楽しい研修とは?必要な5つの要素や企画する際の注意点を解説

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この記事の監修者
友水 一喜
株式会社IKUSA
あそぶ社員研修事業部 責任者

受講者が楽しいと感じられる研修を実施することで、「次回からの研修が楽しみになる」、「主体的に取り組むことで理解が促進される」などの効果が期待できます。

しかし、研修では受講者が知識・スキルを習得し、業務で実践できるようにすることも求められます。楽しく取り組める内容を研修に盛り込みつつ、学びを両立することで大切です。

本記事では、楽しい研修の概要、実施するメリット、楽しい研修の要素、企画する際のポイント・注意点を紹介します

 

 

楽しい研修とは

「楽しい」の対義語としては、「つまらない」、「退屈」、「苦しい」などが挙げられます。本記事では、「つまらない研修」、「退屈な研修」の対になる研修を「楽しい研修」と定義します

「つまらない」、「退屈」と感じる要因は受講者の一人ひとりが異なります。以下、主な要因をまとめて記載します。

【受講者が「つまらない」、「退屈」と感じる要因】

  • 研修で得られる学びが業務で役に立たない
  • 講義を聞く受け身の研修でモチベーションが上がらない
  • 研修テーマに対して興味や関心が持てない
  • 内容が難しくて講義だけでは理解できない
  • 上司や同僚との関係が希薄でエンゲージメントが低い

受講者が「楽しい」と感じる研修を実施するには、上記の要因を課題として捉え、それらを解決させる研修内容・設計にすることが重要です。具体的には、モチベーションや主体性がポイントになります。受講者のモチベーション・主体性が向上する研修内容・設計になっていれば、前のめりに楽しく研修に取り組むことを促せます。

楽しい研修にするための5つの要素

ここからは、楽しい研修にするための5つの要素について、それぞれ紹介します。楽しいと感じるために必要な要素は受講者によって異なりますが、5つの要素を網羅的に含めることで、多くの方々が「楽しい」と感じられる研修にすることができます。

体験型ゲーム・アクティビティ

1つ目の要素は、「体験型ゲーム・アクティビティ」です。体を動かしたり、頭を使ったりすることで好奇心が刺激され、研修に取り組むモチベーションや主体性が向上します。

業務で活かせる実践的な学び

2つ目の要素は、「業務で活かせる実践的な学び」です。研修で得られた知識やスキルが業務で活かせると、やりがいが感じられ、モチベーションや主体性の向上につながります。

興味・関心があるテーマ

3つ目の要素は、「興味・関心があるテーマ」です。受講者自身が興味・関心を持てる学びが得られる研修テーマであれば、モチベーションや主体性が向上します。

コミュニケーション

4つ目の要素は、「コミュニケーション」です。講師と受講者・受講者同士がコミュニケーションを取ることで、双方向性が生まれ、受講者のモチベーションや主体性の向上につながります。

心理的安全性

5つ目の要素は、「心理的安全性」です。心理的安全性とは、安心して居られる精神状態を指します。心理的安全性が高いと、受講者が安心して主体的に研修に取り組むことができます。

楽しい研修を実施する目的・メリット

以下では、楽しい研修を実施する目的や期待できるメリットについて紹介します。

研修に対する退屈なイメージを払拭する

楽しい研修を実施することで、受講者が潜在的に持っている研修に対する退屈なイメージを払拭させることにつながります。

研修を実施する際には、受講者のモチベーションや主体性が高い状態で、意欲的・主体的に学ぶ状態にすることが重要です。しかし、受講者が研修に対して「つまらない」、「退屈」というイメージを持っていると、モチベーションや主体性が高まりにくくなります。

モチベーションや主体性を高めて行動変容につなげる

先述の通り、楽しい研修にするための要素を含めることで、受講者の研修に対するモチベーションや主体性が高まります。モチベーションや主体性が高い状態で受講者が研修に臨むことで、学びが深まり、行動変容につながります。

受講者が研修に対して意欲的・主体的であれば、得られた知識やスキルを定着させ、業務で活用することを促せるため、行動変容につながります

関係性の構築・チームビルディング

楽しい研修にするためにはコミュニケーションが重要となり、受講者同士の関係性の構築やチームビルディングにつなげることができます。

関係性を構築するには、自己開示を通じて相互理解を深め、互いに心理的安全性が高い状態をつくることが必要です。そのようにして関係性が構築されると、他者に対する貢献意欲が高まったり、コミュニケーションの促進により連携が強化されたりして、チームビルディングにつながります

楽しい研修を企画する際のポイント・注意点

以下では、楽しい研修を企画するために重要となるポイントや注意点を紹介します。

研修テーマを設定する

研修を実施する際には、受講者に習得してもらいたい知識・スキルに応じて、研修テーマを設定します。たとえば、新入社員研修であれば、経営理念やMVVの浸透、OJT(業務スキルの習得)、ビジネスマナー、コミュニケーション能力、PCスキルなどが研修テーマの候補となります。

