ビジネスゲームを研修で活用するメリットや実施のポイントを解説

  • 研修ノウハウ
    • 研修
この記事の監修者
友水 一喜
株式会社IKUSA
あそぶ社員研修事業部 責任者

ビジネスゲームとは、コミュニケーションスキルや合意形成スキルなどのビジネスシーンで求められるビジネススキルに関連するゲームを活用し、知識・スキルの定着や業務での活用につなげる研修形式です。

ゲームを活用した研修は「ゲーム型研修」とも呼ばれます。ゲームは体験する人の好奇心を刺激し、主体性を高める効果が期待できます。また、ゲームを通じて実践的に学ぶこともできるため、研修で得た知識・スキルを定着させ、業務で活用できるようにすることにもつながります。

本記事では、ビジネスゲームの概要、研修で活用することで得られる効果・メリット、実施する際のポイント・注意点、おすすめのビジネスゲーム8選を紹介します

 

 

ビジネスゲームとは

ビジネスゲームは、コミュニケーションスキルや論理的思考力などのビジネススキルが求められるゲーム(ビジネスゲーム)を活用する研修形式です。

ビジネスゲームを活用することで、受講者の好奇心が刺激され、主体性が向上します。また、ビジネスゲームの多くはグループ内でのコミュニケーション要素があり、積極的な発言が促されるため、心理的安全性の向上にもつながります。

ビジネスゲーム自体に実践的な学びの要素があり、講義やワークと組み合わせることで、知識・スキルの定着やチームビルディングにつながる効果的な研修にすることができます。

研修でビジネスゲームを実施する効果・メリット

ここからは、研修でビジネスゲームを実施することで得られる効果やメリットについて紹介します。

受講者の主体性が高まる

受講者が没入できるビジネスゲームを体験することで、好奇心が刺激され、主体性が向上します。研修の際に主体性が低くなる要因としては、「研修内容が役に立たない」、「講義が退屈だと感じる」などが挙げられます。ビジネスゲームを活用することで、ワクワクして自然と主体的に取り組むように促されるため、受講者が主体的に取り組むことができます。

心理的安全性が高まる

心理的安全性とは、お互いに安心して意見を伝え合える状態に関する尺度です。積極的に意見が伝えられる状態であれば、「心理的安全性が高い」となります。ミッションをクリアするためにグループでの協力が必須となるなど、コミュニケーション要素があるビジネスゲームを活用することで心理的安全性を高めることができます。

心理的安全性を向上させるには、信頼関係の構築が必須となります。互いに問題なく基礎的なビジネスコミュニケーションが取れること、自分の意見が受け入れてもらえると実感できることなど、信頼関係を築くことが重要です。研修では受講者にほどよい緊張感があり、丁寧にコミュニケーションを取りやすい環境となるため、心理的安全性が向上しやすくなります。

体験を通じて受講者が実践的に学べる

ビジネスゲーム自体に、実践的な学びの要素があります。SDGs経営を疑似体験できるビジネスゲームの「ワールドリーダーズ」を例に取ると、グループで戦略を立てる際に「戦略的思考力」、他グループとWin-Winの取引ができるようにする「交渉力」などが求められます。

学びを正しく理解するためには、具体的にイメージできることが重要です。ビジネスゲームを体験し、場面、対応方法、考え方などを振り返ることで、講義やワークで学んだ

相互理解が深まってチームビルディングにつながる

チームビルディングとは、共通の目標に向かって連携し、各々が最適な行動を取れるチームづくりを指します。他者に対する心理的安全性が高いチーム、関係性が構築されたチームなどを指す場合もあります。

チームビルディングのプロセスは、心理学者のブルース・W・タックマンが提唱した「タックマンモデル」で示されています。形成期、混乱期、統一期を経て、機能期に至ることがチームビルディングと定義されており、なかでも混乱期を乗り越えることがキーポイントとなります。

チームビルディングにおいて混乱期を乗り越えるには、相互理解を深めることが必須となります。ビジネスゲームを体験し、価値観・考え方、行動特性などを知ることで相互理解が深まり、チームビルディングにつながります。

