報連相ができない人の特徴とは?指導法や研修内容を紹介

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この記事の監修者
株式会社IKUSA あそぶ社員研修事業部 責任者
友水 一喜
慶應義塾大学文学部人文社会学科美学美術史学専攻卒業。
大学卒業後、クラシック音楽業界にて制作・マネジメント・プロデュースに従事し、アートと教育の融合をテーマに、「体験を学びとして届ける」手法を追求してきた。
その後、体験型コンテンツ会社を経て、株式会社IKUSAにクリエイティブプロデューサーとして入社。
現在は研修事業部の責任者として、体験型・ゲーム型の社員研修事業を統括している。
ユーザー視点に立ったサービス開発を得意とし、「楽しさが行動変容を生む」という信念のもと新しい研修体験を創出している。

「部下がなかなか報連相をしてくれない」、「トラブルが起きてから報告が上がってくる」という現場の悩みに対しては、適切な指導をすることや研修の実施が効果的です。

報連相(報告・連絡・相談)はビジネスの基本ですが、徹底されていない現場は少なくありません。必ずしも本人が報連相を怠っているとは限らず、報連相ができない理由がある可能性もあり、正しく解決することが求められます。

本記事では、報連相ができない部下の心理や特徴、適切な指導法や、適した研修について紹介します

報連相とは

報連相(ホウレンソウ)は、ビジネスにおけるコミュニケーションの基本となる「報告」、「連絡」、「相談」の3つの要素をまとめた略語です。それぞれの定義と目的は以下の通りです。

  • 報告:上司からの指示や命令に対して、業務の進捗状況や結果を伝えること。
  • 連絡:業務に関する事実や決定事項を、関係者に周知すること。
  • 相談:業務上の迷いや問題点について、上司や先輩にアドバイスを求めること。

報連相が適切に行われることで、チーム全体の情報の透明性が保たれ、業務がスムーズに進行します。報連相が滞ると組織としての機能が損なわれ、問題が大きくなるまで気付けなかったり、効率が悪くなって進捗が遅れたりする要因となります。

報連相ができない原因と心理

報連相ができない原因を理解するためには、部下の心理状態を知る必要があります。部下が報連相をしない背景には、怠っているのではなく、不安や認識の違いが隠れている場合もあります。

報連相ができない主な心理的要因としては、以下の4つが挙げられます。

  • 伝えるタイミングがわからない
  • 怒られたくない・評価を下げたくない
  • 報連相の必要性を理解できていない
  • 自分で解決しようとしている

それぞれについて、以下で紹介します。

伝えるタイミングがわからない

1つ目は、上司が忙しそうにしていて遠慮する場合です。

プレイングマネージャーとして常に現場で稼働している上司に対して、部下は声をかけるタイミングを見失いやすくなります。すぐに報告しないことで、報告の遅れや忘れにつながります。

怒られたくない・評価を下げたくない

2つ目は、「悪い報告をして怒られる」、「できない部下だと思われる」などと思い、防衛するために報連相をしない場合です。

ミスやトラブルに関する報連相で起こりやすいことが特徴です。過去に怒られたことの有無に関わらず、悪い出来事に関する報連相では起こり得ます。問題を隠蔽したり、報連相を先延ばしにしたりすることで、問題が大きくなる可能性があります。

報連相の必要性を理解していない

3つ目は、報連相の必要性を本人が理解していない場合です。

「ミスやトラブルなどの自分で解決できない場合に報連相をすればよい」、「わざわざ途中経過を伝えるのは無駄だ」などと考えている部下がいる可能性があります。また、そもそもの危機意識が低く、報連相が必要であることを理解できていない場合もあります。

自分で解決しようとしている

4つ目は、責任感が強く、「自分だけで何とかしなければならない」、「他人に迷惑をかけてはいけない」などと思い込んでいる場合です。

一見すると真面目な姿勢に見えますが、組織としてはリスクといえます。自分の裁量や能力を超えた問題まで抱え込んでしまい、事態が悪化してから上司に報連相をすることになる可能性があり、結果として組織のリスクとなります。

