状態を調整することも調整力に含まれると考えて、ストレスを上手に解消できるようになることも大切です。疲れたと感じたら早めに休憩をとったり、軽く体を動かしてみたりして、自分をリフレッシュさせましょう。誰かに話を聞いてもらうのもおすすめです。同僚や上司に相談することで、気づきが得られることもあります。また、余裕がないとストレスを感じやすくなりますので、一度仕事の量やスケジュールも見直してみてください。まとめ企業のなかでは、基本的に仕事はチーム戦です。1つのチームは、さまざまな考え方や立場のメンバーで構成されています。人数が多くなるほど、対立も生まれやすくなるでしょう。チームのなかに調整力がある人がいれば、対立を円満に解消できるようになり、チームにまとまりが生まれます。調整力は、全員で協力して目標を達成するために重要なスキルです。研修を受けたり、普段の意識や行動を少し変えてみたりして、調整力を高めていきましょう。 「あそぶ社員研修」は、受講者全員が没入して取り組むアクティビティ・振り返り・講義をブリッジすることで学びを最大化させ、翌日から業務で活かせる知識・スキルが身につく講義・アクティビティ一体型の研修プログラムです。アクティビティが受講者の主体性を高めてコミュニケーションを促進させ、スキルアップやチームビルディングをはかれます。⇒あそぶ社員研修 総合資料を受け取る 研修の相談をする この記事の著者 あらたこまち 雪国生まれ、関西在住のライター・ラジオパーソナリティ・イベントMC。不動産・建設会社の事務職を長年務めたのち、フリーに転身。ラジオパーソナリティーとしては情報番組や洋楽番組を担当。猫と音楽(特にSOUL/FUNK)をこよなく愛し、人生の生きがいとしている。好きな食べ物はトウモロコシ。 適応力とは?意味や順応力との違い、高める方法を紹介 折衝力とは?交渉力との違いや高める方法を紹介 よく読まれている記事 2023.09.28 エンゲージメントとは?ビジネスにおける意味や重要性を解説 組織・人材開発 2023.09.28 チームビルディングとは?チームづくりのポイントや具体例を含めて網羅的に解説 組織・人材開発 2023.09.26 ロジカルシンキングとは?思考法やツールをわかりやすく解説 ビジネススキル 2023.09.28 グループワークの進め方や効果的に進めるポイントを解説 組織・人材開発 すべて見る とりあえずこの記事 2023.09.28 組織・人材開発 グループワークの面白いテーマ20選!タイプ別に紹介 2023.09.29 組織・人材開発 合意形成とは?メリット・進め方・ポイント・対処法を紹介 2023.09.28 組織・人材開発 チームビルディングとは?チームづくりのポイントや具体例を含めて網羅的に解説 カテゴリ ビジネススキル フレームワーク ワークスタイル 学習法 研修ノウハウ 組織・人材開発 タグ 研修 ゲーミフィケーション 内定者フォロー レジリエンス クリティカルシンキング OODA LOOP PDCA アクティブラーニング ウェルビーイング エンゲージメント グループワーク コミュニケーション チームビルディング ビジネスマナー フォロワーシップ メンバーシップ リーダーシップ ロジカルシンキング 合意形成・コンセンサス 心理的安全性 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