次回以降の研修が楽しみになる

ビジネスゲームは受講者にとって楽しい体験となり、研修に対する「退屈」、「つまらない」という印象を払拭させることで、次回以降の研修が楽しみになることが期待できます。ゲーム体験を通じて好奇心が刺激されます。また、他者との関わり合いを通じて主体的な行動につながります。それらによって「退屈」、「つまらない」という印象が払拭され、次回以降の研修が楽しみになることが期待できます。

受講者が研修を楽しいと感じる要素としては、下記が挙げられます。

  • 体験型ゲーム・アクティビティ
  • 業務で活かせる実践的な学び
  • 興味・関心があるテーマ
  • コミュニケーション
  • 心理的安全性

関連記事:楽しい新入社員研修を企画する方法や注意点を解説

研修でビジネスゲームを活用する際のポイント・注意点

以下では、研修でビジネスゲームを活用する際のポイントや注意点について紹介します。

研修を実施する目的やテーマを定める

まずは研修と実施する目的やテーマを決めます。たとえば、新入社員研修であれば、「経営理念やMVVの浸透」、「OJTによる業務スキルの習得」、「ビジネスパーソンに求められる基礎的なスキルの習得」、「同期との関係性構築」などが目的の例となります。また、「コミュニケーションスキル」、「ビジネスマナー」、「ロジカルシンキング」などが研修テーマとして挙げられます。

目的やテーマを定め、それに合わせて研修内容・プログラムを構築していきます。

受講者が主体的に取り組めるビジネスゲームを選ぶ

ビジネスゲーム自体の面白さや奥深さがないと、受講者の好奇心が刺激されず、主体的に取り組みにくくなる可能性があります。研修でビジネスゲームを活用する際は、受講者がゲーム性の高さや他者とのコミュニケーションなどを通じて面白味を感じ、熱中できるものを選ぶことが重要です。

「楽しかった」で終わらない研修設計にする

ビジネスゲームを活用することで受講者の好奇心を刺激し、楽しい体験や実践的な学びにつなげる効果的な手法といえますが、研修を通じて多くの知識を得ることには適していません。研修では到達目標に対して十分な知識・スキルを習得することが必須となるため、ビジネスゲーム活用では不足する点を講義やワークで補い、「楽しかった」で終わらない研修設計にすることが重要です。

受講者が没入できる工夫を取り入れる

ビジネスゲームは多くの人が没入できるように設計・構築されていますが、研修でゲームをおこなうことに対して懐疑的な受講者がいる可能性もあります。そのため、ゲームを体験することで得られる価値を研修講師が説明したり、ビジネスゲームのオープニングに演出を取り入れたりして、受講者が安心して取り組めるように工夫することが重要です。

研修におすすめのビジネスゲーム8

ビジネスゲームは新入社員研修・若手社員研修や、リーダー・管理職研修などのさまざまな階層を対象とした研修に適しています。また、ゲームを通じて相互理解を深め、コミュニケーションが促進されるため、チームビルディング効果もあります。研修の目的やテーマに応じて、適切なビジネスゲームを選択しましょう。

以下では、研修に適したビジネスゲーム8選を紹介します。

1.謎解き脱出ゲーム

グループ形式の「謎解き脱出ゲーム」を活用することで、コミュニケーションスキルにおける伝える力・聞く力を実践的に学べます。また、役割分担や助け合いによる連携を通じて、ビジネスコミュニケーションの基礎を実践することも可能です。

⇒謎解き脱出ゲームを活用した「コミュニケーション研修」の資料を受け取る

2.リアル探偵チームビルディング

グループ形式の推理ゲームである「リアル探偵チームビルディング」を活用することで、情報整理やロジックを組み上げていく思考を通じてロジカルシンキング(論理的思考力)を実践的に学ぶことができます。大グループと小グループを行き来し、推理を進めていくなかで、ロジカルシンキングを実践することが可能です。

⇒リアル探偵チームビルディングを活用した「ロジカルシンキング研修」の資料を受け取る

3.コンセンサスゲーム

「コンセンサスゲーム」を活用することで、合意形成のプロセスや大切さを実践的に学ぶことができます。ゲームを活用することで受講者の一人ひとりが主体的に意見を伝えることが促進され、初対面の方々でもスムーズに合意を得ることが可能です。