報連相ができない人の特徴

報連相が苦手な人には、性格や行動パターンに共通する特徴があります。部下がどのタイプに当てはまるかを見極めることで、適切な指導法が見えてくるでしょう。

プライドが高く他者を頼るのが苦手

プライドが高い人は、自分の弱みを見せることを嫌う場合が多いです。報連相をすることによって自分の能力不足を認めることになり、誰にも頼らずに仕事を進めやすくなるでしょう。

プライドの高さが邪魔をして報連相ができない場合は、ミスやトラブルなどに限られません。良い出来事に関する報連相であっても、「他人を頼りたくない」、「余計なことを言われなくない」などと考える場合があります。

内向的で組織に適応することが苦手

心理的安全性とは、安心して意見や報連相などを他者に伝えられる状態を指します。性格が内向的で、組織に適応することが苦手な人は、必然的に心理的安全性が低くなり、報連相ができない場合があります。

内向的な性格の人は、他者と関わることに対してストレスを感じやすく、自分から同僚を遠ざけてしまいやすくなるため、報連相ができなくなります。

物事の優先度をはかることが苦手

仕事の全体像や目的を正しく理解できておらず、物事の優先度を判断できない場合もあります。判断基準が曖昧なため、報連相ができなかったり、逆に頻繁にし過ぎたりします。

報連相ができないことを放置するリスク

報連相ができない状態を放置することにはリスクがあります。組織の損失につながる可能性があるため、リスクを理解し、対策を講じることが重要です。

トラブル対応の遅れにより深刻化する

報連相ができないと、トラブルの発見が遅れ、深刻化する可能性が高まります。

初期段階で報連相ができていれば初期消火ができるトラブルであっても、時間が経過すると大ごとになる場合があります。顧客からのクレーム対応の遅れや納期の遅延などにより、組織の信頼を失いかねないため、大きなリスクといえます。

業務効率の低下と手戻りが発生する

進捗確認ができないまま業務が進むと、方向性のズレに気づくのが遅くなる場合があります。

数日かけて作成した資料が、実は上司の意図とは全く違っていた場合、その作業時間はすべて無駄になります。随時、報連相をしていれば防げた手戻り(やり直し)が発生してしまうと、リソースの浪費につながります。

チーム内の信頼関係が悪化する

報連相をしないことが原因で連携することができなかったり、他者に迷惑がかかっていたりすると、不信感が募りやすくなります。

報連相を怠ると、チームとしての作業効率が悪くなり、成果や生産性が低下することにつながります。職場の雰囲気が悪くなる原因となり、結果として離職率の上昇に至る可能性さえあるでしょう。

報連相ができない部下への対策・指導法

部下が報連相をすることができない原因の多くは、上司側の関わり方や環境づくりで改善できる可能性があります。以下では、管理職やリーダーが実践すべき具体的な改善策を紹介します。

心理的安全性を高める

まずは部下の心理的安全性を高め、信頼関係を築くことが重要です。

上司・部下間の信頼関係を築くには、「怒らないこと」、「必要性をきちんと説明すること」など、部下が報連相をすることに対する心理的な妨げとなる要因を除外し、心理的安全性を向上させることが不可欠です。また、報連相をした際に、きちんと感謝を伝えることも重要となります。

感情的にならず、部下が納得できるように説明することを続けることで、信頼関係の構築につながります。

報連相のルールを具体的に決める

上司が報連相のルールを明確化していないと、判断基準が曖昧になり、部下を迷わせる原因になります。いつ、誰に、どのような場合に、どのようにして報告すべきかを具体的なルール化しましょう

  • いつ:毎朝9時の朝礼後、業務完了時、トラブル発生時は即時など。
  • 誰に:直属の上司、プロジェクト管理者など。
  • どのような場合に:決まっていないことをする場合、あらゆるトラブル発生時など。
  • どのようにして:急ぎの場合は電話、当日中で問題がない場合はチャットやメールなど。

また、報告の仕方を決めることも大切です。結論から話す、5W1Hを明確にするなど、効率的かつ的確な報連相の仕方を明確化しましょう。

報連相の理由や目的を伝える

上司が部下に命令するだけでは、部下が目的やメリットを理解できず、必要性を見出せない可能性があります。上司から部下に対して報連相の必要性についてきちんと説明し、部下に納得してもらうことで、報連相に関する課題解決につながるでしょう。

「部下を守るため」、「問題が大きくなる前に対処するため」、「上司が責任をもって先方に対応できるようにするため」など、報連相が必要な理由や目的を説明し、部下の理解を促すことが重要です。