また、研修を実施する根本的な目的を設定することも重要です。たとえば、「新入社員のオンボーディングを促進させる」、「新入社員の同期との関係性を構築させる」などが挙げられます。目的は複数あっても問題ありません。研修を実施する目的を網羅的に整理し、適切な内容での研修実施や、効果測定・効果検証、改善などにつなげることが大切です。

研修テーマに合う体験型ゲームやアクティビティを取り入れる

楽しい研修にするためには、体験型ゲーム・アクティビティを研修に取り入れることが重要です。体験型ゲームやアクティビティを取り入れることで、受講者が自分で考えて行動・発言したり、他者とのコミュニケーションを取ったりすることができるため、主体性が発揮されるようになり、楽しいと感じられるようになります。

楽しい研修にするために体験型ゲームやアクティビティを選ぶ際に重要なポイントとなるのは、「受講者が没入して取り組めること」、「グループで取り組めること」、「研修テーマに関連付けられていること」の3点です。体験型ゲームやアクティビティを取り入れる主な目的・メリットは、受講者の主体性を高め、研修に対して前のめりに取り組むように促すこととなります。そのため、グループでコミュニケーションを取りながら没入して取り組むことができ、研修自体の学びを深められることが重要です。

柔軟に研修期間を定める

1つのまとまりとしての研修は、半日型(34時間程度)、1日型(68時間程度)、宿泊型(23日程度)に分けられます。また、たとえば新入社員研修であれば、入社後の12週間に集中的に研修をおこなった後、1年間を通して月に1回のフォローアップ研修をおこなうパターンもあります。研修の対象者に習得してもらいたい知識・スキルや研修実施の目的に応じて、研修テーマをリストアップし、柔軟に研修期間を定めることが大切です。

研修期間が長いほど、研修が楽しいと感じられるように工夫することが大切です。受講者が次回の研修を楽しみにするようになれば、研修に対するモチベーションが向上し、研修実施による効果を高めることにつながります。

体験型ゲーム・アクティビティの進行を講師がおこなう

体験型ゲームやアクティビティの進行については、講師がおこなう形にすることがおすすめです。体験型ゲームやアクティビティの進行を講師がおこなうことで、講義の内容に基づいたアドバイスや振り返りでのフォローができるため、受講者が研修を通じて学びを深めることにつながります。

研修講師の手配は、フリーランスの研修講師に打診する方法と、研修会社に依頼して手配してもらう方法があります。しかし、体験型ゲームやアクティビティの進行を担当した研修講師の手配が難しい場合もあります。IKUSAでは、研修講師が体験型ゲームやアクティビティの進行をおこない、研修全体をブリッジさせた研修の実施が可能です。

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研修講師が講義をおこなう

楽しい研修を企画する際にも、研修講師が一連の進行を担当し、講義をおこなうことが重要です。研修に楽しさの要素を加える場合も、研修実施の目的は知識やスキルの習得をはじめとしたインプットが主体となります。研修講師は受講者に教えるスキルが高く、受講者の学びを深めるために必須となります。楽しい研修に振り切るのではなく、楽しさを活かして研修効果を高めるように工夫することが大切です。

研修期間内に懇親会を取り入れる

研修自体が楽しい体験となるためには、楽しい時間を過ごせるように研修プログラムを作成することが重要です。懇親会は同期や先輩社員を含む同僚とのコミュニケーションを取り、関係性を構築する機会となります。また、一緒に研修を受講する方々との関係性が構築され、心理的安全性が高いということも楽しいと感じるための重要な要素をなります。

懇親会を実施するタイミングは、1日研修の合間となる昼食時か、研修終了後の夕食時が適しています。食事を取りながら会話をすることで、リラックスして交流し、関係性の構築を促すことができます。

まとめ

楽しい研修を実施することで、「つまらない」、「退屈」というイメージを払拭させ、モチベーションや主体性の向上、行動変容、チームビルディングなどにつながります。

楽しい研修の実施については、ぜひIKUSAにご相談ください。

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.合意形成研修

合意形成研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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2.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。

学びのポイント

  • 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
  • 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

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3.戦略思考研修

戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。

学びのポイント

  • 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
  • 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる

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4.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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5.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる

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6.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。

学びのポイント

  • 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
  • フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
  • 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

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7.リーダーシップ研修

リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。

学びのポイント

  • メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
  • 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる

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8.ビジネスマナー研修

ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。

学びのポイント

  • 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
  • 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる

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9.防災研修

防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
  • 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ

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10.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

  • 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
  • ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

あそぶ社員研修は、企業の研修担当者向けのお役立ち情報を発信するメディアです。研修に関するノウハウ、組織・人材開発の手法、ビジネススキルなどをわかりやすく紹介します。

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