⇒コンセンサスゲームを活用した「合意形成研修」の資料を受け取る

4.ビジトレ

「ビジトレ」を活用することで、名刺交換、ビジネスメール、言葉遣い、報連相などのビジネスマナーの基礎を実践的に学ぶことができます。堅苦しくなりがちなビジネスマナー研修にゲームを取り入れることで、受講者が安心して学んだことをアウトプットできるようになります。

⇒ビジトレを活用した「ビジネスマナー研修」の資料を受け取る

5.グレートチーム

部下のマネジメントを疑似体験できる「グレートチーム」を活用することで、多様なリーダー像を知り、自分らしいリーダーシップの形を実践的に学ぶことができます。若手社員が体験することで様々なリーダー像を知り、上司の関係性構築に役立てたり、自身がリーダー・上司になった際に活用したりすることが可能です。

⇒グレートチームを活用した「リーダーシップ研修」の資料を受け取る

6.ロケットPDCAチャレンジ

数千通りの部品を組み合わせてロケットを飛ばす疑似体験ができる「ロケットPDCAチャレンジ」では、短いスパンでPDCAサイクルを回して改善することを実践的に学ぶことができます。また、ロケットを飛ばすために資金を稼ぐ必要があり、ビジネスの基礎についても実感することが可能です。

⇒ロケットPDCAチャレンジを活用した「PDCA研修」の資料を受け取る

7.混乱する捜査会議からの脱出

証拠品や証言を整理・分析する推理ゲームである「混乱する捜査会議からの脱出」を活用することで、クリティカルシンキング(批判的思考力)を実践的に学ぶことができます。また、グループでコミュニケーションを取る際に論理的にわかりやすく伝える必要があり、コミュニケーションスキルの向上にもつながります。

⇒混乱する捜査会議からの脱出を活用した「クリティカルシンキング研修」の資料を受け取る

8.ワールドリーダーズ

SDGs経営を疑似体験できる「ワールドリーダーズ」を活用し、SDGsに関する取り組みと利益を両立させることで、戦略的思考力を実践的に学ぶことができます。また、他グループとの交渉をおこなって利益の最大化を目指すことが必須となるため、交渉力も高めることが可能です。

⇒ワールドリーダーズを活用した「戦略思考研修」の資料を受け取る

まとめ

ビジネスゲームを実施することで、受講者が主体的に学ぶことを促し、知識・スキルを習得させることができます。ビジネスゲームが好奇心を刺激し、主体性を高め、実践的な学びを促進させます。講義・ワークと組み合わせ、効果的な研修を実施しましょう。

 

 

以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.合意形成研修

合意形成研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

⇒ 合意形成研修の資料を無料で受け取る

 

2.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。

学びのポイント

  • 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
  • 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

⇒ PDCA研修の資料を無料で受け取る

 

3.戦略思考研修

戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。

学びのポイント

  • 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
  • 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる

⇒ 戦略思考研修の資料を無料で受け取る

 

4.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

⇒ コミュニケーション研修の資料を無料で受け取る

 

5.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる

⇒ ロジカルシンキング研修の資料を無料で受け取る

 

6.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。

学びのポイント

  • 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
  • フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
  • 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

⇒ クリティカルシンキング研修の資料を無料で受け取る

 

7.リーダーシップ研修

リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。

学びのポイント

  • メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
  • 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる

⇒ リーダーシップ研修の資料を無料で受け取る

 

8.ビジネスマナー研修

ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。

学びのポイント

  • 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
  • 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる

⇒ ビジネスマナー研修の資料を無料で受け取る

 

9.防災研修

防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
  • 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ

⇒ 防災研修の資料を無料で受け取る

 

10.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

  • 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
  • ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

⇒ OODA LOOP研修の資料を無料で受け取る

 

⇒ その他の研修はこちら

⇒ お客様の声はこちら

この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

あそぶ社員研修は、企業の研修担当者向けのお役立ち情報を発信するメディアです。研修に関するノウハウ、組織・人材開発の手法、ビジネススキルなどをわかりやすく紹介します。

よく読まれている記事