報連相の課題解決につながる研修テーマ

部下に報連相の必要性や具体的な方法を学んでもらうには、研修の実施が効果的です。また、上司に対して、部下との接し方やハラスメントに関する研修を実施し、上司・部下間の信頼関係を築けるように促すことも重要です。

以下では、報連相に関する研修テーマを紹介します。

報連相研修

「報連相研修」では、報連相の目的・メリット、具体的な方法を学びます。また、マインドセットをおこなったり、ロールプレイングで演習をおこなったりする場合もあります。

報連相に関するスキルを身につけるには、PREP法などのフレームワークを活用して伝え方を学んだり、ケーススタディやロールプレイングを取り入れて具体的なイメージを持って実践できるように促したりすることが効果的です。

関連記事:PREP法とは?例文・メリット・注意点・その他のフレームワークを解説

コミュニケーション研修

「コミュニケーション研修」は、伝える力や聞く力に関する基礎的なスキルを全般的に身につける研修です。

伝える力や聞く力に関するスキルについて知り、効果的な理由やメリットを納得したうえで、具体的な方法を学んでいきます。また、相手を尊重しつつ伝えるべきことをきちんと伝える技術である「アサーティブコミュニケーション」や、わかりやすく伝えたりヒアリングしたりために必須となる「ロジカルシンキング(論理的思考力)」に関しても併せて学べるようにする場合もあります。

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部下の育成・指導研修

「部下の育成・指導研修」は、上司が部下との接し方や、心理的安全性の高め方、本音の引き出し方、信頼関係の築き方などを学ぶ研修です。

報連相ができない原因に、上司の働き方や上司・部下間の関係性が関わっている場合に効果的です。また、報連相に限らず、部下のマインドセットやスキルアップ、キャリア形成などに関する知識やスキルを得ることで、組織開発につなげることもできます。

リーダーシップ研修

「リーダーシップ研修」は、リーダーとしてのマインドセットをしたり、マネジメント、リーダーシップに関する手法などの知識・スキルを身につけたりするための研修です。

リーダー像は1つではなく、組織や社員の特徴によってさまざまな形があります。また、リーダー自身の性格や能力などの特性によっても適したリーダー像は異なります。さまざまなリーダー像のなかから自分に合ったリーダーシップを学ぶことで、現場で実践することができます。

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チームビルディング研修

「チームビルディング研修」は、関係性が強固であったり、適切なコミュニケーションを通じて連携できたりする実践的なチーム作りに関する研修です。

チームビルディングは、懇親を深めて仲良くなり、より良い関係性を構築させることに限られません。報連相を含めて適切なコミュニケーションが取れること、高いモチベーションを維持すること、仕事の目的を理解して適切な行動を取れることなどもチームビルディングに含まれます。

チームビルディング研修を実施する際は、自社の課題を見極め、より良い組織にするために必要な要素を洗い出し、研修内容に組み込むことが重要です。

まとめ

報連相ができない部下の心理や原因を理解することで、改善させることが可能です。

報連相ができない背景には、怒られることに対する怖れや、必要性に対する理解不足などが原因としてあります。部下の心理的安全性を高め、上司・部下間の信頼関係を築くことで改善が見込めます。

IKUSAでは、役職や所属先などの垣根を超えて、フラットに関係性を構築できるゲーム型研修である「あそぶ社員研修」を提供しています。報連相の改善や心理的安全性の向上、チームビルディングなどを目的とした研修をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.合意形成研修

合意形成研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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2.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。

学びのポイント

  • 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
  • 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

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3.戦略思考研修

戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。

学びのポイント

  • 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
  • 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる

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4.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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5.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる

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6.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。

学びのポイント

  • 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
  • フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
  • 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

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7.リーダーシップ研修

リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。

学びのポイント

  • メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
  • 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる

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8.ビジネスマナー研修

ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。

学びのポイント

  • 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
  • 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる

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9.防災研修

防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
  • 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ

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10.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

  • 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
  • ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

あそぶ社員研修は、企業の研修担当者向けのお役立ち情報を発信するメディアです。研修に関するノウハウ、組織・人材開発の手法、ビジネススキルなどをわかりやすく紹介します。

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